最近EDH人口が増えていると聞いて 5
2014年7月29日 EDH環境考察 コメント (2)これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価(カード1枚が5桁いかない程度)なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第5回は、「デッキのサーチカード」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築1 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134
3-2:ジェネラルから始める構築2 http://kakkokari.diarynote.jp/201407080715182673/
4:デッキのマナ・ベース http://kakkokari.diarynote.jp/201407172044061306
とは言っても、この辺は大体第1回の「サーチのしやすさ」の項で書いちゃってるからおさらい的な感じで簡単に。
☆サーチの重要性
サーチカードの価値は、大まかに言って
1・単純にコンボパーツの水増しになる
2・複数引いても意味のないパーツの重ね引きを事前に防止する
3・勝ち手段でありながら、勝ち手段以外のカードを手に入れられる
この辺り。
・1について
ハイランダーの場合、同じカードを4積み出来ないし、デッキは99枚なのでコンボを揃えにくい。擬似的に複数枚積んでいるような形に出来るサーチは、迅速にコンボを揃える目的に有効だ。
・2について
また、コンボによっては似た効果の別カードがあるおかげで複数パーツを積めるものがある。(例:《やっかい児/Pestermite》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》、《欠片の双子/Splinter Twin》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》)
しかし、例えば例に挙げた4枚を投入しているデッキの場合、やっかい児と詐欺師の総督を揃えても意味がない。代わりにその内の2枚、欠片の双子とやっかい児を《森の教示者/Sylvan Tutor》《俗世の教示者/Worldly Tutor》に変えれば、4枚の内どの2枚の組み合わせが来てもコンボを決める体制を揃える事が出来る。
・3について
上で挙げていた双子コンボの例だと、例えばデッキに《再利用の賢者/Reclamation Sage》や《月の大魔術師/Magus of the Moon》、《ジェイスの文書管理人/Jace’s Archivist》などを入れておけば、自分がまだ勝ちに行けない状況で緑チューターを引いた場合でも、対戦相手のコンボ阻止や妨害、アドバンテージ稼ぎなど、代わりにやっかい児や欠片の双子を引いていたならば出来なかったであろう柔軟な動きを実現できる。
☆サーチとコンボの基準
コンボパーツは、可能ならば同じパーマネントタイプで揃える方が望ましい。
なぜならば、黒以外の各色はサーチの得意不得意があるからだ。
また同じ例になるが、《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》と《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》、あるいは《欠片の双子/Splinter Twin》コンボの場合。
キキジキを採用している場合は《俗世の教示者/Worldly Tutor》などのクリーチャーサーチで総督もキキジキもサーチ出来るので、どちらか片方ある状況でサーチを引けばコンボを揃える事が出来る。
しかし欠片の双子を採用している場合は、総督が手札にある状態で《俗世の教示者/Worldly Tutor》を引いた場合、欠片の双子をサーチ出来ない。逆に欠片の双子がある状態で《悟りの教示者/Enlightened Tutor》を引いた場合も同様だ。
なので、コンボのパーツは可能な限りタイプを統一し、また、サーチも(上で書いたように、色によってサーチの得意不得意があるので、つまり「色も」という意味だ)それに合わせる必要がある。
☆色ごとの得意なサーチ
おさらいになるが、色ごとの得意サーチと代表的なカード例を書く。
カッコ書きのものは、ごく少数だが実戦的なレベルのものがある、または主流からは一段落ちるが存在する、というもの。デッキを決める基準にはなれないが、他の色と組んだ時や、1枚でも多くサーチが欲しい時に役立つだろう。
・白
エンチャント《牧歌的な教示者/Idyllic Tutor》
装備品《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
(アーティファクト《悟りの教示者/Enlightened Tutor》)
・青
ソーサリー《親身の教示者/Personal Tutor》
アーティファクト《加工/Fabricate》
(インスタント《神秘の教示者/Mystical Tutor》)
(マナコスト限定《トレイリア西部/Tolaria West》)
・黒
万能《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
墓地《納墓/Entomb》
・赤
ゴブリン《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
(万能《ギャンブル/Gamble》)
・緑
クリーチャー《俗世の教示者/Worldly Tutor》
土地《輪作/Crop Rotation》
これを基準にして、色に合った勝ち筋を選んだり、逆に勝ち筋に合わせた色選択をするとよいだろう。
なお、黒はカードタイプを選ばない万能サーチを複数枚、実践的なレベルで有する。「サーチが足りないかな?」と思った時のもっとも簡単な強化手段は、デッキに黒を足す事であろう。
☆サーチの噛み合わせ
サーチカードでサーチカードを持って来る事により、遠回りではあるが擬似的にデッキ内のサーチカードの枚数を増やす事も出来る。
代表的な所だと、《神秘の教示者/Mystical Tutor》で各種チューターを持ってくる動きだろう。例えば青緑のデッキでコンボパーツがすべてクリーチャーであっても、神秘の教示者は俗世の教示者に繋がるのでサーチカードになり得る。
その上で、《神秘の教示者/Mystical Tutor》は手札が足りない時にドロースペルを持って来たり、大ピンチにカウンターや除去インスタントを持って来たりという使い方も出来るため、より無駄になりにくい。
このような動きはアドバンテージ面やテンポ面で損になる副作用が伴うが、デッキの柔軟性が増す点で優秀である。
☆次回予告
次回は5.5回として、実践的な範囲でのサーチカード例を具体的に挙げていきたい。
第5回は、「デッキのサーチカード」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築1 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134
3-2:ジェネラルから始める構築2 http://kakkokari.diarynote.jp/201407080715182673/
4:デッキのマナ・ベース http://kakkokari.diarynote.jp/201407172044061306
とは言っても、この辺は大体第1回の「サーチのしやすさ」の項で書いちゃってるからおさらい的な感じで簡単に。
☆サーチの重要性
サーチカードの価値は、大まかに言って
1・単純にコンボパーツの水増しになる
2・複数引いても意味のないパーツの重ね引きを事前に防止する
3・勝ち手段でありながら、勝ち手段以外のカードを手に入れられる
この辺り。
・1について
ハイランダーの場合、同じカードを4積み出来ないし、デッキは99枚なのでコンボを揃えにくい。擬似的に複数枚積んでいるような形に出来るサーチは、迅速にコンボを揃える目的に有効だ。
・2について
また、コンボによっては似た効果の別カードがあるおかげで複数パーツを積めるものがある。(例:《やっかい児/Pestermite》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》、《欠片の双子/Splinter Twin》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》)
しかし、例えば例に挙げた4枚を投入しているデッキの場合、やっかい児と詐欺師の総督を揃えても意味がない。代わりにその内の2枚、欠片の双子とやっかい児を《森の教示者/Sylvan Tutor》《俗世の教示者/Worldly Tutor》に変えれば、4枚の内どの2枚の組み合わせが来てもコンボを決める体制を揃える事が出来る。
・3について
上で挙げていた双子コンボの例だと、例えばデッキに《再利用の賢者/Reclamation Sage》や《月の大魔術師/Magus of the Moon》、《ジェイスの文書管理人/Jace’s Archivist》などを入れておけば、自分がまだ勝ちに行けない状況で緑チューターを引いた場合でも、対戦相手のコンボ阻止や妨害、アドバンテージ稼ぎなど、代わりにやっかい児や欠片の双子を引いていたならば出来なかったであろう柔軟な動きを実現できる。
☆サーチとコンボの基準
コンボパーツは、可能ならば同じパーマネントタイプで揃える方が望ましい。
なぜならば、黒以外の各色はサーチの得意不得意があるからだ。
また同じ例になるが、《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》と《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》、あるいは《欠片の双子/Splinter Twin》コンボの場合。
キキジキを採用している場合は《俗世の教示者/Worldly Tutor》などのクリーチャーサーチで総督もキキジキもサーチ出来るので、どちらか片方ある状況でサーチを引けばコンボを揃える事が出来る。
しかし欠片の双子を採用している場合は、総督が手札にある状態で《俗世の教示者/Worldly Tutor》を引いた場合、欠片の双子をサーチ出来ない。逆に欠片の双子がある状態で《悟りの教示者/Enlightened Tutor》を引いた場合も同様だ。
なので、コンボのパーツは可能な限りタイプを統一し、また、サーチも(上で書いたように、色によってサーチの得意不得意があるので、つまり「色も」という意味だ)それに合わせる必要がある。
☆色ごとの得意なサーチ
おさらいになるが、色ごとの得意サーチと代表的なカード例を書く。
カッコ書きのものは、ごく少数だが実戦的なレベルのものがある、または主流からは一段落ちるが存在する、というもの。デッキを決める基準にはなれないが、他の色と組んだ時や、1枚でも多くサーチが欲しい時に役立つだろう。
・白
エンチャント《牧歌的な教示者/Idyllic Tutor》
装備品《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
(アーティファクト《悟りの教示者/Enlightened Tutor》)
・青
ソーサリー《親身の教示者/Personal Tutor》
アーティファクト《加工/Fabricate》
(インスタント《神秘の教示者/Mystical Tutor》)
(マナコスト限定《トレイリア西部/Tolaria West》)
・黒
万能《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
墓地《納墓/Entomb》
・赤
ゴブリン《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
(万能《ギャンブル/Gamble》)
・緑
クリーチャー《俗世の教示者/Worldly Tutor》
土地《輪作/Crop Rotation》
これを基準にして、色に合った勝ち筋を選んだり、逆に勝ち筋に合わせた色選択をするとよいだろう。
なお、黒はカードタイプを選ばない万能サーチを複数枚、実践的なレベルで有する。「サーチが足りないかな?」と思った時のもっとも簡単な強化手段は、デッキに黒を足す事であろう。
☆サーチの噛み合わせ
サーチカードでサーチカードを持って来る事により、遠回りではあるが擬似的にデッキ内のサーチカードの枚数を増やす事も出来る。
代表的な所だと、《神秘の教示者/Mystical Tutor》で各種チューターを持ってくる動きだろう。例えば青緑のデッキでコンボパーツがすべてクリーチャーであっても、神秘の教示者は俗世の教示者に繋がるのでサーチカードになり得る。
その上で、《神秘の教示者/Mystical Tutor》は手札が足りない時にドロースペルを持って来たり、大ピンチにカウンターや除去インスタントを持って来たりという使い方も出来るため、より無駄になりにくい。
このような動きはアドバンテージ面やテンポ面で損になる副作用が伴うが、デッキの柔軟性が増す点で優秀である。
☆次回予告
次回は5.5回として、実践的な範囲でのサーチカード例を具体的に挙げていきたい。
最近EDH人口が増えていると聞いて 4
2014年7月17日 EDH環境考察 コメント (4)これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価(カード1枚が5桁いかない程度)なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第4回は、「デッキのマナベース」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築1 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134
3-2:ジェネラルから始める構築2 http://kakkokari.diarynote.jp/201407080715182673/
前回までで、ジェネラルと、デッキが目指すべき勝ち筋が決まった。
という訳で、今回から実際にデッキ構築を行う際のカード選択について書いていく事にする。
予定では「サーチ・ドロー・マナ加速」についてであったが、全部まとめるとまた異常に長い記事になってしまうので、数回に分割する。
まずはデッキの背骨である「マナベース・マナ加速」について。
☆土地
◎枚数
土地の枚数は30~35枚程度がオススメ。
良く見る「ガチデッキ」に比べると2~3枚程度多い水準である。
これは、価格の関係で0マナの強力な加速である《Mana Crypt》を投入できない事が理由で、「絶対に《Mana Crypt》を引けない」だけではなく、「サーチで《Mana Crypt》を持ってくる選択肢が存在しない」ので、毎ターンの土地セットでしっかり加速していく事の重要性が高いためだ。
《Mana Crypt》が手に入ったのなら、28~33枚程度まで土地を減らしてもマナスクリューの頻度はそれほど変わらないだろう。
◎カード選択
平均で見ても4~5ターン目程度で勝ち筋をめぐる大きな攻防戦が始まるEDH。
1ターンの価値は非常に大きいので、1ターンの遅れを持つタップインランドは出来る限り排除したい。沢山の色を出せるタップインよりも、色が少なくてもアンタップインの土地を優先する事。
同じような理由で、2マナを一度に出せる土地は実質1ターン縮めただけの効果があるので強い。使いにくい所が揃うが、《古えの墳墓/Ancient Tomb》はどの色でもかなり使い勝手がよいのでオススメ。
また、特に3色以上の場合、基本土地の価値は高めに見ておくといい。
強力な妨害として良く見かける《血染めの月/Blood Moon》や《基本に帰れ/Back to Basics》で機能不全になる事を防げるのは意外と大きい。
単色でも、特殊地形を増やし過ぎるとこれらの妨害に引っかかる可能性があるので、色に余裕があるからと色々な能力を持つ特殊地形を大量投入する事はお勧めできない。
◎具体例
3色デッキだから、色の合う所でフェッチとデュアルランドとショックランドを全部詰めて……ってやって枠の半分が埋まるのは予算に余裕がある場合の話。
これまたコンセプトの関係で、デュアルランド・フェッチランドの一部高額なカードが投入できないため、一般のガチデッキとは少々異なってくる。
・フェッチランド、ショックランド
青がらみでなければ5000円前後で購入出来るのでそれらを投入。ショックランドは2000円程度なのでフル投入。フォーマット的に、デュアランと比べた時の2ライフがレガシーなどと比べて非常に軽いのはありがたい。
フェッチランドは、どの色でも使える優秀ドローカード《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》と相性がいいばかりではなく、ショックランドとの組み合わせにより、単体で使っても「最初の1回は確実に望む色の出せる土地」的に扱える。
ただ、価格的にデュアルランドがまともに使えないのでフェッチとショックの引きによっては「その色の2枚目が欲しい」が通らない場合があるのは注意。
上記の通り、独楽や巻物棚、一部のドロースペルと相性がいいので、単色でも可能ならばフェッチランドの投入をお勧めする。どちらにしろ最大4枚しか入れられないので、特殊地形対策の影響も小さい。
・5色土地
2色土地よりもデメリットの大きい5色土地。しかしアンタップインならば、例え2色デッキでも下手なタップイン2色土地よりも優秀だ。
《統率の塔/Command Tower》《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》《真鍮の都/City of Brass》《マナの合流点/Mana Confluence》《反射池/Reflecting Pool》辺りは取りあえず突っ込んでおくだけでも色安定においてデメリット以上のメリットを提供してくれるだろう。
もしもダブルシンボル多めの3色デッキなど、色安定が不安なデッキなら、それに加えて《宝石鉱山/Gemstone Mine》《色あせた城塞/Tarnished Citadel》などの選択肢もある。
他にも条件付きの多色土地(《空僻地/Glimmervoid》《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》など)もあるので、デッキ相性などを見ながら検討したい。
・2色土地
ダメージランド、M10ランド、ハイブリッドランドなどが、どの色組み合わせにも存在する代表的な所。
また、フィルターランド、ミラ傷ランドは友好色にしか存在しないが中々いい仕事をする。特にフィルターランドは無色を有色に変換出来る点で非常に優秀である。
あとは未来予知の独自土地(《雨雲の迷路/Nimbus Maze》など)、トーメンとの”汚れた”ランドなど、便利な土地が色ごとにいくつかある。それらも可能ならば投入したい。
・多マナ土地
1枚の土地で複数マナを出す事は、テンポ面で有利を取ると共に実質的なアドバンテージにもつながるので、デッキコンセプトに合うのなら、是非とも投入したい。
癖のない《古えの墳墓/Ancient Tomb》、確実性に欠けテンポ面でしか有利は取れないが嵌ると序盤戦が大きく有利になる《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》あたりは何も考えずに投入してもそれなりの仕事をする。
安定したマナ提供に条件がある《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》《セラの聖域/Serra’s Sanctum》《裏切り者の都/City of Traitors》、タップインという大きなリスクを背負ったマスクスの枯渇ランドなども、デッキ相性によっては十分な強さを発揮してくれるだろう。
・基本土地
カード選択の項でも書いたが、基本土地はそれだけで色々な特典がある。
アンタップインで有色マナを発生させる事が出来、基本土地参照のメリットを持つカードが多く存在し、特殊地形を狙い撃ちにするカードの悪影響を躱す事が出来る、とメリット揃いだ。
欠点は「1色のマナしか出せないので多色だと事故の可能性がある」という事くらい。2色以下なら基本地形を中心にデッキを組んだ方がいいくらい。
無茶な色拘束のカードを投入しないなら、単色なら8~9割程、2色なら半分程を基本土地にしても十分デッキは回る。
・無色土地
無色土地は、基本的に「無色しか生み出せない代わり、有用な特殊能力を持つ」土地だ。
しかし上で説明した通り、基本土地が強いので色に余裕があるからと言って便利そうなものを次々突っ込んでいってもマイナス面の方が大きい。
デッキが明確に苦手とするカードに対抗する目的がある・可能な限り枠を潰さずにデッキに増やしたい要素がある場合に限り、0~3枚程度に抑えるのが無難だろう。
《家路/Homeward Path》《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》《露天鉱床/Strip Mine》《高級市場/High Market》《さびれた寺院/Deserted Temple》辺りが代表例だろうか。
他の土地と同じくタップインは大きなデメリットなので、《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》などを投入する際にはその辺も鑑みたい。
(とは言え頭の間が入るデッキはジェネラルに速攻を付与したいものがほとんどで、そういうデッキの速攻にはタップインによる1ターンの遅れ以上の価値があるのだが)
☆マナ加速
◎枚数
土地以外のマナ加速要素は、(当然デッキ内の他のカードの重さによって変わるが)15~20枚程度がオススメ。
これくらいあれば、序盤戦である1~3ターン目に高確率で手札に入ってくるはず。序盤の加速は特に重要なので、これくらいは欲しい。
◎カード選択
・アーティファクト
ゲームの佳境が4~6ターン目くらいにある点から、序盤の加速を重要視したいので、マナ加速のほとんどは2マナ以下の物にするのが望ましい。
また、召喚酔いに影響されないアーティファクトの場合、アンタップインである事が望ましい。アンタップインなら、キャストしたターンに使えるマナの減少量を抑える事が出来る。(例:土地2枚タップで《精神石/Mind Stone》キャストなら1マナ使えるのでマイナス1マナ。《星のコンパス/Star Compass》だとマナが使えないのでマイナス2マナ)
3マナ以上の重めの加速は、そもそも枚数を控えめにすべきである。入れるにしても、複数マナを生みだして実質アドカードとなったり、他の用途も期待出来たり、コンボパーツだったりといった、プラスアルファの要素が欲しい。
・クリーチャー
召喚酔いに影響されるクリーチャーの場合はキャスティングコスト分がそのままそのターンのテンポ損になるので、アーティファクトより基準を厳しく1マナ以下を中心に。
2マナ以上に関しては、アーティファクトの3マナ以上と同じように評価基準を設けたい。
・エンチャント
《繁茂/Wild Growth》のように土地に付けるエンチャントは、対象によっては実質キャストしたターンにマナを生み出す事が出来るのでアーティファクトと同等程度に評価できる。2マナ以下は優秀なので積極的に採用してよいだろう。
デッキによっては土地アンタップのシナジーが入り得る事があり、その場合にはアーティファクトを超える評価となる。
・マナランプ
《不屈の自然/Rampant Growth》のようなカード。
これもまたアーティファクトと同様の評価で、2マナ以下、アンタップインを高く見る。
3マナ以上も同様に、採用する場合にはアド源などとなる事を望まれる。
・一時的なマナ加速
《暗黒の儀式/Dark Ritual》のような手札からの使いきりとなるカード。
使いきりのインスタント・ソーサリーであるため、テンポは得られるが必然的にアドバンテージを失うし、先置きも出来ない。
特殊な部類のカードであるが、テンポが重要なEDHにおいては頼りがいのあるタイミングも少なくない。
ただし、書いている通り、実際にマナを使うタイミングまで先置き出来ず、次ターン以降もマナが増える訳ではないのでその後の動きも安定しない。それゆえデッキのマナ加速の中心に据える事は出来ないので注意。
◎具体例
替えの利かない優秀カードは《Mana Crypt》くらいなので、お財布に物を言わせたデッキ相手にも比較的同等に戦える部類。
しかしの《Mana Crypt》1枚の差がかなり大きい。通常よりもより強く「軽いマナ加速」を意識したカードを投入した方がよいだろう。
また、アーティファクト以外のマナ加速は基本緑固有の物。緑を含まない場合はアーティファクトに頼る事になる。
ここではより幅広いデッキに転用できるよう、アーティファクトを中心に提示する。
緑系(および一時的加速を持つ赤・黒系)は参考程度に各種数枚提示するので、デッキタイプに合わせる形で必要に応じた加速を加えるとよいだろう。
・アーティファクト
0マナ:《水蓮の花びら/Lotus Petal》《Jeweled Amulet》各種モックス
1マナ:《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《通電式キー/Voltaic Key》
2マナ:各種タリスマン、各種印鑑、《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》《友なる石/Fellwar Stone》《精神石/Mind Stone》《虹色のレンズ/Prismatic Lens》《厳かなモノリス/Grim Monolith》
3マナ以上:《彫り込み鋼/Sculpting Steel》《スランの発電機/Thran Dynamo》《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
主要な所はこのくらいか。これだけで、最低基準となる2マナ以下の加速15枚を賄える。
《通電式キー/Voltaic Key》《彫り込み鋼/Sculpting Steel》は他のカードと組み合わせる形で実質マナ加速に変えられる。
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》は実質2マナでの運用が中心となるカード。
3マナ以上は他にも色々あるのでデッキタイプに合わせて選択してください。
・その他(緑系)
1マナ:《極楽鳥/Birds of Paradise》《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》《東屋のエルフ/Arbor Elf》《明日への探索/Search for Tomorrow》《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》《繁茂/Wild Growth》
2マナ:《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》《花を手入れする者/Bloom Tender》《自然の知識/Nature’s Lore》《肥沃な大地/Fertile Ground》
3マナ以上:《耕作/Cultivate》《はびこり/Overgrowth》《夜明けの反射/Dawn’s Reflection》
《明日への探索/Search for Tomorrow》は待機により1マナでマナ加速を行える。
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》は《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》をX=0でサーチする事により1マナの加速として扱える。
・その他(赤黒系)
《暗黒の儀式/Dark Ritual》《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》《汚物の雨/Rain of Filth》
《煮えたぎる歌/Seething Song》《炎の儀式/Rite of Flame》《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
強力だが、通常のマナ加速や土地を削りすぎるとデッキが機能不全に陥る事がある。ご利用は計画的に。
☆次回予告
これでデッキのマナベースに関する説明はおしまい。
自分の提示した基準を基に土地とマナ加速をデッキに投入すると、大体50枚くらいになる。
これはデッキの約半分に届く数だが、重いカードもある程度使わざるを得ないEDHでスムーズにデッキを動かすためには、これくらい強固なマナベースが欲しい。
レガシーのように、0~2マナのカードでデッキ内のスペルの7割を埋める事は不可能なのだ。
次回は「サーチカード」について書いていく予定。
第4回は、「デッキのマナベース」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築1 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134
3-2:ジェネラルから始める構築2 http://kakkokari.diarynote.jp/201407080715182673/
前回までで、ジェネラルと、デッキが目指すべき勝ち筋が決まった。
という訳で、今回から実際にデッキ構築を行う際のカード選択について書いていく事にする。
予定では「サーチ・ドロー・マナ加速」についてであったが、全部まとめるとまた異常に長い記事になってしまうので、数回に分割する。
まずはデッキの背骨である「マナベース・マナ加速」について。
☆土地
◎枚数
土地の枚数は30~35枚程度がオススメ。
良く見る「ガチデッキ」に比べると2~3枚程度多い水準である。
これは、価格の関係で0マナの強力な加速である《Mana Crypt》を投入できない事が理由で、「絶対に《Mana Crypt》を引けない」だけではなく、「サーチで《Mana Crypt》を持ってくる選択肢が存在しない」ので、毎ターンの土地セットでしっかり加速していく事の重要性が高いためだ。
《Mana Crypt》が手に入ったのなら、28~33枚程度まで土地を減らしてもマナスクリューの頻度はそれほど変わらないだろう。
◎カード選択
平均で見ても4~5ターン目程度で勝ち筋をめぐる大きな攻防戦が始まるEDH。
1ターンの価値は非常に大きいので、1ターンの遅れを持つタップインランドは出来る限り排除したい。沢山の色を出せるタップインよりも、色が少なくてもアンタップインの土地を優先する事。
同じような理由で、2マナを一度に出せる土地は実質1ターン縮めただけの効果があるので強い。使いにくい所が揃うが、《古えの墳墓/Ancient Tomb》はどの色でもかなり使い勝手がよいのでオススメ。
また、特に3色以上の場合、基本土地の価値は高めに見ておくといい。
強力な妨害として良く見かける《血染めの月/Blood Moon》や《基本に帰れ/Back to Basics》で機能不全になる事を防げるのは意外と大きい。
単色でも、特殊地形を増やし過ぎるとこれらの妨害に引っかかる可能性があるので、色に余裕があるからと色々な能力を持つ特殊地形を大量投入する事はお勧めできない。
◎具体例
3色デッキだから、色の合う所でフェッチとデュアルランドとショックランドを全部詰めて……ってやって枠の半分が埋まるのは予算に余裕がある場合の話。
これまたコンセプトの関係で、デュアルランド・フェッチランドの一部高額なカードが投入できないため、一般のガチデッキとは少々異なってくる。
・フェッチランド、ショックランド
青がらみでなければ5000円前後で購入出来るのでそれらを投入。ショックランドは2000円程度なのでフル投入。フォーマット的に、デュアランと比べた時の2ライフがレガシーなどと比べて非常に軽いのはありがたい。
フェッチランドは、どの色でも使える優秀ドローカード《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》と相性がいいばかりではなく、ショックランドとの組み合わせにより、単体で使っても「最初の1回は確実に望む色の出せる土地」的に扱える。
ただ、価格的にデュアルランドがまともに使えないのでフェッチとショックの引きによっては「その色の2枚目が欲しい」が通らない場合があるのは注意。
上記の通り、独楽や巻物棚、一部のドロースペルと相性がいいので、単色でも可能ならばフェッチランドの投入をお勧めする。どちらにしろ最大4枚しか入れられないので、特殊地形対策の影響も小さい。
・5色土地
2色土地よりもデメリットの大きい5色土地。しかしアンタップインならば、例え2色デッキでも下手なタップイン2色土地よりも優秀だ。
《統率の塔/Command Tower》《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》《真鍮の都/City of Brass》《マナの合流点/Mana Confluence》《反射池/Reflecting Pool》辺りは取りあえず突っ込んでおくだけでも色安定においてデメリット以上のメリットを提供してくれるだろう。
もしもダブルシンボル多めの3色デッキなど、色安定が不安なデッキなら、それに加えて《宝石鉱山/Gemstone Mine》《色あせた城塞/Tarnished Citadel》などの選択肢もある。
他にも条件付きの多色土地(《空僻地/Glimmervoid》《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》など)もあるので、デッキ相性などを見ながら検討したい。
・2色土地
ダメージランド、M10ランド、ハイブリッドランドなどが、どの色組み合わせにも存在する代表的な所。
また、フィルターランド、ミラ傷ランドは友好色にしか存在しないが中々いい仕事をする。特にフィルターランドは無色を有色に変換出来る点で非常に優秀である。
あとは未来予知の独自土地(《雨雲の迷路/Nimbus Maze》など)、トーメンとの”汚れた”ランドなど、便利な土地が色ごとにいくつかある。それらも可能ならば投入したい。
・多マナ土地
1枚の土地で複数マナを出す事は、テンポ面で有利を取ると共に実質的なアドバンテージにもつながるので、デッキコンセプトに合うのなら、是非とも投入したい。
癖のない《古えの墳墓/Ancient Tomb》、確実性に欠けテンポ面でしか有利は取れないが嵌ると序盤戦が大きく有利になる《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》あたりは何も考えずに投入してもそれなりの仕事をする。
安定したマナ提供に条件がある《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》《セラの聖域/Serra’s Sanctum》《裏切り者の都/City of Traitors》、タップインという大きなリスクを背負ったマスクスの枯渇ランドなども、デッキ相性によっては十分な強さを発揮してくれるだろう。
・基本土地
カード選択の項でも書いたが、基本土地はそれだけで色々な特典がある。
アンタップインで有色マナを発生させる事が出来、基本土地参照のメリットを持つカードが多く存在し、特殊地形を狙い撃ちにするカードの悪影響を躱す事が出来る、とメリット揃いだ。
欠点は「1色のマナしか出せないので多色だと事故の可能性がある」という事くらい。2色以下なら基本地形を中心にデッキを組んだ方がいいくらい。
無茶な色拘束のカードを投入しないなら、単色なら8~9割程、2色なら半分程を基本土地にしても十分デッキは回る。
・無色土地
無色土地は、基本的に「無色しか生み出せない代わり、有用な特殊能力を持つ」土地だ。
しかし上で説明した通り、基本土地が強いので色に余裕があるからと言って便利そうなものを次々突っ込んでいってもマイナス面の方が大きい。
デッキが明確に苦手とするカードに対抗する目的がある・可能な限り枠を潰さずにデッキに増やしたい要素がある場合に限り、0~3枚程度に抑えるのが無難だろう。
《家路/Homeward Path》《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》《露天鉱床/Strip Mine》《高級市場/High Market》《さびれた寺院/Deserted Temple》辺りが代表例だろうか。
他の土地と同じくタップインは大きなデメリットなので、《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》などを投入する際にはその辺も鑑みたい。
(とは言え頭の間が入るデッキはジェネラルに速攻を付与したいものがほとんどで、そういうデッキの速攻にはタップインによる1ターンの遅れ以上の価値があるのだが)
☆マナ加速
◎枚数
土地以外のマナ加速要素は、(当然デッキ内の他のカードの重さによって変わるが)15~20枚程度がオススメ。
これくらいあれば、序盤戦である1~3ターン目に高確率で手札に入ってくるはず。序盤の加速は特に重要なので、これくらいは欲しい。
◎カード選択
・アーティファクト
ゲームの佳境が4~6ターン目くらいにある点から、序盤の加速を重要視したいので、マナ加速のほとんどは2マナ以下の物にするのが望ましい。
また、召喚酔いに影響されないアーティファクトの場合、アンタップインである事が望ましい。アンタップインなら、キャストしたターンに使えるマナの減少量を抑える事が出来る。(例:土地2枚タップで《精神石/Mind Stone》キャストなら1マナ使えるのでマイナス1マナ。《星のコンパス/Star Compass》だとマナが使えないのでマイナス2マナ)
3マナ以上の重めの加速は、そもそも枚数を控えめにすべきである。入れるにしても、複数マナを生みだして実質アドカードとなったり、他の用途も期待出来たり、コンボパーツだったりといった、プラスアルファの要素が欲しい。
・クリーチャー
召喚酔いに影響されるクリーチャーの場合はキャスティングコスト分がそのままそのターンのテンポ損になるので、アーティファクトより基準を厳しく1マナ以下を中心に。
2マナ以上に関しては、アーティファクトの3マナ以上と同じように評価基準を設けたい。
・エンチャント
《繁茂/Wild Growth》のように土地に付けるエンチャントは、対象によっては実質キャストしたターンにマナを生み出す事が出来るのでアーティファクトと同等程度に評価できる。2マナ以下は優秀なので積極的に採用してよいだろう。
デッキによっては土地アンタップのシナジーが入り得る事があり、その場合にはアーティファクトを超える評価となる。
・マナランプ
《不屈の自然/Rampant Growth》のようなカード。
これもまたアーティファクトと同様の評価で、2マナ以下、アンタップインを高く見る。
3マナ以上も同様に、採用する場合にはアド源などとなる事を望まれる。
・一時的なマナ加速
《暗黒の儀式/Dark Ritual》のような手札からの使いきりとなるカード。
使いきりのインスタント・ソーサリーであるため、テンポは得られるが必然的にアドバンテージを失うし、先置きも出来ない。
特殊な部類のカードであるが、テンポが重要なEDHにおいては頼りがいのあるタイミングも少なくない。
ただし、書いている通り、実際にマナを使うタイミングまで先置き出来ず、次ターン以降もマナが増える訳ではないのでその後の動きも安定しない。それゆえデッキのマナ加速の中心に据える事は出来ないので注意。
◎具体例
替えの利かない優秀カードは《Mana Crypt》くらいなので、お財布に物を言わせたデッキ相手にも比較的同等に戦える部類。
しかしの《Mana Crypt》1枚の差がかなり大きい。通常よりもより強く「軽いマナ加速」を意識したカードを投入した方がよいだろう。
また、アーティファクト以外のマナ加速は基本緑固有の物。緑を含まない場合はアーティファクトに頼る事になる。
ここではより幅広いデッキに転用できるよう、アーティファクトを中心に提示する。
緑系(および一時的加速を持つ赤・黒系)は参考程度に各種数枚提示するので、デッキタイプに合わせる形で必要に応じた加速を加えるとよいだろう。
・アーティファクト
0マナ:《水蓮の花びら/Lotus Petal》《Jeweled Amulet》各種モックス
1マナ:《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《通電式キー/Voltaic Key》
2マナ:各種タリスマン、各種印鑑、《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》《友なる石/Fellwar Stone》《精神石/Mind Stone》《虹色のレンズ/Prismatic Lens》《厳かなモノリス/Grim Monolith》
3マナ以上:《彫り込み鋼/Sculpting Steel》《スランの発電機/Thran Dynamo》《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
主要な所はこのくらいか。これだけで、最低基準となる2マナ以下の加速15枚を賄える。
《通電式キー/Voltaic Key》《彫り込み鋼/Sculpting Steel》は他のカードと組み合わせる形で実質マナ加速に変えられる。
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》は実質2マナでの運用が中心となるカード。
3マナ以上は他にも色々あるのでデッキタイプに合わせて選択してください。
・その他(緑系)
1マナ:《極楽鳥/Birds of Paradise》《ジョラーガの樹語り/Joraga Treespeaker》《東屋のエルフ/Arbor Elf》《明日への探索/Search for Tomorrow》《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》《繁茂/Wild Growth》
2マナ:《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》《花を手入れする者/Bloom Tender》《自然の知識/Nature’s Lore》《肥沃な大地/Fertile Ground》
3マナ以上:《耕作/Cultivate》《はびこり/Overgrowth》《夜明けの反射/Dawn’s Reflection》
《明日への探索/Search for Tomorrow》は待機により1マナでマナ加速を行える。
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》は《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》をX=0でサーチする事により1マナの加速として扱える。
・その他(赤黒系)
《暗黒の儀式/Dark Ritual》《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》《汚物の雨/Rain of Filth》
《煮えたぎる歌/Seething Song》《炎の儀式/Rite of Flame》《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
強力だが、通常のマナ加速や土地を削りすぎるとデッキが機能不全に陥る事がある。ご利用は計画的に。
☆次回予告
これでデッキのマナベースに関する説明はおしまい。
自分の提示した基準を基に土地とマナ加速をデッキに投入すると、大体50枚くらいになる。
これはデッキの約半分に届く数だが、重いカードもある程度使わざるを得ないEDHでスムーズにデッキを動かすためには、これくらい強固なマナベースが欲しい。
レガシーのように、0~2マナのカードでデッキ内のスペルの7割を埋める事は不可能なのだ。
次回は「サーチカード」について書いていく予定。
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=17093
ノーチェンジ。
以下コメント意訳
議論が解禁方面中心ってのは個人的にいい傾向だと思う。あれこれ解禁しても問題なかったり楽しくなりそうな所はあるからね。緑タイタンとか。
しかし色やデッキタイプによる格差は(レガシー以下エターナルの宿命として)ある程度はしょうがないとしても、むかつきとエドリックが頭ひとつ抜けてる今の環境が健全かどうかはちょっと疑問かなーw
ウーズはどの色でも対処可能な墓地対て回答があるから必要悪として居座ってもらっても構わないと思うけど、青以外だと対抗手段を見つける事すら難しいむかつきと、誰かが除去の撃ち方やブロッカー立てでワンミスするだけでループ入っちゃうエドリックは不健全の部類だと思ってる。
エドリックは除去集中すれば大丈夫なんだろうけど、それはそれで1人に除去集まる環境が健全かっていう問題が発生するしね。
ノーチェンジ。
以下コメント意訳
禁止リストの解禁中心に沢山話し合ったけど、今の環境が変化に富みつつも健全って結論に達したのでノーチェンで。
リスト更新の参考にコミュニティの議論もチェックしてるから、これからもカードについてバンバン話し合ってちょうだいな。あと、M15がEDH的にすげー楽しいセットだと思ってる。
議論が解禁方面中心ってのは個人的にいい傾向だと思う。あれこれ解禁しても問題なかったり楽しくなりそうな所はあるからね。緑タイタンとか。
しかし色やデッキタイプによる格差は(レガシー以下エターナルの宿命として)ある程度はしょうがないとしても、むかつきとエドリックが頭ひとつ抜けてる今の環境が健全かどうかはちょっと疑問かなーw
ウーズはどの色でも対処可能な墓地対て回答があるから必要悪として居座ってもらっても構わないと思うけど、青以外だと対抗手段を見つける事すら難しいむかつきと、誰かが除去の撃ち方やブロッカー立てでワンミスするだけでループ入っちゃうエドリックは不健全の部類だと思ってる。
エドリックは除去集中すれば大丈夫なんだろうけど、それはそれで1人に除去集まる環境が健全かっていう問題が発生するしね。
最近EDH人口が増えていると聞いて 3-2
2014年7月8日 EDH環境考察※ 前回(http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134/)の続き。
すでに書いてる長すぎて読みにくかった日記を分割しただけなので新しいのじゃないよ。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134/
☆テキスト・能力
いくら早くキャスト出来ても、置物のジェネラルでは意味がない。重要なのは、キャストによって勝ちにしっかり近づける事。
そこで、この項では注目すべき能力について書いていきたい。
◎アドバンテージ
アドバンテージの差は選択肢の差。手札やマナが増えれば、自分のための行動も沢山取れるし、対戦相手に対処する余裕も出来る。
種類としては、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》のようにカードが引ける、《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようにマナを発生させられる、といった直接的なものから、《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》(インスタント・ソーサリーをコピーする)のような間接的なものもある。
また、《熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept》(対戦相手の呪文を打ち消せる)《光り葉のナース/Nath of the Gilt-Leaf》(対戦相手の手札を捨てさせる)といった対戦相手に損失を与えるものも(該当カードを使う分のアドを潜在的に得している事になるので)アドバンテージに繋がる。
アドバンテージに関しては、自分や対戦相手にどれだけの影響を与えられるかが重要である。
例えば《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》はクリーチャーを増やせるが、それだけだと「通常デッキに入らない0/1を引いてキャストした」程度の効果でしかないので、単純にはアドバンテージを得ていると言い難い。
また、対戦相手にマイナスを与える効果より、自分にプラスを与える効果の方を高く見た方がいい。
例えば《Gwendlyn Di Corci》は手札を捨てさせる効果を持つが、対戦相手1人にしか効かないので効果が狭い。さらには誰も手札が無ければ無駄にもなる。対して手札を引く《ジラ・エリアン/Xira Arien》の能力は確実に得になるし、引いたカードを好きに使えるので全員に対してプレッシャーを与えられる事になる。
まとめると、「自分が得をする効果で、そのアド単体でしっかりと対戦相手が嫌がるようなアドバンテージ源」である事が望ましい。
◎サーチ
ハイランダーゆえに各1枚しか入れられず、種類自体も少ないために貴重なサーチカード。それが初手にあるジェネラルの能力としてあった場合、単なるアドバンテージ以上の効果がある。
サーチカード自体もそうだし、サーチされる側もデッキに1枚なので、安定してサーチが出来るというのは対戦で大きな優位を築いてくれる。
サーチ側の対象広さやアドバンテージ側の獲得アドの大きさにもよるが、基本的にアドバンテージよりも上位の効果と見ていいだろう。
このような能力を持つジェネラル自体が数も多くはなく貴重で、かつ強力である事が多い。
代表的な所だと、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》《艦長シッセイ/Captain Sisay》《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》などだろうか。
◎コンボパーツ
「ジェネラルのの力でサーチしてコンボパーツを持って来るなんてまどろっこしい事するくらいなら、自分でコンボパーツになった方が手っ取り早いじゃない!」と言う理論でジェネラルに据えられるのが、コンボパーツとなれるレジェンドである。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》なら無限マナのフィニッシュをデッキから探す必要はなくなるし、《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》ならいくつかあるコンボの必要総枚数が全てマイナス1されて大幅にコンボを揃えやすくなる。
サーチを挟まずにフィニッシュに行けるという点では強力なサーチジェネラルにすら勝る能力と言えるが、サーチジェネラルには「コンボパーツ以外のカードをサーチしてこれる」という柔軟さがあり、一長一短ではある。
私見で言わせてもらえば、サーチの柔軟性の方が強靭なデッキとなるので評価が高くなりがちである。
また、「ジェネラルだからこそ成立する」「ジェネラルだからこそ実用的なレベルになる」コンボ持ちのレジェンドもいる。
例えば《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》の《大地の知識/Earthcraft》《肥沃な大地/Fertile Ground》のコンボは、死亡時に統率者領域に戻るジェネラルだからこそ可能なコンボである。
また、このコンボは、パーツの内クリーチャーであるマラスをサーチする必要がないため、実質的にエンチャントのみで構成されており、デッキに3枚入っている状態から揃えるよりも揃えやすい。
こういったコンボを持つジェネラルは、他のデッキよりも1種類多く有効なコンボの選択肢が増えていると言えるので、通常のコンボパーツジェネラルよりも評価が高い。
・また、これら上記3種の能力評価に付随するのが、「効果を得るのに必要なコスト」である。
例えば《ジラ・エリアン/Xira Arien》は3マナとタップで1枚ドロー、《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》はタップのみで1ドロー。この2枚における3マナのテンポ差は、「得たアドを有効に使えるか、そもそも起動できるか」という点で影響が如実に出るためかなり大きい。
アドバンテージを取る手段の起動には、可能な限りマナがかからないものを選ぶのが望ましい。
◎速攻・タップの必要が無い起動コスト・戦場出た時の効果・唱えた時の効果
上の項で、ジェネラルのマナコストについて触れた。そこで「平均的なフィニッシュターンを考えると、危険なアクションが飛び交いがちなターンが来る前にキャストできる4マナ以下が理想」と書いたが、5マナ以上のジェネラルに活躍の余地が無いかと言われると、そうであるとは言い切れない。
5マナ以上のレジェンドにも十分活躍の余地があり、その際に重要となるのがここで示した能力群である。
ただでさえすぐに危険な状況に陥りかねない時間帯で、タップが必要だったり効果の誘発が遅かったりで1ターン回して効果を待つとなると、いくら強力な効果でも使うのを躊躇してしまう。5マナ6マナという大きなアクションをしておいて、「完全に無防備」「その場で展開に直接影響を与えられない」となると、その時間帯では後回しにされがちになってしまう。
そうなるとそのジェネラルがキャストされるのは、そこからさらに数ターン後、「当面の危機の捌き合いをして、マナもさらに2つ3つ伸びた頃」という、下手すればすでにゲームが終わって訪れないターンとなってしまう。
これでは、そのジェネラルは完全にカラーマーカー、無駄牌も同然だ。
それを防ぐための能力が、ここで挙げているような能力群である。
タップ能力や攻撃誘発で見た場合、5マナの速攻もちは、単純に見るだけでも4マナ速攻なしと同等の起動速度である。
それだけではない。さらに深く見ると、ソーサリー除去を一切気にせず1度は起動できるという利点もある。
多人数戦のEDHでは、次のターンが回ってくるまでに複数人の対戦相手のターンを跨ぐ必要があり、1対1に比べてはるかに生きて返ってきにくい。そのためこれらの利点は見た目以上に大きな価値を持つ。
その大きさは、1マナ2マナ程度の差ならばやすやすと覆すだけのものである、と自分は思っている。
つまり、ここで挙げたような能力を持っている、(上の項で示したようなアド能力が十分な水準以上にある)クリーチャーは、5~6マナ程度のマナコストならば十分ジェネラルに据える事を検討できる、という事である。
☆パワー/タフネス
ライフ40の対戦相手を3人倒す必要がある、というEDHはコンボ戦になりがちなので、ジェネラルのパワー・タフネスはそこまで重要ではないのだが、一応評価の基準となる要素はある。
◎パワー
・2
悪名高い最強ジェネラル候補である、《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》をコンバットで討ち取れる。
それだけで、コンバットを必要とするエドリックの抑止力になる。この程度のパワーならば2マナ以上のジェネラル辺りから十分持っている数字である。現実的な範囲でのパワー評価はココとなるだろう。
・7
妨害の差し合いなどで多少ぐだった時なら、1人くらいはコンバットで落とす余地が発生する事がある。
その際に価値が発生するのは、攻撃3回で対戦相手を倒せるパワー7だ。
これ以上になると流石に悠長で、対戦相手を落とせる場合でも、ジェネラルダメージで倒すより先に「そこらのシステムクリーチャーでやっていたゴミビートと組み合わせたら勝手にライフが溶けてた」というパターンの方が多くなる。
とは言えパワー7だと大概マナコストもとんでもない事になっており、多くの場合「重いジェネラル選んだらパワーが7あったヤッター」程度のものである。
◎タフネス
・3
これまたエドリックの影響が大きい。
まず単純に、タフネス3あればエドリックをブロックして生き延びる事が出来る。
そしてここからが重要なのだが、タフネス3以上を持つ事により、エドリック・緑のマナクリーチャーメタの除去から生き延びる事が出来る。
軽めの全体除去で優先的に採用されがちなのは、《紅蓮地獄/Pyroclasm》《火山の流弾/Volcanic Fallout》《苦痛の命令/Decree of Pain》サイクリングなど、2点以下のタフネスを薙ぎ払うものが多い。
それらを無視出来るだけでも、大分場持ちが違うだろう。
・2
EDHはゲーム的に、クリーチャーはサイズよりも能力が優先されがちになる。そのため細かいサイズでの戦闘が発生しがちなのだが、そこで意外と大きな差となるのがタフネス1と2の差である。
手すきのマナエルフに無駄にライフを削られる事を防いだり、エドリックのお供の1/1の頭数を減らしてループがつながる可能性を減らしたり、地味に嬉しい事が多い。
上で書いたようにダメージ全体除去に引っかかりやすいとは言え、《トリスケリオン/Triskelion》や《爆破基地/Blasting Station》のようなコンボパーツ兼任のダメージソースで除去される時にも、余分に負担を与えられるのでありがたみを感じる事は多いだろう。
・4
上に書いていた2点の次に多いダメージ系除去の点数が、3点である。
《稲妻/Lightning Bolt》は貴重な1マナインスタント除去なのでちょくちょく確定除去の乏しい赤系デッキに入っているし、《神々の憤怒/Anger of the Gods》を追加の全体火力として採用しているデッキもいくつかはある。
また、《内にいる獣/Beast Within》《猿術/Pongify》《金粉のドレイク/Gilded Drake》など、EDHで良く見かける除去によって発生するクロックが3点であるため、それらを抑え込める事は無駄なライフ減少を防ぐ効果を期待出来る。これは特にライフ支払いの多い黒系や、《森の知恵/Sylvan Library》を要する緑系で価値を発揮する。
とはいえ、タフネスが意味を持つ事はそこまで多い訳ではない。参考程度に考えておくといいだろう。
ここまでが、自分が大事だと考えているジェネラル選びの基準となる要素である。
なお、これらを総合して、最低限のラインとして引いておきたい基準は、
「青か赤のカウンターか対カウンター要素を含む色で、さらに黒か緑を固有色に持つ2色以上。可能なら3色以上」
「マナコスト4以下、あるいは即時効果持ちで6以下」
「アド・サーチ・コンボパーツのどれかになる。アド、サーチ能力の場合は起動コストが低め」
といった辺りである。
なお、上でも挙げた最強ジェネラル候補の呼び声の高い《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》であるが、この判断基準に照らし合わせると、
「青か赤のカウンターか対カウンター要素を含む色で、さらに黒か緑を固有色に持つ2色以上。可能なら3色以上」
・固有色に青持ち、2色目に緑
「マナコスト4以下、あるいは即時効果持ちで6以下」
・マナコスト3
・キャストしたターンに即時効果を得る事を期待出来る(先置きクリーチャーのアタックにより即アド獲得)
「アド・サーチ・コンボパーツのどれかになる。アド、サーチ能力の場合は起動コストが低め」
・アドバンテージを得る能力持ち
・アド能力の起動にマナが一切かからない
・ジェネラルだからこそ成立する勝ち筋(追加ターンループ)
と、頭おかしいくらいに高水準で基準を満たしている。
つーか最初は全くエドリック意識しないで基準線を引いてたんだけど、最後にパワータフネスの記事書いてる時に思い付いて当てはめてみたらこんな事になっててビビったw
☆次回予告
非常に長くなってしまったが、これで「勝ち手段から始める構築」「ジェネラルから選ぶ構築」それぞれの方法でジェネラルが決定した。
次回は、実際の構築について順に書いていこうと思う。
具体的には、サーチ・ドロー・マナ加速といった「勝ち手段周りの補助カード整備」について。
すでに書いてる長すぎて読みにくかった日記を分割しただけなので新しいのじゃないよ。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
3-1:ジェネラルから始める構築 http://kakkokari.diarynote.jp/201407071929429134/
☆テキスト・能力
いくら早くキャスト出来ても、置物のジェネラルでは意味がない。重要なのは、キャストによって勝ちにしっかり近づける事。
そこで、この項では注目すべき能力について書いていきたい。
◎アドバンテージ
アドバンテージの差は選択肢の差。手札やマナが増えれば、自分のための行動も沢山取れるし、対戦相手に対処する余裕も出来る。
種類としては、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》のようにカードが引ける、《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようにマナを発生させられる、といった直接的なものから、《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》(インスタント・ソーサリーをコピーする)のような間接的なものもある。
また、《熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept》(対戦相手の呪文を打ち消せる)《光り葉のナース/Nath of the Gilt-Leaf》(対戦相手の手札を捨てさせる)といった対戦相手に損失を与えるものも(該当カードを使う分のアドを潜在的に得している事になるので)アドバンテージに繋がる。
アドバンテージに関しては、自分や対戦相手にどれだけの影響を与えられるかが重要である。
例えば《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》はクリーチャーを増やせるが、それだけだと「通常デッキに入らない0/1を引いてキャストした」程度の効果でしかないので、単純にはアドバンテージを得ていると言い難い。
また、対戦相手にマイナスを与える効果より、自分にプラスを与える効果の方を高く見た方がいい。
例えば《Gwendlyn Di Corci》は手札を捨てさせる効果を持つが、対戦相手1人にしか効かないので効果が狭い。さらには誰も手札が無ければ無駄にもなる。対して手札を引く《ジラ・エリアン/Xira Arien》の能力は確実に得になるし、引いたカードを好きに使えるので全員に対してプレッシャーを与えられる事になる。
まとめると、「自分が得をする効果で、そのアド単体でしっかりと対戦相手が嫌がるようなアドバンテージ源」である事が望ましい。
◎サーチ
ハイランダーゆえに各1枚しか入れられず、種類自体も少ないために貴重なサーチカード。それが初手にあるジェネラルの能力としてあった場合、単なるアドバンテージ以上の効果がある。
サーチカード自体もそうだし、サーチされる側もデッキに1枚なので、安定してサーチが出来るというのは対戦で大きな優位を築いてくれる。
サーチ側の対象広さやアドバンテージ側の獲得アドの大きさにもよるが、基本的にアドバンテージよりも上位の効果と見ていいだろう。
このような能力を持つジェネラル自体が数も多くはなく貴重で、かつ強力である事が多い。
代表的な所だと、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》《艦長シッセイ/Captain Sisay》《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》などだろうか。
◎コンボパーツ
「ジェネラルのの力でサーチしてコンボパーツを持って来るなんてまどろっこしい事するくらいなら、自分でコンボパーツになった方が手っ取り早いじゃない!」と言う理論でジェネラルに据えられるのが、コンボパーツとなれるレジェンドである。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》なら無限マナのフィニッシュをデッキから探す必要はなくなるし、《サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter》ならいくつかあるコンボの必要総枚数が全てマイナス1されて大幅にコンボを揃えやすくなる。
サーチを挟まずにフィニッシュに行けるという点では強力なサーチジェネラルにすら勝る能力と言えるが、サーチジェネラルには「コンボパーツ以外のカードをサーチしてこれる」という柔軟さがあり、一長一短ではある。
私見で言わせてもらえば、サーチの柔軟性の方が強靭なデッキとなるので評価が高くなりがちである。
また、「ジェネラルだからこそ成立する」「ジェネラルだからこそ実用的なレベルになる」コンボ持ちのレジェンドもいる。
例えば《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》の《大地の知識/Earthcraft》《肥沃な大地/Fertile Ground》のコンボは、死亡時に統率者領域に戻るジェネラルだからこそ可能なコンボである。
また、このコンボは、パーツの内クリーチャーであるマラスをサーチする必要がないため、実質的にエンチャントのみで構成されており、デッキに3枚入っている状態から揃えるよりも揃えやすい。
こういったコンボを持つジェネラルは、他のデッキよりも1種類多く有効なコンボの選択肢が増えていると言えるので、通常のコンボパーツジェネラルよりも評価が高い。
・また、これら上記3種の能力評価に付随するのが、「効果を得るのに必要なコスト」である。
例えば《ジラ・エリアン/Xira Arien》は3マナとタップで1枚ドロー、《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》はタップのみで1ドロー。この2枚における3マナのテンポ差は、「得たアドを有効に使えるか、そもそも起動できるか」という点で影響が如実に出るためかなり大きい。
アドバンテージを取る手段の起動には、可能な限りマナがかからないものを選ぶのが望ましい。
◎速攻・タップの必要が無い起動コスト・戦場出た時の効果・唱えた時の効果
上の項で、ジェネラルのマナコストについて触れた。そこで「平均的なフィニッシュターンを考えると、危険なアクションが飛び交いがちなターンが来る前にキャストできる4マナ以下が理想」と書いたが、5マナ以上のジェネラルに活躍の余地が無いかと言われると、そうであるとは言い切れない。
5マナ以上のレジェンドにも十分活躍の余地があり、その際に重要となるのがここで示した能力群である。
ただでさえすぐに危険な状況に陥りかねない時間帯で、タップが必要だったり効果の誘発が遅かったりで1ターン回して効果を待つとなると、いくら強力な効果でも使うのを躊躇してしまう。5マナ6マナという大きなアクションをしておいて、「完全に無防備」「その場で展開に直接影響を与えられない」となると、その時間帯では後回しにされがちになってしまう。
そうなるとそのジェネラルがキャストされるのは、そこからさらに数ターン後、「当面の危機の捌き合いをして、マナもさらに2つ3つ伸びた頃」という、下手すればすでにゲームが終わって訪れないターンとなってしまう。
これでは、そのジェネラルは完全にカラーマーカー、無駄牌も同然だ。
それを防ぐための能力が、ここで挙げているような能力群である。
タップ能力や攻撃誘発で見た場合、5マナの速攻もちは、単純に見るだけでも4マナ速攻なしと同等の起動速度である。
それだけではない。さらに深く見ると、ソーサリー除去を一切気にせず1度は起動できるという利点もある。
多人数戦のEDHでは、次のターンが回ってくるまでに複数人の対戦相手のターンを跨ぐ必要があり、1対1に比べてはるかに生きて返ってきにくい。そのためこれらの利点は見た目以上に大きな価値を持つ。
その大きさは、1マナ2マナ程度の差ならばやすやすと覆すだけのものである、と自分は思っている。
つまり、ここで挙げたような能力を持っている、(上の項で示したようなアド能力が十分な水準以上にある)クリーチャーは、5~6マナ程度のマナコストならば十分ジェネラルに据える事を検討できる、という事である。
☆パワー/タフネス
ライフ40の対戦相手を3人倒す必要がある、というEDHはコンボ戦になりがちなので、ジェネラルのパワー・タフネスはそこまで重要ではないのだが、一応評価の基準となる要素はある。
◎パワー
・2
悪名高い最強ジェネラル候補である、《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》をコンバットで討ち取れる。
それだけで、コンバットを必要とするエドリックの抑止力になる。この程度のパワーならば2マナ以上のジェネラル辺りから十分持っている数字である。現実的な範囲でのパワー評価はココとなるだろう。
・7
妨害の差し合いなどで多少ぐだった時なら、1人くらいはコンバットで落とす余地が発生する事がある。
その際に価値が発生するのは、攻撃3回で対戦相手を倒せるパワー7だ。
これ以上になると流石に悠長で、対戦相手を落とせる場合でも、ジェネラルダメージで倒すより先に「そこらのシステムクリーチャーでやっていたゴミビートと組み合わせたら勝手にライフが溶けてた」というパターンの方が多くなる。
とは言えパワー7だと大概マナコストもとんでもない事になっており、多くの場合「重いジェネラル選んだらパワーが7あったヤッター」程度のものである。
◎タフネス
・3
これまたエドリックの影響が大きい。
まず単純に、タフネス3あればエドリックをブロックして生き延びる事が出来る。
そしてここからが重要なのだが、タフネス3以上を持つ事により、エドリック・緑のマナクリーチャーメタの除去から生き延びる事が出来る。
軽めの全体除去で優先的に採用されがちなのは、《紅蓮地獄/Pyroclasm》《火山の流弾/Volcanic Fallout》《苦痛の命令/Decree of Pain》サイクリングなど、2点以下のタフネスを薙ぎ払うものが多い。
それらを無視出来るだけでも、大分場持ちが違うだろう。
・2
EDHはゲーム的に、クリーチャーはサイズよりも能力が優先されがちになる。そのため細かいサイズでの戦闘が発生しがちなのだが、そこで意外と大きな差となるのがタフネス1と2の差である。
手すきのマナエルフに無駄にライフを削られる事を防いだり、エドリックのお供の1/1の頭数を減らしてループがつながる可能性を減らしたり、地味に嬉しい事が多い。
上で書いたようにダメージ全体除去に引っかかりやすいとは言え、《トリスケリオン/Triskelion》や《爆破基地/Blasting Station》のようなコンボパーツ兼任のダメージソースで除去される時にも、余分に負担を与えられるのでありがたみを感じる事は多いだろう。
・4
上に書いていた2点の次に多いダメージ系除去の点数が、3点である。
《稲妻/Lightning Bolt》は貴重な1マナインスタント除去なのでちょくちょく確定除去の乏しい赤系デッキに入っているし、《神々の憤怒/Anger of the Gods》を追加の全体火力として採用しているデッキもいくつかはある。
また、《内にいる獣/Beast Within》《猿術/Pongify》《金粉のドレイク/Gilded Drake》など、EDHで良く見かける除去によって発生するクロックが3点であるため、それらを抑え込める事は無駄なライフ減少を防ぐ効果を期待出来る。これは特にライフ支払いの多い黒系や、《森の知恵/Sylvan Library》を要する緑系で価値を発揮する。
とはいえ、タフネスが意味を持つ事はそこまで多い訳ではない。参考程度に考えておくといいだろう。
ここまでが、自分が大事だと考えているジェネラル選びの基準となる要素である。
なお、これらを総合して、最低限のラインとして引いておきたい基準は、
「青か赤のカウンターか対カウンター要素を含む色で、さらに黒か緑を固有色に持つ2色以上。可能なら3色以上」
「マナコスト4以下、あるいは即時効果持ちで6以下」
「アド・サーチ・コンボパーツのどれかになる。アド、サーチ能力の場合は起動コストが低め」
といった辺りである。
なお、上でも挙げた最強ジェネラル候補の呼び声の高い《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》であるが、この判断基準に照らし合わせると、
「青か赤のカウンターか対カウンター要素を含む色で、さらに黒か緑を固有色に持つ2色以上。可能なら3色以上」
・固有色に青持ち、2色目に緑
「マナコスト4以下、あるいは即時効果持ちで6以下」
・マナコスト3
・キャストしたターンに即時効果を得る事を期待出来る(先置きクリーチャーのアタックにより即アド獲得)
「アド・サーチ・コンボパーツのどれかになる。アド、サーチ能力の場合は起動コストが低め」
・アドバンテージを得る能力持ち
・アド能力の起動にマナが一切かからない
・ジェネラルだからこそ成立する勝ち筋(追加ターンループ)
と、頭おかしいくらいに高水準で基準を満たしている。
つーか最初は全くエドリック意識しないで基準線を引いてたんだけど、最後にパワータフネスの記事書いてる時に思い付いて当てはめてみたらこんな事になっててビビったw
☆次回予告
非常に長くなってしまったが、これで「勝ち手段から始める構築」「ジェネラルから選ぶ構築」それぞれの方法でジェネラルが決定した。
次回は、実際の構築について順に書いていこうと思う。
具体的には、サーチ・ドロー・マナ加速といった「勝ち手段周りの補助カード整備」について。
最近EDH人口が増えていると聞いて 3-1
2014年7月7日 EDH環境考察※ アホみたいな長文注意
これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第3回は、「ジェネラルから始める構築方法」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
☆ジェネラルから選ぶ構築
前回までの記事では、主要な勝ちパターンを紹介する目的もあって「勝ち手段から始める構築」を紹介したが、「ジェネラルから選ぶ構築」もある。
ジェネラルは、初手にあるおかげでハイランダーなEDHで唯一安定して運用できるカードであり、また何度倒されても(追加のマナはいるが)何度でも戦場に出し直す事が出来る唯一のカードである。
なので必然的にこのカードを計算に入れたデッキ構築をすると動きが安定し、強いデッキを構築しやすくなる。
そのため、むしろこちらから入る方が構築しやすい、というプレイヤーの方が多いかも知れない。
しかし世界に存在するレジェンドの数は非常に多い。
まずは、ある程度の目安となるためのジェネラルの選択基準について書いていこうと思う。
☆色
第2回で書いた通り、色ごとに得意不得意、性能の格差がある。
また、第1.5回で書いた通り、色によって可能な勝ち筋が違い、それらの強力さや性質もまた異なる。
これらに注目すると、
青:唯一無二の攻防一体カードであるカウンターがある。特にコンボ妨害を弾いて強引に勝ち手段を通せるのが重要。
アーティファクトとの親和性が非常に高い。
ドローカードが強力。
黒:どんなコンボを積んでいても役立てる事が出来る万能サーチがある。
ドローカードが強力。
第1.5回で例に挙げた約半分の強力コンボが黒を必須とする。
緑:クリーチャーサーチに関しては圧倒的。主要な強力コンボはクリーチャーを使うもの多いので役立つ事が多い。
少量ながら、ドローやコンボ防衛も可能。
コンボに必要なマナベース構築が最も得意。
この3色が特に強力である事が分かる。
特に、
・防御面ではカウンターによって1枚のカードを崩されるだけで一気に勝ちが遠のく脆いコンボを守る事が出来る青
・攻撃面では多くの高速コンボの必須色であり、サーチも豊富な黒
の2色が重要だ。
さらに言うなら、ある程度安価なデッキでガチに対抗するならば防御力の高い青は可能ならば入れておきたい。
なぜならば、高額なガチデッキには《伝国の玉璽/Imperial Seal》《Timetwister》《Mana Crypt》といった勝利の高速化に寄与する高額カードが含まれている可能性が高く、速度勝負を挑むとどうしても不利になるからだ。
自分より早いデッキに勝とうと思うと、どうしても高速で勝ち手段を叩きつけられる攻勢を挫いていく戦い方になる。その方向性での構築を考えると、パーマネントのみならずスペルにも触れる青が欲しくなるのだ。
・また、もう1色の強色である緑は、カウンターと勝ち手段(緑単色だとサーチしやすいクリーチャーのみからなる強力なコンボがない)以外ならば全体的にバランスよくカードが揃っているので、デッキパワーの底上げに向く。
また、《Mana Crypt》のないデッキにおける加速力の価値は非常に高い。特に《繁茂/Wild Growth》《楽園の拡散/Utopia Sprawl》は1マナと軽く、マナを減らさずにマナ加速が可能な優秀なカードだ。
これらの理由から、メインカラーの苦手を補わせる2色目として最適だろう。
結論として、「可能ならば青を入れたい」「攻撃力重視なら黒に触っておきたい」「全体的なパワーの底上げには緑。ただし他の色の協力がないと厳しい」といった所だ。
◎……赤と白は?
・赤
赤に関しては、強色である青に対する強烈なアンチカードの《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》や、高額多色デッキを沈黙させる《月の大魔術師/Magus of the Moon》《血染めの月/Blood Moon》を持つ点に注目したい。これらはどれも軽めで、高速環境でも十分に効果を発揮する。
また、「悪くないクリーチャーコンボ持ちだがサーチに欠ける」「ドローもマナ加速も優秀どころがあるも少量」「緑にないカウンター要素持ち」といった性質があり、単色だと決め手に欠ける緑との親和性が高い。
赤いジェネラルを選ぶ際には、緑を含んでいる事の評点を高く持っておきたい。
《赤霊破/Red Elemental Blast》などの対青カウンター要素を持っている事は非常に重要で、個人的には「ガチに対抗するつもりで、青を触っていないデッキならば赤は必須」とすら考えている。
・白
白に関しては、《悟りの教示者/Enlightened Tutor》をはじめとする数枚のエンチャントサーチと、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》という2大クリーチャー除去カードが売りとなる。
しかしそれ以外に関しては非常に貧弱で、特にドロー要素が皆無なのが厳しい。上で挙げた優秀どころもいいトコ合計10枚弱しかないので他の色の協力は必須だ。
まともに戦おうと思うならばドローを持つ青か黒の補助は必須である。悟りの教示者が青得意のアーティファクトサーチの追加となる点、尖り過ぎている黒に触れないパーマネントに触れる色である点から、相性も決して悪くない。
……まあ、黒に触れないパーマネントに触るだけなら緑の方が優秀なので、実際「相性がいい」と胸を張って言えるのは青だけなのだが。
青単色だと引くに任せるしかない《未来予知/Future Sight》《Power Artifact》といったコンボパーツをサーチ出来るようになるのはありがたい。
◎6番目の色、無色
どの色でも入れられる無色のカード。これにも得意不得意がある。
どの色にでも入れられるので、無色の得意分野に関してはジェネラルの色の苦手分野だったとしても大きな問題にはなりにくい。
どちらにしろ構築時には自然と頼る事になるのだろうが、構築前に把握しておくに越した事はない。
○得意分野
・マナ加速
何と言ってもこれ。5色の内でもっともそれを得意とする緑にすら勝るとも劣らない性能を持つ。
色拘束がないのでキャストしやすく、召喚酔いの影響を受けず、使いべりせず戦場に残り、キャストした時点でマナが増えるものすらある、種類も枚数も豊富なマナ加速カードは無色の専売特許である。
《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《古えの墳墓/Ancient Tomb》などはマナ加速を得意とする緑デッキですら役立ち、《友なる石/Fellwar Stone》各種タリスマン・印鑑などは緑意外のデッキで色マナを確保しつつマナ加速をする貴重なカードとなる。
・ソーサリータイミングでキャストするパーマネント破壊
古からの《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をはじめ、《解放された者、カーン/Karn Liberated》《映し身人形/Duplicant》《全ては塵/All Is Dust》など、重いものが多いが、それなりの枚数が揃っている。
また、ほぼありとあらゆるパーマネント触る事も可能である。
どれも自ターンに破壊したり先出ししたりしておく必要があるので、先手先手で危険なパーマネントに触れるようにしておくようにすると良いだろう。
・妨害置物
《無のロッド/Null Rod》《呪われたトーテム像/Cursed Totem》《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》など、軽く迷惑な置物がそれなりにある。
1、2ターン目にキャスト可能なほど軽いくせに、特定のカードタイプを全力で封殺する物が多いので、デッキタイプに合わせ、使わない部分を封殺するカードを入れておくと対戦相手を大幅に減速出来る事がある。
特に、今回のコンセプトである「ある程度安価でガチにも対抗可能なデッキ」だと、ガチな高速デッキ相手には後手後手に回りがちな事が多いので役立つ事も多いだろう。
ただし、結局は置物なので退けられると一気に相手が自由になる。カウンターなどで守る要素を加えればある程度は強固になるが、過信は禁物。
参考:真に速度の高いガチデッキの場合にはこのようなカードの投入がデッキの邪魔になる事も多い。2マナとカード1枚という貴重なリソースを使ってまで減速するくらいなら、加速やドローやカウンター構え(防御に使わなくても自分の勝ち筋通すのに使える)に使った方が有効である事の方が多いからだ。
○苦手分野
・ドロー・サーチ
水準以上のものは《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》くらい。
また、1枚で2マナ以上発生させるカードである《太陽の指輪/Sol Ring》や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などは、結果的に1枚1枚土地をセットしてマナを伸ばす必要を緩和し、実質的にアドバンテージを得るのと同じような効果を得る事になっている。
さらには、《取引仲介機/Deal Broker》など、ドローが得意な色なら二線級のカードだが、ドローが弱い色なら一線級を張れる程度のカードや、《精神の眼/Mind’s Eye》《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》のように非常に重いがそれなりの効果を持つカードはそれなりにある。
しかし全体的に見て、デッキ構築に足るだけの扱いやすいドロー・サーチは少ないと言える。
・インスタントタイミングの軽い妨害
得意分野で挙げたパーマネント破壊は、そのほとんどが「重い」「遅い」「大雑把」といった、対戦相手のコンボ妨害には使い勝手の悪いものばかりである。
軽量で扱いやすいのは《露天鉱床/Strip Mine》《不毛の大地/Wasteland》の土地破壊組と、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》をはじめとする墓地除去くらい。
ぐだった盤面ではリセットも強いのだが、手早いコンボにはそもそも間に合わないので、早いガチデッキを相手にするには他の色の助けを必要とする。
インスタントタイミングが前提であるカウンターも、当然ながら苦手である。《無のブローチ/Null Brooch》などの、青のカウンターに比して使いにくいカードがいくつかある程度だ。
☆マナコスト
初手に必ずあるため、キャスト分のマナが揃い次第キャストできるジェネラル。これは当然ながら軽ければ軽いほどいい。
しかし現実として、ジェネラルのマナコストはそれぞれで、決して軽いものばかりではない。
そこで、ここでは、実際のゲームの進行を基準として、望ましいマナコスト帯について書いていく。
◎標準的なフィニッシュ時の状況
これは自分の経験則なので申し訳ないが、《むかつき/Ad Nauseam》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような一部超高速のデッキを除いたコンボデッキがフィニッシュに入ろうとするターンは、概ね4~6ターンである。
また、その時点でのマナ量は、5~7マナ程度である事が多い。(《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》などの爆発的なマナ加速が加わる事を前提としたデッキの場合、さらに+3~+5程度される)
そのターンに入るくらいの段階では、他人のフィニッシュ妨害のため、タップアウトを避け、インスタント妨害を構えておきたい。あるいは自分が勝利するため、サーチやマナ加速などで状況を整えフィニッシュに移りたい。
そのため、ジェネラルをキャストするタイミングとして理想的なのは、その前段階の状況、
・だいたい2~3ターン目
・だいたい3~4マナ
くらいの段階に出来るのが望ましい
つまり、「4マナ以下である事」がプラス評価を与えられるひとつのラインとなる。
重要なやり取りが行われるターンが訪れる前段階で、ゲームのキーともなり得るジェネラルをキャスト出来る事は、単なるカード1枚以上のアドバンテージを与えてくれるだろう。
さらには、上記状況で上手く妨害を差し合ってぐだったパターンの時。6~8マナ程度までマナが伸び、1~2マナの軽量除去を構えつつジェネラル再キャスト出来る3~4マナのジェネラルは、状況の立て直しでも優位に立てるだろう。
◎3マナと4マナの差
4マナ以下の内でも評価の差が大きいのが、3マナと4マナの間である。
毎ターン土地をセットするだけでも3T目に到達する3マナと、3ターン目のキャストのためには土地に加えて1枚のマナ加速を必要とする4マナでは、キャストの安定性に雲泥の差がある。
4マナジェネラルは、2マナ以下のマナ加速を十分な量を入れればある程度安定はするが、それでもキャストが確実とは言い難いし、下手に入れすぎると必要以上のマナフラッドが頻繁に起こるようになってしまう。
また、2T目に1マナ加速するカード(印鑑など)をキャストした後の状況を考えても、3マナならば1マナ残して除去やカウンターを構える事が出来るが、4マナならば隙だらけになる。
これは、特に《むかつき/Ad Nauseam》のような超高速デッキを相手にする際に大きな差となってくる問題だ。
戦場に土地が2、3枚しか並んでいないような序盤の1マナ差は、つまりマナが1.5倍~2倍になるような影響力がある。
もちろん、それ以下ならばより偉いのは言うまでもない。一切のマナ加速を必要とせずに3T目にフルでマナを使える2マナ以下のジェネラルは、デッキの動きをほとんど圧迫しないので軽快な挙動が可能になる。
(もちろん、マナを必要とする起動型能力が必要、などになれば話は別だが)
読みにくいので分割します。
これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第3回は、「ジェネラルから始める構築方法」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
☆ジェネラルから選ぶ構築
前回までの記事では、主要な勝ちパターンを紹介する目的もあって「勝ち手段から始める構築」を紹介したが、「ジェネラルから選ぶ構築」もある。
ジェネラルは、初手にあるおかげでハイランダーなEDHで唯一安定して運用できるカードであり、また何度倒されても(追加のマナはいるが)何度でも戦場に出し直す事が出来る唯一のカードである。
なので必然的にこのカードを計算に入れたデッキ構築をすると動きが安定し、強いデッキを構築しやすくなる。
そのため、むしろこちらから入る方が構築しやすい、というプレイヤーの方が多いかも知れない。
しかし世界に存在するレジェンドの数は非常に多い。
まずは、ある程度の目安となるためのジェネラルの選択基準について書いていこうと思う。
☆色
第2回で書いた通り、色ごとに得意不得意、性能の格差がある。
また、第1.5回で書いた通り、色によって可能な勝ち筋が違い、それらの強力さや性質もまた異なる。
これらに注目すると、
青:唯一無二の攻防一体カードであるカウンターがある。特にコンボ妨害を弾いて強引に勝ち手段を通せるのが重要。
アーティファクトとの親和性が非常に高い。
ドローカードが強力。
黒:どんなコンボを積んでいても役立てる事が出来る万能サーチがある。
ドローカードが強力。
第1.5回で例に挙げた約半分の強力コンボが黒を必須とする。
緑:クリーチャーサーチに関しては圧倒的。主要な強力コンボはクリーチャーを使うもの多いので役立つ事が多い。
少量ながら、ドローやコンボ防衛も可能。
コンボに必要なマナベース構築が最も得意。
この3色が特に強力である事が分かる。
特に、
・防御面ではカウンターによって1枚のカードを崩されるだけで一気に勝ちが遠のく脆いコンボを守る事が出来る青
・攻撃面では多くの高速コンボの必須色であり、サーチも豊富な黒
の2色が重要だ。
さらに言うなら、ある程度安価なデッキでガチに対抗するならば防御力の高い青は可能ならば入れておきたい。
なぜならば、高額なガチデッキには《伝国の玉璽/Imperial Seal》《Timetwister》《Mana Crypt》といった勝利の高速化に寄与する高額カードが含まれている可能性が高く、速度勝負を挑むとどうしても不利になるからだ。
自分より早いデッキに勝とうと思うと、どうしても高速で勝ち手段を叩きつけられる攻勢を挫いていく戦い方になる。その方向性での構築を考えると、パーマネントのみならずスペルにも触れる青が欲しくなるのだ。
・また、もう1色の強色である緑は、カウンターと勝ち手段(緑単色だとサーチしやすいクリーチャーのみからなる強力なコンボがない)以外ならば全体的にバランスよくカードが揃っているので、デッキパワーの底上げに向く。
また、《Mana Crypt》のないデッキにおける加速力の価値は非常に高い。特に《繁茂/Wild Growth》《楽園の拡散/Utopia Sprawl》は1マナと軽く、マナを減らさずにマナ加速が可能な優秀なカードだ。
これらの理由から、メインカラーの苦手を補わせる2色目として最適だろう。
結論として、「可能ならば青を入れたい」「攻撃力重視なら黒に触っておきたい」「全体的なパワーの底上げには緑。ただし他の色の協力がないと厳しい」といった所だ。
◎……赤と白は?
・赤
赤に関しては、強色である青に対する強烈なアンチカードの《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》や、高額多色デッキを沈黙させる《月の大魔術師/Magus of the Moon》《血染めの月/Blood Moon》を持つ点に注目したい。これらはどれも軽めで、高速環境でも十分に効果を発揮する。
また、「悪くないクリーチャーコンボ持ちだがサーチに欠ける」「ドローもマナ加速も優秀どころがあるも少量」「緑にないカウンター要素持ち」といった性質があり、単色だと決め手に欠ける緑との親和性が高い。
赤いジェネラルを選ぶ際には、緑を含んでいる事の評点を高く持っておきたい。
《赤霊破/Red Elemental Blast》などの対青カウンター要素を持っている事は非常に重要で、個人的には「ガチに対抗するつもりで、青を触っていないデッキならば赤は必須」とすら考えている。
・白
白に関しては、《悟りの教示者/Enlightened Tutor》をはじめとする数枚のエンチャントサーチと、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》という2大クリーチャー除去カードが売りとなる。
しかしそれ以外に関しては非常に貧弱で、特にドロー要素が皆無なのが厳しい。上で挙げた優秀どころもいいトコ合計10枚弱しかないので他の色の協力は必須だ。
まともに戦おうと思うならばドローを持つ青か黒の補助は必須である。悟りの教示者が青得意のアーティファクトサーチの追加となる点、尖り過ぎている黒に触れないパーマネントに触れる色である点から、相性も決して悪くない。
……まあ、黒に触れないパーマネントに触るだけなら緑の方が優秀なので、実際「相性がいい」と胸を張って言えるのは青だけなのだが。
青単色だと引くに任せるしかない《未来予知/Future Sight》《Power Artifact》といったコンボパーツをサーチ出来るようになるのはありがたい。
◎6番目の色、無色
どの色でも入れられる無色のカード。これにも得意不得意がある。
どの色にでも入れられるので、無色の得意分野に関してはジェネラルの色の苦手分野だったとしても大きな問題にはなりにくい。
どちらにしろ構築時には自然と頼る事になるのだろうが、構築前に把握しておくに越した事はない。
○得意分野
・マナ加速
何と言ってもこれ。5色の内でもっともそれを得意とする緑にすら勝るとも劣らない性能を持つ。
色拘束がないのでキャストしやすく、召喚酔いの影響を受けず、使いべりせず戦場に残り、キャストした時点でマナが増えるものすらある、種類も枚数も豊富なマナ加速カードは無色の専売特許である。
《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《古えの墳墓/Ancient Tomb》などはマナ加速を得意とする緑デッキですら役立ち、《友なる石/Fellwar Stone》各種タリスマン・印鑑などは緑意外のデッキで色マナを確保しつつマナ加速をする貴重なカードとなる。
・ソーサリータイミングでキャストするパーマネント破壊
古からの《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をはじめ、《解放された者、カーン/Karn Liberated》《映し身人形/Duplicant》《全ては塵/All Is Dust》など、重いものが多いが、それなりの枚数が揃っている。
また、ほぼありとあらゆるパーマネント触る事も可能である。
どれも自ターンに破壊したり先出ししたりしておく必要があるので、先手先手で危険なパーマネントに触れるようにしておくようにすると良いだろう。
・妨害置物
《無のロッド/Null Rod》《呪われたトーテム像/Cursed Totem》《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》など、軽く迷惑な置物がそれなりにある。
1、2ターン目にキャスト可能なほど軽いくせに、特定のカードタイプを全力で封殺する物が多いので、デッキタイプに合わせ、使わない部分を封殺するカードを入れておくと対戦相手を大幅に減速出来る事がある。
特に、今回のコンセプトである「ある程度安価でガチにも対抗可能なデッキ」だと、ガチな高速デッキ相手には後手後手に回りがちな事が多いので役立つ事も多いだろう。
ただし、結局は置物なので退けられると一気に相手が自由になる。カウンターなどで守る要素を加えればある程度は強固になるが、過信は禁物。
参考:真に速度の高いガチデッキの場合にはこのようなカードの投入がデッキの邪魔になる事も多い。2マナとカード1枚という貴重なリソースを使ってまで減速するくらいなら、加速やドローやカウンター構え(防御に使わなくても自分の勝ち筋通すのに使える)に使った方が有効である事の方が多いからだ。
○苦手分野
・ドロー・サーチ
水準以上のものは《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》くらい。
また、1枚で2マナ以上発生させるカードである《太陽の指輪/Sol Ring》や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などは、結果的に1枚1枚土地をセットしてマナを伸ばす必要を緩和し、実質的にアドバンテージを得るのと同じような効果を得る事になっている。
さらには、《取引仲介機/Deal Broker》など、ドローが得意な色なら二線級のカードだが、ドローが弱い色なら一線級を張れる程度のカードや、《精神の眼/Mind’s Eye》《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》のように非常に重いがそれなりの効果を持つカードはそれなりにある。
しかし全体的に見て、デッキ構築に足るだけの扱いやすいドロー・サーチは少ないと言える。
・インスタントタイミングの軽い妨害
得意分野で挙げたパーマネント破壊は、そのほとんどが「重い」「遅い」「大雑把」といった、対戦相手のコンボ妨害には使い勝手の悪いものばかりである。
軽量で扱いやすいのは《露天鉱床/Strip Mine》《不毛の大地/Wasteland》の土地破壊組と、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》をはじめとする墓地除去くらい。
ぐだった盤面ではリセットも強いのだが、手早いコンボにはそもそも間に合わないので、早いガチデッキを相手にするには他の色の助けを必要とする。
インスタントタイミングが前提であるカウンターも、当然ながら苦手である。《無のブローチ/Null Brooch》などの、青のカウンターに比して使いにくいカードがいくつかある程度だ。
☆マナコスト
初手に必ずあるため、キャスト分のマナが揃い次第キャストできるジェネラル。これは当然ながら軽ければ軽いほどいい。
しかし現実として、ジェネラルのマナコストはそれぞれで、決して軽いものばかりではない。
そこで、ここでは、実際のゲームの進行を基準として、望ましいマナコスト帯について書いていく。
◎標準的なフィニッシュ時の状況
これは自分の経験則なので申し訳ないが、《むかつき/Ad Nauseam》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような一部超高速のデッキを除いたコンボデッキがフィニッシュに入ろうとするターンは、概ね4~6ターンである。
また、その時点でのマナ量は、5~7マナ程度である事が多い。(《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》などの爆発的なマナ加速が加わる事を前提としたデッキの場合、さらに+3~+5程度される)
そのターンに入るくらいの段階では、他人のフィニッシュ妨害のため、タップアウトを避け、インスタント妨害を構えておきたい。あるいは自分が勝利するため、サーチやマナ加速などで状況を整えフィニッシュに移りたい。
そのため、ジェネラルをキャストするタイミングとして理想的なのは、その前段階の状況、
・だいたい2~3ターン目
・だいたい3~4マナ
くらいの段階に出来るのが望ましい
つまり、「4マナ以下である事」がプラス評価を与えられるひとつのラインとなる。
重要なやり取りが行われるターンが訪れる前段階で、ゲームのキーともなり得るジェネラルをキャスト出来る事は、単なるカード1枚以上のアドバンテージを与えてくれるだろう。
さらには、上記状況で上手く妨害を差し合ってぐだったパターンの時。6~8マナ程度までマナが伸び、1~2マナの軽量除去を構えつつジェネラル再キャスト出来る3~4マナのジェネラルは、状況の立て直しでも優位に立てるだろう。
◎3マナと4マナの差
4マナ以下の内でも評価の差が大きいのが、3マナと4マナの間である。
毎ターン土地をセットするだけでも3T目に到達する3マナと、3ターン目のキャストのためには土地に加えて1枚のマナ加速を必要とする4マナでは、キャストの安定性に雲泥の差がある。
4マナジェネラルは、2マナ以下のマナ加速を十分な量を入れればある程度安定はするが、それでもキャストが確実とは言い難いし、下手に入れすぎると必要以上のマナフラッドが頻繁に起こるようになってしまう。
また、2T目に1マナ加速するカード(印鑑など)をキャストした後の状況を考えても、3マナならば1マナ残して除去やカウンターを構える事が出来るが、4マナならば隙だらけになる。
これは、特に《むかつき/Ad Nauseam》のような超高速デッキを相手にする際に大きな差となってくる問題だ。
戦場に土地が2、3枚しか並んでいないような序盤の1マナ差は、つまりマナが1.5倍~2倍になるような影響力がある。
もちろん、それ以下ならばより偉いのは言うまでもない。一切のマナ加速を必要とせずに3T目にフルでマナを使える2マナ以下のジェネラルは、デッキの動きをほとんど圧迫しないので軽快な挙動が可能になる。
(もちろん、マナを必要とする起動型能力が必要、などになれば話は別だが)
読みにくいので分割します。
最近EDH人口が増えていると聞いて 2
2014年6月15日 EDH環境考察 コメント (2)※ これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です ※
という訳で第2回。予告通り「勝ち筋が決まった所からの、色とジェネラルの選択」について書いていく。
コメントで「ジェネラル選択から始める構築」を先に書いて並列して話を進めると言ったな。あれは嘘だ。
なんか一回それで書き始めたんだけど、それだと却ってまとめにくかったのでやり直しw
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:勝ち手段具体例 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
☆色の選択
まず、当然ながら前回決めたメイン勝ち手段・サブ勝ち手段に必要な色が必須となる。
生き埋めウーズと世界喰らいなら赤黒、ドルイドの誓いとバサルトブライトなら白緑、といった感じだ。
可能なら、この段階では2色以下にしておくのが望ましい。理由は、コンボ向きのサーチや補助カードのための色を足しやすいから。この時点で3色になっていると、もしも「この色だとコンボ用サーチが足りない!」となった時に、諦めるか5色に増やすかしか選択肢がなくなってしまう。
まあ、3色になっている時点で使用可能なカードプールはマジック全体の6割強。十分な速度とサーチ能力が確保出来ている事も多々あるので問題ない事も多いのだが。
第1回で書いた通り、「メインの勝ち手段と並列したコンボ選択」が出来ているのならそこまで難しいものではないはず。
◎各色の得意分野
そうして必要な色が判明した所で、色を足す事になるのだが、まずは各色の得意分野と代表的なカードをコンボ視点でおさらいしておこう。
実戦レベルのカードの枚数が多かったり、重要度が高いものは青字で、その中でも特に強力だったり重要なものは赤字で書く。
・白
エンチャントサーチ《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
コンボ防衛《沈黙/Silence》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《解呪/Disenchant》
・青
ソーサリーサーチ《神秘の教示者/Mystical Tutor》
アーティファクトサーチ《加工/Fabricate》
ドロー《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
コンボ防衛《秘儀の否定/Arcane Denial》《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
・黒
万能サーチ《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
墓地サーチ《納墓/Entomb》
ドロー《ネクロポーテンス/Necropotence》
・赤
ゴブリンサーチ《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
ドロー《Wheel of Fortune》
・緑
クリーチャーサーチ《俗世の教示者/Worldly Tutor》
土地サーチ《輪作/Crop Rotation》
ドロー《森の知恵/Sylvan Library》
コンボ防衛《内にいる獣/Beast Within》
マナ・ベース構築《極楽鳥/Birds of Paradise》
また、一部には特定の2色以上のデッキでしか使えないが強力な多色のカードがある。
エンチャント:《真の木立ち/Sterling Grove》(白緑)
クリーチャー:《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》(白緑)
万能サーチ:《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》(青黒)
他にもいくつかあるが、軽く扱いやすいという点で、特にデッキに入れやすいのはこの辺り。
白と緑は親和性が非常に高く、特にエンチャントサーチは存在自体が貴重なので真の木立ちの価値は高い。クリーチャーに関しては、珍しく緑1色で十分なレベルのものが揃っているので、無理に足さなくても十分な効果を望めるだろう。
◎それぞれの役割と、必要枚数
実際の構築に近い話ではあるが、今のうちに大まかな必要枚数を考えておく。「今の色ではどの要素が弱いか・足りないか」が見えるので実際の構築のみならず、色選択・カード選択の参考となるだろう。
・サーチは第1回で書いた通り、重ね引いても無駄にならないコンボパーツの水増しになるのでコンボに置いては最も重要な要素。3マナ以下程度の扱いやすいものとなると種類自体がそう多くはなく、フル投入される事が多い。
理想としては、コンボパーツのカードタイプを揃えた上で10枚ほど投入出来るのが望ましいが、強力な所だけでそこまでの枚数を入れるのは容易ではない。
・ドローは、パーツやサーチのみならず、それらをキャストするためのマナソースやコンボを守るカードなど、様々な行動の選択肢を増やす事が出来るのでかなり重要。デッキの血液となる部分。
ただし直接的なサーチと違ってどんなカードが手札に加わるかは分からないので、直接勝ちに繋がる効果なのではなく、雑に勝ち筋を太くしていく効果と考えた方がいい。
サーチに比べて及第点のカードが多く、その気になれば色によっては20枚程度は投入出来る。デッキの安定性を高めてくれるので、苦手な色だったとしても10枚くらいは入れたい。
・コンボ防衛は、安全にコンボを通すためのカード。
コンボは複数枚の組み合わせで一気に勝てる方法ではあるのだが、複数枚の組み合わせである関係上、1枚のカードを止められるだけで他のすべてのカードの価値も失われてしまう。そうすると、実質的に一対多交換となって大きくアドバンテージを失い、勝ちも失われる不利な状況になってしまう。
それを防ぐため、相手の除去カードを止めるカードがあると便利である。特に同程度の速度を持つデッキ同士の刺し合いでは防衛カードの有無が実質的な速度差に繋がるので重要。(一般に、コンボパーツを回収して復帰するよりも妨害スペルを防いだ方が早いし軽い)
また、妨害用のパーマネント(《締め付け/Stranglehold》《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》など)に対する対処カードもこの分類に入る。
妨害用パーマネントは、除去カードのような直接的な被害や瞬発力はないが、戦場に存在し続ける限り対応するカードの使用を不可能にするため、やはり除去カード同様こちらの勝ちを奪うカードとなるので対処は必須である。
揃ったコンボの安定性を増す事は出来るのだが、後手に回るカードではあるので、枚数としては少なくても大きな問題はない。最低限、除去しないと機能不全を起こすパーマネントを除去するカードがあればいい。
自分より先に動き出した相手のコンボを止める用途で除去を使う事を考慮しても、5~10枚程度あれば必要な時に手札にある可能性も高いだろう。
ただ、上で書いた通り、同程度の速度のデッキ相手だと除去を弾くタイプのコンボ防衛カードの影響が大きい。可能ならば除去に加えて数枚入れておく事をお勧めする。
☆色とジェネラルを決める
◎そうして各色の得意分野を考慮して、自分の勝ち筋に貢献するカードの多い色を把握し色を足したり足さなかったりと、デッキの色を決定する事となるのだが、「各色の得意分野」の項を見てもらえば分かる通り、色ごとの格差が激しい。
どの種類のコンボでも安定したサーチ力を追加してくれる黒、揃ったコンボでしっかり勝ちきるためのコンボ防衛を最も得意とする青、は頼りがいがあるので可能ならば是非とも加えたい。
さらには、この2色はデッキの安定性を高めるドローも得意分野だ。それだけでも速度と安定性に貢献してくれるだろう。
可能ならば、それぞれの役割のカードが最低限揃う程度には色を増やしたい。
◎また、それと同時進行的にジェネラルを決める事となる。
勝ち筋を決めた段階で最低限必要な色は絞れているので、その色組み合わせを含むレジェンドが候補となる。
ジェネラルは必ず初手にあるカードであり、さらには何度倒れてもマナを足す事で再キャストも可能。
ハイランダーであるEDHで唯一安定して運用できるカードなので、その影響は非常に大きい。
この要素があるからこそ、例え5色デッキに比べてカードプールが狭くなっても「色を減らす」という選択肢が取られうる。
上で何度か「可能ならば」と書いていたのはそのため。例えば《生き埋め/Buried Alive》コンボが搭載されたデッキならば、《擬態の原形質/The Mimeoplasm》でも《アトガトグ/Atogatog》でも組む事は出来るが、リアニメイトと親和性の高い擬態の原形質の方が色は少なくとも強いデッキとなるだろう。
◎最終的にこの「色の広さ」と「ジェネラルの性能」の兼ね合いでジェネラルを決定する事となるのだが、この際に主導権を握る要素はほとんどの場合「ジェネラルの性能」の方である。
いくらサーチを積んで軽めで揃えやすい勝ち筋を準備しようと、ハイランダー構築である都合上、「初手にあるためサーチの必要がない」「つまり揃えるまでもない」ジェネラルよりも安定して早いカードは皆無だ。
なのでこのジェネラルの性質に引っ張られる形で色が決まり、場合によっては勝ち手段(特にサブの勝ち手段)の選択が変更される事となる。場合によってはメインの勝ち手段がサブに落ちたり、メイン勝ち手段が脱落する事すらあるだろう。
そんな訳で、続いては、そのように重要なカードであるジェネラルを実際に選んでいく事となる。
色の話はそこそこしたがジェネラル選択についての詳しい話はまだしていない。ジェネラルを選ぶにあたり、次はその話をしていこうと思う。それを基にジェネラル選択の参考として欲しい。
☆ジェネラルの選択基準
◎投入予定のコンボと色共通の色を持つ。
勝ち筋から構築する場合の最低条件。白くないと《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》コンボは使えません。
なお、この点のみで考えるなら、当然ながらカードプールが広くなるので色は多ければ多い方が有利。
上で書いたように、構築時にはジェネラルの方が支配的になるので、補助的な判断基準として「色が合うのが望ましい」程度に考えておく程度の方が良いかも知れない。
◎ジェネラルが強力な勝ち筋の助けとなる
例えばサーチ。《結界師ズアー/Zur the Enchanter》なら、《動く死体/Animate Dead》をサーチ出来るので《生き埋め/Buried Alive》コンボと相性がいい。
例えばアドバンテージ。《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》なら、その能力でドローが出来るので手を進めやすくなる。
例えばフィニッシュパーツ。《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》ならば、無限マナコンボのフィニッシュ役となれるため実質的に1枚必要カードを減らせる。
◎ジェネラル自身が勝ち筋となる
ジェネラルから入る構築の場合、これが一番重要な要素となる。
ここでいう勝ち筋とは、上に書いた《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のようなフィニッシュパーツになるジェネラルの勝ち筋とは似て非なる性質で、「ジェネラルだからこそ」「初手にあり、再キャスト可能だからこそ」成立する、「ジェネラルにしなければ不可能な、実践的な独自の勝ち筋」「初手にあり再キャスト可能なおかげで序盤から安定して戦場に送り続ける事が出来る勝ち筋」の事を言う。
・ジェネラルだからこそ可能な勝ち筋
ジェネラルの特徴として「いくつかの領域移動時、代わりに統率者領域に戻せる」「2マナずつ足す事により再キャスト可能」というものがあり、そんなジェネラルだからこそ可能となるコンボがある。
そのジェネラル独自の勝ち筋となりうるため、EDHの華とも呼べる要素だろう。
例1:《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》《大地の知識/Earthcraft》《肥沃な大地/Fertile Ground》
ジェネラルが死亡時に統率者領域へと戻るがゆえに可能なコンボ。ひたすら再キャスト繰り返しつつマナを増やせる。
クリーチャー+エンチャントのコンボであるのだが、クリーチャーであるマラスがサーチの必要がないため、実質エンチャントのみのコンボとなっておりサーチがしやすい。
例2:《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《変わり身の狂戦士/Changeling Berserker》《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
これだけでも全パーツをゴブリンサーチで集められる無限マナコンボなのだが、キキジキがジェネラルの場合には「覇権されたキキジキを統率者領域へ→無限マナから再キャスト→狂戦士をコピー・キキジキ覇権」を繰り返す事が出来るため、この時点で速攻の狂戦士が大量発生する即死コンボに変わる。
ジェネラルであるキキジキとさらにはフィニッシャーをサーチする必要がないので実質的にサーチ枚数が2枚も減るという強化がされている。
・初手にあるからこそ可能な勝ち筋
ジェネラルは、必ず初手にある唯一のカードであり、だからこそそれを中心に据えた勝ち筋が成立しうる。
デッキ全体がある1枚のカードを活かせるように構築した場合、本来ならば安定性に欠けるものとなる。いくらサーチを入れてもその1枚のカードを安定して引ける訳ではないからだ。
しかしながら、ジェネラルならば必ず初手にあるのでそれを活かすようなカード選択、構築をしても無駄になりにくい。
これは上で説明している「ジェネラルがアド源やサーチなどになる」「ジェネラルが勝ち筋を作り出している」というパターンのデッキにも併用出来る、構築の基本となり得る要素である。「ジェネラルを除去され続けると、投入したジェネラル用カードが無駄になる」というリスクはあるが、ジェネラルがいなくてもそれなりに仕事が出来るよう、汎用性に気を付けてカード選択・構築を行えば、ある程度欠点を補いつつもジェネラルが戦場に残った時により強力な動きを期待できるようになるので率先してこのような構築をしていきたい。
例1:《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
初手にあるからこそマナクリーチャーが2T目には《泥棒カササギ/Thieving Magpie》になってくれる事を期待出来る。初手にあるからこそ《時間のねじれ/Time Warp》が《探検/Explore》にならない事を期待出来る。
デッキ内のカード全体がジェネラルの利点を活かすように選択されたデッキの代表格である。
例2:《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》
初手にあるからこそ1~2T目に《吠えたける鉱山/Howling Mine》設置後のゲーム加速状態に突入する事を期待した構築が出来る。
手札が尽きにくいので雑にばらまける軽量カード、撃つだけで勝手にアドが取れる追加ターン。すべてゲームが加速している事を前提としたカードである。
☆もう1つのデッキ構築のとっかかり
ここまでで、「勝ち筋」「ジェネラル(および色)」という、デッキの背骨となる部分が決定した。
ここから実際の細かな構築に移っていく事となるのだが……その前に、この段階に行くためのもう1つのルートについて書いておく必要がある。
それが「ジェネラル選択から始めるデッキ構築」である。
ここまでは、「何らかの方法で勝利する」というデッキの最終目的を明確にしておく関係上、また、このジェネラル選択から始める構築時の説明で必要になる事が予想されていたため、直接的で分かりやすく先に説明も出来る「勝ち筋の選択」からデッキ構築を始める記事を書いていたのだが、実際にはこちらのルートで構築した方がデッキを組みやすい事が多い。
「このレジェンドを活躍させたい」「このレジェンドならこんな事が出来そうだ」というのは、1枚のカードを起点に思考が進んでいくので単純明快になりやすい。1万種類のカードから構築の手がかりを探していくよりも圧倒的に楽なのは明白だ。
そんな訳で、次回第3回は「ジェネラル選択から始めるデッキ構築」についての記事を書いていこうと思う。
第1.5回で勝ち筋の具体例を並べたようなジェネラルの具体例は、ジェネラルから始める構築の話も終わってからの、第3.5回になる予定。
という訳で第2回。予告通り「勝ち筋が決まった所からの、色とジェネラルの選択」について書いていく。
コメントで「ジェネラル選択から始める構築」を先に書いて並列して話を進めると言ったな。あれは嘘だ。
なんか一回それで書き始めたんだけど、それだと却ってまとめにくかったのでやり直しw
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:勝ち手段具体例 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
☆色の選択
まず、当然ながら前回決めたメイン勝ち手段・サブ勝ち手段に必要な色が必須となる。
生き埋めウーズと世界喰らいなら赤黒、ドルイドの誓いとバサルトブライトなら白緑、といった感じだ。
可能なら、この段階では2色以下にしておくのが望ましい。理由は、コンボ向きのサーチや補助カードのための色を足しやすいから。この時点で3色になっていると、もしも「この色だとコンボ用サーチが足りない!」となった時に、諦めるか5色に増やすかしか選択肢がなくなってしまう。
まあ、3色になっている時点で使用可能なカードプールはマジック全体の6割強。十分な速度とサーチ能力が確保出来ている事も多々あるので問題ない事も多いのだが。
第1回で書いた通り、「メインの勝ち手段と並列したコンボ選択」が出来ているのならそこまで難しいものではないはず。
◎各色の得意分野
そうして必要な色が判明した所で、色を足す事になるのだが、まずは各色の得意分野と代表的なカードをコンボ視点でおさらいしておこう。
実戦レベルのカードの枚数が多かったり、重要度が高いものは青字で、その中でも特に強力だったり重要なものは赤字で書く。
・白
エンチャントサーチ《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
コンボ防衛《沈黙/Silence》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《解呪/Disenchant》
・青
ソーサリーサーチ《神秘の教示者/Mystical Tutor》
アーティファクトサーチ《加工/Fabricate》
ドロー《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
コンボ防衛《秘儀の否定/Arcane Denial》《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
・黒
万能サーチ《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
墓地サーチ《納墓/Entomb》
ドロー《ネクロポーテンス/Necropotence》
・赤
ゴブリンサーチ《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》
ドロー《Wheel of Fortune》
・緑
クリーチャーサーチ《俗世の教示者/Worldly Tutor》
土地サーチ《輪作/Crop Rotation》
ドロー《森の知恵/Sylvan Library》
コンボ防衛《内にいる獣/Beast Within》
マナ・ベース構築《極楽鳥/Birds of Paradise》
また、一部には特定の2色以上のデッキでしか使えないが強力な多色のカードがある。
エンチャント:《真の木立ち/Sterling Grove》(白緑)
クリーチャー:《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》(白緑)
万能サーチ:《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》(青黒)
他にもいくつかあるが、軽く扱いやすいという点で、特にデッキに入れやすいのはこの辺り。
白と緑は親和性が非常に高く、特にエンチャントサーチは存在自体が貴重なので真の木立ちの価値は高い。クリーチャーに関しては、珍しく緑1色で十分なレベルのものが揃っているので、無理に足さなくても十分な効果を望めるだろう。
◎それぞれの役割と、必要枚数
実際の構築に近い話ではあるが、今のうちに大まかな必要枚数を考えておく。「今の色ではどの要素が弱いか・足りないか」が見えるので実際の構築のみならず、色選択・カード選択の参考となるだろう。
・サーチは第1回で書いた通り、重ね引いても無駄にならないコンボパーツの水増しになるのでコンボに置いては最も重要な要素。3マナ以下程度の扱いやすいものとなると種類自体がそう多くはなく、フル投入される事が多い。
理想としては、コンボパーツのカードタイプを揃えた上で10枚ほど投入出来るのが望ましいが、強力な所だけでそこまでの枚数を入れるのは容易ではない。
・ドローは、パーツやサーチのみならず、それらをキャストするためのマナソースやコンボを守るカードなど、様々な行動の選択肢を増やす事が出来るのでかなり重要。デッキの血液となる部分。
ただし直接的なサーチと違ってどんなカードが手札に加わるかは分からないので、直接勝ちに繋がる効果なのではなく、雑に勝ち筋を太くしていく効果と考えた方がいい。
サーチに比べて及第点のカードが多く、その気になれば色によっては20枚程度は投入出来る。デッキの安定性を高めてくれるので、苦手な色だったとしても10枚くらいは入れたい。
・コンボ防衛は、安全にコンボを通すためのカード。
コンボは複数枚の組み合わせで一気に勝てる方法ではあるのだが、複数枚の組み合わせである関係上、1枚のカードを止められるだけで他のすべてのカードの価値も失われてしまう。そうすると、実質的に一対多交換となって大きくアドバンテージを失い、勝ちも失われる不利な状況になってしまう。
それを防ぐため、相手の除去カードを止めるカードがあると便利である。特に同程度の速度を持つデッキ同士の刺し合いでは防衛カードの有無が実質的な速度差に繋がるので重要。(一般に、コンボパーツを回収して復帰するよりも妨害スペルを防いだ方が早いし軽い)
また、妨害用のパーマネント(《締め付け/Stranglehold》《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》など)に対する対処カードもこの分類に入る。
妨害用パーマネントは、除去カードのような直接的な被害や瞬発力はないが、戦場に存在し続ける限り対応するカードの使用を不可能にするため、やはり除去カード同様こちらの勝ちを奪うカードとなるので対処は必須である。
揃ったコンボの安定性を増す事は出来るのだが、後手に回るカードではあるので、枚数としては少なくても大きな問題はない。最低限、除去しないと機能不全を起こすパーマネントを除去するカードがあればいい。
自分より先に動き出した相手のコンボを止める用途で除去を使う事を考慮しても、5~10枚程度あれば必要な時に手札にある可能性も高いだろう。
ただ、上で書いた通り、同程度の速度のデッキ相手だと除去を弾くタイプのコンボ防衛カードの影響が大きい。可能ならば除去に加えて数枚入れておく事をお勧めする。
☆色とジェネラルを決める
◎そうして各色の得意分野を考慮して、自分の勝ち筋に貢献するカードの多い色を把握し色を足したり足さなかったりと、デッキの色を決定する事となるのだが、「各色の得意分野」の項を見てもらえば分かる通り、色ごとの格差が激しい。
どの種類のコンボでも安定したサーチ力を追加してくれる黒、揃ったコンボでしっかり勝ちきるためのコンボ防衛を最も得意とする青、は頼りがいがあるので可能ならば是非とも加えたい。
さらには、この2色はデッキの安定性を高めるドローも得意分野だ。それだけでも速度と安定性に貢献してくれるだろう。
可能ならば、それぞれの役割のカードが最低限揃う程度には色を増やしたい。
◎また、それと同時進行的にジェネラルを決める事となる。
勝ち筋を決めた段階で最低限必要な色は絞れているので、その色組み合わせを含むレジェンドが候補となる。
ジェネラルは必ず初手にあるカードであり、さらには何度倒れてもマナを足す事で再キャストも可能。
ハイランダーであるEDHで唯一安定して運用できるカードなので、その影響は非常に大きい。
この要素があるからこそ、例え5色デッキに比べてカードプールが狭くなっても「色を減らす」という選択肢が取られうる。
上で何度か「可能ならば」と書いていたのはそのため。例えば《生き埋め/Buried Alive》コンボが搭載されたデッキならば、《擬態の原形質/The Mimeoplasm》でも《アトガトグ/Atogatog》でも組む事は出来るが、リアニメイトと親和性の高い擬態の原形質の方が色は少なくとも強いデッキとなるだろう。
◎最終的にこの「色の広さ」と「ジェネラルの性能」の兼ね合いでジェネラルを決定する事となるのだが、この際に主導権を握る要素はほとんどの場合「ジェネラルの性能」の方である。
いくらサーチを積んで軽めで揃えやすい勝ち筋を準備しようと、ハイランダー構築である都合上、「初手にあるためサーチの必要がない」「つまり揃えるまでもない」ジェネラルよりも安定して早いカードは皆無だ。
なのでこのジェネラルの性質に引っ張られる形で色が決まり、場合によっては勝ち手段(特にサブの勝ち手段)の選択が変更される事となる。場合によってはメインの勝ち手段がサブに落ちたり、メイン勝ち手段が脱落する事すらあるだろう。
そんな訳で、続いては、そのように重要なカードであるジェネラルを実際に選んでいく事となる。
色の話はそこそこしたがジェネラル選択についての詳しい話はまだしていない。ジェネラルを選ぶにあたり、次はその話をしていこうと思う。それを基にジェネラル選択の参考として欲しい。
☆ジェネラルの選択基準
◎投入予定のコンボと色共通の色を持つ。
勝ち筋から構築する場合の最低条件。白くないと《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》コンボは使えません。
なお、この点のみで考えるなら、当然ながらカードプールが広くなるので色は多ければ多い方が有利。
上で書いたように、構築時にはジェネラルの方が支配的になるので、補助的な判断基準として「色が合うのが望ましい」程度に考えておく程度の方が良いかも知れない。
◎ジェネラルが強力な勝ち筋の助けとなる
例えばサーチ。《結界師ズアー/Zur the Enchanter》なら、《動く死体/Animate Dead》をサーチ出来るので《生き埋め/Buried Alive》コンボと相性がいい。
例えばアドバンテージ。《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》なら、その能力でドローが出来るので手を進めやすくなる。
例えばフィニッシュパーツ。《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》ならば、無限マナコンボのフィニッシュ役となれるため実質的に1枚必要カードを減らせる。
◎ジェネラル自身が勝ち筋となる
ジェネラルから入る構築の場合、これが一番重要な要素となる。
ここでいう勝ち筋とは、上に書いた《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のようなフィニッシュパーツになるジェネラルの勝ち筋とは似て非なる性質で、「ジェネラルだからこそ」「初手にあり、再キャスト可能だからこそ」成立する、「ジェネラルにしなければ不可能な、実践的な独自の勝ち筋」「初手にあり再キャスト可能なおかげで序盤から安定して戦場に送り続ける事が出来る勝ち筋」の事を言う。
・ジェネラルだからこそ可能な勝ち筋
ジェネラルの特徴として「いくつかの領域移動時、代わりに統率者領域に戻せる」「2マナずつ足す事により再キャスト可能」というものがあり、そんなジェネラルだからこそ可能となるコンボがある。
そのジェネラル独自の勝ち筋となりうるため、EDHの華とも呼べる要素だろう。
例1:《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》《大地の知識/Earthcraft》《肥沃な大地/Fertile Ground》
ジェネラルが死亡時に統率者領域へと戻るがゆえに可能なコンボ。ひたすら再キャスト繰り返しつつマナを増やせる。
クリーチャー+エンチャントのコンボであるのだが、クリーチャーであるマラスがサーチの必要がないため、実質エンチャントのみのコンボとなっておりサーチがしやすい。
例2:《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《変わり身の狂戦士/Changeling Berserker》《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
これだけでも全パーツをゴブリンサーチで集められる無限マナコンボなのだが、キキジキがジェネラルの場合には「覇権されたキキジキを統率者領域へ→無限マナから再キャスト→狂戦士をコピー・キキジキ覇権」を繰り返す事が出来るため、この時点で速攻の狂戦士が大量発生する即死コンボに変わる。
ジェネラルであるキキジキとさらにはフィニッシャーをサーチする必要がないので実質的にサーチ枚数が2枚も減るという強化がされている。
・初手にあるからこそ可能な勝ち筋
ジェネラルは、必ず初手にある唯一のカードであり、だからこそそれを中心に据えた勝ち筋が成立しうる。
デッキ全体がある1枚のカードを活かせるように構築した場合、本来ならば安定性に欠けるものとなる。いくらサーチを入れてもその1枚のカードを安定して引ける訳ではないからだ。
しかしながら、ジェネラルならば必ず初手にあるのでそれを活かすようなカード選択、構築をしても無駄になりにくい。
これは上で説明している「ジェネラルがアド源やサーチなどになる」「ジェネラルが勝ち筋を作り出している」というパターンのデッキにも併用出来る、構築の基本となり得る要素である。「ジェネラルを除去され続けると、投入したジェネラル用カードが無駄になる」というリスクはあるが、ジェネラルがいなくてもそれなりに仕事が出来るよう、汎用性に気を付けてカード選択・構築を行えば、ある程度欠点を補いつつもジェネラルが戦場に残った時により強力な動きを期待できるようになるので率先してこのような構築をしていきたい。
例1:《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
初手にあるからこそマナクリーチャーが2T目には《泥棒カササギ/Thieving Magpie》になってくれる事を期待出来る。初手にあるからこそ《時間のねじれ/Time Warp》が《探検/Explore》にならない事を期待出来る。
デッキ内のカード全体がジェネラルの利点を活かすように選択されたデッキの代表格である。
例2:《三日月の神/Kami of the Crescent Moon》
初手にあるからこそ1~2T目に《吠えたける鉱山/Howling Mine》設置後のゲーム加速状態に突入する事を期待した構築が出来る。
手札が尽きにくいので雑にばらまける軽量カード、撃つだけで勝手にアドが取れる追加ターン。すべてゲームが加速している事を前提としたカードである。
☆もう1つのデッキ構築のとっかかり
ここまでで、「勝ち筋」「ジェネラル(および色)」という、デッキの背骨となる部分が決定した。
ここから実際の細かな構築に移っていく事となるのだが……その前に、この段階に行くためのもう1つのルートについて書いておく必要がある。
それが「ジェネラル選択から始めるデッキ構築」である。
ここまでは、「何らかの方法で勝利する」というデッキの最終目的を明確にしておく関係上、また、このジェネラル選択から始める構築時の説明で必要になる事が予想されていたため、直接的で分かりやすく先に説明も出来る「勝ち筋の選択」からデッキ構築を始める記事を書いていたのだが、実際にはこちらのルートで構築した方がデッキを組みやすい事が多い。
「このレジェンドを活躍させたい」「このレジェンドならこんな事が出来そうだ」というのは、1枚のカードを起点に思考が進んでいくので単純明快になりやすい。1万種類のカードから構築の手がかりを探していくよりも圧倒的に楽なのは明白だ。
そんな訳で、次回第3回は「ジェネラル選択から始めるデッキ構築」についての記事を書いていこうと思う。
第1.5回で勝ち筋の具体例を並べたようなジェネラルの具体例は、ジェネラルから始める構築の話も終わってからの、第3.5回になる予定。
最近EDH人口が増えていると聞いて 1.5
2014年6月6日 EDH環境考察 コメント (4)前回(http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/)のおまけ。具体例書いてなかったw
という訳でお勧めの勝ち手段
経験者の方々から見れば基本的な所ばっかりになると思うけど。
☆軽さが利点
◎《生き埋め/Buried Alive》
・《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》
黒単でもできる2枚コンボ。
壊死のウーズを釣るリアニメイトは複数枚積めるのでコンボパーツを揃えやすい。また、合計4~6マナ程度と軽量なため、速さも十分。
通常の除去が効かず、基本的に墓地対策かカウンターでしか対処できない。みんなに墓地対策の大切さを教えてくれる偉いウーズ。
欠点はデッキのマナコストに制限がかかる事。ある程度重くしないと十分なダメージを発生させる事が出来ない。
・《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
詐欺師の総督を《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》に変えれば赤黒でもいける2枚コンボ。《修復の天使/Restoration Angel》などに変えれば赤黒白でもいける。
このルートだけ考えると、除去が効く上にライフを必要とするので対処しやすいウーズコンボの下位互換だが、キキジキ+総督のコンボは手札からキャストでもいけるので墓地対策に強いという利点がある。
通常なら手札に入って来てもうんざりする生き埋め用パーツが手札に来た時にもコンボパーツとして使えるというのは無駄牌を減らす意味でも悪くない要素。
◎《隠遁ドルイド/Hermit Druid》
構築段階でデッキの基本土地を失くし、ライブラリーを墓地に全部落として《戦慄の復活/Dread Return》フラッシュバックで《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》を釣り上げてコンボに入るデッキ。
事実上1枚コンボで、召喚酔いで1ターンのタイムラグがあるとは言え2マナで動き出せるという異様な軽さ、速さが利点。また、クリーチャーであるためサーチがしやすい点も優秀。
生き埋めウーズコンボをさらに尖らせたような性質を持ち、速さの代わりに墓地対策が有効で無駄牌が多く、クリーチャー除去(ソーサリーも可)も効く、と対処のしやすさが目立つ。
《生き埋め/Buried Alive》型とハイブリットされるのをよく見る。
◎《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》
《納墓/Entomb》から始める3枚コンボ。
納墓+リアニメイトで始動が可能なため、最軽量は始動3マナと非常に早い。
コンボパーツのカードタイプが「インスタント・エンチャント」と分かれており、ちょっとサーチがしにくく、また、コンボパーツの3枚目であるフィニッシュ手段の関係で準備に手間を取られる事もしばしば。
その点を補える《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》や《地下牢の管理人、グレンゾ/Grenzo, Dungeon Warden 》ジェネラルは相性がいいと言える。
フィニッシュ手段としては、《シヴのヘルカイト/Shivan Hellkite》や《血儀式の発動者/Bloodrite Invoker》、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》などが挙げられる。特にボガーダンのヘルカイトは手札にいれば全くの下準備なしで「納墓+リアニメイト」から勝てるので速度に貢献する。
なお、失敗すると自分のパーマネントがまとめてすっ飛ぶ事が多々ある。始める時にはその辺りのリスクを覚悟しておきたい。
◎《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
複数パーツのある3枚コンボ。
とは言え2枚目となる部分は《Demonic Consultation》《汚れた契約/Tainted Pact》と軽い所で複数あるし、3枚目に至ってはドローなら何でもいいので事実上2枚コンボ程度の揃えやすさを持っていると言っていい。必要マナは4~7程度。結構軽い。
コンボ時に、「偏執狂キャスト→即《彩色の宝球/Chromatic Sphere》でドロー」と動く事により、除去の利かないコンボに化ける事も出来るのも利点。そこまでしなくとも、インスタントドローを構える事によって除去を躱して勝ったりも出来る。
また、無駄になりやすいパーツが少なめ(《Demonic Consultation》と《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》くらい)であるのも偉い。
外すと即死が見えるハイリスクさがあるが、中々優秀なコンボだと思っている。
◎《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
実質1枚コンボ。
《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》と揃えて無限マナ無限ダメージを発生させる。他のコンボを仕込めるならば呪文爆弾は他の色でもいい(ドローに変えてパーツを揃える)ので白緑でも可能。
非常に軽いのだが、デッキ構築段階でデッキに廃品回収者以外のクリーチャーを入れられず、コンボ始動に《隠遁ドルイド/Hermit Druid》同様1ターンのタイムラグがあり、コンボ自体が決まるかどうかも廃品回収者より先に他のパーツが捲れるかの運次第であり、コンボ始動時に手札が空になるので無防備となり、クリーチャー除去・墓地対策・エンチャント破壊と様々な妨害がささる、とかなり多くの欠点を持つ。
しかしそれを補うに足る速度は持っているので悪くはないコンボである。
☆集めやすさが利点
◎《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》
全部無色で可能な3枚コンボ。
これまでのコンボに比べると圧倒的に重いのだが、これの利点はすべてのパーツがアーティファクトであるという揃えやすさ。アーティファクトサーチが得意な青なら、フルでサーチを積み込めば思ったよりも楽にパーツを集められる。
◎《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》
無限マナ発生エンジン+フィニッシュの3枚コンボ。
《流浪のドレイク/Peregrine Drake》などと組み合わせると無限マナ発生。そこからのフィニッシュも、CIP持ちのクリーチャーを幅広く使えるので準備しやすい。
これも上のアーティファクトコンボ同様、重めではあるがクリーチャーのみで構成されているのが利点で、クリーチャーサーチが得意な緑なら楽にパーツを集める事が出来る。
青緑系のデッキにお勧めしたい。
◎《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》などと組み合わせて無限速攻トークンを出せる2枚コンボ。
結構重いが、こちらもすべてのパーツがクリーチャーであるため緑系なら集めやすい。他にフィニッシュ手段を必要としない純正2枚コンボのため、《歯と爪/Tooth and Nail》からいきなり勝てる。
また、これは価格的に本来の趣旨からずれる話題だが、詐欺師の総督や村の鐘鳴らし型ならば《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》というパーツ双方をサーチ可能なカードが増えるので、お財布に余裕があればこちらの型の方が便利だろう。キキジキで徴募兵をコピーする事により、マナさえあれば一気にコンボ完成まで持っていける。
◎《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》
《トリスケリオン/Triskelion》と組み合わせて無限不死からの無限ダメージ。
とても重いし墓地依存のため墓地対策も効くが、パーツがクリーチャーオンリーの純正2枚コンボであるため揃えやすい。キキジキ軸と同じく《歯と爪/Tooth and Nail》1枚で勝てる。
黒単ならば《生き埋め/Buried Alive》軸の方が手っ取り早いので、クリーチャーサーチの豊富になる黒緑系デッキに投入される事となるだろう。
パーツがウーズコンボと被っているので、サブプランとして使えるように《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》だけ仕込んで置くのも悪くない。
他のデッキに負けない速さの確保、コンボの決めやすさ・集めやすさを考慮した上での、オススメ勝ち手段はこんな所。
これらコンボを軸にデッキを組めれば勝ち手段の面での速度不足をある程度は解消してくれるだろう。
という訳でお勧めの勝ち手段
経験者の方々から見れば基本的な所ばっかりになると思うけど。
☆軽さが利点
◎《生き埋め/Buried Alive》
・《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》
黒単でもできる2枚コンボ。
壊死のウーズを釣るリアニメイトは複数枚積めるのでコンボパーツを揃えやすい。また、合計4~6マナ程度と軽量なため、速さも十分。
通常の除去が効かず、基本的に墓地対策かカウンターでしか対処できない。みんなに墓地対策の大切さを教えてくれる偉いウーズ。
欠点はデッキのマナコストに制限がかかる事。ある程度重くしないと十分なダメージを発生させる事が出来ない。
・《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
詐欺師の総督を《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》に変えれば赤黒でもいける2枚コンボ。《修復の天使/Restoration Angel》などに変えれば赤黒白でもいける。
このルートだけ考えると、除去が効く上にライフを必要とするので対処しやすいウーズコンボの下位互換だが、キキジキ+総督のコンボは手札からキャストでもいけるので墓地対策に強いという利点がある。
通常なら手札に入って来てもうんざりする生き埋め用パーツが手札に来た時にもコンボパーツとして使えるというのは無駄牌を減らす意味でも悪くない要素。
◎《隠遁ドルイド/Hermit Druid》
構築段階でデッキの基本土地を失くし、ライブラリーを墓地に全部落として《戦慄の復活/Dread Return》フラッシュバックで《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》を釣り上げてコンボに入るデッキ。
事実上1枚コンボで、召喚酔いで1ターンのタイムラグがあるとは言え2マナで動き出せるという異様な軽さ、速さが利点。また、クリーチャーであるためサーチがしやすい点も優秀。
生き埋めウーズコンボをさらに尖らせたような性質を持ち、速さの代わりに墓地対策が有効で無駄牌が多く、クリーチャー除去(ソーサリーも可)も効く、と対処のしやすさが目立つ。
《生き埋め/Buried Alive》型とハイブリットされるのをよく見る。
◎《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》
《納墓/Entomb》から始める3枚コンボ。
納墓+リアニメイトで始動が可能なため、最軽量は始動3マナと非常に早い。
コンボパーツのカードタイプが「インスタント・エンチャント」と分かれており、ちょっとサーチがしにくく、また、コンボパーツの3枚目であるフィニッシュ手段の関係で準備に手間を取られる事もしばしば。
その点を補える《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》や《地下牢の管理人、グレンゾ/Grenzo, Dungeon Warden 》ジェネラルは相性がいいと言える。
フィニッシュ手段としては、《シヴのヘルカイト/Shivan Hellkite》や《血儀式の発動者/Bloodrite Invoker》、《ボガーダンのヘルカイト/Bogardan Hellkite》などが挙げられる。特にボガーダンのヘルカイトは手札にいれば全くの下準備なしで「納墓+リアニメイト」から勝てるので速度に貢献する。
なお、失敗すると自分のパーマネントがまとめてすっ飛ぶ事が多々ある。始める時にはその辺りのリスクを覚悟しておきたい。
◎《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
複数パーツのある3枚コンボ。
とは言え2枚目となる部分は《Demonic Consultation》《汚れた契約/Tainted Pact》と軽い所で複数あるし、3枚目に至ってはドローなら何でもいいので事実上2枚コンボ程度の揃えやすさを持っていると言っていい。必要マナは4~7程度。結構軽い。
コンボ時に、「偏執狂キャスト→即《彩色の宝球/Chromatic Sphere》でドロー」と動く事により、除去の利かないコンボに化ける事も出来るのも利点。そこまでしなくとも、インスタントドローを構える事によって除去を躱して勝ったりも出来る。
また、無駄になりやすいパーツが少なめ(《Demonic Consultation》と《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》くらい)であるのも偉い。
外すと即死が見えるハイリスクさがあるが、中々優秀なコンボだと思っている。
◎《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
実質1枚コンボ。
《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》と揃えて無限マナ無限ダメージを発生させる。他のコンボを仕込めるならば呪文爆弾は他の色でもいい(ドローに変えてパーツを揃える)ので白緑でも可能。
非常に軽いのだが、デッキ構築段階でデッキに廃品回収者以外のクリーチャーを入れられず、コンボ始動に《隠遁ドルイド/Hermit Druid》同様1ターンのタイムラグがあり、コンボ自体が決まるかどうかも廃品回収者より先に他のパーツが捲れるかの運次第であり、コンボ始動時に手札が空になるので無防備となり、クリーチャー除去・墓地対策・エンチャント破壊と様々な妨害がささる、とかなり多くの欠点を持つ。
しかしそれを補うに足る速度は持っているので悪くはないコンボである。
☆集めやすさが利点
◎《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》
全部無色で可能な3枚コンボ。
これまでのコンボに比べると圧倒的に重いのだが、これの利点はすべてのパーツがアーティファクトであるという揃えやすさ。アーティファクトサーチが得意な青なら、フルでサーチを積み込めば思ったよりも楽にパーツを集められる。
◎《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》
無限マナ発生エンジン+フィニッシュの3枚コンボ。
《流浪のドレイク/Peregrine Drake》などと組み合わせると無限マナ発生。そこからのフィニッシュも、CIP持ちのクリーチャーを幅広く使えるので準備しやすい。
これも上のアーティファクトコンボ同様、重めではあるがクリーチャーのみで構成されているのが利点で、クリーチャーサーチが得意な緑なら楽にパーツを集める事が出来る。
青緑系のデッキにお勧めしたい。
◎《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》などと組み合わせて無限速攻トークンを出せる2枚コンボ。
結構重いが、こちらもすべてのパーツがクリーチャーであるため緑系なら集めやすい。他にフィニッシュ手段を必要としない純正2枚コンボのため、《歯と爪/Tooth and Nail》からいきなり勝てる。
また、これは価格的に本来の趣旨からずれる話題だが、詐欺師の総督や村の鐘鳴らし型ならば《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》というパーツ双方をサーチ可能なカードが増えるので、お財布に余裕があればこちらの型の方が便利だろう。キキジキで徴募兵をコピーする事により、マナさえあれば一気にコンボ完成まで持っていける。
◎《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》
《トリスケリオン/Triskelion》と組み合わせて無限不死からの無限ダメージ。
とても重いし墓地依存のため墓地対策も効くが、パーツがクリーチャーオンリーの純正2枚コンボであるため揃えやすい。キキジキ軸と同じく《歯と爪/Tooth and Nail》1枚で勝てる。
黒単ならば《生き埋め/Buried Alive》軸の方が手っ取り早いので、クリーチャーサーチの豊富になる黒緑系デッキに投入される事となるだろう。
パーツがウーズコンボと被っているので、サブプランとして使えるように《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》だけ仕込んで置くのも悪くない。
他のデッキに負けない速さの確保、コンボの決めやすさ・集めやすさを考慮した上での、オススメ勝ち手段はこんな所。
これらコンボを軸にデッキを組めれば勝ち手段の面での速度不足をある程度は解消してくれるだろう。
最近EDH人口が増えていると聞いて 1
2014年6月6日 EDH環境考察ネット上でちょくちょくそういう話題を見かけるようになったなー、って話なんで大きな実感はないんだけど。
とはいえ自分の身の回りのプレイヤーも自分がEDH始めた時よりも増えたし、EDH需要らしきカードの高騰も見られるし(しかしアヴァシンは絶対に違うと思う。アヴァシンEDHでもそんなに使わねーよw)で、ちょっとはそういう事もあるのかーっても思う。
そんな訳で、今回は「ある程度ガチっぽいデッキにも対抗出来るレベルのデッキを新規参入者が組む方法」ってのを考えてみたいと思う。
「ある程度」「対抗出来る」ってのがポイントで、
・少しはEDHに関して予習している事が前提。ざっくり広い範囲の細かい話をする予定なので。ルールやコンボや戦略に関してまで一つ一つ書いてるとキリがないのです。
・超安価構築っていう訳でもないけれども、5桁届くようなカードは使わない
・適正なプレイングなら4人戦で2割くらいは勝てる
・それぞれのカード資産を流用できるよう、個別カード指定は少なく汎用性重視
・単色縛りはしない。あまり好みでない安くて強めなデッキより、ある程度弱かったり髙かったりでも好きなジェネラル・戦略を選んだ方が楽しいだろうし。安価デッキはまた別の機会に
ってのを念頭に置いて書いていく予定。
周りでEDHやってる所に混ざりたい、友達とスタン落ちしたカード中心に安価でEDH始めたい、っていう新規参入者の助けになれば。
☆デッキコンセプトを決める
まず、対戦ゲームである以上はゲームに勝てるようにしなければならない。その軸としての勝ち手段をまず一番最初に考える。
1・メインの勝ち手段を選択する
ライフが40の多人数戦であるEDHでは、通常のビートダウンが成立しにくい。そのため、主軸に据える勝ち手段としてはコンボをお勧めする。
その際に気を付けたいのは以下のポイント
◎必要パーツが少ない・パーツが複数ある
同じカードを1枚しか入れられないEDH。当然コンボパーツも各1枚しか入れられない。そのため、2枚コンボを揃えるのと3枚コンボを揃えるのでは揃えやすさが段違いに違う。
なので、主軸に据えるコンボはパーツが少ないものを選ぶとよい。
なお、この際レジェンドをパーツに流用出来るコンボは、そのレジェンドをジェネラルに据える事によって必要パーツ数を1つ減らせる事を考慮に入れる事。
例えば《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》ジェネラルなら《Power Artifact》《厳かなモノリス/Grim Monolith》のみの2枚コンボで勝ちだし、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》ジェネラルなら《トリスケリオン/Triskelion》の1枚コンボと考えていい。
また、パーツが複数あればそれだけ揃えやすい。コンボパーツが同型再版されている事はあまり多くないが、コンボを探す時には考慮に入れておいて損はない。
《未来予知/Future Sight》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》+《覚醒の兜/Helm of Awakening》のコンボは、《未来の大魔術師/Magus of the Future》や《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》《雲の鍵/Cloud Key》などをコンボパーツの水増しとして利用出来る。
これも、パーツの少なさ程ではないが優先して選択する理由の一つになるので覚えておいた方がいい。
◎サーチのしやすさ
デッキに1枚しかないコンボパーツを手札に引き込むために重要なのがサーチカードである。
これがある事により、1/99のパーツを実質的に複数枚あるかのように扱う事が出来、それによって安定してコンボに入る事が出来る。
なので、コンボを選択する際には、「その色でどれだけサーチしやすいか」「どの色を加えるとどれだけサーチしやすくなるか」と評価基準として加えると良い。
例えば青ならアーティファクトサーチは《Transmute Artifact》《加工/Fabricate》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》などかなりの数があるが、クリーチャーのサーチは不得手だ。なので、青いデッキならアーティファクトを中心にコンボを組んだ方がいい。
また、例えばここで、《魔力の篭手/Gauntlet of Power》《パリンクロン/Palinchron》のコンボを組もうとしたとする。この場合、パリンクロンをサーチしやすくなるように、クリーチャーサーチの豊富な緑を加えるという事が考慮に加わってくる。
ここから発展して、その色を加える事により勝ち手段が増えたり安定したりするのなら色を加える方向性は成功していると言える。
上の例なら、緑が加われば《春の鼓動/Heartbeat of Spring》もコンボパーツとして追加できるし、《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《パリンクロン/Palinchron》コンボも(クリーチャーサーチの豊富な緑があるので)揃えやすいコンボとして追加できる。
また、足りない方のコンボパーツをスムーズにサーチ出来るよう、コンボパーツのカードタイプは統一しておくのが望ましい。
例えば上の例の場合、魔力の篭手+パリンクロンコンボの場合は、篭手はアーティファクト、パリンクロンはクリーチャーであるため、篭手がある状況で加工を引いても無駄になるが、航海士+パリンクロンコンボの場合はどちらにしろクリーチャーなので、アーティファクト関連をすべて抜いてクリーチャーサーチに変えてしまえば、どちらを持っている状況でもサーチの裏目は出ない。
色によって得意分野は違うので、「色の得意なサーチ合った」「カードタイプが統一された」コンボを選ぶのが望ましい。
サーチが噛み合えば実質的な枚数が数倍となるので、実は上の項で書いたコンボパーツの枚数そのものよりもこちらの方が重要だったりする。コンボパーツが1枚増えても2倍だが、有効なサーチが3枚あるだけでデッキ内のパーツは実質4倍なのだから。しかもサーチはコンボパーツ以外のサーチにも使えるし、パーツと違って重ね引いて無駄牌になる事もない。
なお、黒には《吸血の教示者/Vampiric Tutor》のような万能サーチが複数枚存在する。ストレスなくコンボに入りたいのなら、デッキに黒を加える事をお勧めしたい。
◎コンボの軽さ
いくら素早くコンボパーツを手札に揃える事が出来ても、キャスト出来なくては意味がない。
例えば、《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》も《欠片の双子/Splinter Twin》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》も無限速攻トークンを発生させる2枚コンボだが、前者は計10マナ、後者は計7マナで成立する。
その点に着目して考えると、後者のコンボの方が早いターンでコンボに入る事が出来るために優秀であると言える。
(なお、この例はコンボ自体の性能を評価するものではない。例えば前者はどちらを先置きしてもいいし、両方クリーチャーなのでサーチを揃えられる)
対戦相手の勝ちを止める方法は大きく分けて2通り。ひとつは「対戦相手の勝ち手段を妨害する」そしてもうひとつは「対戦相手が勝つよりも先に勝つ」というものだ。
後者の方法を選べるのなら、「対戦相手の妨害」という余分なカードをデッキに入れなくて済み、その分自分の加速・アドバンテージなどのために枠を使える。
勝ち手段を軽く出来るのなら、軽いに越した事はないのである。
◎コンボパーツ自体の性能
複数枚揃えばその場で勝ちが決まるコンボパーツ。しかし単体ではその即勝利の効果は望めない。
だが、ゲームの大半はコンボが揃っていない状態で進む。そんな時に響いてくるのがパーツ単体としての性能だ。
例えば、《Power Artifact》も《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》も《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とコンボして無限マナを発生させるカードであるのだが、《Power Artifact》は2マナと指輪の3マナよりも軽く、さらにはコンボ始動に必要なマナも指輪に比べて少ない。
しかしながら、《Power Artifact》は単体だと本当に使いようがない。単体で何の仕事もせず、先置きしておく事すらできない。
それに対し、指輪の方は単体でも少しは仕事をする。例えばフェッチランドをコピーしてマナを増やしたり、独楽のドローをコピーしてアドを稼いだり出来る。そもそも先置き(マナの先払い)出来るだけでコンボに入る時のマナを減らす事が出来るので偉い。
この点はかなり重要である。
コンボパーツが増えれば増えるほどコンボ成立確率は上がるが、その分だけコンボ完成まで無駄牌を抱える可能性が増えるという事。何の仕事もしないコンボパーツは、コンボ完成までは潜在的なアド損としなり続けるので、コンボにしか使えないパーツは出来る限り減らす事は強く意識しておきたい。
2・サブの勝ち手段を選択する
例えば、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《トリスケリオン/Triskelion》で勝とうとするデッキがあったとする。
この場合、そのどちらかがリムーブされるだけで勝ち手段が無くなってしまう。
また、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》が戦場に置かれているだけでコンボに行く事が出来ない。1枚程度なら退ければいいが、もし複数枚置かれていたりするとなるとコンボに行くのも骨だ。
そんな時に頼りになるのが第2の勝ち手段である。
カード1枚で詰まされてはたまらないので、デッキにはぜひとも2、3個の勝ち手段を準備しておきたい。
この、いわゆるプランBの選択時の基準となるのは以下の通り。
◎メインの勝ち手段と違う軸で勝てる
例えば上の例の場合、ここに《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《モグの狂信者/Mogg Fanatic》のコンボを入れても意味は薄い。
このコンボはミケウストリスケ同様に墓地依存が強いので、これだとメインコンボが止まっている時に一緒に止まってしまう。
なので、サブの勝ち手段はメインと違う弱点、例えばアーティファクト破壊が有効だが墓地対策は効かない「《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》《瀉血/Exsanguinate》」などを選択するのが望ましい。
◎メインの勝ち手段と並列した動きが可能
例えば《テューンの大天使/Archangel of Thune》《スパイクの飼育係/Spike Feeder》《トリスケリオン/Triskelion》というコンボは、例に挙げていたミケウストリスケと《トリスケリオン/Triskelion》のパーツが被っている。
これなら実質投入される新たなコンボパーツは1枚少ない2枚で済むし、クリーチャーメインのコンボなのでメインコンボ用のサーチとも噛み合う。
◎ビートダウンも立派なサブプラン
特にクリーチャーの豊富な緑系のデッキならば、ビートダウンもサブの勝ち手段として十分選択肢に値する。
もちろん、最初に書いたようにビートダウンは速度は遅いし即効性もないためにメインの勝ち手段とはなり得ない。ビートダウン特化もしていないのならなおさらだ。
しかしながら、互いに妨害の刺し合いで長引いた時、コンボパーツなのに妙にサイズの大きいクリーチャーやアド取り用の《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》でライフを詰めていく事は意外と有効だ。
長期戦に陥った場合、ライフを詰めると対戦相手のライフにクロックがかかり、強引な速度アップを強要したり、ブロッカーを立てるために速度が落ちる行動を強要したりできるようになる。
このような状況になるかどうかは実際にゲームが進んで長期戦になるまで分からない。そんな時に後悔しないように、ダメージを刻める時には刻んでおく事を意識しておいた方がいい。
また、構築段階でも(特に緑を中心とする大型クリーチャーがなぜかパーツになっているコンボ)は、クリーチャーの数やパワーを意識しておいても損はない。
さあ、ここまで基本のコンセプトとなる勝ち手段、それを補助するサブの勝ち手段が決まる訳ですが……ここまでだけでこんなに長くなってしまったので続きはまたいつかw
長くなりそうだとは思っていたけどここまでになるとは思ってなかったw
次は「色とジェネラルの選択」について書く予定。
とはいえ自分の身の回りのプレイヤーも自分がEDH始めた時よりも増えたし、EDH需要らしきカードの高騰も見られるし(しかしアヴァシンは絶対に違うと思う。アヴァシンEDHでもそんなに使わねーよw)で、ちょっとはそういう事もあるのかーっても思う。
そんな訳で、今回は「ある程度ガチっぽいデッキにも対抗出来るレベルのデッキを新規参入者が組む方法」ってのを考えてみたいと思う。
「ある程度」「対抗出来る」ってのがポイントで、
・少しはEDHに関して予習している事が前提。ざっくり広い範囲の細かい話をする予定なので。ルールやコンボや戦略に関してまで一つ一つ書いてるとキリがないのです。
・超安価構築っていう訳でもないけれども、5桁届くようなカードは使わない
・適正なプレイングなら4人戦で2割くらいは勝てる
・それぞれのカード資産を流用できるよう、個別カード指定は少なく汎用性重視
・単色縛りはしない。あまり好みでない安くて強めなデッキより、ある程度弱かったり髙かったりでも好きなジェネラル・戦略を選んだ方が楽しいだろうし。安価デッキはまた別の機会に
ってのを念頭に置いて書いていく予定。
周りでEDHやってる所に混ざりたい、友達とスタン落ちしたカード中心に安価でEDH始めたい、っていう新規参入者の助けになれば。
☆デッキコンセプトを決める
まず、対戦ゲームである以上はゲームに勝てるようにしなければならない。その軸としての勝ち手段をまず一番最初に考える。
1・メインの勝ち手段を選択する
ライフが40の多人数戦であるEDHでは、通常のビートダウンが成立しにくい。そのため、主軸に据える勝ち手段としてはコンボをお勧めする。
その際に気を付けたいのは以下のポイント
◎必要パーツが少ない・パーツが複数ある
同じカードを1枚しか入れられないEDH。当然コンボパーツも各1枚しか入れられない。そのため、2枚コンボを揃えるのと3枚コンボを揃えるのでは揃えやすさが段違いに違う。
なので、主軸に据えるコンボはパーツが少ないものを選ぶとよい。
なお、この際レジェンドをパーツに流用出来るコンボは、そのレジェンドをジェネラルに据える事によって必要パーツ数を1つ減らせる事を考慮に入れる事。
例えば《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》ジェネラルなら《Power Artifact》《厳かなモノリス/Grim Monolith》のみの2枚コンボで勝ちだし、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》ジェネラルなら《トリスケリオン/Triskelion》の1枚コンボと考えていい。
また、パーツが複数あればそれだけ揃えやすい。コンボパーツが同型再版されている事はあまり多くないが、コンボを探す時には考慮に入れておいて損はない。
《未来予知/Future Sight》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》+《覚醒の兜/Helm of Awakening》のコンボは、《未来の大魔術師/Magus of the Future》や《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》《雲の鍵/Cloud Key》などをコンボパーツの水増しとして利用出来る。
これも、パーツの少なさ程ではないが優先して選択する理由の一つになるので覚えておいた方がいい。
◎サーチのしやすさ
デッキに1枚しかないコンボパーツを手札に引き込むために重要なのがサーチカードである。
これがある事により、1/99のパーツを実質的に複数枚あるかのように扱う事が出来、それによって安定してコンボに入る事が出来る。
なので、コンボを選択する際には、「その色でどれだけサーチしやすいか」「どの色を加えるとどれだけサーチしやすくなるか」と評価基準として加えると良い。
例えば青ならアーティファクトサーチは《Transmute Artifact》《加工/Fabricate》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》などかなりの数があるが、クリーチャーのサーチは不得手だ。なので、青いデッキならアーティファクトを中心にコンボを組んだ方がいい。
また、例えばここで、《魔力の篭手/Gauntlet of Power》《パリンクロン/Palinchron》のコンボを組もうとしたとする。この場合、パリンクロンをサーチしやすくなるように、クリーチャーサーチの豊富な緑を加えるという事が考慮に加わってくる。
ここから発展して、その色を加える事により勝ち手段が増えたり安定したりするのなら色を加える方向性は成功していると言える。
上の例なら、緑が加われば《春の鼓動/Heartbeat of Spring》もコンボパーツとして追加できるし、《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《パリンクロン/Palinchron》コンボも(クリーチャーサーチの豊富な緑があるので)揃えやすいコンボとして追加できる。
また、足りない方のコンボパーツをスムーズにサーチ出来るよう、コンボパーツのカードタイプは統一しておくのが望ましい。
例えば上の例の場合、魔力の篭手+パリンクロンコンボの場合は、篭手はアーティファクト、パリンクロンはクリーチャーであるため、篭手がある状況で加工を引いても無駄になるが、航海士+パリンクロンコンボの場合はどちらにしろクリーチャーなので、アーティファクト関連をすべて抜いてクリーチャーサーチに変えてしまえば、どちらを持っている状況でもサーチの裏目は出ない。
色によって得意分野は違うので、「色の得意なサーチ合った」「カードタイプが統一された」コンボを選ぶのが望ましい。
サーチが噛み合えば実質的な枚数が数倍となるので、実は上の項で書いたコンボパーツの枚数そのものよりもこちらの方が重要だったりする。コンボパーツが1枚増えても2倍だが、有効なサーチが3枚あるだけでデッキ内のパーツは実質4倍なのだから。しかもサーチはコンボパーツ以外のサーチにも使えるし、パーツと違って重ね引いて無駄牌になる事もない。
なお、黒には《吸血の教示者/Vampiric Tutor》のような万能サーチが複数枚存在する。ストレスなくコンボに入りたいのなら、デッキに黒を加える事をお勧めしたい。
◎コンボの軽さ
いくら素早くコンボパーツを手札に揃える事が出来ても、キャスト出来なくては意味がない。
例えば、《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》も《欠片の双子/Splinter Twin》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》も無限速攻トークンを発生させる2枚コンボだが、前者は計10マナ、後者は計7マナで成立する。
その点に着目して考えると、後者のコンボの方が早いターンでコンボに入る事が出来るために優秀であると言える。
(なお、この例はコンボ自体の性能を評価するものではない。例えば前者はどちらを先置きしてもいいし、両方クリーチャーなのでサーチを揃えられる)
対戦相手の勝ちを止める方法は大きく分けて2通り。ひとつは「対戦相手の勝ち手段を妨害する」そしてもうひとつは「対戦相手が勝つよりも先に勝つ」というものだ。
後者の方法を選べるのなら、「対戦相手の妨害」という余分なカードをデッキに入れなくて済み、その分自分の加速・アドバンテージなどのために枠を使える。
勝ち手段を軽く出来るのなら、軽いに越した事はないのである。
◎コンボパーツ自体の性能
複数枚揃えばその場で勝ちが決まるコンボパーツ。しかし単体ではその即勝利の効果は望めない。
だが、ゲームの大半はコンボが揃っていない状態で進む。そんな時に響いてくるのがパーツ単体としての性能だ。
例えば、《Power Artifact》も《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》も《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とコンボして無限マナを発生させるカードであるのだが、《Power Artifact》は2マナと指輪の3マナよりも軽く、さらにはコンボ始動に必要なマナも指輪に比べて少ない。
しかしながら、《Power Artifact》は単体だと本当に使いようがない。単体で何の仕事もせず、先置きしておく事すらできない。
それに対し、指輪の方は単体でも少しは仕事をする。例えばフェッチランドをコピーしてマナを増やしたり、独楽のドローをコピーしてアドを稼いだり出来る。そもそも先置き(マナの先払い)出来るだけでコンボに入る時のマナを減らす事が出来るので偉い。
この点はかなり重要である。
コンボパーツが増えれば増えるほどコンボ成立確率は上がるが、その分だけコンボ完成まで無駄牌を抱える可能性が増えるという事。何の仕事もしないコンボパーツは、コンボ完成までは潜在的なアド損としなり続けるので、コンボにしか使えないパーツは出来る限り減らす事は強く意識しておきたい。
2・サブの勝ち手段を選択する
例えば、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《トリスケリオン/Triskelion》で勝とうとするデッキがあったとする。
この場合、そのどちらかがリムーブされるだけで勝ち手段が無くなってしまう。
また、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》が戦場に置かれているだけでコンボに行く事が出来ない。1枚程度なら退ければいいが、もし複数枚置かれていたりするとなるとコンボに行くのも骨だ。
そんな時に頼りになるのが第2の勝ち手段である。
カード1枚で詰まされてはたまらないので、デッキにはぜひとも2、3個の勝ち手段を準備しておきたい。
この、いわゆるプランBの選択時の基準となるのは以下の通り。
◎メインの勝ち手段と違う軸で勝てる
例えば上の例の場合、ここに《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《モグの狂信者/Mogg Fanatic》のコンボを入れても意味は薄い。
このコンボはミケウストリスケ同様に墓地依存が強いので、これだとメインコンボが止まっている時に一緒に止まってしまう。
なので、サブの勝ち手段はメインと違う弱点、例えばアーティファクト破壊が有効だが墓地対策は効かない「《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》《瀉血/Exsanguinate》」などを選択するのが望ましい。
◎メインの勝ち手段と並列した動きが可能
例えば《テューンの大天使/Archangel of Thune》《スパイクの飼育係/Spike Feeder》《トリスケリオン/Triskelion》というコンボは、例に挙げていたミケウストリスケと《トリスケリオン/Triskelion》のパーツが被っている。
これなら実質投入される新たなコンボパーツは1枚少ない2枚で済むし、クリーチャーメインのコンボなのでメインコンボ用のサーチとも噛み合う。
◎ビートダウンも立派なサブプラン
特にクリーチャーの豊富な緑系のデッキならば、ビートダウンもサブの勝ち手段として十分選択肢に値する。
もちろん、最初に書いたようにビートダウンは速度は遅いし即効性もないためにメインの勝ち手段とはなり得ない。ビートダウン特化もしていないのならなおさらだ。
しかしながら、互いに妨害の刺し合いで長引いた時、コンボパーツなのに妙にサイズの大きいクリーチャーやアド取り用の《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》でライフを詰めていく事は意外と有効だ。
長期戦に陥った場合、ライフを詰めると対戦相手のライフにクロックがかかり、強引な速度アップを強要したり、ブロッカーを立てるために速度が落ちる行動を強要したりできるようになる。
このような状況になるかどうかは実際にゲームが進んで長期戦になるまで分からない。そんな時に後悔しないように、ダメージを刻める時には刻んでおく事を意識しておいた方がいい。
また、構築段階でも(特に緑を中心とする大型クリーチャーがなぜかパーツになっているコンボ)は、クリーチャーの数やパワーを意識しておいても損はない。
さあ、ここまで基本のコンセプトとなる勝ち手段、それを補助するサブの勝ち手段が決まる訳ですが……ここまでだけでこんなに長くなってしまったので続きはまたいつかw
長くなりそうだとは思っていたけどここまでになるとは思ってなかったw
次は「色とジェネラルの選択」について書く予定。
EDH ターン進行ごとの警戒すべきデッキやコンボ
2014年6月1日 EDH環境考察これは自分個人の主義だけれど、デッキに妨害を組み入れる時の選択は、真っ直ぐに行っても勝てないデッキ・コンボに対するカードを中心にすべきだと思っている。
それに加えて、対戦相手も同じ基準で突っ込んできているであろう妨害にやられないための「妨害に対する妨害(5色デッキで《血染めの月/Blood Moon》対策とか)」も積む必要があるが、それは前者のカードで対処出来る事が多いし、そもそもそんなところに枠を割きまくるのは後手後手もいい所なのでお守り的に1、2枚入れる程度で事足りるだろう。
そんな訳でデッキに入る妨害は、前者の要素、「自分のデッキが普通に回っただけでは勝てない可能性が高いデッキに対する対策」が中心となる。
その選択基準として一番大きいのが、「自分が勝ち手段を叩きつける前に勝ち手段を叩きつけられる」という要素である。
そのため、ターンごとに警戒するパターンを書いておけばデッキを組む時に楽になるかな、と思い付いたのでカリカリ書いていこうかと思った訳です。
いわゆるメタ・ゲームってやつです。デッキや勝ちパターンが異様に多いEDHだけど、それでも警戒するべきである「良く見かけるデッキ」「良く見かける勝ち手段」てのはあるだろうから主要な所をまとめておくだけでも違うかと。
前フリはそんな所で、早速。
☆書き方は、「ターン数・警戒すべきアクション・そこから1、2ターン後という近い将来で繋がる「詰み」パターン・対処手段例」みたいな感じで。
基本的にそこまで特殊な例(1T目に《むかつき/Ad Nauseam》飛んで来た、とか)は出さないつもり。
また、基本的にはジェネラルやパーマネントなどの公開情報で判断出来るものを表記する。
☆1ターン目
・《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《俗世の教示者/Worldly Tutor》など
2T目《隠遁ドルイド/Hermit Druid》からの3キル
《精神的つまづき/Mental Misstep》、墓地対策、クリーチャー除去
・《悟りの教示者/Enlightened Tutor》《吸血の教示者/Vampiric Tutor》など
2T目《ドルイドの誓い/Oath of Druids》からの《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》での3キル
《精神的つまづき/Mental Misstep》、墓地対策、クリーチャー除去、エンチャント除去
最速かつ1枚で勝てる系の有名どころは恐らくこの辺。
その速さは圧倒的ではあるが、様々な種類の妨害が軒並み刺さるのが救い。わざわざこれらのために妨害キープするのは自分が必要以上に遅くなるだけなのでお勧めはしない。そもそもジェネラルだけでは確信できない勝ち手段なので、入っていない可能性だってあるのだし。
それでも怖いは怖いので、もしもちょっと余裕があるなら初手に妨害の1枚でもキープしておくと安心かも知れない。
特に《精神的つまづき/Mental Misstep》は教示者からの《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》と言った単純にこちらに速度差をつけて来ようとする動きを抑えに行けるので抱えておくのは悪くない。
☆2ターン目
・《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
1ターン目の項の通り。通常はこの盤面で危険を認識できるはず。
・《魔力の櫃/Mana Vault》《ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sage》など大きなマナ加速
3、4ターン目に《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》叩きつけ
それらの加速要素を破壊する、《法の定め/Rule of Law》など
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
4ターン目くらいからの追加ターンループ
クリーチャー除去・ブロッカー
最速コンボ(ハーミット、サルベイジャー)が最速だと見えるターン。どちらも始動にタイムラグがあるので、サーチして止めるだけの隙はある。出来ればわざわざサーチしてまで止めたくはないが、生き延びるためには仕方がない。
また、《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》デッキのリーチ気配が見えるは早ければこのターン。キャストされてからでは手遅れ気味なので、可能ならばこの時点で減速させておきたい。
加速要素がクリーチャー、スペル、アーティファクトとばらけがちなので、噛み合わないと止めにくいのが辛い所。
大渦キャストまで行った場合でも捲れた危険スペルを1枚のみながら止められるカウンターは、どのマナ加速にも刺さる点でも優秀な対策となる。
続唱が運任せなのと、0ターン目時点で手の内がバレ気味になっているというのは対処しやすい点。大渦のマナベースは優先的に壊そう。
現行最強ジェネラルと名高いエドリックの初動もここ。
このターンでの対処が必須という訳でもないし、勝ちが決まるのもすぐという訳ではないのだが、放って置くとそれだけでアド差が広がりエドリックを守られやすくなるし、アンタップステップを迎えさせてしまうとカウンターのためのマナも立つので早めに止めておくに越した事はない。
ブロッカー自体は有効なのだが、3人そろってようやく意味を成す行動である事には注意。1人でもがら空きだと無意味なので、無理してブロッカーを立てるくらいなら無理してエドリックを除去した方が良い結果になりやすい。
☆3ターン目
・各種教示者
4ターン目の《むかつき/Ad Nauseam》
打ち消し、むかつきを止めるための打ち消し・《沈黙/Silence》等の準備、手札リセット
・各種教示者
4、5ターン目の《生き埋め/Buried Alive》コンボ
打ち消し、生き埋めを止めるための打ち消し・墓地対策等の準備、手札リセット
止めにくい高速コンボ代表である、むかつきと生き埋めが準備段階に入るターン。早いと2ターン目時点で準備をし出して繰り上げ3ターン目に勝ちに来るので注意。
準備を挟む動きはこちらにも準備をする余裕をくれる。手札リセットがささるのはこのタイミングだけ。コンボ気配を見逃さないようにしたい。
例えば黒緑系で、4マナくらい出ている状況で《Demonic Tutor》キャストしてターンエンド、などは次ターン《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》辺りが飛び出してきそうで怪しい。
むかつきの方は分かりやすいので対処する側としてはありがたい。青黒のジェネラルで《泥炭の沼地/Peat Bog》や《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》のようなタップインながら一時的な加速が出来る土地をセットしてきたら警戒しておいて間違いない。
《神秘の教示者/Mystical Tutor》などのインスタントチューターで「詰めた」をしてくる事も多いので、実際はこのターンにおける自然な対処は意外と難しかったりする。
☆4、5ターン目
・《むかつき/Ad Nauseam》
大量ドローからの《不快な夢/Sickening Dreams》など
打ち消し、《沈黙/Silence》など、大幅にライフを削る
・《生き埋め/Buried Alive》
《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》などを釣り上げてコンボ
打ち消し、墓地対策
・エドリックの追加ターンループがスタート
クリーチャー除去、ブロッカー、(追加ターンの打ち消し)
早めのデッキが勝ちに来るターン。
サーチやマナ加速の噛み合い方で、多少前後する事が多いが同じフィニッシュなのでここの2ターンはまとめた。
前者2つは非常に止めにくい。生き埋めの方は多くの色で対処手段を準備しやすい墓地対策が刺さるのでまだマシだろう。むかつきは色によっては特別に対むかつき専用のカードを入れていないと本当に殴るしかなくなる事もある。わざわざそういう狭いカードを入れるか他のプレイヤーに任せて諦めるかは本人次第。どちらの方が平均して勝率が高くなるか難しい所。
3番目、エドリックに関しては、ここまで何も出来ていないとすでに状況的に厳しくなり始めていると言っていいだろう。
サンドバックだと4ターン目までで数枚のアドを取られているので、すでにエドリックを守りやすくなっているし、例え除去出来ていてもすでに取られたアド差は取り返せない。
カッコ書きで書いた対処手段である「追加ターンの打ち消し」などはその最たるもので、「とりあえずループ開始は止めたが相変わらずリーチ状態、しかもアドは取られている」という非常に厳しい状況と言える。
この段階に入った場合、3人がかりで抑え込みにいくか、隙を見て強引にコンボを叩きつけにいくかの2択になるだろう。
ここから先は安定して勝ちに行けるデッキ・コンボの数が非常に多くなるので、大まかなアーキタイプ別で。
☆5、6ターン目
一般的な範囲での「コンボで勝つEDHデッキ」のキルターンはこの辺り。
ある程度軽く集めやすいパーツ数枚でコンボを完成でき、サーチが十分な数入っていて、それを支えるマナ加速やドロー操作も投入されている、というデッキである。
一般には、
「クリーチャーのみで構成されるコンボ>クリーチャーとその他パーマネントの組み合わせで構成されるコンボ>>ノンクリーチャーコンボ」
くらいの遭遇率だろう。
そのため、これよりも遅いデッキの除去はクリーチャー対策を厚めにしておいた方が無難であろう。
☆6、7ターン目
前のめりなビートダウンデッキがここ。
3人を倒す関係上、早くてもこれくらいはかかる。ライフを多めに減らしてくるデッキ相手なら、早いと通常コンボ側の平均ターン程度である5ターン目くらいに1人殺せてしまうくらいの爆発力はあるので、ライフを使うデッキは特に気を付けたい。
ブロッカーを立てる、デッキ内のライフ支払いカードを調整する、除去を使う、などが対処法。
ただし、特にインスタントのピン除去は、自分のコンボが間に合う場合除去の撃ち損になる可能性もあるので盤面をよく見て考えた方がいいだろう。数点のライフを守るために除去を撃ったら他プレイヤーのクリーチャーコンボを止められなかった、となっては本末転倒である。
ある程度以上の速さを持つものを上げていくと、大体こんな所で全部だろうか?
下にあるデッキは自分より上に書かれている動きに対処出来るカードを中心に妨害を組み込むと安定するんじゃないかな、という話でした。
それに加えて、対戦相手も同じ基準で突っ込んできているであろう妨害にやられないための「妨害に対する妨害(5色デッキで《血染めの月/Blood Moon》対策とか)」も積む必要があるが、それは前者のカードで対処出来る事が多いし、そもそもそんなところに枠を割きまくるのは後手後手もいい所なのでお守り的に1、2枚入れる程度で事足りるだろう。
そんな訳でデッキに入る妨害は、前者の要素、「自分のデッキが普通に回っただけでは勝てない可能性が高いデッキに対する対策」が中心となる。
その選択基準として一番大きいのが、「自分が勝ち手段を叩きつける前に勝ち手段を叩きつけられる」という要素である。
そのため、ターンごとに警戒するパターンを書いておけばデッキを組む時に楽になるかな、と思い付いたのでカリカリ書いていこうかと思った訳です。
いわゆるメタ・ゲームってやつです。デッキや勝ちパターンが異様に多いEDHだけど、それでも警戒するべきである「良く見かけるデッキ」「良く見かける勝ち手段」てのはあるだろうから主要な所をまとめておくだけでも違うかと。
前フリはそんな所で、早速。
☆書き方は、「ターン数・警戒すべきアクション・そこから1、2ターン後という近い将来で繋がる「詰み」パターン・対処手段例」みたいな感じで。
基本的にそこまで特殊な例(1T目に《むかつき/Ad Nauseam》飛んで来た、とか)は出さないつもり。
また、基本的にはジェネラルやパーマネントなどの公開情報で判断出来るものを表記する。
☆1ターン目
・《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《俗世の教示者/Worldly Tutor》など
2T目《隠遁ドルイド/Hermit Druid》からの3キル
《精神的つまづき/Mental Misstep》、墓地対策、クリーチャー除去
・《悟りの教示者/Enlightened Tutor》《吸血の教示者/Vampiric Tutor》など
2T目《ドルイドの誓い/Oath of Druids》からの《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》での3キル
《精神的つまづき/Mental Misstep》、墓地対策、クリーチャー除去、エンチャント除去
最速かつ1枚で勝てる系の有名どころは恐らくこの辺。
その速さは圧倒的ではあるが、様々な種類の妨害が軒並み刺さるのが救い。わざわざこれらのために妨害キープするのは自分が必要以上に遅くなるだけなのでお勧めはしない。そもそもジェネラルだけでは確信できない勝ち手段なので、入っていない可能性だってあるのだし。
それでも怖いは怖いので、もしもちょっと余裕があるなら初手に妨害の1枚でもキープしておくと安心かも知れない。
特に《精神的つまづき/Mental Misstep》は教示者からの《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》と言った単純にこちらに速度差をつけて来ようとする動きを抑えに行けるので抱えておくのは悪くない。
☆2ターン目
・《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
1ターン目の項の通り。通常はこの盤面で危険を認識できるはず。
・《魔力の櫃/Mana Vault》《ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sage》など大きなマナ加速
3、4ターン目に《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》叩きつけ
それらの加速要素を破壊する、《法の定め/Rule of Law》など
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
4ターン目くらいからの追加ターンループ
クリーチャー除去・ブロッカー
最速コンボ(ハーミット、サルベイジャー)が最速だと見えるターン。どちらも始動にタイムラグがあるので、サーチして止めるだけの隙はある。出来ればわざわざサーチしてまで止めたくはないが、生き延びるためには仕方がない。
また、《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》デッキのリーチ気配が見えるは早ければこのターン。キャストされてからでは手遅れ気味なので、可能ならばこの時点で減速させておきたい。
加速要素がクリーチャー、スペル、アーティファクトとばらけがちなので、噛み合わないと止めにくいのが辛い所。
大渦キャストまで行った場合でも捲れた危険スペルを1枚のみながら止められるカウンターは、どのマナ加速にも刺さる点でも優秀な対策となる。
続唱が運任せなのと、0ターン目時点で手の内がバレ気味になっているというのは対処しやすい点。大渦のマナベースは優先的に壊そう。
現行最強ジェネラルと名高いエドリックの初動もここ。
このターンでの対処が必須という訳でもないし、勝ちが決まるのもすぐという訳ではないのだが、放って置くとそれだけでアド差が広がりエドリックを守られやすくなるし、アンタップステップを迎えさせてしまうとカウンターのためのマナも立つので早めに止めておくに越した事はない。
ブロッカー自体は有効なのだが、3人そろってようやく意味を成す行動である事には注意。1人でもがら空きだと無意味なので、無理してブロッカーを立てるくらいなら無理してエドリックを除去した方が良い結果になりやすい。
☆3ターン目
・各種教示者
4ターン目の《むかつき/Ad Nauseam》
打ち消し、むかつきを止めるための打ち消し・《沈黙/Silence》等の準備、手札リセット
・各種教示者
4、5ターン目の《生き埋め/Buried Alive》コンボ
打ち消し、生き埋めを止めるための打ち消し・墓地対策等の準備、手札リセット
止めにくい高速コンボ代表である、むかつきと生き埋めが準備段階に入るターン。早いと2ターン目時点で準備をし出して繰り上げ3ターン目に勝ちに来るので注意。
準備を挟む動きはこちらにも準備をする余裕をくれる。手札リセットがささるのはこのタイミングだけ。コンボ気配を見逃さないようにしたい。
例えば黒緑系で、4マナくらい出ている状況で《Demonic Tutor》キャストしてターンエンド、などは次ターン《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》辺りが飛び出してきそうで怪しい。
むかつきの方は分かりやすいので対処する側としてはありがたい。青黒のジェネラルで《泥炭の沼地/Peat Bog》や《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》のようなタップインながら一時的な加速が出来る土地をセットしてきたら警戒しておいて間違いない。
《神秘の教示者/Mystical Tutor》などのインスタントチューターで「詰めた」をしてくる事も多いので、実際はこのターンにおける自然な対処は意外と難しかったりする。
☆4、5ターン目
・《むかつき/Ad Nauseam》
大量ドローからの《不快な夢/Sickening Dreams》など
打ち消し、《沈黙/Silence》など、大幅にライフを削る
・《生き埋め/Buried Alive》
《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》などを釣り上げてコンボ
打ち消し、墓地対策
・エドリックの追加ターンループがスタート
クリーチャー除去、ブロッカー、(追加ターンの打ち消し)
早めのデッキが勝ちに来るターン。
サーチやマナ加速の噛み合い方で、多少前後する事が多いが同じフィニッシュなのでここの2ターンはまとめた。
前者2つは非常に止めにくい。生き埋めの方は多くの色で対処手段を準備しやすい墓地対策が刺さるのでまだマシだろう。むかつきは色によっては特別に対むかつき専用のカードを入れていないと本当に殴るしかなくなる事もある。わざわざそういう狭いカードを入れるか他のプレイヤーに任せて諦めるかは本人次第。どちらの方が平均して勝率が高くなるか難しい所。
3番目、エドリックに関しては、ここまで何も出来ていないとすでに状況的に厳しくなり始めていると言っていいだろう。
サンドバックだと4ターン目までで数枚のアドを取られているので、すでにエドリックを守りやすくなっているし、例え除去出来ていてもすでに取られたアド差は取り返せない。
カッコ書きで書いた対処手段である「追加ターンの打ち消し」などはその最たるもので、「とりあえずループ開始は止めたが相変わらずリーチ状態、しかもアドは取られている」という非常に厳しい状況と言える。
この段階に入った場合、3人がかりで抑え込みにいくか、隙を見て強引にコンボを叩きつけにいくかの2択になるだろう。
ここから先は安定して勝ちに行けるデッキ・コンボの数が非常に多くなるので、大まかなアーキタイプ別で。
☆5、6ターン目
一般的な範囲での「コンボで勝つEDHデッキ」のキルターンはこの辺り。
ある程度軽く集めやすいパーツ数枚でコンボを完成でき、サーチが十分な数入っていて、それを支えるマナ加速やドロー操作も投入されている、というデッキである。
一般には、
「クリーチャーのみで構成されるコンボ>クリーチャーとその他パーマネントの組み合わせで構成されるコンボ>>ノンクリーチャーコンボ」
くらいの遭遇率だろう。
そのため、これよりも遅いデッキの除去はクリーチャー対策を厚めにしておいた方が無難であろう。
☆6、7ターン目
前のめりなビートダウンデッキがここ。
3人を倒す関係上、早くてもこれくらいはかかる。ライフを多めに減らしてくるデッキ相手なら、早いと通常コンボ側の平均ターン程度である5ターン目くらいに1人殺せてしまうくらいの爆発力はあるので、ライフを使うデッキは特に気を付けたい。
ブロッカーを立てる、デッキ内のライフ支払いカードを調整する、除去を使う、などが対処法。
ただし、特にインスタントのピン除去は、自分のコンボが間に合う場合除去の撃ち損になる可能性もあるので盤面をよく見て考えた方がいいだろう。数点のライフを守るために除去を撃ったら他プレイヤーのクリーチャーコンボを止められなかった、となっては本末転倒である。
ある程度以上の速さを持つものを上げていくと、大体こんな所で全部だろうか?
下にあるデッキは自分より上に書かれている動きに対処出来るカードを中心に妨害を組み込むと安定するんじゃないかな、という話でした。
EDHのスパイ的プレイング
2014年4月15日 EDH環境考察 コメント (2)EDHでの交渉が話題になってたり、ちょうどこの前撮った動画見てたら出て来た行動とかで思う事があったので。
☆《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
対戦で、真空圧くんが《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た他人の手札のカードを読み上げるプレイをしていたんだけど、それに関して。
真空圧くんは、基本的には覗いた他人の手札を読み上げていたんだけど、ある手札に関してはさらっとスルーして読み上げをしていなかった。その違いは《Force of Will》の有無。
他の手札は読み上げる事で他プレイヤーの危機感を煽る事が出来るけど、《Force of Will》などのピッチカウンターが手札にある場合は「他プレイヤーがうかつにコンボに突入し、覗かれたプレイヤーのウィルと潰しあって互いに損してくれる。その後の自分のスペルが通りやすくなる」という明確な利点になるので黙っていた方が有利に働きやすい。
また、覗いた手札があまりに弱い場合(土地しかないなど)も黙っていた方がいい。枚数があってマナが立っていれば、あくまでブラフには過ぎないのだが自分以外のプレイヤーの行動に対する抑止力になるから。
ブラフや交渉とはちょっと違う事だけど、真空圧くんのこういうプレイングは上手いと思う。
☆《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
改めて思い返してみると、このカードで他人のライブラリーを覗けるのは、意外とアドバンテージになっている。
流石にじっくり全カードを見るのはゲームが遅延するからよろしくないにしても、最低限目を引くカードだけでも注目して置く事で、デッキの主要な勝ち手段を予測したり危険牌を確認したりが出来るし、構成によっては他人の手札を看破する事も出来る。
例えばデッキの中が《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》《再活性/Reanimate》《動く死体/Animate Dead》《沼/Swamp》×20だったとすれば、そのプレイヤーの手札に《生き埋め/Buried Alive》がある=危険な状態である事が予想出来る。
また、《袖の下/Bribery》《知識の搾取/Knowledge Exploitation》などをキャストする際の判断基準にする事も出来る。
こういったアドバンテージって意外と大きい。
流石に《テレパシー/Telepathy》は色々問題があって使いにくいけどねw 効果自体が強いは強いんだけど。
アドバンテージ面でちょっとしたマイナスがあるのはともかく、公開なせいで自分以外のプレイヤーも互いに手札を見る事が出来、そのため唯一公開していない自分が余分にヘイトを集める事になってしまうっていうのがまずい。
他プレイヤーの手札盤面が危険でない事が保障されている状態だと、手札が非公開な自分がキャストした、ちょっと危険なだけのカードにも除去が飛んで来る。
これが「対戦相手の手札をいつでも見る事が出来る」とかだったら真面目に投入が検討される可能性もあったんだけどねー。
☆《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
対戦で、真空圧くんが《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で見た他人の手札のカードを読み上げるプレイをしていたんだけど、それに関して。
真空圧くんは、基本的には覗いた他人の手札を読み上げていたんだけど、ある手札に関してはさらっとスルーして読み上げをしていなかった。その違いは《Force of Will》の有無。
他の手札は読み上げる事で他プレイヤーの危機感を煽る事が出来るけど、《Force of Will》などのピッチカウンターが手札にある場合は「他プレイヤーがうかつにコンボに突入し、覗かれたプレイヤーのウィルと潰しあって互いに損してくれる。その後の自分のスペルが通りやすくなる」という明確な利点になるので黙っていた方が有利に働きやすい。
また、覗いた手札があまりに弱い場合(土地しかないなど)も黙っていた方がいい。枚数があってマナが立っていれば、あくまでブラフには過ぎないのだが自分以外のプレイヤーの行動に対する抑止力になるから。
ブラフや交渉とはちょっと違う事だけど、真空圧くんのこういうプレイングは上手いと思う。
☆《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
改めて思い返してみると、このカードで他人のライブラリーを覗けるのは、意外とアドバンテージになっている。
流石にじっくり全カードを見るのはゲームが遅延するからよろしくないにしても、最低限目を引くカードだけでも注目して置く事で、デッキの主要な勝ち手段を予測したり危険牌を確認したりが出来るし、構成によっては他人の手札を看破する事も出来る。
例えばデッキの中が《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》《再活性/Reanimate》《動く死体/Animate Dead》《沼/Swamp》×20だったとすれば、そのプレイヤーの手札に《生き埋め/Buried Alive》がある=危険な状態である事が予想出来る。
また、《袖の下/Bribery》《知識の搾取/Knowledge Exploitation》などをキャストする際の判断基準にする事も出来る。
こういったアドバンテージって意外と大きい。
流石に《テレパシー/Telepathy》は色々問題があって使いにくいけどねw 効果自体が強いは強いんだけど。
アドバンテージ面でちょっとしたマイナスがあるのはともかく、公開なせいで自分以外のプレイヤーも互いに手札を見る事が出来、そのため唯一公開していない自分が余分にヘイトを集める事になってしまうっていうのがまずい。
他プレイヤーの手札盤面が危険でない事が保障されている状態だと、手札が非公開な自分がキャストした、ちょっと危険なだけのカードにも除去が飛んで来る。
これが「対戦相手の手札をいつでも見る事が出来る」とかだったら真面目に投入が検討される可能性もあったんだけどねー。
EDH コンボデッキは誰を殴る?
2014年3月25日 EDH環境考察 コメント (3)多人数戦であるEDHでは、しばしば「対戦相手の内誰から殴るのが正解か?」という話題が出る。
これは主にコンバットを勝ち筋にしたデッキに良くもたらされる命題なのだが、しかし戦闘フェイズは決してコンバットデッキだけのものではない。
無限コンボを勝ち手段とするデッキにだって当然のように戦闘フェイズはやってくるし、ほとんどのデッキにはパワーが1以上あるクリーチャーだって何体かは入っているだろう。そもそもジェネラルの大半はパワーを持っているのだから、対戦相手に戦闘ダメージを刻む事だってあるはずだ。
無限コンボを勝ち手段とするデッキの内でも、特に《胞子の教祖、ゲイヴ/Ghave, Guru of Spores》や《精霊の魂、アニマー/Animar, Soul of Elements》のような、複数枚のクリーチャーコンボを中心としたデッキは戦闘ダメージを与える機会が多い事だろう。
だから、最終的な勝ち手段がコンボであるデッキでも、ダメージを与える対戦相手の優先順位を考える必要がある。
という訳で今回はそんな話題。個人的にライフを減らしていった方がいいと思うプレイヤーをランキング方式で。
1・ダメージを与える事により、次のターンが回る事なく敗北する事が決定するプレイヤー(条件付き)
しょっぱなから条件付きですいませんw
まず基本として、倒せるプレイヤーは倒してしまった方がいい。
例え土地1枚の手札0枚でまともに動けなそうに見えたとしても、他人の《Timetwister》から突然《Mana Crypt》《暗黒の儀式/Dark Ritual》から《むかつき/Ad Nauseam》《天使の嗜み/Angel’s Grace》を決めてくる可能性だって0ではない。1枚しかない土地から自分の勝ち手段を潰す《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をトップデッキして飛ばしてくる可能性だってある。
ただ、それにはいくつか例外がある。
①まずは、そのプレイヤーが敗北すると誰かの勝ちが確定してしまう状況。(例:Aの戦場にキキジキ総督が揃っていて、Bの戦場にリンヴァーラがいる)
これは当然ながらBを倒す価値はない。むしろA以外のプレイヤーはAのコンボパーツを退ける算段が付くまではBを保護するまである。
②それ以外の状況でそのプレイヤーを生かすパターンは、そのプレイヤーが極端に自分に有用な場合だ。例えば、Aが単色、BCが特殊地形満載の5色で、Dが《血染めの月/Blood Moon》を戦場に出している状況では、AがDを倒す理由はない。
③また、上記の2の状況でも、BやCがDを殺さないパターンもある。
それは「次のDのターンが来る前に別のプレイヤーのクロックによってDの敗北が確定する盤面」だ。この場合、自分がDを見逃す事により他のプレイヤーの攻撃をDに誘引する事が出来るので、その分自分が余計なダメージを受けずに済む。
ただ、この方法は下家のプレイヤーが自分と同じスタンスを持っている場合にのみ有効なので注意が必要。危険でない盤面のプレイヤーのライフを減らす事を敬遠するプレイヤーだった場合、Dを生かす事になってしまう。
さらには、自分がDを倒しても下家のプレイヤーが他のプレイヤーを殴る公算の高い場合もある。その場合はDを倒しておかないと逆にライフリソースで損をする事になるのでDを倒してしまった方がいい。
また、Dが相撃ち要員となり得るブロッカーを持っている場合は複雑になるので話し合って殺す算段を決めた方がいいだろう。
この辺りが、多人数戦における戦闘でもっとも判断の難しい所だと思う。
2・むかつき
ライフをリソースとするコンバットデッキ。このデッキにとっての1ライフは、大体カード2枚程度の価値を持つ。
例えアローロを殴る《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》の1点ダメージが焼け石に水に見えたとしても、その1点の積み重ねが大勢を覆す事もある。
3・黒デッキ
悪名髙き《むかつき/Ad Nauseam》のみならず、《ネクロポーテンス/Necropotence》《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《夜の囁き/Night’s Whisper》《殺し/Snuff Out》と、様々な効果を持つ強力なライフ支払カードを多数持つ黒。
この色のカードが多いデッキは、ライフリソースの減少がそのまま選択肢の減少に繋がる。
例えカードの使用を不可能にするほどのダメージ蓄積ではなくとも、ライフを支払うカードを使用する事によって上記「1・次のターン前に敗北」の状況に一気に持って行く流れも発生し得るので、可能な限りライフを減らしておくとよい。
4・緑デッキ
緑のデッキには、よく入っている優秀なドローカードである《森の知恵/Sylvan Library》。
これはドローの質を上げるだけではなく、毎ターン最大2枚まで4ライフを1ドローに換えられる効果も持つ。
このドローがかなり強力で、単純にアドバンテージを得ると共に、「3枚見てもいらないカードだらけだった」という状況でも、8ライフ支払い強引に次ターン新しい3枚を見られるようにする事が出来る。
しかしこのドロー能力が曲者で、「4ライフで1枚」という非常に効率の悪い変換効率により、時として黒以上のスピードで自分のライフを減らしていく。
そんな状況になればコンバットによるダメージの蓄積が大きく響く。
もちろん森の知恵はデッキに1枚。毎回引かれるとは限らないし、そもそもデッキに入っていないかも知れない。しかし、時として黒以上にライフを減らす可能性の色である事は忘れないでおいた方がいい。
黒いデッキや死にそうなデッキがおらず叩く相手に迷ったなら、緑を叩いておけば間違いない。
☆青いデッキや強ジェネラルは放っといていいの?
・EDH内の序列で最強色と呼ばれている青。強力な独自の勝ちパターンを持つ支配的な強ジェネラル。それらは確かに恐ろしい。
しかし自分は、線の細いコンボデッキにおいては、青い対戦相手だから・強ジェネラルだからといって、優先的にコンバットを仕掛ける対象になるとは思わない。
メインの勝ち手段がコンボであるデッキの場合、コンバットはあくまで補助的な要素。勝利まで持って行くには、他プレイヤーの協力や長いターンを必要とする。
《ネクロポーテンス/Necropotence》や《森の知恵/Sylvan Library》でライフをリソースとして使うために実質的にアドを削れるというのならともかく、ライフなんてフェッチランドとファイレクシアマナくらいでしか使わない、みたいな青いデッキ相手では、多少のライフ損失などでは全く行動を制限しない。
ライフが10以下まで落ち込んでようやく、その行動がいくらか制限され始めるレベルだ。それですら「ブロッカー立てなきゃ」「《Mana Crypt》あるし今から最短3ターン以内に勝たなきゃ」程度の緩いものだ。
そもそも強ジェネラルや青い強デッキは、コンボデッキが暇を見てちょっかいかけてくる程度の中途半端なクロックが相手ならば、そこまでライフが減る前に勝ち手段を叩きつけられるくらいの速度を持っている。そんな高速デッキ相手では、中途半端なダメージなど無意味だ。
それならば黒や緑を叩いた方がより直接的なアドになろうというもの。《ネクロポーテンス/Necropotence》なら1点ダメージでカード1枚、《森の知恵/Sylvan Library》なら4点ダメージでカード1枚のアドを失わせたも同然なのだから。
もちろんこれは、自分がコンバットデッキならばその限りではない。
自分一人で40ライフをそれなりの速度で削る事が出来る算段があるデッキなら、勝ち手段が早い順、強い色順に狙っていって構わない。どうせ最後まで全員コンバットで倒すのだから。
☆じゃあ青いデッキや強ジェネラルはどうするの?
ライフを減らしても効果が薄いんだから、それ以外でちょっかいをかければいい。
戦場にマナアーティファクトと土地しかなく、みな同程度のマナベース。そんな盤面で誰かが《Timetwister》を撃った。自分には浮いたマナと《解呪/Disenchant》がある。
そんな状況で破壊するのは、より強いジェネラル、よりダメージの影響が薄いデッキのリソースだ。
例えば《粗石の魔道士/Trinket Mage》《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》と並べている状況で、双方ともに同程度のマナと手札を持ち、かつ無防備な青単と黒単がいた場合は、青単のカードを優先的に破壊する。
黒単にはクロックによって行動に制限をかけられる。しかし青単にはクロックで行動を制限できないからだ。
くれぐれも、「一番盤面有利だから、ダメージの意味は薄いけど少しでも圧力をかける意味で黒緑じゃなく青白に攻撃」みたいな行動はしない事だ。
☆まとめ
青黒緑の強色3つに対する方針。
黒にはダメージで、青にはリソース破壊で対抗。
緑はその中間。ただし《森の知恵/Sylvan Library》を見たら黒以上にどん欲にライフを削るべし。ブロッカー置かれがちなのでライフを減らす機会も少なくなりがちだし。
これはあくまで自分のコンバット基準ですが、よかったら他の方の基準も効かせてもらえると嬉しいです。
これは主にコンバットを勝ち筋にしたデッキに良くもたらされる命題なのだが、しかし戦闘フェイズは決してコンバットデッキだけのものではない。
無限コンボを勝ち手段とするデッキにだって当然のように戦闘フェイズはやってくるし、ほとんどのデッキにはパワーが1以上あるクリーチャーだって何体かは入っているだろう。そもそもジェネラルの大半はパワーを持っているのだから、対戦相手に戦闘ダメージを刻む事だってあるはずだ。
無限コンボを勝ち手段とするデッキの内でも、特に《胞子の教祖、ゲイヴ/Ghave, Guru of Spores》や《精霊の魂、アニマー/Animar, Soul of Elements》のような、複数枚のクリーチャーコンボを中心としたデッキは戦闘ダメージを与える機会が多い事だろう。
だから、最終的な勝ち手段がコンボであるデッキでも、ダメージを与える対戦相手の優先順位を考える必要がある。
という訳で今回はそんな話題。個人的にライフを減らしていった方がいいと思うプレイヤーをランキング方式で。
1・ダメージを与える事により、次のターンが回る事なく敗北する事が決定するプレイヤー(条件付き)
しょっぱなから条件付きですいませんw
まず基本として、倒せるプレイヤーは倒してしまった方がいい。
例え土地1枚の手札0枚でまともに動けなそうに見えたとしても、他人の《Timetwister》から突然《Mana Crypt》《暗黒の儀式/Dark Ritual》から《むかつき/Ad Nauseam》《天使の嗜み/Angel’s Grace》を決めてくる可能性だって0ではない。1枚しかない土地から自分の勝ち手段を潰す《剣を鍬に/Swords to Plowshares》をトップデッキして飛ばしてくる可能性だってある。
ただ、それにはいくつか例外がある。
①まずは、そのプレイヤーが敗北すると誰かの勝ちが確定してしまう状況。(例:Aの戦場にキキジキ総督が揃っていて、Bの戦場にリンヴァーラがいる)
これは当然ながらBを倒す価値はない。むしろA以外のプレイヤーはAのコンボパーツを退ける算段が付くまではBを保護するまである。
②それ以外の状況でそのプレイヤーを生かすパターンは、そのプレイヤーが極端に自分に有用な場合だ。例えば、Aが単色、BCが特殊地形満載の5色で、Dが《血染めの月/Blood Moon》を戦場に出している状況では、AがDを倒す理由はない。
③また、上記の2の状況でも、BやCがDを殺さないパターンもある。
それは「次のDのターンが来る前に別のプレイヤーのクロックによってDの敗北が確定する盤面」だ。この場合、自分がDを見逃す事により他のプレイヤーの攻撃をDに誘引する事が出来るので、その分自分が余計なダメージを受けずに済む。
ただ、この方法は下家のプレイヤーが自分と同じスタンスを持っている場合にのみ有効なので注意が必要。危険でない盤面のプレイヤーのライフを減らす事を敬遠するプレイヤーだった場合、Dを生かす事になってしまう。
さらには、自分がDを倒しても下家のプレイヤーが他のプレイヤーを殴る公算の高い場合もある。その場合はDを倒しておかないと逆にライフリソースで損をする事になるのでDを倒してしまった方がいい。
また、Dが相撃ち要員となり得るブロッカーを持っている場合は複雑になるので話し合って殺す算段を決めた方がいいだろう。
この辺りが、多人数戦における戦闘でもっとも判断の難しい所だと思う。
2・むかつき
ライフをリソースとするコンバットデッキ。このデッキにとっての1ライフは、大体カード2枚程度の価値を持つ。
例えアローロを殴る《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》の1点ダメージが焼け石に水に見えたとしても、その1点の積み重ねが大勢を覆す事もある。
3・黒デッキ
悪名髙き《むかつき/Ad Nauseam》のみならず、《ネクロポーテンス/Necropotence》《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《夜の囁き/Night’s Whisper》《殺し/Snuff Out》と、様々な効果を持つ強力なライフ支払カードを多数持つ黒。
この色のカードが多いデッキは、ライフリソースの減少がそのまま選択肢の減少に繋がる。
例えカードの使用を不可能にするほどのダメージ蓄積ではなくとも、ライフを支払うカードを使用する事によって上記「1・次のターン前に敗北」の状況に一気に持って行く流れも発生し得るので、可能な限りライフを減らしておくとよい。
4・緑デッキ
緑のデッキには、よく入っている優秀なドローカードである《森の知恵/Sylvan Library》。
これはドローの質を上げるだけではなく、毎ターン最大2枚まで4ライフを1ドローに換えられる効果も持つ。
このドローがかなり強力で、単純にアドバンテージを得ると共に、「3枚見てもいらないカードだらけだった」という状況でも、8ライフ支払い強引に次ターン新しい3枚を見られるようにする事が出来る。
しかしこのドロー能力が曲者で、「4ライフで1枚」という非常に効率の悪い変換効率により、時として黒以上のスピードで自分のライフを減らしていく。
そんな状況になればコンバットによるダメージの蓄積が大きく響く。
もちろん森の知恵はデッキに1枚。毎回引かれるとは限らないし、そもそもデッキに入っていないかも知れない。しかし、時として黒以上にライフを減らす可能性の色である事は忘れないでおいた方がいい。
黒いデッキや死にそうなデッキがおらず叩く相手に迷ったなら、緑を叩いておけば間違いない。
☆青いデッキや強ジェネラルは放っといていいの?
・EDH内の序列で最強色と呼ばれている青。強力な独自の勝ちパターンを持つ支配的な強ジェネラル。それらは確かに恐ろしい。
しかし自分は、線の細いコンボデッキにおいては、青い対戦相手だから・強ジェネラルだからといって、優先的にコンバットを仕掛ける対象になるとは思わない。
メインの勝ち手段がコンボであるデッキの場合、コンバットはあくまで補助的な要素。勝利まで持って行くには、他プレイヤーの協力や長いターンを必要とする。
《ネクロポーテンス/Necropotence》や《森の知恵/Sylvan Library》でライフをリソースとして使うために実質的にアドを削れるというのならともかく、ライフなんてフェッチランドとファイレクシアマナくらいでしか使わない、みたいな青いデッキ相手では、多少のライフ損失などでは全く行動を制限しない。
ライフが10以下まで落ち込んでようやく、その行動がいくらか制限され始めるレベルだ。それですら「ブロッカー立てなきゃ」「《Mana Crypt》あるし今から最短3ターン以内に勝たなきゃ」程度の緩いものだ。
そもそも強ジェネラルや青い強デッキは、コンボデッキが暇を見てちょっかいかけてくる程度の中途半端なクロックが相手ならば、そこまでライフが減る前に勝ち手段を叩きつけられるくらいの速度を持っている。そんな高速デッキ相手では、中途半端なダメージなど無意味だ。
それならば黒や緑を叩いた方がより直接的なアドになろうというもの。《ネクロポーテンス/Necropotence》なら1点ダメージでカード1枚、《森の知恵/Sylvan Library》なら4点ダメージでカード1枚のアドを失わせたも同然なのだから。
もちろんこれは、自分がコンバットデッキならばその限りではない。
自分一人で40ライフをそれなりの速度で削る事が出来る算段があるデッキなら、勝ち手段が早い順、強い色順に狙っていって構わない。どうせ最後まで全員コンバットで倒すのだから。
☆じゃあ青いデッキや強ジェネラルはどうするの?
ライフを減らしても効果が薄いんだから、それ以外でちょっかいをかければいい。
戦場にマナアーティファクトと土地しかなく、みな同程度のマナベース。そんな盤面で誰かが《Timetwister》を撃った。自分には浮いたマナと《解呪/Disenchant》がある。
そんな状況で破壊するのは、より強いジェネラル、よりダメージの影響が薄いデッキのリソースだ。
例えば《粗石の魔道士/Trinket Mage》《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》と並べている状況で、双方ともに同程度のマナと手札を持ち、かつ無防備な青単と黒単がいた場合は、青単のカードを優先的に破壊する。
黒単にはクロックによって行動に制限をかけられる。しかし青単にはクロックで行動を制限できないからだ。
くれぐれも、「一番盤面有利だから、ダメージの意味は薄いけど少しでも圧力をかける意味で黒緑じゃなく青白に攻撃」みたいな行動はしない事だ。
☆まとめ
青黒緑の強色3つに対する方針。
黒にはダメージで、青にはリソース破壊で対抗。
緑はその中間。ただし《森の知恵/Sylvan Library》を見たら黒以上にどん欲にライフを削るべし。ブロッカー置かれがちなのでライフを減らす機会も少なくなりがちだし。
これはあくまで自分のコンバット基準ですが、よかったら他の方の基準も効かせてもらえると嬉しいです。
最近のEDH 除去考
2014年3月3日 EDH環境考察 コメント (1)昨日cozaくんの飯食いながら話してた時の話題。
☆インスタントの除去の選択
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》のような1~2マナのバウンスを中心に採用されていた。
ゲームスピードの速いEDHでは、確定除去でなくても手札に戻してテンポを取れば大概間に合う(1ターン誤魔化している間に攻めに行ける・対処手段を準備できる・手札リセットで流せる・など)ため、「触れる範囲が広い代わりに時間稼ぎにしかならない」という弱点が顕在化しにくいというのがその理由だ。
そのため今までは、除去とは急なピンチに手広い範囲で対処出来るバウンスで揃えるのが一番丸いと考えていた。
☆実際にインスタント除去を撃つ対象は?
ここからが昨日cozaくんと話していた内容。
その場で、「実際に除去を撃つ事が多い対象はクリーチャーなのではないか?」という話題が出たのだ。
EDHの特徴は、初手にあり、何度でもキャスト出来るジェネラルというクリーチャーが必ずいる事。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のように最後にしか出てこなかったり《擬態の原形質/The Mimeoplasm》のようにぐだった頃がようやくの出番で無くても動かない事はない、といったジェネラルもいるにいるが、それでもジェネラルをキャストするデッキの方が多いだろう。
というか、キャストすればするだけアド得なので、多くの場合はジェネラルを活かせるような構成にするはずなのだ。そうでなければ特に2色以下のデッキで5色デッキに対する優位が消える。
そのため、クリーチャー除去は手札で腐りにくい。
そればかりではない。
普段の展開でデッキに入っているカードの内、インスタントで急いで除去したいカードの内約は、圧倒的にクリーチャーが多い。
これは、クリーチャーの方がエンチャントやアーティファクトといったパーマネントよりもずっと種類が多く、コンボやビートダウンなどの勝ち手段に繋がるパターンが多いためである。
・例えばコンボ方面・アドバンテージ方面で良く見かける、急いで除去したいクリーチャーカードをざっと書き出していくと、
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《概念泥棒/Notion Thief》《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
……などなど枚挙に暇がない。
これに加えて《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》のような出て来た所で即除去るのが望ましいジェネラルもいるのだから、クリーチャーに除去を撃つタイミングが非常に多くなるのは自明である。
・逆にクリーチャー以外で出されたその場で負けや大量のアド差が決まるために即除去りたい、良く見かけるカードとなると、
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《Power Artifact》(に絡むモノリス)《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》《食物連鎖/Food Chain》
くらい。
マナが大量に余っていたり1周回したりすると大体終わりそうな所を加えても、《出産の殻/Birthing Pod》《適者生存/Survival of the Fittest》《未来予知/Future Sight》《野生のつがい/Wild Pair》程度。
さらにデッキによっては放置すると死を呼ぶ置物があり、それが、
《基本に帰れ/Back to Basics》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》《Chains of Mephistopheles》《無のロッド/Null Rod》あたり。
その内の一部はクリーチャー除去で代用が利いたり(《出産の殻/Birthing Pod》《野生のつがい/Wild Pair》など)、
勝ち手段の除去の効かなさとフィニッシュの速さから、どちらにしろデッキに墓地対策を入れるのが望ましかったり(青くないデッキから見た《適者生存/Survival of the Fittest》)で、
なにも置物そのものに触る事が必須とはならない。
☆クリーチャー除去とバウンスのマナコスト
バウンスのマナ域の中心は1~2マナ、《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が1マナ、《残響する真実/Echoing Truth》《乱動への突入/Into the Roil》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》が2マナだ。
それに対し、クリーチャー除去は0~1マナが中心だ。《殺戮の契約/Slaughter Pact》《殺し/Snuff Out》《水没/Submerge》辺りが0マナ、《猿術/Pongify》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《四肢切断/Dismember》《稲妻/Lightning Bolt》などが1マナ。
バウンスは1マナで構えられるのが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》のみなのに対し、クリーチャー除去は1マナで大概のものが構えられる。
バウンスで事足りる場合でも、立てるマナが1~2マナ減ると考えるとクリーチャー除去の方が優秀という扱いになる。
☆クリーチャー除去の問題点
なら、青系デッキでもバウンスは1マナの《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚にして、残りは1マナ以下のクリーチャー除去中心にすればいいのか、というと違う。
・まず、置物が致命的な場合がある事が一点。
その場で勝負の決まる《Power Artifact》などはもちろんだが、それ以上に気にするべきは《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》のようなロック要素だ。
これらはコンボパーツと違って他と組み合わせる必要もないため、3マナ・4マナに達した時点でキャストするだけで仕事を始める。
さらに問題なのは、これらが「すべてのプレイヤーに致命的な悪影響を与える訳ではない」という点だ。
例えば《Power Artifact》ならば卓の残り3人すべてが協力して排除に回ってくれるだろう。しかし《血染めの月/Blood Moon》の場合は、単色デッキのプレイヤーはスルーするため、自分で対処する必要が強くなる。
下手すると、置物除去のない5色デッキは《Mana Crypt》から1ターン目に脱落する。そんなゲームはしたくないものである。
・また、クリーチャー除去の安定性も問題だ。
置物に触れないという根源的な欠点はもちろん、クリーチャー除去だからと言ってすべてのクリーチャーに触れる訳ではないのがネックになる事がある。
《殺し/Snuff Out》は《概念泥棒/Notion Thief》に触れないし、《四肢切断/Dismember》は《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を前にモジモジする。対象を選ばない《水没/Submerge》だってピッチで撃てるとは限らない。
究極的に安定なのは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》くらい。まあ流刑への道にはアド損リスクがあるが。
《猿術/Pongify》も悪くはないが、、一部墓地利用デッキだと軽量なリアニメイトスペルで復帰可能になるためにバウンスよりありがたかったりするし、デッキによっては3/3が致命的に邪魔だったりもする。まあ流刑への道とトントンくらいか。
そのため、ある程度は置物に触れる構築・安定して多くのクリーチャーに触れる構築をしたくなる。
自分は、バウンスが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚ではうっかり先に撃ったり《Wheel of Fortune》で墓地に落ちただけで詰んでしまうので、最低2枚くらいは入れたいと考える。
そうすると、引く期待値が2倍になるだけではなく、1枚目を無理に抱え込む必要が薄れるために安定性は倍以上になる。
☆そんな訳でまとめ。
青系デッキの場合のインスタント除去の配分は、『バウンス2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去1~3枚』くらいが適当であると考える。
また、この考え方は他の色のデッキにも適用できそうだ。
青にあった、「《Force of Will》のような、クリーチャーにも置物にも触れるカウンター」という枠が減っているため、その分除去が増えて、『置物除去1~2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去数枚(ただし青系よりも多い)・《混沌のねじれ/Chaos Warp》《内にいる獣/Beast Within》のような重い汎用除去1~2枚』といった感じになるだろうか。
☆インスタントの除去の選択
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》のような1~2マナのバウンスを中心に採用されていた。
ゲームスピードの速いEDHでは、確定除去でなくても手札に戻してテンポを取れば大概間に合う(1ターン誤魔化している間に攻めに行ける・対処手段を準備できる・手札リセットで流せる・など)ため、「触れる範囲が広い代わりに時間稼ぎにしかならない」という弱点が顕在化しにくいというのがその理由だ。
そのため今までは、除去とは急なピンチに手広い範囲で対処出来るバウンスで揃えるのが一番丸いと考えていた。
☆実際にインスタント除去を撃つ対象は?
ここからが昨日cozaくんと話していた内容。
その場で、「実際に除去を撃つ事が多い対象はクリーチャーなのではないか?」という話題が出たのだ。
EDHの特徴は、初手にあり、何度でもキャスト出来るジェネラルというクリーチャーが必ずいる事。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のように最後にしか出てこなかったり《擬態の原形質/The Mimeoplasm》のようにぐだった頃がようやくの出番で無くても動かない事はない、といったジェネラルもいるにいるが、それでもジェネラルをキャストするデッキの方が多いだろう。
というか、キャストすればするだけアド得なので、多くの場合はジェネラルを活かせるような構成にするはずなのだ。そうでなければ特に2色以下のデッキで5色デッキに対する優位が消える。
そのため、クリーチャー除去は手札で腐りにくい。
そればかりではない。
普段の展開でデッキに入っているカードの内、インスタントで急いで除去したいカードの内約は、圧倒的にクリーチャーが多い。
これは、クリーチャーの方がエンチャントやアーティファクトといったパーマネントよりもずっと種類が多く、コンボやビートダウンなどの勝ち手段に繋がるパターンが多いためである。
・例えばコンボ方面・アドバンテージ方面で良く見かける、急いで除去したいクリーチャーカードをざっと書き出していくと、
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《概念泥棒/Notion Thief》《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
……などなど枚挙に暇がない。
これに加えて《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》のような出て来た所で即除去るのが望ましいジェネラルもいるのだから、クリーチャーに除去を撃つタイミングが非常に多くなるのは自明である。
・逆にクリーチャー以外で出されたその場で負けや大量のアド差が決まるために即除去りたい、良く見かけるカードとなると、
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《Power Artifact》(に絡むモノリス)《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》《食物連鎖/Food Chain》
くらい。
マナが大量に余っていたり1周回したりすると大体終わりそうな所を加えても、《出産の殻/Birthing Pod》《適者生存/Survival of the Fittest》《未来予知/Future Sight》《野生のつがい/Wild Pair》程度。
さらにデッキによっては放置すると死を呼ぶ置物があり、それが、
《基本に帰れ/Back to Basics》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》《Chains of Mephistopheles》《無のロッド/Null Rod》あたり。
その内の一部はクリーチャー除去で代用が利いたり(《出産の殻/Birthing Pod》《野生のつがい/Wild Pair》など)、
勝ち手段の除去の効かなさとフィニッシュの速さから、どちらにしろデッキに墓地対策を入れるのが望ましかったり(青くないデッキから見た《適者生存/Survival of the Fittest》)で、
なにも置物そのものに触る事が必須とはならない。
☆クリーチャー除去とバウンスのマナコスト
バウンスのマナ域の中心は1~2マナ、《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が1マナ、《残響する真実/Echoing Truth》《乱動への突入/Into the Roil》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》が2マナだ。
それに対し、クリーチャー除去は0~1マナが中心だ。《殺戮の契約/Slaughter Pact》《殺し/Snuff Out》《水没/Submerge》辺りが0マナ、《猿術/Pongify》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《四肢切断/Dismember》《稲妻/Lightning Bolt》などが1マナ。
バウンスは1マナで構えられるのが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》のみなのに対し、クリーチャー除去は1マナで大概のものが構えられる。
バウンスで事足りる場合でも、立てるマナが1~2マナ減ると考えるとクリーチャー除去の方が優秀という扱いになる。
☆クリーチャー除去の問題点
なら、青系デッキでもバウンスは1マナの《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚にして、残りは1マナ以下のクリーチャー除去中心にすればいいのか、というと違う。
・まず、置物が致命的な場合がある事が一点。
その場で勝負の決まる《Power Artifact》などはもちろんだが、それ以上に気にするべきは《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》のようなロック要素だ。
これらはコンボパーツと違って他と組み合わせる必要もないため、3マナ・4マナに達した時点でキャストするだけで仕事を始める。
さらに問題なのは、これらが「すべてのプレイヤーに致命的な悪影響を与える訳ではない」という点だ。
例えば《Power Artifact》ならば卓の残り3人すべてが協力して排除に回ってくれるだろう。しかし《血染めの月/Blood Moon》の場合は、単色デッキのプレイヤーはスルーするため、自分で対処する必要が強くなる。
下手すると、置物除去のない5色デッキは《Mana Crypt》から1ターン目に脱落する。そんなゲームはしたくないものである。
・また、クリーチャー除去の安定性も問題だ。
置物に触れないという根源的な欠点はもちろん、クリーチャー除去だからと言ってすべてのクリーチャーに触れる訳ではないのがネックになる事がある。
《殺し/Snuff Out》は《概念泥棒/Notion Thief》に触れないし、《四肢切断/Dismember》は《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を前にモジモジする。対象を選ばない《水没/Submerge》だってピッチで撃てるとは限らない。
究極的に安定なのは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》くらい。まあ流刑への道にはアド損リスクがあるが。
《猿術/Pongify》も悪くはないが、、一部墓地利用デッキだと軽量なリアニメイトスペルで復帰可能になるためにバウンスよりありがたかったりするし、デッキによっては3/3が致命的に邪魔だったりもする。まあ流刑への道とトントンくらいか。
そのため、ある程度は置物に触れる構築・安定して多くのクリーチャーに触れる構築をしたくなる。
自分は、バウンスが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚ではうっかり先に撃ったり《Wheel of Fortune》で墓地に落ちただけで詰んでしまうので、最低2枚くらいは入れたいと考える。
そうすると、引く期待値が2倍になるだけではなく、1枚目を無理に抱え込む必要が薄れるために安定性は倍以上になる。
☆そんな訳でまとめ。
青系デッキの場合のインスタント除去の配分は、『バウンス2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去1~3枚』くらいが適当であると考える。
また、この考え方は他の色のデッキにも適用できそうだ。
青にあった、「《Force of Will》のような、クリーチャーにも置物にも触れるカウンター」という枠が減っているため、その分除去が増えて、『置物除去1~2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去数枚(ただし青系よりも多い)・《混沌のねじれ/Chaos Warp》《内にいる獣/Beast Within》のような重い汎用除去1~2枚』といった感じになるだろうか。
EDHジェネラル統計
2014年2月11日 EDH環境考察リンクいただいてるめーくんさんがDN上で面白そうな企画をやってるので宣伝。
http://terra9999.diarynote.jp/201402111229137105
EDHプレイヤーの存在地域とジェネラル(メイン・サブ)を統計しよう、って企画です。
数が集まれば、きっとめーくんさんがいい感じに楽しめる統計分析をしてくれるはず。(プレッシャーをかけて行くスタイルw)
という訳で、良かったらこれを見た人も参加してみてください。
http://terra9999.diarynote.jp/201402111229137105
EDHプレイヤーの存在地域とジェネラル(メイン・サブ)を統計しよう、って企画です。
数が集まれば、きっとめーくんさんがいい感じに楽しめる統計分析をしてくれるはず。(プレッシャーをかけて行くスタイルw)
という訳で、良かったらこれを見た人も参加してみてください。
独断と偏見で選ぶEDHジェネラルトップ10
2014年2月7日 EDH環境考察 コメント (6)統率者2013も出て結構経ったし、《森林の始源体/Sylvan Primordial》が禁止になって結構環境が動いた事だしな突発企画。
個人的にポテンシャル髙いと思ってるジェネラルトップ10。
あ、一応大きな差異のない同一アーキタイプは複数ランクインなしの予定です。
そうしないと2位以下が大変な事になるのでw
というわけで、早速第10位から順に。
◎10位《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》
非青系コンボデッキ代表。
《大地の知識/Earthcraft》や《ドルイドの誓い/Oath of Druids》などを中心とした軽めのパーツ中心のコンボが主力で結構速い。
白赤という弱色2つを持つが、緑のマナ加速、白のエンチャントサーチ、赤や緑に含まれる少数の優秀ドローと意外と一通り揃っている。
弱点は非青ゆえの一部コンボやカードに対する耐性のなさ。《むかつき/Ad Nauseam》とか《時間操作/Temporal Manipulation》はカウンターじゃないと対処できない。
《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》と迷ったが、ジェネラル自身が軽く、単体である程度制圧力がある点を考慮してこちらに。
色で見れば、白と黒だと圧倒的に黒の方が強いのだけど、プローシュは本人が重いせいで動きがもっさりになる欠点があり、それが上記の弱点を助長していると感じている。
あと、こと《むかつき/Ad Nauseam》や追加ターンに対しては、《沈黙/Silence》と一応ながらのカウンター《確実性の欠落/Lapse of Certainty》有する白の方が有効度が高い。多人数戦で手札破壊突っ込むわけにもいかないしね。
マラスの場合、コンボがほとんどエンチャント中心になるため、黒と大差ないレベルでサーチを確保出来るのも評価点。
◎9位《巨大なるカーリア/Kaalia of the Vast》
アンチコンボ型ビートダウン代表。
4マナというそこそこの軽さと、強力な誘発型能力で制圧する。3、4T目に出てくる《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》は驚異の一言。
他にも《奈落の君、苦弄/Kuro, Pitlord》《狂気の種父/Sire of Insanity》《ヘルカイトの暴君/Hellkite Tyrant》といったの制圧力の高いクリーチャーや、《ルーン傷の悪魔/Rune-Scarred Demon》《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》《黄金夜の刃、ギセラ/Gisela, Blade of Goldnight》のような便利なクリーチャーもおり、その上どれも大物で打撃力も高いため速やかにゲームを終わらせる事が出来る。
また、色的にコンボを締め付ける要素が多いのも特長。《Chains of Mephistopheles》《締め付け/Stranglehold》《法の定め/Rule of Law》《抑圧/Oppression》などは、自軍の戦略をそう大きく邪魔せずに全体を強く抑圧する事が出来る。
弱点は、黒の優秀チューターをもってしても難しい安定性の低さ。ジェネラル依存が大きいのも不安定さを助長する要因となっている。
対抗馬に上がっていたのは《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》。
キャストさえしてしまえば続唱確定なのは強力だが、しかしこちらの方が4マナも重い8マナで、しかも2回の続唱の効果は運任せと、カーリア以上に安定性が悪い点を理由に落選した。
緑の加速をもってしても4マナ差は埋めがたく、また、強色の青の強みを活かせない構成にならざるを得ないのもマイナス点となった。
◎8位《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》(アングリーハーミット)
《隠遁ドルイド/Hermit Druid》を起点とするコンボデッキ。
事実上の1枚コンボであり、速さだけならトップクラス。
黒のリアニメイトや緑の墓地回収系スペルのおかげで意外と粘り強くもある。
弱点はその脆さ。多少の墓地利用があっても異常に多いデッキ内の無駄牌はいかんてもしがたく、全力を傾けキャストされた隠遁ドルイドをしっかり除去されると見た目以上のアド損になり本当に厳しい。
タイミングよく墓地除去を刺されるとその時点でほぼ負け確という点も辛い。
無駄牌の多さもあってむらが酷く、それゆえに安定して勝ちきれない印象が拭い切れない。
◎7位《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》
青黒茶系コンボデッキ代表。
アーティファクトを利用した高速マナ加速と黒のサーチ能力、青のドロー能力で安定した動きを実現している。
攻守に使える優れたカードであるカウンター有する青を含むので、これによって身を守ったり勝ち筋を通したり出来るのも安定性の上昇に一役買っている。
青はアーティファクトと親和性が高いため、特にアーティファクト絡みのコンボを揃えやすい。
中でもシャルムは本人がアーティファクトの上にコンボパーツのため、色の組み合わせもあり非常にパーツを揃えやすい。
弱点は加速をアーティファクトに頼るが故の脆さと遅さ。
緑絡みのデッキならマナランプやマナクリーチャー、繁茂系に加速を分散するとともに優秀所を増やす事も出来るが、そうでない色なので数少ない2マナ以上を発生させる優秀アーティファクトに加速を頼らざるを得ない。しかし逆に言うとそこを割られると-2マナ。しかも緑以外は軒並みアーティファクトに頼るのでアーティファクト対策は腐りにくく投入しやすい。
また、全体的にフィニッシュカードが多め、重めなのも良く見られる点。ゆえにジェネラルがサーチやコンボパーツになる事でそれを軽減しているものが強いデッキとなるが、それでも高速デッキ相手には後手に回りがちとなる。
対抗馬に上がっていたのは《結界師ズアー/Zur the Enchanter》や《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》。
シャルムはこれらに比べて2マナ重いため、本来ならば軽いジェネラルの方を優秀として推すのだが、「他に比べるとキャストした時点で仕事が出来る」「能力がリアニ効果のため、《納墓/Entomb》などのサーチが増える」という点が、デッキ全体の速度面を比べた時に2マナ差を逆転可能にしていると判断してこちらを推した。
他2枚の場合、速攻を付ける『無駄牌』を入れるか、3人分のターンを回して無事生き延びるかしないと仕事をしないため、デッキ全体の安定性で劣ってしまうのもよろしくない点。
◎6位《擬態の原形質/The Mimeoplasm》
青黒緑コンボデッキ代表。
青黒茶系デッキの弱点である、加速の脆さと勝ち筋の重さを克服した(3色デッキの中では)唯一の色組み合わせのデッキ。
《生き埋め/Buried Alive》起点の《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボや、青黒の中では高速である《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》、重いが実質1枚コンボになれる《歯と爪/Tooth and Nail》などの勝ち筋を持ち、それを緑の優秀な加速でバックアップするという隙の少ないデッキ。
ジェネラル本人が5マナのリアニメイトスペルとなれるため、序盤ブン回れなかった時の長期戦でもアドを稼いで行ける。墓地利用コンボを搭載していれば、実質コンボパーツの1つにもなれるのも嬉しい所。
弱点は、強力な高速コンボである《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボの副作用。
色的に《Phyrexian Devourer》《トリスケリオン/Triskelion》のコンボが勝ち筋となるため、デッキのマナコストに自由が利かない。重量級カードを投入して安定性を自ら損ないに行く必要がある。
ある程度はピッチスペル投入で軽減できるし、ジェネラルのリアニメイト能力が救いとなるが、それでも理ある程度は引いて嬉しくない重いクリーチャーを投入する必要があり、無駄牌の助長につながる。ウーズコンボ自体が無駄牌をはらむコンボなのがより悪い。
本当に問題はこの一点だけなので、デッキのマナコストを気にしないウーズコンボが発見されると一気に最強候補に駆け上がる可能性がある。
◎5位《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
追加ターン型青茶系デッキ代表。
軽くアドを稼げるジェネラルと、それと相性のいい追加ターンを用いて一気に押し切るデッキ。
多人数戦における追加ターンの価値は非常に高い。対戦相手が3人の場合、「自分が1ターンを得る」と読むのではなく「他人の3ターンを飛ばす」と読む事が出来るからだ。単純計算で1対1の時の3倍の効果を発揮するため、5マナでもコストパフォーマンスに優れたカードと変わる。
しかしそれでも単体だと5マナからの重さが足を引っ張るのだが、その前にジェネラルをキャストしてアドを稼ぐ準備を整えておく事により、強力な追加ターンを最大限に活かす事が出来る。
ジェネラルキャストが自然と早いターンに出来るデッキは、それだけで1枚分のアドを稼いでいるも同然の効果があるのも大きい。軽くて便利なジェネラルはそれだけで値千金の価値がある。
弱点はジェネラル潰し。
追加ターン利用にもアド稼ぎにもジェネラルが深く関与しているがゆえに、ジェネラルをしっかり潰されるとデッキ全体の動きが弱まってしまう。単体で強い追加ターンは(加速出来ないためキャストしにくくなるが)まだましな方なのだが、《好奇心/Curiosity》のようなクリーチャーがいる事前提のカードは完全に死に札になる。
ジェネラルが軽めな上、1回でも殴れると《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》持って来てリキャストしやすくなってしまうのが非常にうざったい。除去するなら1度のアタックも許さない最速が望ましい。
対抗馬に上がっていたのは《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》。
ジェネラルによって得られるアドがシグは手札でサーダはマナ加速なのだが、マナ加速の方が追加ターンとの相性が良好であるため、色減少のマイナスをもってしてもサーダの方が優良であると判断した。シグの側のアド稼ぎの確実性が薄い事も判断基準となった。
◎4位《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
正直ここでいいのか迷っている枠。
上で書いた通り強力なカードである追加ターンと好相性な戦闘誘発能力、4マナで何度でも瞬速リキャスト可能とする能力、戦闘せずとも戦場に出るだけで最低限誘発する《ぐるぐる/Twiddle》。このジェネラルのマナコストが僅か3マナ。
色的にも最高の加速装置を持つ緑とドロー・カウンター有する青を持っているがゆえ、高い安定性を保証されている。
サーチだって、アーティファクトやエンチャント、クリーチャーに絞ればかなり優秀な所が揃っているのでサーチ不足で悩む事も少ない。
ジェネラルの能力であるアンタップ誘発は様々なコンボの可能性を持つし、緑の優秀な加速である繁茂系ともすこぶる相性が良い。誘発条件もプレイヤーへの戦闘ダメージと、クリーチャーが自然と並ぶ緑と好相性。
クリーチャーが並べば《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》のようなドローを扱えるようになるのもプラス面だ。
緑でありながら、《森林の始源体/Sylvan Primordial》依存が低かったのも相対的な評価を上げている要素。
どこをどう見ても強い事しか書いてない。
ポテンシャルは間違いなく上に挙げて来たどのジェネラルより上だと思っているのだが、今一つピリッとした話を聞かない。「EDHのデリーヴィー強いわ~」って話題をあまりに見な過ぎる。悪名で言ったら原形質やハーミット、カーリアの方が大きいくらいだ。
実際に対戦してみても、弱くはないのだが圧倒的な強さを発揮しているのを見た記憶がない。対戦しているデリーヴィーが追加ターン型ではないので、自分が思っている方向性と違うというにもあるのだろうが。しかしこれで「実際は追加ターンを投入すると弱体化する」なんてオチだった場合大きく順位を下げる事になるだろう。
現状見た通りで位置づけるなら7位まで繰り下がる。(さすがに青があるから安定性は保証されてるし、大きくブレるハーミットよりは勝率を確保出来ていると思っている)
今後のより一層の研究が待たれる。
◎3位《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》
ハーミットじゃない形の5色グッドスタッフ代表。
ジェネラルの仕事がリアニメイトからドラゴンサーチ(《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》や《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》など)に変わった《擬態の原形質/The Mimeoplasm》、という印象。
基本は原形質に近いのだが、主力となる高速コンボを高マナコストを必須条件とする《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボにこだわらなくて良くなった点と、赤と白の優秀カードをタッチする事を許されるようになった点が原形質に対して得られたアドバンテージ。
最初は5マナリアニメイトの方が始祖ドラの能力よりも大きく優秀だと思っていたのだが、対戦を重ねるうちにドラゴンサーチの器用さが目立つようになってきた。
例えば上で挙げた例の2枚のドラゴン、両方ともコンボがあるのだが、5+2マナで《動く死体/Animate Dead》も《鋭い感覚/Keen Sense》も受けられるコンボパーツを考えると受けの広さが目立つ。
ウーズコンボ入りデッキと比しての安定性の高さに加え、赤白の優良パーツを使用可能な利点も鑑みると、原形質より優秀であるとの判断が下された。
弱点らしい弱点はない。
というか、登場からこれだけ経ち、あれだけ多くのプレイヤーに弄られているにも拘らず、明確にコレといった形が未だ成立していない。
多色ゆえに構造上《月の大魔術師/Magus of the Moon》などを苦手とするが、これもまたマナアーティファクトや基本地形からの除去で充分回避可能な要素である。
◎2位《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》
悪名高き《むかつき/Ad Nauseam》デッキ代表。
《森林の始源体/Sylvan Primordial》が消え、相対的により強くなった一発芸デッキ。《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》といったカードにより、序盤7、8ターン目までで2回くらいなら攻めていける性能を持つ。
速度的にはハーミットに平均にして1~2ターン劣るが、カウンター以外による妨害が非常に効きにくいという対処にしにくさで圧倒的に勝る。その差がそのままこの順位の差となっている。
一部デッキ以外はほとんど対処のしようがなく、速度で勝つ事も難しい。この無理ゲー感が印象の悪さを加速している。
統率者2013で加わったアローロは、この無理ゲー感を加速するゲインライフ能力持ちのジェネラル。カウンターがないデッキは、《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar》のような尖った対策カードなしで戦う場合、可能な限り早く殴って《むかつき/Ad Nauseam》の有効度を下げるくらいしかやる事がないのだが、5ターン目で10ライフゲイン状態とあっては多少のダメージなど焼け石ウォーターである。
弱点は、デッキパワーの低さと過剰なカウンター、そして尖った対策カード。
マナコストを低く抑える必要があるため、デッキパワーは非常に低くなりがち。それゆえに長期戦は苦手……なのだが勝つも負けるも序盤戦なデッキゆえ、中々この状態にまで持って行くのが困難である。
ほとんど唯一の弱点であるカウンターだが、1度むかつきをカウンターしても安心はしない方がいい。フラッシュバックによる復帰に対する警戒を忘れない事が肝要である。早めに《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》なんかで《むかつき/Ad Nauseam》を片付けておくと、あとは脆い《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボくらいしか入っていないパワー弱小デッキになるので対処しやすくなるだろう。
対抗馬に上がっていたのは……凄い沢山w
最低限必要なのはサーチとフィニッシュに必要な青黒の固有色で、それゆえにいろんなジェネラルでデッキが組めてしまう。
同色だと《センの三つ子/Sen Triplets》《結界師ズアー/Zur the Enchanter》もそれぞれの強みがあるし、《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》で青黒赤も行ける。全色のいいトコどりかつリセットによる自衛可能な《アラーラの子/Child of Alara》も良く聞くジェネラルのひとつだ。
その中でもアローロを選んだのは、「非常に早いデッキなので基本的にジェネラルの出番がないのだが、そんな中アローロだけが1T目から0マナで良い仕事をする」「最低限必要な色はむかつきのある黒とサーチの水増しが可能になる青で、他の色を足す利点が、《不快な夢/Sickening Dreams》ルートを0マナで準備できる白>>>追加マナ加速と追加0マナクリーチャーの赤>>追加の墓地利用と追加の打消し対策の緑、であり、3色で不自由しないた」といった理由で5色にする意味は薄いと判断したのがその理由だ。
なお、アーキタイプごとで順位を並べたのは、ジェネラルごとで書いてしまうとむかつきだけで2~10位がすべて埋まってしまうためだったから、という理由な模様www
◎1位《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
もう説明はいらないよね!!
とっても強い追加ターンを最高に活かしてずっと俺のターンで殴り倒す、ジェネラル依存をより上げた代わりに爆発力も上がったサーダみたいなデッキ。
サーダ同様ジェネラル除去が苦手なのだが、加速の得意な緑のおかげで比較的リキャストしやすいのがよろしくない。
ジェネラル除去しまくってリキャスト不可能まで持ち込んでも《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》でスタートしてしまう事があるのもウザいポイント。ジェネラル除去効いてねーじゃん!
全体的に回避能力に乏しいので2/2くらいのブロッカーを置いたり、追加ターン使いまわしを防ぐ墓地除去、並ぶクリーチャーでドローが膨らむのを防ぐ全体火力なんかも有効。これらも組み合わせていきたい。
ジェネラルリキャスト・追加ターンキャスト安定のためのマナ加速をそのままドローに変えられるシナジーが頭おかしい。
その上青いので序盤から終盤まで強いカウンター持ち。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。
一応、現環境における立ち位置の変化を書いておく。
《森林の始源体/Sylvan Primordial》を失った事により、リキャスト性能、攻撃通し性能は若干下がった。
環境的に《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》を割りにくくなったのはマイナス要素だが、場持ちのいい6/8クリーチャーに寄るパンチ(場合によってはコピーで増えてる)で安定してドローとダメージを稼いでくるパターンが消えた方が大きい。
《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》という優秀なジェネラルを得た事もあり、むかつきデッキとの差は大分縮んだ印象。メタりやすさ、メタられ具合まで考慮すると逆転があるかも知れないレベル。
☆おまけ 禁止とかなんとか雑談
正直、1位と2位がどっちもすげー強すぎるデッキなので、個人的には《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》ジェネラル禁止《むかつき/Ad Nauseam》禁止でバランスとって欲しいと思っている。そうすれば結構群雄割拠になると思うんだけど。
あ、あと良く聞く所だと《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》とか《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》もあるけど、個人的には両方残っていてもそんなでもないと思っている。
聖別は重くて意外と扱いにくいし、ウーズコンボも墓地除去でどの色でも対抗できるのと、マナコスト高いし無駄牌が多いのでデッキがもっさりになるマイナス面が大きいので。
……いや、流石に聖別は聖別コピークソゲーが発生するから、カードパワーが強すぎるからではなくゲーム的に禁止にされた方がいいか。
あとは、パワー的には《歯と爪/Tooth and Nail》とあんまり変わらなそうな《合同勝利/Coalition Victory》とか、あっても使われるか怪しい《Library of Alexandria》とかは解除してもいいんじゃないかなーと思う。
青一強をもう少し抑えるためにも、もう手の施しようが無さそうな白と赤はともかく、黒と緑の強化のために《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》《原始のタイタン/Primeval Titan》《Fastbond》辺りを解禁しても面白いかも。……どれもロクでもない匂いしかしないからヤバイかw まあタイタンは実際長く使われてたんだから大丈夫……なのか?
あといい加減《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》は許してやれよwww
個人的にポテンシャル髙いと思ってるジェネラルトップ10。
あ、一応大きな差異のない同一アーキタイプは複数ランクインなしの予定です。
そうしないと2位以下が大変な事になるのでw
というわけで、早速第10位から順に。
◎10位《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》
非青系コンボデッキ代表。
《大地の知識/Earthcraft》や《ドルイドの誓い/Oath of Druids》などを中心とした軽めのパーツ中心のコンボが主力で結構速い。
白赤という弱色2つを持つが、緑のマナ加速、白のエンチャントサーチ、赤や緑に含まれる少数の優秀ドローと意外と一通り揃っている。
弱点は非青ゆえの一部コンボやカードに対する耐性のなさ。《むかつき/Ad Nauseam》とか《時間操作/Temporal Manipulation》はカウンターじゃないと対処できない。
《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》と迷ったが、ジェネラル自身が軽く、単体である程度制圧力がある点を考慮してこちらに。
色で見れば、白と黒だと圧倒的に黒の方が強いのだけど、プローシュは本人が重いせいで動きがもっさりになる欠点があり、それが上記の弱点を助長していると感じている。
あと、こと《むかつき/Ad Nauseam》や追加ターンに対しては、《沈黙/Silence》と一応ながらのカウンター《確実性の欠落/Lapse of Certainty》有する白の方が有効度が高い。多人数戦で手札破壊突っ込むわけにもいかないしね。
マラスの場合、コンボがほとんどエンチャント中心になるため、黒と大差ないレベルでサーチを確保出来るのも評価点。
◎9位《巨大なるカーリア/Kaalia of the Vast》
アンチコンボ型ビートダウン代表。
4マナというそこそこの軽さと、強力な誘発型能力で制圧する。3、4T目に出てくる《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》は驚異の一言。
他にも《奈落の君、苦弄/Kuro, Pitlord》《狂気の種父/Sire of Insanity》《ヘルカイトの暴君/Hellkite Tyrant》といったの制圧力の高いクリーチャーや、《ルーン傷の悪魔/Rune-Scarred Demon》《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》《黄金夜の刃、ギセラ/Gisela, Blade of Goldnight》のような便利なクリーチャーもおり、その上どれも大物で打撃力も高いため速やかにゲームを終わらせる事が出来る。
また、色的にコンボを締め付ける要素が多いのも特長。《Chains of Mephistopheles》《締め付け/Stranglehold》《法の定め/Rule of Law》《抑圧/Oppression》などは、自軍の戦略をそう大きく邪魔せずに全体を強く抑圧する事が出来る。
弱点は、黒の優秀チューターをもってしても難しい安定性の低さ。ジェネラル依存が大きいのも不安定さを助長する要因となっている。
対抗馬に上がっていたのは《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》。
キャストさえしてしまえば続唱確定なのは強力だが、しかしこちらの方が4マナも重い8マナで、しかも2回の続唱の効果は運任せと、カーリア以上に安定性が悪い点を理由に落選した。
緑の加速をもってしても4マナ差は埋めがたく、また、強色の青の強みを活かせない構成にならざるを得ないのもマイナス点となった。
◎8位《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》(アングリーハーミット)
《隠遁ドルイド/Hermit Druid》を起点とするコンボデッキ。
事実上の1枚コンボであり、速さだけならトップクラス。
黒のリアニメイトや緑の墓地回収系スペルのおかげで意外と粘り強くもある。
弱点はその脆さ。多少の墓地利用があっても異常に多いデッキ内の無駄牌はいかんてもしがたく、全力を傾けキャストされた隠遁ドルイドをしっかり除去されると見た目以上のアド損になり本当に厳しい。
タイミングよく墓地除去を刺されるとその時点でほぼ負け確という点も辛い。
無駄牌の多さもあってむらが酷く、それゆえに安定して勝ちきれない印象が拭い切れない。
◎7位《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》
青黒茶系コンボデッキ代表。
アーティファクトを利用した高速マナ加速と黒のサーチ能力、青のドロー能力で安定した動きを実現している。
攻守に使える優れたカードであるカウンター有する青を含むので、これによって身を守ったり勝ち筋を通したり出来るのも安定性の上昇に一役買っている。
青はアーティファクトと親和性が高いため、特にアーティファクト絡みのコンボを揃えやすい。
中でもシャルムは本人がアーティファクトの上にコンボパーツのため、色の組み合わせもあり非常にパーツを揃えやすい。
弱点は加速をアーティファクトに頼るが故の脆さと遅さ。
緑絡みのデッキならマナランプやマナクリーチャー、繁茂系に加速を分散するとともに優秀所を増やす事も出来るが、そうでない色なので数少ない2マナ以上を発生させる優秀アーティファクトに加速を頼らざるを得ない。しかし逆に言うとそこを割られると-2マナ。しかも緑以外は軒並みアーティファクトに頼るのでアーティファクト対策は腐りにくく投入しやすい。
また、全体的にフィニッシュカードが多め、重めなのも良く見られる点。ゆえにジェネラルがサーチやコンボパーツになる事でそれを軽減しているものが強いデッキとなるが、それでも高速デッキ相手には後手に回りがちとなる。
対抗馬に上がっていたのは《結界師ズアー/Zur the Enchanter》や《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》。
シャルムはこれらに比べて2マナ重いため、本来ならば軽いジェネラルの方を優秀として推すのだが、「他に比べるとキャストした時点で仕事が出来る」「能力がリアニ効果のため、《納墓/Entomb》などのサーチが増える」という点が、デッキ全体の速度面を比べた時に2マナ差を逆転可能にしていると判断してこちらを推した。
他2枚の場合、速攻を付ける『無駄牌』を入れるか、3人分のターンを回して無事生き延びるかしないと仕事をしないため、デッキ全体の安定性で劣ってしまうのもよろしくない点。
◎6位《擬態の原形質/The Mimeoplasm》
青黒緑コンボデッキ代表。
青黒茶系デッキの弱点である、加速の脆さと勝ち筋の重さを克服した(3色デッキの中では)唯一の色組み合わせのデッキ。
《生き埋め/Buried Alive》起点の《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボや、青黒の中では高速である《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》、重いが実質1枚コンボになれる《歯と爪/Tooth and Nail》などの勝ち筋を持ち、それを緑の優秀な加速でバックアップするという隙の少ないデッキ。
ジェネラル本人が5マナのリアニメイトスペルとなれるため、序盤ブン回れなかった時の長期戦でもアドを稼いで行ける。墓地利用コンボを搭載していれば、実質コンボパーツの1つにもなれるのも嬉しい所。
弱点は、強力な高速コンボである《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボの副作用。
色的に《Phyrexian Devourer》《トリスケリオン/Triskelion》のコンボが勝ち筋となるため、デッキのマナコストに自由が利かない。重量級カードを投入して安定性を自ら損ないに行く必要がある。
ある程度はピッチスペル投入で軽減できるし、ジェネラルのリアニメイト能力が救いとなるが、それでも理ある程度は引いて嬉しくない重いクリーチャーを投入する必要があり、無駄牌の助長につながる。ウーズコンボ自体が無駄牌をはらむコンボなのがより悪い。
本当に問題はこの一点だけなので、デッキのマナコストを気にしないウーズコンボが発見されると一気に最強候補に駆け上がる可能性がある。
◎5位《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》
追加ターン型青茶系デッキ代表。
軽くアドを稼げるジェネラルと、それと相性のいい追加ターンを用いて一気に押し切るデッキ。
多人数戦における追加ターンの価値は非常に高い。対戦相手が3人の場合、「自分が1ターンを得る」と読むのではなく「他人の3ターンを飛ばす」と読む事が出来るからだ。単純計算で1対1の時の3倍の効果を発揮するため、5マナでもコストパフォーマンスに優れたカードと変わる。
しかしそれでも単体だと5マナからの重さが足を引っ張るのだが、その前にジェネラルをキャストしてアドを稼ぐ準備を整えておく事により、強力な追加ターンを最大限に活かす事が出来る。
ジェネラルキャストが自然と早いターンに出来るデッキは、それだけで1枚分のアドを稼いでいるも同然の効果があるのも大きい。軽くて便利なジェネラルはそれだけで値千金の価値がある。
弱点はジェネラル潰し。
追加ターン利用にもアド稼ぎにもジェネラルが深く関与しているがゆえに、ジェネラルをしっかり潰されるとデッキ全体の動きが弱まってしまう。単体で強い追加ターンは(加速出来ないためキャストしにくくなるが)まだましな方なのだが、《好奇心/Curiosity》のようなクリーチャーがいる事前提のカードは完全に死に札になる。
ジェネラルが軽めな上、1回でも殴れると《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》持って来てリキャストしやすくなってしまうのが非常にうざったい。除去するなら1度のアタックも許さない最速が望ましい。
対抗馬に上がっていたのは《川の殺し屋、シグ/Sygg, River Cutthroat》。
ジェネラルによって得られるアドがシグは手札でサーダはマナ加速なのだが、マナ加速の方が追加ターンとの相性が良好であるため、色減少のマイナスをもってしてもサーダの方が優良であると判断した。シグの側のアド稼ぎの確実性が薄い事も判断基準となった。
◎4位《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
正直ここでいいのか迷っている枠。
上で書いた通り強力なカードである追加ターンと好相性な戦闘誘発能力、4マナで何度でも瞬速リキャスト可能とする能力、戦闘せずとも戦場に出るだけで最低限誘発する《ぐるぐる/Twiddle》。このジェネラルのマナコストが僅か3マナ。
色的にも最高の加速装置を持つ緑とドロー・カウンター有する青を持っているがゆえ、高い安定性を保証されている。
サーチだって、アーティファクトやエンチャント、クリーチャーに絞ればかなり優秀な所が揃っているのでサーチ不足で悩む事も少ない。
ジェネラルの能力であるアンタップ誘発は様々なコンボの可能性を持つし、緑の優秀な加速である繁茂系ともすこぶる相性が良い。誘発条件もプレイヤーへの戦闘ダメージと、クリーチャーが自然と並ぶ緑と好相性。
クリーチャーが並べば《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》のようなドローを扱えるようになるのもプラス面だ。
緑でありながら、《森林の始源体/Sylvan Primordial》依存が低かったのも相対的な評価を上げている要素。
どこをどう見ても強い事しか書いてない。
ポテンシャルは間違いなく上に挙げて来たどのジェネラルより上だと思っているのだが、今一つピリッとした話を聞かない。「EDHのデリーヴィー強いわ~」って話題をあまりに見な過ぎる。悪名で言ったら原形質やハーミット、カーリアの方が大きいくらいだ。
実際に対戦してみても、弱くはないのだが圧倒的な強さを発揮しているのを見た記憶がない。対戦しているデリーヴィーが追加ターン型ではないので、自分が思っている方向性と違うというにもあるのだろうが。しかしこれで「実際は追加ターンを投入すると弱体化する」なんてオチだった場合大きく順位を下げる事になるだろう。
現状見た通りで位置づけるなら7位まで繰り下がる。(さすがに青があるから安定性は保証されてるし、大きくブレるハーミットよりは勝率を確保出来ていると思っている)
今後のより一層の研究が待たれる。
◎3位《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》
ハーミットじゃない形の5色グッドスタッフ代表。
ジェネラルの仕事がリアニメイトからドラゴンサーチ(《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》や《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》など)に変わった《擬態の原形質/The Mimeoplasm》、という印象。
基本は原形質に近いのだが、主力となる高速コンボを高マナコストを必須条件とする《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボにこだわらなくて良くなった点と、赤と白の優秀カードをタッチする事を許されるようになった点が原形質に対して得られたアドバンテージ。
最初は5マナリアニメイトの方が始祖ドラの能力よりも大きく優秀だと思っていたのだが、対戦を重ねるうちにドラゴンサーチの器用さが目立つようになってきた。
例えば上で挙げた例の2枚のドラゴン、両方ともコンボがあるのだが、5+2マナで《動く死体/Animate Dead》も《鋭い感覚/Keen Sense》も受けられるコンボパーツを考えると受けの広さが目立つ。
ウーズコンボ入りデッキと比しての安定性の高さに加え、赤白の優良パーツを使用可能な利点も鑑みると、原形質より優秀であるとの判断が下された。
弱点らしい弱点はない。
というか、登場からこれだけ経ち、あれだけ多くのプレイヤーに弄られているにも拘らず、明確にコレといった形が未だ成立していない。
多色ゆえに構造上《月の大魔術師/Magus of the Moon》などを苦手とするが、これもまたマナアーティファクトや基本地形からの除去で充分回避可能な要素である。
◎2位《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》
悪名高き《むかつき/Ad Nauseam》デッキ代表。
《森林の始源体/Sylvan Primordial》が消え、相対的により強くなった一発芸デッキ。《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》といったカードにより、序盤7、8ターン目までで2回くらいなら攻めていける性能を持つ。
速度的にはハーミットに平均にして1~2ターン劣るが、カウンター以外による妨害が非常に効きにくいという対処にしにくさで圧倒的に勝る。その差がそのままこの順位の差となっている。
一部デッキ以外はほとんど対処のしようがなく、速度で勝つ事も難しい。この無理ゲー感が印象の悪さを加速している。
統率者2013で加わったアローロは、この無理ゲー感を加速するゲインライフ能力持ちのジェネラル。カウンターがないデッキは、《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar》のような尖った対策カードなしで戦う場合、可能な限り早く殴って《むかつき/Ad Nauseam》の有効度を下げるくらいしかやる事がないのだが、5ターン目で10ライフゲイン状態とあっては多少のダメージなど焼け石ウォーターである。
弱点は、デッキパワーの低さと過剰なカウンター、そして尖った対策カード。
マナコストを低く抑える必要があるため、デッキパワーは非常に低くなりがち。それゆえに長期戦は苦手……なのだが勝つも負けるも序盤戦なデッキゆえ、中々この状態にまで持って行くのが困難である。
ほとんど唯一の弱点であるカウンターだが、1度むかつきをカウンターしても安心はしない方がいい。フラッシュバックによる復帰に対する警戒を忘れない事が肝要である。早めに《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》なんかで《むかつき/Ad Nauseam》を片付けておくと、あとは脆い《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボくらいしか入っていないパワー弱小デッキになるので対処しやすくなるだろう。
対抗馬に上がっていたのは……凄い沢山w
最低限必要なのはサーチとフィニッシュに必要な青黒の固有色で、それゆえにいろんなジェネラルでデッキが組めてしまう。
同色だと《センの三つ子/Sen Triplets》《結界師ズアー/Zur the Enchanter》もそれぞれの強みがあるし、《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》で青黒赤も行ける。全色のいいトコどりかつリセットによる自衛可能な《アラーラの子/Child of Alara》も良く聞くジェネラルのひとつだ。
その中でもアローロを選んだのは、「非常に早いデッキなので基本的にジェネラルの出番がないのだが、そんな中アローロだけが1T目から0マナで良い仕事をする」「最低限必要な色はむかつきのある黒とサーチの水増しが可能になる青で、他の色を足す利点が、《不快な夢/Sickening Dreams》ルートを0マナで準備できる白>>>追加マナ加速と追加0マナクリーチャーの赤>>追加の墓地利用と追加の打消し対策の緑、であり、3色で不自由しないた」といった理由で5色にする意味は薄いと判断したのがその理由だ。
なお、アーキタイプごとで順位を並べたのは、ジェネラルごとで書いてしまうとむかつきだけで2~10位がすべて埋まってしまうためだったから、という理由な模様www
◎1位《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
もう説明はいらないよね!!
とっても強い追加ターンを最高に活かしてずっと俺のターンで殴り倒す、ジェネラル依存をより上げた代わりに爆発力も上がったサーダみたいなデッキ。
サーダ同様ジェネラル除去が苦手なのだが、加速の得意な緑のおかげで比較的リキャストしやすいのがよろしくない。
ジェネラル除去しまくってリキャスト不可能まで持ち込んでも《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》でスタートしてしまう事があるのもウザいポイント。ジェネラル除去効いてねーじゃん!
全体的に回避能力に乏しいので2/2くらいのブロッカーを置いたり、追加ターン使いまわしを防ぐ墓地除去、並ぶクリーチャーでドローが膨らむのを防ぐ全体火力なんかも有効。これらも組み合わせていきたい。
ジェネラルリキャスト・追加ターンキャスト安定のためのマナ加速をそのままドローに変えられるシナジーが頭おかしい。
その上青いので序盤から終盤まで強いカウンター持ち。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。
一応、現環境における立ち位置の変化を書いておく。
《森林の始源体/Sylvan Primordial》を失った事により、リキャスト性能、攻撃通し性能は若干下がった。
環境的に《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》を割りにくくなったのはマイナス要素だが、場持ちのいい6/8クリーチャーに寄るパンチ(場合によってはコピーで増えてる)で安定してドローとダメージを稼いでくるパターンが消えた方が大きい。
《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》という優秀なジェネラルを得た事もあり、むかつきデッキとの差は大分縮んだ印象。メタりやすさ、メタられ具合まで考慮すると逆転があるかも知れないレベル。
☆おまけ 禁止とかなんとか雑談
正直、1位と2位がどっちもすげー強すぎるデッキなので、個人的には《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》ジェネラル禁止《むかつき/Ad Nauseam》禁止でバランスとって欲しいと思っている。そうすれば結構群雄割拠になると思うんだけど。
あ、あと良く聞く所だと《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》とか《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》もあるけど、個人的には両方残っていてもそんなでもないと思っている。
聖別は重くて意外と扱いにくいし、ウーズコンボも墓地除去でどの色でも対抗できるのと、マナコスト高いし無駄牌が多いのでデッキがもっさりになるマイナス面が大きいので。
……いや、流石に聖別は聖別コピークソゲーが発生するから、カードパワーが強すぎるからではなくゲーム的に禁止にされた方がいいか。
あとは、パワー的には《歯と爪/Tooth and Nail》とあんまり変わらなそうな《合同勝利/Coalition Victory》とか、あっても使われるか怪しい《Library of Alexandria》とかは解除してもいいんじゃないかなーと思う。
青一強をもう少し抑えるためにも、もう手の施しようが無さそうな白と赤はともかく、黒と緑の強化のために《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》《原始のタイタン/Primeval Titan》《Fastbond》辺りを解禁しても面白いかも。……どれもロクでもない匂いしかしないからヤバイかw まあタイタンは実際長く使われてたんだから大丈夫……なのか?
あといい加減《夜の星、黒瘴/Kokusho, the Evening Star》は許してやれよwww
主要な所だけだけどちょっと考えてみたよ。
☆これまでどんな悪さをしてきましたか?
とりあえず、これがいたおかげで環境がどんな影響を受けていたのか思いつく範囲で箇条書き。
・緑系の隆盛
・特にコピー有する青緑系が大きく隆盛
・緑以外の青系はコピーしてもマナ伸びないのでマイナス
・《自然の秩序/Natural Order》の影響で、特に青緑系は高速安定加速可能
・1枚で手堅い(3分割)形で3マナ伸びる。実質4マナ差(1枚割るので)
・土地含む置物が当てにならない=クリーチャーのが偉い
・クリーチャーの攻撃が通りにくく場持ちのいい6/8到達
☆これからどんな影響がありますか?
◎《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
実は結構弱体化に繋がってるんじゃないかと思っている。
エドリックが嫌がる行動の1つに、ひたすらエドリックを弾き続けるというのがあるんだけど、始源体を出すとそれだけで再キャスト1.5回分の効果がある。
その上攻撃を通しやすい6/8というファッティも手に入るので、最近は《自然の秩序/Natural Order》+《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》などコピーカード組み込み型の中速気味のものが主流になっていた。
この型の強みは、しつこくエドリックキャスト可能になるので隙が見えたらどこからでも殺せる可能性がある事。6/8という場持ちのいいクリーチャーがいるおかげでドローの保証もある程度付いてきてくれるのも良かった。
しかしこれからは安易な加速が容易ではなくなるので、エドリックを弾き続けるプランがより有効になる。
また、《紅蓮地獄/Pyroclasm》なんかで概ね一掃出来るのもプラス。以前だと、《自然の秩序/Natural Order》後出遅れてのパイロだと6/8が残って決定打にならない事があった。(エド再キャスト→始源体パンチ可能で1ドロー保証が残る)
トップメタからの転落があるかどうかはまだ未知数だが、以前よりもマナがカツカツになりやすいので明らかに厳しくはなったはず。3度も4度もキャストを繰り返すのが難しくなるので、昔みたいな速攻型に推移する可能性もある。
◎《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
大量のコピーカードでジェネラルと緑始源体をコピーしまくっていたデッキ。
恐らく始源体との相性はトップクラスだっただけに、ジェネラル内の序列を大きく事す事になりそうだ。
《自然の秩序/Natural Order》一発でゼガーナキャストのマナと参照する高パワーカードを確保する動きが消えてしまったので、かなり厳しそう。
◎その他青緑系ジェネラル
安易なNO始源体によってお手軽に序盤戦を制する事が不可能になった。
しかしゼガーナ程大きく依存していた訳ではないので軽い戦力ダウン程度と考えていいだろう。新しい序盤の過ごし方と、非常に強力な便利カードだった《幻影の像/Phantasmal Image》《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》辺りの使い勝手を改めて考える必要があるかも知れない。
◎黒緑系ジェネラル
実はあんまり始源体を使いまわす事が多くなく、NO始源体撃っても「わーい加速出来た」であとはいつも通りだったりした印象のある黒緑。釣って使いまわすっつっても6/8とかちょー堅い生き物を墓地に落とす事前提だったしね。
そんな訳でそこまでマイナス影響は見られないと思う。
◎白緑系ジェネラル
《艦長シッセイ/Captain Sisay》、《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》など、白緑は相手を締め付けつつ勝ちに行く形のジェネラルが多かったため、相手を減速させつつ自分の手数を増やせる《森林の始源体/Sylvan Primordial》との相性はかなり良かった部類。
実は青緑系に次いでマイナス影響が大きいタイプであると見ている。
◎赤緑系ジェネラル
〇〇緑系ジェネラルの内、恐らくもっとも始源体禁止の影響が少ないであろうタイプ。
使い道は概ね黒緑と同様で、さらにリアニする事もないのだからさもありなん。
ただ、序盤の安易かつ大幅な加速ルートが減ってしまった事は確かなマイナスなので、そこは覚えておくべき。
◎非緑茶系ジェネラル
正直追い風びゅーびゅーと言わざるを得ない。
置物の安定性が上がり、特に考えずに好きに展開しつつ6点クロック作られるという自体も減ったのでブロッカー立てる必然性も減った。(エドリックが存在する以上ブロッカーの価値が高いのは変わらないが)
青茶系の《Timetwister》系手札リセットを中心とした立ち回りも、「緑の方が展開力高いじゃねーか」という自体に陥りにくくなった。
《進歩の災い/Bane of Progress》などのアンチカードはあるが、じゃあそれを自分のマナクリを潰し、さらにカード1枚と4マナ使ってまで頻繁に叩きつけたいかというと話は別。始源体が強かったのは3マナ伸びるからマナクリを生け贄に捧げてもどうって事なかったから。マナが減るんじゃ使いにくい。
◎《むかつき/Ad Nauseam》デッキ・黒系デッキ
2~4T目くらいに、こっちを減速させつつ6点クロック準備完了、みたいなろくでもないパターンが消えたのは大きな収穫。
ライフを大きく消耗しがちな黒系全般も上に同じ。以前よりもいくらかは雑にライフを扱えるようになったはず。
むかつきデッキは、エドリックの零落により、もしかするとトップメタの座を奪い取る可能性があるかも知れない。
ただし明確な弱点を持つ尖っているデッキ故、個人的な見解としては比較的対処能力の高い丸いデッキであるエドリックに次ぐ位置のままであると見ている。
◎土地
これまで以上に手堅いマナベースとなった。
《テラストドン/Terastodon》や《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》のようなカードはあるが、これらは《森林の始源体/Sylvan Primordial》のように考えずにどのデッキにも投入出来るようなカードではないし、考えなしにとりあえず出せばアドっていう訳でもない。
これに伴い、《繁茂/Wild Growth》のような土地につけてマナを伸ばすオーラ、《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》のような大量にマナを生み出しうる土地、《家路/Homeward Path》のような便利な能力を持った土地は価値を大きく上げたと言えそうだ。
◎《森の知恵/Sylvan Library》《Mystic Remora》などの置物アド装置
「早めのターンの始源体からマナベースを守る」という何気に偉かった仕事がなくなり、初手に残す価値がちょっぴりダウン。まあ1~2マナのアド装置なら残すけど。
これからは自分も対戦相手も序盤の展開が以前よりもスムーズにいきやすくなり、かつ緩やかな加速が中心となるのだろう。カードとしての評価は上げていいと思う。
◎《スランの発電機/Thran Dynamo》《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
出すには重いが出れば強いマナ加速アーティファクト。
安易に《森林の始源体/Sylvan Primordial》によって割られる事が無くなったので、これまでに比べればずっと壊れにくくなった。
これからは、相手も公平にカードを減らさなければ破壊されないのだ。水蓮一方的に割られてなぜか向こうはアド得するなんて悲しい夜とはもうサヨナラ。
大体こんな感じの予想。
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》の弱体化具合によっては大きくメタが変わりそう。少なくともエドリックキャストを繰り返せた中速型は前ほどマナベースが強固じゃなくなる。
始源体を見なくてよくなったおかげで全体火力の価値が上昇し、むかつき対策も見れる赤系デッキが隆盛するかも。
☆これまでどんな悪さをしてきましたか?
とりあえず、これがいたおかげで環境がどんな影響を受けていたのか思いつく範囲で箇条書き。
・緑系の隆盛
・特にコピー有する青緑系が大きく隆盛
・緑以外の青系はコピーしてもマナ伸びないのでマイナス
・《自然の秩序/Natural Order》の影響で、特に青緑系は高速安定加速可能
・1枚で手堅い(3分割)形で3マナ伸びる。実質4マナ差(1枚割るので)
・土地含む置物が当てにならない=クリーチャーのが偉い
・クリーチャーの攻撃が通りにくく場持ちのいい6/8到達
☆これからどんな影響がありますか?
◎《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
実は結構弱体化に繋がってるんじゃないかと思っている。
エドリックが嫌がる行動の1つに、ひたすらエドリックを弾き続けるというのがあるんだけど、始源体を出すとそれだけで再キャスト1.5回分の効果がある。
その上攻撃を通しやすい6/8というファッティも手に入るので、最近は《自然の秩序/Natural Order》+《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》などコピーカード組み込み型の中速気味のものが主流になっていた。
この型の強みは、しつこくエドリックキャスト可能になるので隙が見えたらどこからでも殺せる可能性がある事。6/8という場持ちのいいクリーチャーがいるおかげでドローの保証もある程度付いてきてくれるのも良かった。
しかしこれからは安易な加速が容易ではなくなるので、エドリックを弾き続けるプランがより有効になる。
また、《紅蓮地獄/Pyroclasm》なんかで概ね一掃出来るのもプラス。以前だと、《自然の秩序/Natural Order》後出遅れてのパイロだと6/8が残って決定打にならない事があった。(エド再キャスト→始源体パンチ可能で1ドロー保証が残る)
トップメタからの転落があるかどうかはまだ未知数だが、以前よりもマナがカツカツになりやすいので明らかに厳しくはなったはず。3度も4度もキャストを繰り返すのが難しくなるので、昔みたいな速攻型に推移する可能性もある。
◎《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
大量のコピーカードでジェネラルと緑始源体をコピーしまくっていたデッキ。
恐らく始源体との相性はトップクラスだっただけに、ジェネラル内の序列を大きく事す事になりそうだ。
《自然の秩序/Natural Order》一発でゼガーナキャストのマナと参照する高パワーカードを確保する動きが消えてしまったので、かなり厳しそう。
◎その他青緑系ジェネラル
安易なNO始源体によってお手軽に序盤戦を制する事が不可能になった。
しかしゼガーナ程大きく依存していた訳ではないので軽い戦力ダウン程度と考えていいだろう。新しい序盤の過ごし方と、非常に強力な便利カードだった《幻影の像/Phantasmal Image》《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》辺りの使い勝手を改めて考える必要があるかも知れない。
◎黒緑系ジェネラル
実はあんまり始源体を使いまわす事が多くなく、NO始源体撃っても「わーい加速出来た」であとはいつも通りだったりした印象のある黒緑。釣って使いまわすっつっても6/8とかちょー堅い生き物を墓地に落とす事前提だったしね。
そんな訳でそこまでマイナス影響は見られないと思う。
◎白緑系ジェネラル
《艦長シッセイ/Captain Sisay》、《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》など、白緑は相手を締め付けつつ勝ちに行く形のジェネラルが多かったため、相手を減速させつつ自分の手数を増やせる《森林の始源体/Sylvan Primordial》との相性はかなり良かった部類。
実は青緑系に次いでマイナス影響が大きいタイプであると見ている。
◎赤緑系ジェネラル
〇〇緑系ジェネラルの内、恐らくもっとも始源体禁止の影響が少ないであろうタイプ。
使い道は概ね黒緑と同様で、さらにリアニする事もないのだからさもありなん。
ただ、序盤の安易かつ大幅な加速ルートが減ってしまった事は確かなマイナスなので、そこは覚えておくべき。
◎非緑茶系ジェネラル
正直追い風びゅーびゅーと言わざるを得ない。
置物の安定性が上がり、特に考えずに好きに展開しつつ6点クロック作られるという自体も減ったのでブロッカー立てる必然性も減った。(エドリックが存在する以上ブロッカーの価値が高いのは変わらないが)
青茶系の《Timetwister》系手札リセットを中心とした立ち回りも、「緑の方が展開力高いじゃねーか」という自体に陥りにくくなった。
《進歩の災い/Bane of Progress》などのアンチカードはあるが、じゃあそれを自分のマナクリを潰し、さらにカード1枚と4マナ使ってまで頻繁に叩きつけたいかというと話は別。始源体が強かったのは3マナ伸びるからマナクリを生け贄に捧げてもどうって事なかったから。マナが減るんじゃ使いにくい。
◎《むかつき/Ad Nauseam》デッキ・黒系デッキ
2~4T目くらいに、こっちを減速させつつ6点クロック準備完了、みたいなろくでもないパターンが消えたのは大きな収穫。
ライフを大きく消耗しがちな黒系全般も上に同じ。以前よりもいくらかは雑にライフを扱えるようになったはず。
むかつきデッキは、エドリックの零落により、もしかするとトップメタの座を奪い取る可能性があるかも知れない。
ただし明確な弱点を持つ尖っているデッキ故、個人的な見解としては比較的対処能力の高い丸いデッキであるエドリックに次ぐ位置のままであると見ている。
◎土地
これまで以上に手堅いマナベースとなった。
《テラストドン/Terastodon》や《森滅ぼしの最長老/Woodfall Primus》のようなカードはあるが、これらは《森林の始源体/Sylvan Primordial》のように考えずにどのデッキにも投入出来るようなカードではないし、考えなしにとりあえず出せばアドっていう訳でもない。
これに伴い、《繁茂/Wild Growth》のような土地につけてマナを伸ばすオーラ、《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》のような大量にマナを生み出しうる土地、《家路/Homeward Path》のような便利な能力を持った土地は価値を大きく上げたと言えそうだ。
◎《森の知恵/Sylvan Library》《Mystic Remora》などの置物アド装置
「早めのターンの始源体からマナベースを守る」という何気に偉かった仕事がなくなり、初手に残す価値がちょっぴりダウン。まあ1~2マナのアド装置なら残すけど。
これからは自分も対戦相手も序盤の展開が以前よりもスムーズにいきやすくなり、かつ緩やかな加速が中心となるのだろう。カードとしての評価は上げていいと思う。
◎《スランの発電機/Thran Dynamo》《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
出すには重いが出れば強いマナ加速アーティファクト。
安易に《森林の始源体/Sylvan Primordial》によって割られる事が無くなったので、これまでに比べればずっと壊れにくくなった。
これからは、相手も公平にカードを減らさなければ破壊されないのだ。水蓮一方的に割られてなぜか向こうはアド得するなんて悲しい夜とはもうサヨナラ。
大体こんな感じの予想。
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》の弱体化具合によっては大きくメタが変わりそう。少なくともエドリックキャストを繰り返せた中速型は前ほどマナベースが強固じゃなくなる。
始源体を見なくてよくなったおかげで全体火力の価値が上昇し、むかつき対策も見れる赤系デッキが隆盛するかも。
超遅報
EDHで《森林の始源体/Sylvan Primordial》禁止だってね。
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=16697
以下上の文のおおざっぱな要約。超適当超意訳なので自己責任で。
EDHで《森林の始源体/Sylvan Primordial》禁止だってね。
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=16697
以下上の文のおおざっぱな要約。超適当超意訳なので自己責任で。
禁止リストが変更されてから約1年。環境は成長を続けているよう感じられたし、プレイヤーが望むような多様性を持っていた。
そして我々は、実用的な範囲での、短期的な変化のある禁止リストを望んでいる。
この一年、プレイヤーからのヘイトを集めている1枚のカードがある。
我々は、《森林の始源体/Sylvan Primordial》が環境に対する貢献よりも問題の方を多く引き起こしており、これが存在しない方が良いと感じている。
緑始源体は禁止カード条件の多くを満たしている。サーチ対象となるべき多くのクリーチャーの存在意義を奪い、緑始源体を使用する事が妥当なのか堕落なのかの議論を引き起こした。
緑始源体は簡単に4、5ターン目(多くのプレイヤーが防御を整えたり脅威を準備したりする前の時間帯だ)に加速する事を可能にする。このお手軽なマナ・ランプデッキはゲームをつまらなくする。
単体で大きなマナ加速、あるいは土地・その他破壊だけだったら問題ないのだろうが、その両方が備わる事により、簡便かつ頻繁に圧倒的な状況が繰り返される。前シーズン中のいくつかの議論の後、我々メンバーすべてがこの禁止に賛成した。
紙装甲なくらいでちょうどいい
2013年12月23日 EDH環境考察 コメント (4)真空圧くんが、マジキチ日記の合間にデッキの妨害について日記で言及してたのを見て(http://4hinkuatsu.diarynote.jp/201312232108541268/)妨害について最近思っている事をつらつらと書きつつ日記へのコメントとかを。
☆攻めるカウンター、守るカウンター
まずそもそもとして、EDHは多人数戦なので3人捌くなんて無理。
そのため、カウンターは《払拭/Dispel》のような攻撃的なものが中心となる。そのため、まずなによりも軽さを重視した判断基準となる。
攻めるカードを守る時は、必然的に守るべきカードをキャストしているのでマナを使っている状況だからだ。
その中で、単純に軽くて強い、防御的なタイミングでも使える一部カウンター(ソーサリーも消せる《白鳥の歌/Swan Song》とか)が勝手に自分の手が進んでいない時に相手が攻めて来た場合の防衛用カードになり変わってくれる。
そのため、ちょっと多めの枚数を入れておけば、あとは戦況が勝手に手札のカウンターを攻撃用と防御用に仕分けてくれる。
自分が攻めに行けない状況では相手の勝ちを潰してくれるし、その後勝ちのチャンスが来た時にはその勝ち筋をバックアップし太くしてくれる。
キャストさえ出来れば攻防に使える。これがカウンターの利点である。
☆インスタントのパーマネント除去
これもカウンターと似た性質を持っている。
ただ、攻撃と防御のバランスがカウンターに比べれば防御よりである。
インスタント除去の主な仕事は防御的なもので、パーマネントを用いたコンボの指導直前にぶつけて勝ちを止めるのが目的だ。
攻撃的な使い方としては、自分の動きを制限してくる《無のロッド/Null Rod》や《締め付け/Stranglehold》、場に残っている限り勝ち筋を牽制し続ける《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》や《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》のようなカードを除けて勝ちに向かうというものだ。
カウンターの項で書いたように、対戦相手の多いEDHでは全員捌くなんて無理な事なので、防御的な要素の強いインスタント除去は、そういう面で見るとカウンターよりも弱い。
しかしながら、インスタント除去には生きてさえいれば後引きでも許されるというタイミングを選ばなさがある。
カウンターだけだと、致命的なカード(例えば5色デッキの前に現れた《月の大魔術師/Magus of the Moon》とか)がうっかり通してしまってそのまま死亡、となってしまうのである程度の除去は必要である。
求められる要素は、ターンを回す時に構えるマナが少なくて済むような軽さと、(他のレギュレーションと違って脅威がクリーチャーに寄っている訳ではないので)より広いパーマネントを対象と出来る万能性。
しかしそれを完璧に満たす除去は意外と少ない。対象が広いと重くなりがちだし、軽いカードだと対象が狭い。両方満たすと思えばデメリットが強い。
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が強力な除去とされる要因は、それらをいいバランスで満たしている所だ。
☆ソーサリータイミングのパーマネント除去
上で「インスタント除去は防御的、それゆえにカウンターに劣る」「しかしカウンターだけだとうっかり通った時に死ねるので除去は欲しい」と書いたが、その前者も後者も満たす方法がある。
それはより攻撃的な除去カードを投入する事だ。
そうして、その「インスタント除去と比べて攻撃的な除去カード」として上がってくるのが、ソーサリーの除去カードだ。
使うタイミングが限定されているというルールの都合上、ソーサリーは同コストのインスタントに比べて強力な効果を持つ傾向がある。つまり「アクション:効果」の効率はインスタント除去よりも強力になる。
また、「後出しで致命的なカードを潰して相手の勝ちを挫く」のではなく、「先出しで致命的な状況になる前にパーマネントを潰していく」という動き方の関係上、構えてターンを終える必要がない(出来ないとも言う)ため、比較的多くのマナをその行動に割ける。とうぜん、MTGは重いカードの方が軽いカードより強力な傾向があるので、これもまた「アクション:効果」の効率が大きくなる要素だ。
欠点は、見ての通りの後出しが出来ない所。
それゆえに、後の先でピンポイントで止めればいいインスタント除去と違い、ソーサリー除去は先の先で、かつ面の形で相手の行動を潰していく必要がある。
具体的には、《溶融/Meltdown》でアーティファクトのマナベースを全部飛ばしたり、短期的な《森林の始源体/Sylvan Primordial》の連続コピーで相手の行動選択肢を潰し続けたりといった行動だ。
このような性質を持つゆえに、ソーサリー除去はデッキに厚く組み込んだ方が効果が高い。
単体だとすぐに復帰されてしまうものでも、矢継ぎ早にマナレシオの高い効果を叩きつける事で、それぞれがより効果的に相手の選択肢をより強く制限し、また単体カードで見たパワー差も積み重なるので対戦相手に有利を積み重ねていく事が出来る。
この効果を体現したジェネラルの代表が《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》だろう。
しかしそれでも完全に潰せないのが欠点というもので、上に書いたような方法で臨んでも、除去に割けるデッキ内の枠の関係上、すべてのマナベースは除去しきれずにマナが伸びてしまう事の方が多いのは必然だし、そんな状況で1ターンの内に一気に勝ち手段を並べられると止めようがない。
ある程度はカウンターやインスタント除去でバックアップする必要は出てくるだろう。
☆それに加えて、の要素
さらに書くならば、勝ち筋をサーチするカードも、インスタントで手札に加わり得るもの(《吸血の教示者/Vampiric Tutor》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》のような合わせ技含む)であれば、いざという時に緊急回避の除去に変わるので実質的に防御用カードが水増しされていると言ってもいい。
本質的には勝ち筋にアクセスする攻撃的なカードなのに、防御にも使える。だから《吸血の教示者/Vampiric Tutor》系は強いのだ。
☆デッキに入っている除去のバランス
そんな訳で、多人数戦だと攻撃を捌く防御的なカードよりも勝ちを補助する攻撃的なカードの方が偉い。
平均レベルで攻撃的と言える組み合わせには、
・(勝ち筋の枚数を薄くしない前提で)いざという時には防御にも使えるカウンターとインスタント除去
・危険なカードを致命的になる前に次々と叩き潰して優位を確立出来るソーサリー除去
というものがあるだろう。
より攻撃的なものとしては
・撃てばアドが取れそうなマスデスソーサリー除去ばっかり(大渦とかコレ)
・除去がない(ハーミットとかこれに近い)
などがある。
☆日記に対するコメント変わりという名の結論
結局何が言いたいかっていうと、デッキ内にインスタント除去が《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》しかなくても、(例え攻撃的要素が強いものが主だとしても)カウンターや《森林の始源体/Sylvan Primordial》、及びそれを踏み倒したりコピーするカード、インスタントサーチがあれば十分コントロール力を維持できるんじゃない? って話。
「攻撃主体のカウンター多過ぎ」「ピン除去2枚」って書くと一見紙装甲に見えるかも知れないけど、真空圧くんの原形質の実際は意外と固いと思う。
自分が勝ちに行くまでの間に、最低限の量の防御カードは抱えている印象があるから、これ以上除去に寄っても安定性は大して変わらないまま速度が遅くなるだけだと思う。むしろ相手のターンが沢山回る分不安定になるまである。
☆攻めるカウンター、守るカウンター
まずそもそもとして、EDHは多人数戦なので3人捌くなんて無理。
そのため、カウンターは《払拭/Dispel》のような攻撃的なものが中心となる。そのため、まずなによりも軽さを重視した判断基準となる。
攻めるカードを守る時は、必然的に守るべきカードをキャストしているのでマナを使っている状況だからだ。
その中で、単純に軽くて強い、防御的なタイミングでも使える一部カウンター(ソーサリーも消せる《白鳥の歌/Swan Song》とか)が勝手に自分の手が進んでいない時に相手が攻めて来た場合の防衛用カードになり変わってくれる。
そのため、ちょっと多めの枚数を入れておけば、あとは戦況が勝手に手札のカウンターを攻撃用と防御用に仕分けてくれる。
自分が攻めに行けない状況では相手の勝ちを潰してくれるし、その後勝ちのチャンスが来た時にはその勝ち筋をバックアップし太くしてくれる。
キャストさえ出来れば攻防に使える。これがカウンターの利点である。
☆インスタントのパーマネント除去
これもカウンターと似た性質を持っている。
ただ、攻撃と防御のバランスがカウンターに比べれば防御よりである。
インスタント除去の主な仕事は防御的なもので、パーマネントを用いたコンボの指導直前にぶつけて勝ちを止めるのが目的だ。
攻撃的な使い方としては、自分の動きを制限してくる《無のロッド/Null Rod》や《締め付け/Stranglehold》、場に残っている限り勝ち筋を牽制し続ける《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》や《上天の呪文爆弾/AEther Spellbomb》のようなカードを除けて勝ちに向かうというものだ。
カウンターの項で書いたように、対戦相手の多いEDHでは全員捌くなんて無理な事なので、防御的な要素の強いインスタント除去は、そういう面で見るとカウンターよりも弱い。
しかしながら、インスタント除去には生きてさえいれば後引きでも許されるというタイミングを選ばなさがある。
カウンターだけだと、致命的なカード(例えば5色デッキの前に現れた《月の大魔術師/Magus of the Moon》とか)がうっかり通してしまってそのまま死亡、となってしまうのである程度の除去は必要である。
求められる要素は、ターンを回す時に構えるマナが少なくて済むような軽さと、(他のレギュレーションと違って脅威がクリーチャーに寄っている訳ではないので)より広いパーマネントを対象と出来る万能性。
しかしそれを完璧に満たす除去は意外と少ない。対象が広いと重くなりがちだし、軽いカードだと対象が狭い。両方満たすと思えばデメリットが強い。
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が強力な除去とされる要因は、それらをいいバランスで満たしている所だ。
☆ソーサリータイミングのパーマネント除去
上で「インスタント除去は防御的、それゆえにカウンターに劣る」「しかしカウンターだけだとうっかり通った時に死ねるので除去は欲しい」と書いたが、その前者も後者も満たす方法がある。
それはより攻撃的な除去カードを投入する事だ。
そうして、その「インスタント除去と比べて攻撃的な除去カード」として上がってくるのが、ソーサリーの除去カードだ。
使うタイミングが限定されているというルールの都合上、ソーサリーは同コストのインスタントに比べて強力な効果を持つ傾向がある。つまり「アクション:効果」の効率はインスタント除去よりも強力になる。
また、「後出しで致命的なカードを潰して相手の勝ちを挫く」のではなく、「先出しで致命的な状況になる前にパーマネントを潰していく」という動き方の関係上、構えてターンを終える必要がない(出来ないとも言う)ため、比較的多くのマナをその行動に割ける。とうぜん、MTGは重いカードの方が軽いカードより強力な傾向があるので、これもまた「アクション:効果」の効率が大きくなる要素だ。
欠点は、見ての通りの後出しが出来ない所。
それゆえに、後の先でピンポイントで止めればいいインスタント除去と違い、ソーサリー除去は先の先で、かつ面の形で相手の行動を潰していく必要がある。
具体的には、《溶融/Meltdown》でアーティファクトのマナベースを全部飛ばしたり、短期的な《森林の始源体/Sylvan Primordial》の連続コピーで相手の行動選択肢を潰し続けたりといった行動だ。
このような性質を持つゆえに、ソーサリー除去はデッキに厚く組み込んだ方が効果が高い。
単体だとすぐに復帰されてしまうものでも、矢継ぎ早にマナレシオの高い効果を叩きつける事で、それぞれがより効果的に相手の選択肢をより強く制限し、また単体カードで見たパワー差も積み重なるので対戦相手に有利を積み重ねていく事が出来る。
この効果を体現したジェネラルの代表が《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》だろう。
しかしそれでも完全に潰せないのが欠点というもので、上に書いたような方法で臨んでも、除去に割けるデッキ内の枠の関係上、すべてのマナベースは除去しきれずにマナが伸びてしまう事の方が多いのは必然だし、そんな状況で1ターンの内に一気に勝ち手段を並べられると止めようがない。
ある程度はカウンターやインスタント除去でバックアップする必要は出てくるだろう。
☆それに加えて、の要素
さらに書くならば、勝ち筋をサーチするカードも、インスタントで手札に加わり得るもの(《吸血の教示者/Vampiric Tutor》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》のような合わせ技含む)であれば、いざという時に緊急回避の除去に変わるので実質的に防御用カードが水増しされていると言ってもいい。
本質的には勝ち筋にアクセスする攻撃的なカードなのに、防御にも使える。だから《吸血の教示者/Vampiric Tutor》系は強いのだ。
☆デッキに入っている除去のバランス
そんな訳で、多人数戦だと攻撃を捌く防御的なカードよりも勝ちを補助する攻撃的なカードの方が偉い。
平均レベルで攻撃的と言える組み合わせには、
・(勝ち筋の枚数を薄くしない前提で)いざという時には防御にも使えるカウンターとインスタント除去
・危険なカードを致命的になる前に次々と叩き潰して優位を確立出来るソーサリー除去
というものがあるだろう。
より攻撃的なものとしては
・撃てばアドが取れそうなマスデスソーサリー除去ばっかり(大渦とかコレ)
・除去がない(ハーミットとかこれに近い)
などがある。
☆日記に対するコメント変わりという名の結論
結局何が言いたいかっていうと、デッキ内にインスタント除去が《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》しかなくても、(例え攻撃的要素が強いものが主だとしても)カウンターや《森林の始源体/Sylvan Primordial》、及びそれを踏み倒したりコピーするカード、インスタントサーチがあれば十分コントロール力を維持できるんじゃない? って話。
「攻撃主体のカウンター多過ぎ」「ピン除去2枚」って書くと一見紙装甲に見えるかも知れないけど、真空圧くんの原形質の実際は意外と固いと思う。
自分が勝ちに行くまでの間に、最低限の量の防御カードは抱えている印象があるから、これ以上除去に寄っても安定性は大して変わらないまま速度が遅くなるだけだと思う。むしろ相手のターンが沢山回る分不安定になるまである。
デュエルコマンダー考察 4 とルールブレイカーデッキ
2013年12月18日 EDH環境考察 コメント (3)デュエルコマンダー考察コーナー。
今回はメタゲームについてその2。
☆墓地対策の弱体化
墓地を使うデッキは非常に早く、通常の妨害もしにくい。《生き埋め/Buried Alive》からスタートする《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボは通常の除去は効かないし、《壌土からの生命/Life from the Loam》を使ったアド取りは墓地リムーブ以外では非常に止めにくい。
これまでは多人数戦だったので、「3人の内誰かに当たれば(墓地コンボは恐らく卓内で早い部類になるので)充分遅延策として仕事をする」という位置付けで扱いやすかった墓地対策カードだが、デュエルコマンダーは1対1なので、墓地対策が腐る可能性が非常に高い。
逆説的に、墓地を使ったコンボ・シナジーは強化されていると言える。
もちろん、墓地コンボ・墓地シナジーを行うにはそれらをサーチするのが肝要で、それが最も得意な色は黒で、その色から2枚の強力サーチが落ちている、というマイナス面も忘れてはいけないが。
ウーズコンボは、おそらく「そこまで早くはないが、非常に止めにくい」という立ち位置となるだろう。
☆禁止カードの選定基準による、平均速度の変化
これまで挙げて来た環境要因の総合的な話にもなるのだが、ルールチームは「平均5ターンキル出来るようなデッキを排除する」のを目的としてルール制定を行ったらしい。
だからこそ高速コンボのパーツである《隠遁ドルイド/Hermit Druid》は禁止だし、あらゆるコンボの速度を上昇させる《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《伝国の玉璽/Imperial Seal》といった軽量サーチを禁止したのだろう。
逆説的に、安定して早いキルターンを持つデッキはそれだけ強いと言える。
通常のEDHにおける高速デッキの平均キルターンは3~4程度。平均的な部類のデッキのキルターンが、早いもので5~8程度。
デュエルコマンダーで平均5ターンキル出来るデッキなら、立ち位置的には前者の高速デッキ的な立ち位置に居座る事が出来るだろう。
☆サンプルデッキ
そんな訳で、それを踏まえた平均5ターンキルが狙えそうなサンプルデッキ
ジェネラル
《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Asetic》
・むかつき・サーチ 13
《むかつき/Ad Nauseam》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《目くらましの呪文/Dizzy Spell》
《Demonic Tutor》
《汚れた契約/Tainted Pact》
《商人の巻物/Merchant Scroll》
《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》
《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
《残酷な教示者/Cruel Tutor》
《Grim Tutor》
・コンボ補助 5
《Zuran Orb》
《Gustha’s Scepter》
《天使の嗜み/Angel’s Grace》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
・フィニッシュ関連 4
《不快な夢/Sickening Dreams》
《仲裁の契約/Intervention Pact》
《Demonic Consultation》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
・0マナクリーチャー 6
《メムナイト/Memnite》
《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
《ファイレクシアの歩行機械/Phyrexian Walker》
《Shield Sphere》
《ファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauder》
《変容する壁/Shifting Wall》
・妨害 12
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
《強迫/Duress》
《思考囲い/Thoughtseize》
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《殺戮の契約/Slaughter Pact》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《撤廃/Repeal》
《沈黙/Silence》
《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
・ドロー 2
《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
《彩色の星/Chromatic Star》
・マナ加速 11
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《極楽のマントル/Paradise Mantle》
《Jeweled Amulet》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《弱者選別/Culling the Weak》
《汚物の雨/Rain of Filth》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
・土地 47
・便利土地 4
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
《やせた原野/Barren Moor》
《陰謀団のピット/Cabal Pit》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
・2マナランド 10
《古き泉/Ancient Spring》
《泥炭の沼地/Peat Bog》
《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》
《僻遠の農場/Remote Farm》
《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》
《シヴィエルナイトの寺院/Svyelunite Temple》
《トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《裏切り者の都/City of Traitors》
《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
・色マナ土地 33
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《Underground Sea》
《Scrubland》
《Tundra》
《湿った墓/Watery Grave》
《神無き祭殿/Godless Shrine》
《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《涙の川/River of Tears》
《地底の大河/Underground River》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
《宝石鉱山/Gemstone Mine》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《真鍮の都/City of Brass》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《統率の塔/Command Tower》
《反射池/Reflecting Pool》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
《島/Island》
《沼/Swamp》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
という訳でむかつきです。
総マナコストは55。ライフが10低いので保険で《天使の嗜み/Angel’s Grace》《Zuran Orb》が入っている。
また、手札破壊意識でサーチカードがちょっと増量。手札が減ったら高速アローロで身を守りつつドローを進めていく感じで。
ちなみに、試しに通常のアローロで禁止カードを0マナサイクリングで回した所、平均5ターン、ライフ25あれば高確率で人が死ぬ感じだった。その辺りをボーダーと考えておくといいかも。
動き的には、遅い分マナが伸びるので6、7マナある状況でスタートする感じ。その伸びた分のマナが《Mana Crypt》などの不足を補ってくれる。つーか無色2よりも青か黒1の方が偉い事が多いので、マナ的には微妙に安定性が高くなっていたり。手札枚数(≒コンボパーツ量)が安定しない事が不安要素だが。
余裕がないなら偏執狂コンボを切った割り切り構成でもいいかも。あるいは《沈黙/Silence》のような妨害をちょっと削るとか、《暗黒/Darkness》のようなフォグ系を投入して猶予ターンを作るか。
むかつきは、基本的に通常EDHから大きく弱体化しているように見えると思うので、強化点の方を解説。
・アローロの毎ターンゲイン2ライフが相対的に大きくなっている。
・《不快な夢/Sickening Dreams》の必要手札枚数が減っている。
・通常EDH時は3人に殴られるデッキのため、1対1ならクロックが減る。
・カウンター持ちも最大1人。色によっては露払い一切なしで安心スタート。
・1マナ手札破壊による前方確認が可能に。手札破壊は不利なばかりではない。
・色バランス的に青衰退、緑隆盛なのでデッキメタ的には追い風。
意外と行けると思っている。
今回はメタゲームについてその2。
☆墓地対策の弱体化
墓地を使うデッキは非常に早く、通常の妨害もしにくい。《生き埋め/Buried Alive》からスタートする《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボは通常の除去は効かないし、《壌土からの生命/Life from the Loam》を使ったアド取りは墓地リムーブ以外では非常に止めにくい。
これまでは多人数戦だったので、「3人の内誰かに当たれば(墓地コンボは恐らく卓内で早い部類になるので)充分遅延策として仕事をする」という位置付けで扱いやすかった墓地対策カードだが、デュエルコマンダーは1対1なので、墓地対策が腐る可能性が非常に高い。
逆説的に、墓地を使ったコンボ・シナジーは強化されていると言える。
もちろん、墓地コンボ・墓地シナジーを行うにはそれらをサーチするのが肝要で、それが最も得意な色は黒で、その色から2枚の強力サーチが落ちている、というマイナス面も忘れてはいけないが。
ウーズコンボは、おそらく「そこまで早くはないが、非常に止めにくい」という立ち位置となるだろう。
☆禁止カードの選定基準による、平均速度の変化
これまで挙げて来た環境要因の総合的な話にもなるのだが、ルールチームは「平均5ターンキル出来るようなデッキを排除する」のを目的としてルール制定を行ったらしい。
だからこそ高速コンボのパーツである《隠遁ドルイド/Hermit Druid》は禁止だし、あらゆるコンボの速度を上昇させる《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《伝国の玉璽/Imperial Seal》といった軽量サーチを禁止したのだろう。
逆説的に、安定して早いキルターンを持つデッキはそれだけ強いと言える。
通常のEDHにおける高速デッキの平均キルターンは3~4程度。平均的な部類のデッキのキルターンが、早いもので5~8程度。
デュエルコマンダーで平均5ターンキル出来るデッキなら、立ち位置的には前者の高速デッキ的な立ち位置に居座る事が出来るだろう。
☆サンプルデッキ
そんな訳で、それを踏まえた平均5ターンキルが狙えそうなサンプルデッキ
ジェネラル
《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Asetic》
・むかつき・サーチ 13
《むかつき/Ad Nauseam》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《目くらましの呪文/Dizzy Spell》
《Demonic Tutor》
《汚れた契約/Tainted Pact》
《商人の巻物/Merchant Scroll》
《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》
《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
《残酷な教示者/Cruel Tutor》
《Grim Tutor》
・コンボ補助 5
《Zuran Orb》
《Gustha’s Scepter》
《天使の嗜み/Angel’s Grace》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》
・フィニッシュ関連 4
《不快な夢/Sickening Dreams》
《仲裁の契約/Intervention Pact》
《Demonic Consultation》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
・0マナクリーチャー 6
《メムナイト/Memnite》
《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
《ファイレクシアの歩行機械/Phyrexian Walker》
《Shield Sphere》
《ファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauder》
《変容する壁/Shifting Wall》
・妨害 12
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
《強迫/Duress》
《思考囲い/Thoughtseize》
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《殺戮の契約/Slaughter Pact》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《撤廃/Repeal》
《沈黙/Silence》
《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》
・ドロー 2
《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
《彩色の星/Chromatic Star》
・マナ加速 11
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《極楽のマントル/Paradise Mantle》
《Jeweled Amulet》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《弱者選別/Culling the Weak》
《汚物の雨/Rain of Filth》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
・土地 47
・便利土地 4
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
《やせた原野/Barren Moor》
《陰謀団のピット/Cabal Pit》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
・2マナランド 10
《古き泉/Ancient Spring》
《泥炭の沼地/Peat Bog》
《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》
《僻遠の農場/Remote Farm》
《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》
《シヴィエルナイトの寺院/Svyelunite Temple》
《トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《裏切り者の都/City of Traitors》
《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
・色マナ土地 33
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《Underground Sea》
《Scrubland》
《Tundra》
《湿った墓/Watery Grave》
《神無き祭殿/Godless Shrine》
《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《涙の川/River of Tears》
《地底の大河/Underground River》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
《宝石鉱山/Gemstone Mine》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《真鍮の都/City of Brass》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《統率の塔/Command Tower》
《反射池/Reflecting Pool》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
《島/Island》
《沼/Swamp》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
という訳でむかつきです。
総マナコストは55。ライフが10低いので保険で《天使の嗜み/Angel’s Grace》《Zuran Orb》が入っている。
また、手札破壊意識でサーチカードがちょっと増量。手札が減ったら高速アローロで身を守りつつドローを進めていく感じで。
ちなみに、試しに通常のアローロで禁止カードを0マナサイクリングで回した所、平均5ターン、ライフ25あれば高確率で人が死ぬ感じだった。その辺りをボーダーと考えておくといいかも。
動き的には、遅い分マナが伸びるので6、7マナある状況でスタートする感じ。その伸びた分のマナが《Mana Crypt》などの不足を補ってくれる。つーか無色2よりも青か黒1の方が偉い事が多いので、マナ的には微妙に安定性が高くなっていたり。手札枚数(≒コンボパーツ量)が安定しない事が不安要素だが。
余裕がないなら偏執狂コンボを切った割り切り構成でもいいかも。あるいは《沈黙/Silence》のような妨害をちょっと削るとか、《暗黒/Darkness》のようなフォグ系を投入して猶予ターンを作るか。
むかつきは、基本的に通常EDHから大きく弱体化しているように見えると思うので、強化点の方を解説。
・アローロの毎ターンゲイン2ライフが相対的に大きくなっている。
・《不快な夢/Sickening Dreams》の必要手札枚数が減っている。
・通常EDH時は3人に殴られるデッキのため、1対1ならクロックが減る。
・カウンター持ちも最大1人。色によっては露払い一切なしで安心スタート。
・1マナ手札破壊による前方確認が可能に。手札破壊は不利なばかりではない。
・色バランス的に青衰退、緑隆盛なのでデッキメタ的には追い風。
意外と行けると思っている。
デュエルコマンダー考察 3
2013年12月14日 EDH環境考察 コメント (2)机上の空論デュエルコマンダー考察コーナー。
今回は、自分なりに考えたメタゲームについて。
☆緑が強い
他の色が《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》といった1T目の加速を失う中、《繁茂/Wild Growth》《極楽鳥/Birds of Paradise》といった独自のカードによって加速力を維持している緑。
他より速度があれば、それだけ優位にゲームを進められる。自分はこの色がメタゲームの中心になると考える。
緑は意外と器用で、ドローも除去も、クリーチャーに限るならサーチだってこなせる色だ。カウンター以外なら何でも出来る。
それゆえに単色である程度何でもこなせるだけのスペックがある。逆に言うと、他のどの色を足してもその持ち味を活かせる丸さがあるという事だ。
色の多さは選択肢の多さ。ハイランダー構築であるEDHではなおさらだ。
緑が多色化を得意としている色である事もあり、緑に1~2色加えた色が優勢となるだろう。
緑は遥か昔からクリーチャーの性能が高い色として扱われている。
それゆえ、緑中心=クリーチャー多いと考えていいだろう。また、緑はクリーチャーサーチも得意だ。
それゆえに、緑を軸にしたデッキはクリーチャーを軸にしたデッキ、(ビートダウンでも、クリーチャーコンボでも)が多くなるだろう。
恐らく世界はクリーチャー環境になると思われる。
クリーチャー環境という事は、逆に考えるとクリーチャー対処手段の評価も高いという事で、大量に除去を持つ赤と黒はそういう意味で優位に立つ事が出来そうだ。
また、「クリーチャーが多い≒デッキに殴り倒すルートを作りやすい」ので、逆にそれらの対策となる《プロパガンダ/Propaganda》《果たし合いの場/Dueling Grounds》などのカードの価値は上がるだろうと考えられる。
☆手札破壊の台頭
1対1になった事により、手札破壊をデッキに組み込む事に現実味が出て来た。
この事による影響としては、まずまっさきにコンボデッキの弱体化が挙げられる。
今までは打消しやコンボに合わせた除去が警戒すべき要素だったのだが、それに加えて手札に仕舞っている間の手札破壊も脅威として加わった。
コンボ、特にパーマネントを揃えてスタートするのではなく、手札を整えてスタートする系のコンボには不利な環境になったと思われる。
また、マリガンの様相も変わる可能性もある。
例えば初手に入ってきた1枚の《Timetwister》を頼ってマナ加速を集めに行くマリガンは、手札破壊を有する黒を前にしては頼りがいがないプランとなる。ある程度安定性を重視した初手作りとなりそうだ。
手札破壊の偉い所は、相手に手札さえあれば、序盤でも終盤でも軽めのマナで行動に影響を与えられるところだ。
初期ライフが通常レギュレーションの1.5倍もあり、しかも通常のレギュレーションに比べるとスペックの低いカードを採用しなければならない99枚ハイランダーであるEDHは、必然的に遅いゲームになりがちだ。
それゆえに強いデッキは手札の補充手段を持ち、またそういったデッキは手札が尽きる事も少ない。逆に言うといつでも手札破壊が有効になるという事だ。
☆青の弱体化と強化
・青はアーティファクトとの親和性が最も強い色だ。
それゆえに《Mana Crypt》や《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を一番うまく使う事が出来る。
しかしそれはもう過去の話。この世界には《Mana Crypt》も《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》も存在しない。
青の弱体化は必至と言えよう。
・青はドローを最も得意とする色だ。
そうして、この1対1の環境だと1枚のカード引き増しの勝ちは上がっている。
今までは、自分がいくら引き増しても対戦相手が3人もいるせいでアド差を付けている実感が得られなかった(実際はアドを得ているのだが、差を付けるとそれだけこちらを押さえつけに来るカードの枚数が増える。《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》クラスの3人がかりでも抑えられないようなアド差を付けないとアドを取る意味が薄い)が、これからは1対1だ。
1枚手札の差を付ける事は、そのまま1枚の差になる。単純な引き算の出来る事がなんと素晴らしい事か。
最もドローを得意とする青は、そういう意味で最も恩恵を受けていると言える。
ただ、注意しなくてはならないのは、《Timetwister》や《意外な授かり物/Windfall》のようなカードの扱いだ。
今までは、《Timetwister》は雑に手札をならしても他3人の思惑がある事によって大きなアド差が発生する事がなく、安定した強さを持っていたのだが、これからは1対1。対戦相手の手札が自分より少ない時の《Timetwister》は、そのまま不利に直結する。
《意外な授かり物/Windfall》に至っては、枚数基準となる参照すべき手札が2人分しか存在しないため、より安定性に欠けた動きとなるだろう。
・青の独自要素として、カウンターがある。
今までは1人を止めても他2名が攻めて来て損になる盤面も多かったこのカードだが、これからは1人を止めればそのまま次は自分のターンだ。後先気にせず存分に相手の嫌なカードを止めに行く事が出来る。
また、多人数戦ではカードタイプの都合上、相手の嫌なパーマネントカードを止める際に「カウンター→除去」という処理順になってしまうため、カウンター側が先に妨害を浪費してしまいがちになるというマイナス面があった。
しかしこれからはその心配はない。自分の代わりに的に対処してくれるなんていう優しいおじさんはもういない。自分で処理しなけりゃ即死するのだから、遠慮なくカウンターを使っていく事が出来る。
☆緑と組む色選び
・自分は、デュエルコマンダーで優位を取る色は、まず緑、続いて青と黒になるであろうと予想する。
しかし、ではこの3色で組めば強いデッキになるかと言えば、そうとは限らないと自分は考える。
青と黒の得意分野の1つであるカウンターと手札破壊の相性がイマイチなのがその理由だ。
これらは双方ともに事前に脅威を叩き落とす手段で、すでに戦場に現れた脅威に対する対処手段とはならない。それゆえに、手札破壊もカウンターもとデッキの妨害枠に詰め込んでいくと、うっかり通ってしまったパーマネントに対策がおろそかになる可能性が高い。
もちろん除去を追加で詰めばいい話ではあるのだが、そうなると今度は逆にコントロール要素が過剰になる。末永い優位を作るドローや、ゲームを終わらせるために必要な勝ち手段を薄くしてしまっては本末転倒だ。
また、カウンターは受動的な対処法、手札破壊は能動的な対処法で、基本的にソーサリーである手札破壊を撃つと、単純にカウンターのマナを構える事が出来なくなるというのも軽く相性の悪い部分である。
遥か昔から青黒の組み合わせは強いものだったが、それでも《対抗呪文/Counterspell》と《Hymn to Tourach》が同居していた例は極端に少ない。
双方軽くしてしまえば問題ないと《思考囲い/Thoughtseize》と《Force of Will》を採用するのも手なのだが、残念ながら両方1枚しか入れられない環境だ。レガシーのようにはいかないだろう。
・そのため、強いデッキの色は、青緑(+白か赤)や黒緑(+赤や白)となりそうだと予想する。
アクションが重くなりがちではあるが、速度とアドバンテージ力が強力な、パワーカード満載の青緑系と、
尖った早さを持ちながらも、墓地利用トップ2の色特長を活かした、領域全体をアドバンテージとする粘り強さもあるのが魅力の黒緑系がゲームの中心となるだろう。
☆クロックパーミッションは本当に強いのか?
個人的にはちょっと懐疑的。
レガシーのクロパーと言えばカナスレやBUGデルバー。これらが強いのは、少数の非常に優秀な軽量カードを用い、少ないリソースで相手の展開をしっかり抑えつつ、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》のような軽くてクロックの高いカードで速やかにゲームを終わらせられる点だ。
しかしながら、この環境ではデルバーも《不毛の大地/Wasteland》も《もみ消し/Stifle》もデッキに1枚しか入らないし、ライフは1.5倍の30だ。
盤面を固定するべき時間も長ければ、優秀なクロックを序盤に用意できる可能性も低い。
もちろんジェネラルが恒久的なクロックになるというのは魅力だが、それでも単純なクロパーは厳しそうに思える。
目指すべきは、どちらかと言えばスタンダードのミッドレンジではないかと自分は考える。
ある程度の速度を犠牲にしながらも、序盤から終盤までそこそこ安定した攻め手を準備出来、軽いコントロール要素とアドバンテージカードで相手の息切れを誘う、というタイプだ。
クロパーに比べれば相手の自由は効くが、その隙に自分でもアドを稼いで有利を得ようという考えのデッキだ。
これは、99枚ハイランダーであるルールとも好相性だ。コントロールやドロー要素をデッキに入れると、ドローカード、手札破壊やカウンター、除去と様々なカードタイプがデッキに有用になり、それぞれの上位カードを採用する事により弱いカードを入れずに済むからである。
☆ビートダウンは有利なのか?
1対1になった点を差し引いても、削るべきライフが10も減っているので、もちろん今までに比べれば有利になったとは思う。
しかし1対1になって有利になったのは、なにもビートダウン側だけではない。
ビートダウンデッキで4人戦をやっていて、2人を倒した直後に3人目からコンボを喰らって負けたようなパターンはなかっただろうか? 自分が誰かを殴っていたターンの返しで、誰かがコンボスタートし、それを別の誰かが止めた盤面はなかっただろうか?
今までは、コンボ側は3人がかりの妨害を気にする必要があったのだが、1対1になった事により気にすべき相手は1人になった。ビート側がタップアウトしていればかなり気楽にコンボをブッパ出来るし、そうでなくても妨害を気にする必要が薄くなった。
逆にコンボ側は、ある程度はコンボを止める要素を入れて速度を鈍らせる選択肢を取らなければならない場合も発生している。
もちろん逆に速度で押し切って倒すのも手だが、《Mana Crypt》などが落ちて全体的な速度は低下しているし、コンボ側が今まで積んでいたコントロール要素(これまでのEDHのデッキでも、サーチ・ドロー・パーツだけでは枠が余るのでコンボを守り、相手を妨害するカウンターや置物除去などがある程度デッキに入っている)が全部自分に向かって飛んで来るので牙城が崩しにくくなっている。
もちろん、他プレイヤーへの警戒のおかげで妨害が薄くなっている3人を殴り倒す事よりはずっとずっと楽だろうが、今までのEDHで1人を殴り倒していた時くらいの感覚で行けるとは思わない方がいいだろう。
☆コントロールは強いのか?
個人的には強いと思っている。
今までのEDHの感覚で居るからビート有利に見えるだけど、実際の所は「ライフが10増えたのでゲームが間延びする」「ハイランダーなので尖った高速コンボは揃えにくい」「同じくハイランダーなので攻め手となるカードのクロックが低い」「逆にコントロールカードはクロックよりスペック低下が緩いのでパワーダウンが小さい」「ジェネラルの存在のおかげで、大量のコントロール・アドバンテージに少量のフィニッシャーというコントロール的な構成が非常にやり易い」などなど、むしろ低速コントロールに追い風な要素の方が多いくらいなのだ。
それゆえに、ジェネラルをフィニッシャーに据えた形のコントロール寄りのデッキが優位に立つと思われる。
中でも、繰り返し使う事が期待されるものはそれだけでアド要素になるので評価が高い。
ここでいうフィニッシャーとは、何も盤面押さえつけて殴り倒すための生物というばかりではなく、《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》のようにコントロールを取りかけた段階で速やかにゲームを終わらせるコンボパーツの1枚だったり、《幽霊の酋長、カラドール/Karador, Ghost Chieftain》《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》のようにアドバンテージ差を圧殺レベルに持ち上げられるカードだったりも含んだ話だ。
むしろこれの後者の方が、能動的にキャストして優位を進める事が出来るので優良であるとすら言える。
☆結論
そんな訳で、黒緑系か青黒系の、ジェネラルが能動的にキャスト出来るアド源となり得る、コントロール要素の強いデッキが強いんじゃないかという予想になりました。
青緑系だと《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》《二つ反射のリクー/Riku of Two Reflections》《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
黒緑系だと《光り葉のナース/Nath of the Gilt-Leaf》《幽霊の酋長、カラドール/Karador, Ghost Chieftain》
あたりが単純なアドバンテージジェネラル系として台頭してきそう。《ジラ・エリアン/Xira Arien》とかも悪くはないけど、アドを取るためにマナがかかり過ぎるので一段劣る印象。
それに加えて、コントロールとパンチ力を両立させるタイプのジェネラルである
《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》《胞子の教祖、ゲイヴ/Ghave, Guru of Spores》
も目立ってくるかも知れない。
今回は、自分なりに考えたメタゲームについて。
☆緑が強い
他の色が《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》といった1T目の加速を失う中、《繁茂/Wild Growth》《極楽鳥/Birds of Paradise》といった独自のカードによって加速力を維持している緑。
他より速度があれば、それだけ優位にゲームを進められる。自分はこの色がメタゲームの中心になると考える。
緑は意外と器用で、ドローも除去も、クリーチャーに限るならサーチだってこなせる色だ。カウンター以外なら何でも出来る。
それゆえに単色である程度何でもこなせるだけのスペックがある。逆に言うと、他のどの色を足してもその持ち味を活かせる丸さがあるという事だ。
色の多さは選択肢の多さ。ハイランダー構築であるEDHではなおさらだ。
緑が多色化を得意としている色である事もあり、緑に1~2色加えた色が優勢となるだろう。
緑は遥か昔からクリーチャーの性能が高い色として扱われている。
それゆえ、緑中心=クリーチャー多いと考えていいだろう。また、緑はクリーチャーサーチも得意だ。
それゆえに、緑を軸にしたデッキはクリーチャーを軸にしたデッキ、(ビートダウンでも、クリーチャーコンボでも)が多くなるだろう。
恐らく世界はクリーチャー環境になると思われる。
クリーチャー環境という事は、逆に考えるとクリーチャー対処手段の評価も高いという事で、大量に除去を持つ赤と黒はそういう意味で優位に立つ事が出来そうだ。
また、「クリーチャーが多い≒デッキに殴り倒すルートを作りやすい」ので、逆にそれらの対策となる《プロパガンダ/Propaganda》《果たし合いの場/Dueling Grounds》などのカードの価値は上がるだろうと考えられる。
☆手札破壊の台頭
1対1になった事により、手札破壊をデッキに組み込む事に現実味が出て来た。
この事による影響としては、まずまっさきにコンボデッキの弱体化が挙げられる。
今までは打消しやコンボに合わせた除去が警戒すべき要素だったのだが、それに加えて手札に仕舞っている間の手札破壊も脅威として加わった。
コンボ、特にパーマネントを揃えてスタートするのではなく、手札を整えてスタートする系のコンボには不利な環境になったと思われる。
また、マリガンの様相も変わる可能性もある。
例えば初手に入ってきた1枚の《Timetwister》を頼ってマナ加速を集めに行くマリガンは、手札破壊を有する黒を前にしては頼りがいがないプランとなる。ある程度安定性を重視した初手作りとなりそうだ。
手札破壊の偉い所は、相手に手札さえあれば、序盤でも終盤でも軽めのマナで行動に影響を与えられるところだ。
初期ライフが通常レギュレーションの1.5倍もあり、しかも通常のレギュレーションに比べるとスペックの低いカードを採用しなければならない99枚ハイランダーであるEDHは、必然的に遅いゲームになりがちだ。
それゆえに強いデッキは手札の補充手段を持ち、またそういったデッキは手札が尽きる事も少ない。逆に言うといつでも手札破壊が有効になるという事だ。
☆青の弱体化と強化
・青はアーティファクトとの親和性が最も強い色だ。
それゆえに《Mana Crypt》や《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を一番うまく使う事が出来る。
しかしそれはもう過去の話。この世界には《Mana Crypt》も《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》も存在しない。
青の弱体化は必至と言えよう。
・青はドローを最も得意とする色だ。
そうして、この1対1の環境だと1枚のカード引き増しの勝ちは上がっている。
今までは、自分がいくら引き増しても対戦相手が3人もいるせいでアド差を付けている実感が得られなかった(実際はアドを得ているのだが、差を付けるとそれだけこちらを押さえつけに来るカードの枚数が増える。《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》クラスの3人がかりでも抑えられないようなアド差を付けないとアドを取る意味が薄い)が、これからは1対1だ。
1枚手札の差を付ける事は、そのまま1枚の差になる。単純な引き算の出来る事がなんと素晴らしい事か。
最もドローを得意とする青は、そういう意味で最も恩恵を受けていると言える。
ただ、注意しなくてはならないのは、《Timetwister》や《意外な授かり物/Windfall》のようなカードの扱いだ。
今までは、《Timetwister》は雑に手札をならしても他3人の思惑がある事によって大きなアド差が発生する事がなく、安定した強さを持っていたのだが、これからは1対1。対戦相手の手札が自分より少ない時の《Timetwister》は、そのまま不利に直結する。
《意外な授かり物/Windfall》に至っては、枚数基準となる参照すべき手札が2人分しか存在しないため、より安定性に欠けた動きとなるだろう。
・青の独自要素として、カウンターがある。
今までは1人を止めても他2名が攻めて来て損になる盤面も多かったこのカードだが、これからは1人を止めればそのまま次は自分のターンだ。後先気にせず存分に相手の嫌なカードを止めに行く事が出来る。
また、多人数戦ではカードタイプの都合上、相手の嫌なパーマネントカードを止める際に「カウンター→除去」という処理順になってしまうため、カウンター側が先に妨害を浪費してしまいがちになるというマイナス面があった。
しかしこれからはその心配はない。自分の代わりに的に対処してくれるなんていう優しいおじさんはもういない。自分で処理しなけりゃ即死するのだから、遠慮なくカウンターを使っていく事が出来る。
☆緑と組む色選び
・自分は、デュエルコマンダーで優位を取る色は、まず緑、続いて青と黒になるであろうと予想する。
しかし、ではこの3色で組めば強いデッキになるかと言えば、そうとは限らないと自分は考える。
青と黒の得意分野の1つであるカウンターと手札破壊の相性がイマイチなのがその理由だ。
これらは双方ともに事前に脅威を叩き落とす手段で、すでに戦場に現れた脅威に対する対処手段とはならない。それゆえに、手札破壊もカウンターもとデッキの妨害枠に詰め込んでいくと、うっかり通ってしまったパーマネントに対策がおろそかになる可能性が高い。
もちろん除去を追加で詰めばいい話ではあるのだが、そうなると今度は逆にコントロール要素が過剰になる。末永い優位を作るドローや、ゲームを終わらせるために必要な勝ち手段を薄くしてしまっては本末転倒だ。
また、カウンターは受動的な対処法、手札破壊は能動的な対処法で、基本的にソーサリーである手札破壊を撃つと、単純にカウンターのマナを構える事が出来なくなるというのも軽く相性の悪い部分である。
遥か昔から青黒の組み合わせは強いものだったが、それでも《対抗呪文/Counterspell》と《Hymn to Tourach》が同居していた例は極端に少ない。
双方軽くしてしまえば問題ないと《思考囲い/Thoughtseize》と《Force of Will》を採用するのも手なのだが、残念ながら両方1枚しか入れられない環境だ。レガシーのようにはいかないだろう。
・そのため、強いデッキの色は、青緑(+白か赤)や黒緑(+赤や白)となりそうだと予想する。
アクションが重くなりがちではあるが、速度とアドバンテージ力が強力な、パワーカード満載の青緑系と、
尖った早さを持ちながらも、墓地利用トップ2の色特長を活かした、領域全体をアドバンテージとする粘り強さもあるのが魅力の黒緑系がゲームの中心となるだろう。
☆クロックパーミッションは本当に強いのか?
個人的にはちょっと懐疑的。
レガシーのクロパーと言えばカナスレやBUGデルバー。これらが強いのは、少数の非常に優秀な軽量カードを用い、少ないリソースで相手の展開をしっかり抑えつつ、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》のような軽くてクロックの高いカードで速やかにゲームを終わらせられる点だ。
しかしながら、この環境ではデルバーも《不毛の大地/Wasteland》も《もみ消し/Stifle》もデッキに1枚しか入らないし、ライフは1.5倍の30だ。
盤面を固定するべき時間も長ければ、優秀なクロックを序盤に用意できる可能性も低い。
もちろんジェネラルが恒久的なクロックになるというのは魅力だが、それでも単純なクロパーは厳しそうに思える。
目指すべきは、どちらかと言えばスタンダードのミッドレンジではないかと自分は考える。
ある程度の速度を犠牲にしながらも、序盤から終盤までそこそこ安定した攻め手を準備出来、軽いコントロール要素とアドバンテージカードで相手の息切れを誘う、というタイプだ。
クロパーに比べれば相手の自由は効くが、その隙に自分でもアドを稼いで有利を得ようという考えのデッキだ。
これは、99枚ハイランダーであるルールとも好相性だ。コントロールやドロー要素をデッキに入れると、ドローカード、手札破壊やカウンター、除去と様々なカードタイプがデッキに有用になり、それぞれの上位カードを採用する事により弱いカードを入れずに済むからである。
☆ビートダウンは有利なのか?
1対1になった点を差し引いても、削るべきライフが10も減っているので、もちろん今までに比べれば有利になったとは思う。
しかし1対1になって有利になったのは、なにもビートダウン側だけではない。
ビートダウンデッキで4人戦をやっていて、2人を倒した直後に3人目からコンボを喰らって負けたようなパターンはなかっただろうか? 自分が誰かを殴っていたターンの返しで、誰かがコンボスタートし、それを別の誰かが止めた盤面はなかっただろうか?
今までは、コンボ側は3人がかりの妨害を気にする必要があったのだが、1対1になった事により気にすべき相手は1人になった。ビート側がタップアウトしていればかなり気楽にコンボをブッパ出来るし、そうでなくても妨害を気にする必要が薄くなった。
逆にコンボ側は、ある程度はコンボを止める要素を入れて速度を鈍らせる選択肢を取らなければならない場合も発生している。
もちろん逆に速度で押し切って倒すのも手だが、《Mana Crypt》などが落ちて全体的な速度は低下しているし、コンボ側が今まで積んでいたコントロール要素(これまでのEDHのデッキでも、サーチ・ドロー・パーツだけでは枠が余るのでコンボを守り、相手を妨害するカウンターや置物除去などがある程度デッキに入っている)が全部自分に向かって飛んで来るので牙城が崩しにくくなっている。
もちろん、他プレイヤーへの警戒のおかげで妨害が薄くなっている3人を殴り倒す事よりはずっとずっと楽だろうが、今までのEDHで1人を殴り倒していた時くらいの感覚で行けるとは思わない方がいいだろう。
☆コントロールは強いのか?
個人的には強いと思っている。
今までのEDHの感覚で居るからビート有利に見えるだけど、実際の所は「ライフが10増えたのでゲームが間延びする」「ハイランダーなので尖った高速コンボは揃えにくい」「同じくハイランダーなので攻め手となるカードのクロックが低い」「逆にコントロールカードはクロックよりスペック低下が緩いのでパワーダウンが小さい」「ジェネラルの存在のおかげで、大量のコントロール・アドバンテージに少量のフィニッシャーというコントロール的な構成が非常にやり易い」などなど、むしろ低速コントロールに追い風な要素の方が多いくらいなのだ。
それゆえに、ジェネラルをフィニッシャーに据えた形のコントロール寄りのデッキが優位に立つと思われる。
中でも、繰り返し使う事が期待されるものはそれだけでアド要素になるので評価が高い。
ここでいうフィニッシャーとは、何も盤面押さえつけて殴り倒すための生物というばかりではなく、《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》のようにコントロールを取りかけた段階で速やかにゲームを終わらせるコンボパーツの1枚だったり、《幽霊の酋長、カラドール/Karador, Ghost Chieftain》《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》のようにアドバンテージ差を圧殺レベルに持ち上げられるカードだったりも含んだ話だ。
むしろこれの後者の方が、能動的にキャストして優位を進める事が出来るので優良であるとすら言える。
☆結論
そんな訳で、黒緑系か青黒系の、ジェネラルが能動的にキャスト出来るアド源となり得る、コントロール要素の強いデッキが強いんじゃないかという予想になりました。
青緑系だと《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》《二つ反射のリクー/Riku of Two Reflections》《首席議長ゼガーナ/Prime Speaker Zegana》
黒緑系だと《光り葉のナース/Nath of the Gilt-Leaf》《幽霊の酋長、カラドール/Karador, Ghost Chieftain》
あたりが単純なアドバンテージジェネラル系として台頭してきそう。《ジラ・エリアン/Xira Arien》とかも悪くはないけど、アドを取るためにマナがかかり過ぎるので一段劣る印象。
それに加えて、コントロールとパンチ力を両立させるタイプのジェネラルである
《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》《胞子の教祖、ゲイヴ/Ghave, Guru of Spores》
も目立ってくるかも知れない。
デュエルコマンダー考察 2
2013年12月13日 EDH環境考察 コメント (2)デュエルコマンダー机上の空論考察コーナー。
今回は通常EDHからのルール変更による影響について。
☆1VS1
なんといってもまずはコレ。
これにより、評価が大きく変わるカードが結構ある。
ちょっと長くなるが、目立つところを個別で解説していきたい。
・《森林の始源体/Sylvan Primordial》《吸心/Syphon Mind》など
まあ当然の話しながら、多人数戦向けとしてデザインされたものは、当然ながら大きく弱体化。
悪名高い始源体に関しては、対戦相手が1人なのでヘイトを集める心配がなくなったのはある意味良い変化と言っていいものかどうか。
・《Mystic Remora》《リスティックの研究/Rhystic Study》
これらが強力だったのは、自分がターンを回した後に3人分もドローのチャンスが巡ってくるから。
1対1になった場合、リス研の扱いは当時のスタンダード同様となるだろう。つまりは”プロフェシーらしい”という事だ。
・《赤霊破/Red Elemental Blast》《花の絨毯/Carpet of Flowers》など
対戦相手が減った事により、ピンポイントな対策カードは上手く対象に当たる確率が減少してしまった。
よっぽどヘイトが高まっていない限りは色対策は抑えた方が無難そう。
・《思考囲い/Thoughtseize》《強迫/Duress》など
1人を対象とした手札破壊は、「撃たれなかった他のプレイヤーがアドやテンポで得する」という状況が無くなったので大幅強化。
今までのEDHのつもりでキープをしていると、いきなり初動を崩されたりといったゲーム展開が見られそう。今までは止めにくいコンボの代表であった《むかつき/Ad Nauseam》《生き埋め/Buried Alive》といった手札から直で決まるスペル系のコンボも手札が安全圏ではなくなった事で安定性が落ちる事だろう。
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《伝国の玉璽/Imperial Seal》の穴を埋める程かどうかは未知数だが、充分実戦レベルの強さを発揮してくれるはず。
・《Force of Will》《白鳥の歌/Swan Song》など
カウンターは今までもかなり強力なタイプであったが、1対1になった事により「相手の勝ちの目を潰して遅延させる」だけでなく、一部軽いカウンターによって「相手のビッグアクションを止めてテンポを取る」といった効果も期待出来るようになり、強化された。
例えばメイン直後にタップアウトから飛び出してきた《歯と爪/Tooth and Nail》を《対抗呪文/Counterspell》で止めれば、それは《Time Walk》に近い効果を発揮したと言っても過言ではない。
・《石の雨/Stone Rain》《Ice Storm》など
1対1になった事により、ピンポイントの土地破壊にも意味が出来た。
デッキに枚数を揃えるのが難しいが、環境柄《繁茂/Wild Growth》系が多そうなのは追い風。使われるかどうかは未知数だが、黒赤緑に触っている色なら一考に値するかもしれない。
・《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》など
対戦相手が1人になった=殴られる機会が減った事により、PWの価値は大幅アップ。神ジェイスなんか、下手するとレガシーそのままに消術モードで絞め殺すフィニッシャーとなる展開も十分あり得る。
・《視野狭窄/Tunnel Vision》《Helm of Obedience》《憎悪/Hatred》など
多人数戦では頼りにならなかった「1人しか潰せないコンボ」「1人だけに大きな不利益を与えるカード」に人権が与えられた。手札破壊と同じような理由である。
特に《視野狭窄/Tunnel Vision》なんかは、相方である《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をジェネラルに据える事が出来るので評価が大幅アップ。
ジェネラルダメージは通常EDH通りに健在なため、ライフを2/3程支払うだけで勝ちが転がり込んでくる《憎悪/Hatred》は、黒系ジェネラルにお守りとして持たせておくのに良いカードとなるだろう。特に畏怖など回避能力を持つジェネラルには頼りがいのある1枚となりそうだ。
また、個別のカード評価からは少し離れるが、倒す相手が1人になったおかげで環境はビートダウンしやすくなっている。
上に挙げた《憎悪/Hatred》や《Berserk》、《最後の賭け/Final Fortune》のような、後先考えず1人倒すような”今しか見えない”攻撃的カードが使いやすくなったのだ。
☆ライフ30
個人的には言われているほど少なくなっている訳ではない、という評価。
そりゃあ自分視点で見れば減らすライフは120→30なんだけど、他3人のプレイヤーだって自分ばかりに殴ってくるわけではない。自分と敵が殴り合うのと同様に、敵同士が殴り合う展開だって当然あるのだ(ただしむかつきを除く)。
なので(1人を落とすという基準で考えると)そこまで大幅にビートダウンが楽になったとは言えないが、それでもやっぱり3/4になったのは意味がある。
ただ、それでもビートダウンが非常に楽に勝てるようになったとは思わない方がよさそうだ。
MTGは、基本的に「4枚制限のある60枚デッキで」「20点のライフを持つ対戦相手を」倒す事を視野に入れてデザインされている。
デュエルコマンダーにおける10点の上乗せはバーンがうんざりする数字だし、クリーチャーによるビートダウンだって楽ではない。
また、いくらカードプールが広いとは言っても、ハイランダー99枚構成では効率よく戦うのは難しい。
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》も《稲妻/Lightning Bolt》も《タルモゴイフ/Tarmogoyf》も1/99なのだ。序盤から最高級のクリーチャーで気持ちよく殴れるとは限らない。
結論として、この要素によるビート有利は見た目通り、効率25%アップ程度の期待値となるだろうと予想する。
また、《むかつき/Ad Nauseam》をはじめとする、主に黒にあるペイライフカードがちょっと使いにくくなった。
《夜の囁き/Night’s Whisper》くらいならそこまで気になる程ではないと思うが、《むかつき/Ad Nauseam》《森の知恵/Sylvan Library》クラスのライフを投げ捨てる系ドローカードは弱体化を覚悟しておいた方がいいだろう。
☆統率者領域への移動ルールの変更
《神聖なる埋葬/Hallowed Burial》や《終末/Terminus》による封殺が不可能になった。ただでさえ残念な白がより残念に!
逆に考えると、ジェネラルはどうあっても手元に残り続けるので、ジェネラルを活かしやすいデッキはより強化されたと言えるだろう。
何度でも4マナでキャスト出来る《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》、マナレシオの劣化を防げる上に自爆も出来る《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》は使い倒すによいジェネラルだ。
☆ルール変更による各色の評価の変化
前にも書いた通り、個人的な各色の評価は
青>黒>緑>>>赤>>白
といった所。
(カードプールの変更を加味せず)ルール変更によるその序列の変化は
青≧黒>>緑>>赤>>>白
と判断した。
カウンターの強化、手札破壊の強化の影響を最も大きく評価した。
《Hymn to Tourach》とかも十分強そうに見える辺り、多分レガシー的な序列に近付いているのではないかと思われる。
黒にはライフ減少によるマイナスがあるが、お得意の手札破壊の実戦レベル投入と、神ジェイス同様フィニッシャーになりかねないヴェリアナの存在がそれを補って余りある。
そうしてそんなレガシー風な評価になった中、レガシー内では主にパンチ力を買われている緑はちょっとだけ評価ダウン。もちろん緑はパンチ力だけの脳筋という訳ではなく、他の要素もあってEDH・レガシーでは強い色なんだけど、それらはルール変更の恩恵をあまり受けていないので。
逆にパンチ力しか見えてない赤は微妙に評価アップ。強いカードが軒並みルール変更で価値の上がった「この場さえ強ければそれでいい」カードなので。
そして白。
ジェネラルキラーだった《終末/Terminus》系を失った白。
レガシー的にデスタクしようにも4/60だった《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が1/99になってるせいで全然締め付けにも行けない白。
誰かこの色に救済措置を与えてください。
今回はこんな所で。
次はこれまでの変更要素によるメタの変化と、それにより評価の変わったカードについて書いていけたらいいなと思っています。
今回は通常EDHからのルール変更による影響について。
☆1VS1
なんといってもまずはコレ。
これにより、評価が大きく変わるカードが結構ある。
ちょっと長くなるが、目立つところを個別で解説していきたい。
・《森林の始源体/Sylvan Primordial》《吸心/Syphon Mind》など
まあ当然の話しながら、多人数戦向けとしてデザインされたものは、当然ながら大きく弱体化。
悪名高い始源体に関しては、対戦相手が1人なのでヘイトを集める心配がなくなったのはある意味良い変化と言っていいものかどうか。
・《Mystic Remora》《リスティックの研究/Rhystic Study》
これらが強力だったのは、自分がターンを回した後に3人分もドローのチャンスが巡ってくるから。
1対1になった場合、リス研の扱いは当時のスタンダード同様となるだろう。つまりは”プロフェシーらしい”という事だ。
・《赤霊破/Red Elemental Blast》《花の絨毯/Carpet of Flowers》など
対戦相手が減った事により、ピンポイントな対策カードは上手く対象に当たる確率が減少してしまった。
よっぽどヘイトが高まっていない限りは色対策は抑えた方が無難そう。
・《思考囲い/Thoughtseize》《強迫/Duress》など
1人を対象とした手札破壊は、「撃たれなかった他のプレイヤーがアドやテンポで得する」という状況が無くなったので大幅強化。
今までのEDHのつもりでキープをしていると、いきなり初動を崩されたりといったゲーム展開が見られそう。今までは止めにくいコンボの代表であった《むかつき/Ad Nauseam》《生き埋め/Buried Alive》といった手札から直で決まるスペル系のコンボも手札が安全圏ではなくなった事で安定性が落ちる事だろう。
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《伝国の玉璽/Imperial Seal》の穴を埋める程かどうかは未知数だが、充分実戦レベルの強さを発揮してくれるはず。
・《Force of Will》《白鳥の歌/Swan Song》など
カウンターは今までもかなり強力なタイプであったが、1対1になった事により「相手の勝ちの目を潰して遅延させる」だけでなく、一部軽いカウンターによって「相手のビッグアクションを止めてテンポを取る」といった効果も期待出来るようになり、強化された。
例えばメイン直後にタップアウトから飛び出してきた《歯と爪/Tooth and Nail》を《対抗呪文/Counterspell》で止めれば、それは《Time Walk》に近い効果を発揮したと言っても過言ではない。
・《石の雨/Stone Rain》《Ice Storm》など
1対1になった事により、ピンポイントの土地破壊にも意味が出来た。
デッキに枚数を揃えるのが難しいが、環境柄《繁茂/Wild Growth》系が多そうなのは追い風。使われるかどうかは未知数だが、黒赤緑に触っている色なら一考に値するかもしれない。
・《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》など
対戦相手が1人になった=殴られる機会が減った事により、PWの価値は大幅アップ。神ジェイスなんか、下手するとレガシーそのままに消術モードで絞め殺すフィニッシャーとなる展開も十分あり得る。
・《視野狭窄/Tunnel Vision》《Helm of Obedience》《憎悪/Hatred》など
多人数戦では頼りにならなかった「1人しか潰せないコンボ」「1人だけに大きな不利益を与えるカード」に人権が与えられた。手札破壊と同じような理由である。
特に《視野狭窄/Tunnel Vision》なんかは、相方である《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をジェネラルに据える事が出来るので評価が大幅アップ。
ジェネラルダメージは通常EDH通りに健在なため、ライフを2/3程支払うだけで勝ちが転がり込んでくる《憎悪/Hatred》は、黒系ジェネラルにお守りとして持たせておくのに良いカードとなるだろう。特に畏怖など回避能力を持つジェネラルには頼りがいのある1枚となりそうだ。
また、個別のカード評価からは少し離れるが、倒す相手が1人になったおかげで環境はビートダウンしやすくなっている。
上に挙げた《憎悪/Hatred》や《Berserk》、《最後の賭け/Final Fortune》のような、後先考えず1人倒すような”今しか見えない”攻撃的カードが使いやすくなったのだ。
☆ライフ30
個人的には言われているほど少なくなっている訳ではない、という評価。
そりゃあ自分視点で見れば減らすライフは120→30なんだけど、他3人のプレイヤーだって自分ばかりに殴ってくるわけではない。自分と敵が殴り合うのと同様に、敵同士が殴り合う展開だって当然あるのだ(ただしむかつきを除く)。
なので(1人を落とすという基準で考えると)そこまで大幅にビートダウンが楽になったとは言えないが、それでもやっぱり3/4になったのは意味がある。
ただ、それでもビートダウンが非常に楽に勝てるようになったとは思わない方がよさそうだ。
MTGは、基本的に「4枚制限のある60枚デッキで」「20点のライフを持つ対戦相手を」倒す事を視野に入れてデザインされている。
デュエルコマンダーにおける10点の上乗せはバーンがうんざりする数字だし、クリーチャーによるビートダウンだって楽ではない。
また、いくらカードプールが広いとは言っても、ハイランダー99枚構成では効率よく戦うのは難しい。
《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》も《稲妻/Lightning Bolt》も《タルモゴイフ/Tarmogoyf》も1/99なのだ。序盤から最高級のクリーチャーで気持ちよく殴れるとは限らない。
結論として、この要素によるビート有利は見た目通り、効率25%アップ程度の期待値となるだろうと予想する。
また、《むかつき/Ad Nauseam》をはじめとする、主に黒にあるペイライフカードがちょっと使いにくくなった。
《夜の囁き/Night’s Whisper》くらいならそこまで気になる程ではないと思うが、《むかつき/Ad Nauseam》《森の知恵/Sylvan Library》クラスのライフを投げ捨てる系ドローカードは弱体化を覚悟しておいた方がいいだろう。
☆統率者領域への移動ルールの変更
《神聖なる埋葬/Hallowed Burial》や《終末/Terminus》による封殺が不可能になった。ただでさえ残念な白がより残念に!
逆に考えると、ジェネラルはどうあっても手元に残り続けるので、ジェネラルを活かしやすいデッキはより強化されたと言えるだろう。
何度でも4マナでキャスト出来る《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》、マナレシオの劣化を防げる上に自爆も出来る《野生の意志、マラス/Marath, Will of the Wild》は使い倒すによいジェネラルだ。
☆ルール変更による各色の評価の変化
前にも書いた通り、個人的な各色の評価は
青>黒>緑>>>赤>>白
といった所。
(カードプールの変更を加味せず)ルール変更によるその序列の変化は
青≧黒>>緑>>赤>>>白
と判断した。
カウンターの強化、手札破壊の強化の影響を最も大きく評価した。
《Hymn to Tourach》とかも十分強そうに見える辺り、多分レガシー的な序列に近付いているのではないかと思われる。
黒にはライフ減少によるマイナスがあるが、お得意の手札破壊の実戦レベル投入と、神ジェイス同様フィニッシャーになりかねないヴェリアナの存在がそれを補って余りある。
そうしてそんなレガシー風な評価になった中、レガシー内では主にパンチ力を買われている緑はちょっとだけ評価ダウン。もちろん緑はパンチ力だけの脳筋という訳ではなく、他の要素もあってEDH・レガシーでは強い色なんだけど、それらはルール変更の恩恵をあまり受けていないので。
逆にパンチ力しか見えてない赤は微妙に評価アップ。強いカードが軒並みルール変更で価値の上がった「この場さえ強ければそれでいい」カードなので。
そして白。
ジェネラルキラーだった《終末/Terminus》系を失った白。
レガシー的にデスタクしようにも4/60だった《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が1/99になってるせいで全然締め付けにも行けない白。
誰かこの色に救済措置を与えてください。
今回はこんな所で。
次はこれまでの変更要素によるメタの変化と、それにより評価の変わったカードについて書いていけたらいいなと思っています。