最近EDH人口が増えていると聞いて 3-1
2014年7月7日 EDH環境考察※ アホみたいな長文注意
これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第3回は、「ジェネラルから始める構築方法」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
☆ジェネラルから選ぶ構築
前回までの記事では、主要な勝ちパターンを紹介する目的もあって「勝ち手段から始める構築」を紹介したが、「ジェネラルから選ぶ構築」もある。
ジェネラルは、初手にあるおかげでハイランダーなEDHで唯一安定して運用できるカードであり、また何度倒されても(追加のマナはいるが)何度でも戦場に出し直す事が出来る唯一のカードである。
なので必然的にこのカードを計算に入れたデッキ構築をすると動きが安定し、強いデッキを構築しやすくなる。
そのため、むしろこちらから入る方が構築しやすい、というプレイヤーの方が多いかも知れない。
しかし世界に存在するレジェンドの数は非常に多い。
まずは、ある程度の目安となるためのジェネラルの選択基準について書いていこうと思う。
☆色
第2回で書いた通り、色ごとに得意不得意、性能の格差がある。
また、第1.5回で書いた通り、色によって可能な勝ち筋が違い、それらの強力さや性質もまた異なる。
これらに注目すると、
青:唯一無二の攻防一体カードであるカウンターがある。特にコンボ妨害を弾いて強引に勝ち手段を通せるのが重要。
アーティファクトとの親和性が非常に高い。
ドローカードが強力。
黒:どんなコンボを積んでいても役立てる事が出来る万能サーチがある。
ドローカードが強力。
第1.5回で例に挙げた約半分の強力コンボが黒を必須とする。
緑:クリーチャーサーチに関しては圧倒的。主要な強力コンボはクリーチャーを使うもの多いので役立つ事が多い。
少量ながら、ドローやコンボ防衛も可能。
コンボに必要なマナベース構築が最も得意。
この3色が特に強力である事が分かる。
特に、
・防御面ではカウンターによって1枚のカードを崩されるだけで一気に勝ちが遠のく脆いコンボを守る事が出来る青
・攻撃面では多くの高速コンボの必須色であり、サーチも豊富な黒
の2色が重要だ。
さらに言うなら、ある程度安価なデッキでガチに対抗するならば防御力の高い青は可能ならば入れておきたい。
なぜならば、高額なガチデッキには《伝国の玉璽/Imperial Seal》《Timetwister》《Mana Crypt》といった勝利の高速化に寄与する高額カードが含まれている可能性が高く、速度勝負を挑むとどうしても不利になるからだ。
自分より早いデッキに勝とうと思うと、どうしても高速で勝ち手段を叩きつけられる攻勢を挫いていく戦い方になる。その方向性での構築を考えると、パーマネントのみならずスペルにも触れる青が欲しくなるのだ。
・また、もう1色の強色である緑は、カウンターと勝ち手段(緑単色だとサーチしやすいクリーチャーのみからなる強力なコンボがない)以外ならば全体的にバランスよくカードが揃っているので、デッキパワーの底上げに向く。
また、《Mana Crypt》のないデッキにおける加速力の価値は非常に高い。特に《繁茂/Wild Growth》《楽園の拡散/Utopia Sprawl》は1マナと軽く、マナを減らさずにマナ加速が可能な優秀なカードだ。
これらの理由から、メインカラーの苦手を補わせる2色目として最適だろう。
結論として、「可能ならば青を入れたい」「攻撃力重視なら黒に触っておきたい」「全体的なパワーの底上げには緑。ただし他の色の協力がないと厳しい」といった所だ。
◎……赤と白は?
・赤
赤に関しては、強色である青に対する強烈なアンチカードの《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》や、高額多色デッキを沈黙させる《月の大魔術師/Magus of the Moon》《血染めの月/Blood Moon》を持つ点に注目したい。これらはどれも軽めで、高速環境でも十分に効果を発揮する。
また、「悪くないクリーチャーコンボ持ちだがサーチに欠ける」「ドローもマナ加速も優秀どころがあるも少量」「緑にないカウンター要素持ち」といった性質があり、単色だと決め手に欠ける緑との親和性が高い。
赤いジェネラルを選ぶ際には、緑を含んでいる事の評点を高く持っておきたい。
《赤霊破/Red Elemental Blast》などの対青カウンター要素を持っている事は非常に重要で、個人的には「ガチに対抗するつもりで、青を触っていないデッキならば赤は必須」とすら考えている。
・白
白に関しては、《悟りの教示者/Enlightened Tutor》をはじめとする数枚のエンチャントサーチと、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》という2大クリーチャー除去カードが売りとなる。
しかしそれ以外に関しては非常に貧弱で、特にドロー要素が皆無なのが厳しい。上で挙げた優秀どころもいいトコ合計10枚弱しかないので他の色の協力は必須だ。
まともに戦おうと思うならばドローを持つ青か黒の補助は必須である。悟りの教示者が青得意のアーティファクトサーチの追加となる点、尖り過ぎている黒に触れないパーマネントに触れる色である点から、相性も決して悪くない。
……まあ、黒に触れないパーマネントに触るだけなら緑の方が優秀なので、実際「相性がいい」と胸を張って言えるのは青だけなのだが。
青単色だと引くに任せるしかない《未来予知/Future Sight》《Power Artifact》といったコンボパーツをサーチ出来るようになるのはありがたい。
◎6番目の色、無色
どの色でも入れられる無色のカード。これにも得意不得意がある。
どの色にでも入れられるので、無色の得意分野に関してはジェネラルの色の苦手分野だったとしても大きな問題にはなりにくい。
どちらにしろ構築時には自然と頼る事になるのだろうが、構築前に把握しておくに越した事はない。
○得意分野
・マナ加速
何と言ってもこれ。5色の内でもっともそれを得意とする緑にすら勝るとも劣らない性能を持つ。
色拘束がないのでキャストしやすく、召喚酔いの影響を受けず、使いべりせず戦場に残り、キャストした時点でマナが増えるものすらある、種類も枚数も豊富なマナ加速カードは無色の専売特許である。
《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《古えの墳墓/Ancient Tomb》などはマナ加速を得意とする緑デッキですら役立ち、《友なる石/Fellwar Stone》各種タリスマン・印鑑などは緑意外のデッキで色マナを確保しつつマナ加速をする貴重なカードとなる。
・ソーサリータイミングでキャストするパーマネント破壊
古からの《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をはじめ、《解放された者、カーン/Karn Liberated》《映し身人形/Duplicant》《全ては塵/All Is Dust》など、重いものが多いが、それなりの枚数が揃っている。
また、ほぼありとあらゆるパーマネント触る事も可能である。
どれも自ターンに破壊したり先出ししたりしておく必要があるので、先手先手で危険なパーマネントに触れるようにしておくようにすると良いだろう。
・妨害置物
《無のロッド/Null Rod》《呪われたトーテム像/Cursed Totem》《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》など、軽く迷惑な置物がそれなりにある。
1、2ターン目にキャスト可能なほど軽いくせに、特定のカードタイプを全力で封殺する物が多いので、デッキタイプに合わせ、使わない部分を封殺するカードを入れておくと対戦相手を大幅に減速出来る事がある。
特に、今回のコンセプトである「ある程度安価でガチにも対抗可能なデッキ」だと、ガチな高速デッキ相手には後手後手に回りがちな事が多いので役立つ事も多いだろう。
ただし、結局は置物なので退けられると一気に相手が自由になる。カウンターなどで守る要素を加えればある程度は強固になるが、過信は禁物。
参考:真に速度の高いガチデッキの場合にはこのようなカードの投入がデッキの邪魔になる事も多い。2マナとカード1枚という貴重なリソースを使ってまで減速するくらいなら、加速やドローやカウンター構え(防御に使わなくても自分の勝ち筋通すのに使える)に使った方が有効である事の方が多いからだ。
○苦手分野
・ドロー・サーチ
水準以上のものは《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》くらい。
また、1枚で2マナ以上発生させるカードである《太陽の指輪/Sol Ring》や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などは、結果的に1枚1枚土地をセットしてマナを伸ばす必要を緩和し、実質的にアドバンテージを得るのと同じような効果を得る事になっている。
さらには、《取引仲介機/Deal Broker》など、ドローが得意な色なら二線級のカードだが、ドローが弱い色なら一線級を張れる程度のカードや、《精神の眼/Mind’s Eye》《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》のように非常に重いがそれなりの効果を持つカードはそれなりにある。
しかし全体的に見て、デッキ構築に足るだけの扱いやすいドロー・サーチは少ないと言える。
・インスタントタイミングの軽い妨害
得意分野で挙げたパーマネント破壊は、そのほとんどが「重い」「遅い」「大雑把」といった、対戦相手のコンボ妨害には使い勝手の悪いものばかりである。
軽量で扱いやすいのは《露天鉱床/Strip Mine》《不毛の大地/Wasteland》の土地破壊組と、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》をはじめとする墓地除去くらい。
ぐだった盤面ではリセットも強いのだが、手早いコンボにはそもそも間に合わないので、早いガチデッキを相手にするには他の色の助けを必要とする。
インスタントタイミングが前提であるカウンターも、当然ながら苦手である。《無のブローチ/Null Brooch》などの、青のカウンターに比して使いにくいカードがいくつかある程度だ。
☆マナコスト
初手に必ずあるため、キャスト分のマナが揃い次第キャストできるジェネラル。これは当然ながら軽ければ軽いほどいい。
しかし現実として、ジェネラルのマナコストはそれぞれで、決して軽いものばかりではない。
そこで、ここでは、実際のゲームの進行を基準として、望ましいマナコスト帯について書いていく。
◎標準的なフィニッシュ時の状況
これは自分の経験則なので申し訳ないが、《むかつき/Ad Nauseam》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような一部超高速のデッキを除いたコンボデッキがフィニッシュに入ろうとするターンは、概ね4~6ターンである。
また、その時点でのマナ量は、5~7マナ程度である事が多い。(《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》などの爆発的なマナ加速が加わる事を前提としたデッキの場合、さらに+3~+5程度される)
そのターンに入るくらいの段階では、他人のフィニッシュ妨害のため、タップアウトを避け、インスタント妨害を構えておきたい。あるいは自分が勝利するため、サーチやマナ加速などで状況を整えフィニッシュに移りたい。
そのため、ジェネラルをキャストするタイミングとして理想的なのは、その前段階の状況、
・だいたい2~3ターン目
・だいたい3~4マナ
くらいの段階に出来るのが望ましい
つまり、「4マナ以下である事」がプラス評価を与えられるひとつのラインとなる。
重要なやり取りが行われるターンが訪れる前段階で、ゲームのキーともなり得るジェネラルをキャスト出来る事は、単なるカード1枚以上のアドバンテージを与えてくれるだろう。
さらには、上記状況で上手く妨害を差し合ってぐだったパターンの時。6~8マナ程度までマナが伸び、1~2マナの軽量除去を構えつつジェネラル再キャスト出来る3~4マナのジェネラルは、状況の立て直しでも優位に立てるだろう。
◎3マナと4マナの差
4マナ以下の内でも評価の差が大きいのが、3マナと4マナの間である。
毎ターン土地をセットするだけでも3T目に到達する3マナと、3ターン目のキャストのためには土地に加えて1枚のマナ加速を必要とする4マナでは、キャストの安定性に雲泥の差がある。
4マナジェネラルは、2マナ以下のマナ加速を十分な量を入れればある程度安定はするが、それでもキャストが確実とは言い難いし、下手に入れすぎると必要以上のマナフラッドが頻繁に起こるようになってしまう。
また、2T目に1マナ加速するカード(印鑑など)をキャストした後の状況を考えても、3マナならば1マナ残して除去やカウンターを構える事が出来るが、4マナならば隙だらけになる。
これは、特に《むかつき/Ad Nauseam》のような超高速デッキを相手にする際に大きな差となってくる問題だ。
戦場に土地が2、3枚しか並んでいないような序盤の1マナ差は、つまりマナが1.5倍~2倍になるような影響力がある。
もちろん、それ以下ならばより偉いのは言うまでもない。一切のマナ加速を必要とせずに3T目にフルでマナを使える2マナ以下のジェネラルは、デッキの動きをほとんど圧迫しないので軽快な挙動が可能になる。
(もちろん、マナを必要とする起動型能力が必要、などになれば話は別だが)
読みにくいので分割します。
これは、いわゆる「ガチデッキ」相手に、そこそこ安価なデッキで、ある程度以上勝てるデッキ構築を目指す記事です。
第3回は、「ジェネラルから始める構築方法」について。
目次
1:勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406061206383152/
1.5:主要な勝ち手段 http://kakkokari.diarynote.jp/201406070003366076/
2:勝ち手段決定後の、色とジェネラルの選択 http://kakkokari.diarynote.jp/201406152152507217/
☆ジェネラルから選ぶ構築
前回までの記事では、主要な勝ちパターンを紹介する目的もあって「勝ち手段から始める構築」を紹介したが、「ジェネラルから選ぶ構築」もある。
ジェネラルは、初手にあるおかげでハイランダーなEDHで唯一安定して運用できるカードであり、また何度倒されても(追加のマナはいるが)何度でも戦場に出し直す事が出来る唯一のカードである。
なので必然的にこのカードを計算に入れたデッキ構築をすると動きが安定し、強いデッキを構築しやすくなる。
そのため、むしろこちらから入る方が構築しやすい、というプレイヤーの方が多いかも知れない。
しかし世界に存在するレジェンドの数は非常に多い。
まずは、ある程度の目安となるためのジェネラルの選択基準について書いていこうと思う。
☆色
第2回で書いた通り、色ごとに得意不得意、性能の格差がある。
また、第1.5回で書いた通り、色によって可能な勝ち筋が違い、それらの強力さや性質もまた異なる。
これらに注目すると、
青:唯一無二の攻防一体カードであるカウンターがある。特にコンボ妨害を弾いて強引に勝ち手段を通せるのが重要。
アーティファクトとの親和性が非常に高い。
ドローカードが強力。
黒:どんなコンボを積んでいても役立てる事が出来る万能サーチがある。
ドローカードが強力。
第1.5回で例に挙げた約半分の強力コンボが黒を必須とする。
緑:クリーチャーサーチに関しては圧倒的。主要な強力コンボはクリーチャーを使うもの多いので役立つ事が多い。
少量ながら、ドローやコンボ防衛も可能。
コンボに必要なマナベース構築が最も得意。
この3色が特に強力である事が分かる。
特に、
・防御面ではカウンターによって1枚のカードを崩されるだけで一気に勝ちが遠のく脆いコンボを守る事が出来る青
・攻撃面では多くの高速コンボの必須色であり、サーチも豊富な黒
の2色が重要だ。
さらに言うなら、ある程度安価なデッキでガチに対抗するならば防御力の高い青は可能ならば入れておきたい。
なぜならば、高額なガチデッキには《伝国の玉璽/Imperial Seal》《Timetwister》《Mana Crypt》といった勝利の高速化に寄与する高額カードが含まれている可能性が高く、速度勝負を挑むとどうしても不利になるからだ。
自分より早いデッキに勝とうと思うと、どうしても高速で勝ち手段を叩きつけられる攻勢を挫いていく戦い方になる。その方向性での構築を考えると、パーマネントのみならずスペルにも触れる青が欲しくなるのだ。
・また、もう1色の強色である緑は、カウンターと勝ち手段(緑単色だとサーチしやすいクリーチャーのみからなる強力なコンボがない)以外ならば全体的にバランスよくカードが揃っているので、デッキパワーの底上げに向く。
また、《Mana Crypt》のないデッキにおける加速力の価値は非常に高い。特に《繁茂/Wild Growth》《楽園の拡散/Utopia Sprawl》は1マナと軽く、マナを減らさずにマナ加速が可能な優秀なカードだ。
これらの理由から、メインカラーの苦手を補わせる2色目として最適だろう。
結論として、「可能ならば青を入れたい」「攻撃力重視なら黒に触っておきたい」「全体的なパワーの底上げには緑。ただし他の色の協力がないと厳しい」といった所だ。
◎……赤と白は?
・赤
赤に関しては、強色である青に対する強烈なアンチカードの《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》や、高額多色デッキを沈黙させる《月の大魔術師/Magus of the Moon》《血染めの月/Blood Moon》を持つ点に注目したい。これらはどれも軽めで、高速環境でも十分に効果を発揮する。
また、「悪くないクリーチャーコンボ持ちだがサーチに欠ける」「ドローもマナ加速も優秀どころがあるも少量」「緑にないカウンター要素持ち」といった性質があり、単色だと決め手に欠ける緑との親和性が高い。
赤いジェネラルを選ぶ際には、緑を含んでいる事の評点を高く持っておきたい。
《赤霊破/Red Elemental Blast》などの対青カウンター要素を持っている事は非常に重要で、個人的には「ガチに対抗するつもりで、青を触っていないデッキならば赤は必須」とすら考えている。
・白
白に関しては、《悟りの教示者/Enlightened Tutor》をはじめとする数枚のエンチャントサーチと、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》という2大クリーチャー除去カードが売りとなる。
しかしそれ以外に関しては非常に貧弱で、特にドロー要素が皆無なのが厳しい。上で挙げた優秀どころもいいトコ合計10枚弱しかないので他の色の協力は必須だ。
まともに戦おうと思うならばドローを持つ青か黒の補助は必須である。悟りの教示者が青得意のアーティファクトサーチの追加となる点、尖り過ぎている黒に触れないパーマネントに触れる色である点から、相性も決して悪くない。
……まあ、黒に触れないパーマネントに触るだけなら緑の方が優秀なので、実際「相性がいい」と胸を張って言えるのは青だけなのだが。
青単色だと引くに任せるしかない《未来予知/Future Sight》《Power Artifact》といったコンボパーツをサーチ出来るようになるのはありがたい。
◎6番目の色、無色
どの色でも入れられる無色のカード。これにも得意不得意がある。
どの色にでも入れられるので、無色の得意分野に関してはジェネラルの色の苦手分野だったとしても大きな問題にはなりにくい。
どちらにしろ構築時には自然と頼る事になるのだろうが、構築前に把握しておくに越した事はない。
○得意分野
・マナ加速
何と言ってもこれ。5色の内でもっともそれを得意とする緑にすら勝るとも劣らない性能を持つ。
色拘束がないのでキャストしやすく、召喚酔いの影響を受けず、使いべりせず戦場に残り、キャストした時点でマナが増えるものすらある、種類も枚数も豊富なマナ加速カードは無色の専売特許である。
《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》《古えの墳墓/Ancient Tomb》などはマナ加速を得意とする緑デッキですら役立ち、《友なる石/Fellwar Stone》各種タリスマン・印鑑などは緑意外のデッキで色マナを確保しつつマナ加速をする貴重なカードとなる。
・ソーサリータイミングでキャストするパーマネント破壊
古からの《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をはじめ、《解放された者、カーン/Karn Liberated》《映し身人形/Duplicant》《全ては塵/All Is Dust》など、重いものが多いが、それなりの枚数が揃っている。
また、ほぼありとあらゆるパーマネント触る事も可能である。
どれも自ターンに破壊したり先出ししたりしておく必要があるので、先手先手で危険なパーマネントに触れるようにしておくようにすると良いだろう。
・妨害置物
《無のロッド/Null Rod》《呪われたトーテム像/Cursed Totem》《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》など、軽く迷惑な置物がそれなりにある。
1、2ターン目にキャスト可能なほど軽いくせに、特定のカードタイプを全力で封殺する物が多いので、デッキタイプに合わせ、使わない部分を封殺するカードを入れておくと対戦相手を大幅に減速出来る事がある。
特に、今回のコンセプトである「ある程度安価でガチにも対抗可能なデッキ」だと、ガチな高速デッキ相手には後手後手に回りがちな事が多いので役立つ事も多いだろう。
ただし、結局は置物なので退けられると一気に相手が自由になる。カウンターなどで守る要素を加えればある程度は強固になるが、過信は禁物。
参考:真に速度の高いガチデッキの場合にはこのようなカードの投入がデッキの邪魔になる事も多い。2マナとカード1枚という貴重なリソースを使ってまで減速するくらいなら、加速やドローやカウンター構え(防御に使わなくても自分の勝ち筋通すのに使える)に使った方が有効である事の方が多いからだ。
○苦手分野
・ドロー・サーチ
水準以上のものは《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《巻物棚/Scroll Rack》くらい。
また、1枚で2マナ以上発生させるカードである《太陽の指輪/Sol Ring》や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》などは、結果的に1枚1枚土地をセットしてマナを伸ばす必要を緩和し、実質的にアドバンテージを得るのと同じような効果を得る事になっている。
さらには、《取引仲介機/Deal Broker》など、ドローが得意な色なら二線級のカードだが、ドローが弱い色なら一線級を張れる程度のカードや、《精神の眼/Mind’s Eye》《三つの願いの指輪/Ring of Three Wishes》のように非常に重いがそれなりの効果を持つカードはそれなりにある。
しかし全体的に見て、デッキ構築に足るだけの扱いやすいドロー・サーチは少ないと言える。
・インスタントタイミングの軽い妨害
得意分野で挙げたパーマネント破壊は、そのほとんどが「重い」「遅い」「大雑把」といった、対戦相手のコンボ妨害には使い勝手の悪いものばかりである。
軽量で扱いやすいのは《露天鉱床/Strip Mine》《不毛の大地/Wasteland》の土地破壊組と、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》をはじめとする墓地除去くらい。
ぐだった盤面ではリセットも強いのだが、手早いコンボにはそもそも間に合わないので、早いガチデッキを相手にするには他の色の助けを必要とする。
インスタントタイミングが前提であるカウンターも、当然ながら苦手である。《無のブローチ/Null Brooch》などの、青のカウンターに比して使いにくいカードがいくつかある程度だ。
☆マナコスト
初手に必ずあるため、キャスト分のマナが揃い次第キャストできるジェネラル。これは当然ながら軽ければ軽いほどいい。
しかし現実として、ジェネラルのマナコストはそれぞれで、決して軽いものばかりではない。
そこで、ここでは、実際のゲームの進行を基準として、望ましいマナコスト帯について書いていく。
◎標準的なフィニッシュ時の状況
これは自分の経験則なので申し訳ないが、《むかつき/Ad Nauseam》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような一部超高速のデッキを除いたコンボデッキがフィニッシュに入ろうとするターンは、概ね4~6ターンである。
また、その時点でのマナ量は、5~7マナ程度である事が多い。(《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》などの爆発的なマナ加速が加わる事を前提としたデッキの場合、さらに+3~+5程度される)
そのターンに入るくらいの段階では、他人のフィニッシュ妨害のため、タップアウトを避け、インスタント妨害を構えておきたい。あるいは自分が勝利するため、サーチやマナ加速などで状況を整えフィニッシュに移りたい。
そのため、ジェネラルをキャストするタイミングとして理想的なのは、その前段階の状況、
・だいたい2~3ターン目
・だいたい3~4マナ
くらいの段階に出来るのが望ましい
つまり、「4マナ以下である事」がプラス評価を与えられるひとつのラインとなる。
重要なやり取りが行われるターンが訪れる前段階で、ゲームのキーともなり得るジェネラルをキャスト出来る事は、単なるカード1枚以上のアドバンテージを与えてくれるだろう。
さらには、上記状況で上手く妨害を差し合ってぐだったパターンの時。6~8マナ程度までマナが伸び、1~2マナの軽量除去を構えつつジェネラル再キャスト出来る3~4マナのジェネラルは、状況の立て直しでも優位に立てるだろう。
◎3マナと4マナの差
4マナ以下の内でも評価の差が大きいのが、3マナと4マナの間である。
毎ターン土地をセットするだけでも3T目に到達する3マナと、3ターン目のキャストのためには土地に加えて1枚のマナ加速を必要とする4マナでは、キャストの安定性に雲泥の差がある。
4マナジェネラルは、2マナ以下のマナ加速を十分な量を入れればある程度安定はするが、それでもキャストが確実とは言い難いし、下手に入れすぎると必要以上のマナフラッドが頻繁に起こるようになってしまう。
また、2T目に1マナ加速するカード(印鑑など)をキャストした後の状況を考えても、3マナならば1マナ残して除去やカウンターを構える事が出来るが、4マナならば隙だらけになる。
これは、特に《むかつき/Ad Nauseam》のような超高速デッキを相手にする際に大きな差となってくる問題だ。
戦場に土地が2、3枚しか並んでいないような序盤の1マナ差は、つまりマナが1.5倍~2倍になるような影響力がある。
もちろん、それ以下ならばより偉いのは言うまでもない。一切のマナ加速を必要とせずに3T目にフルでマナを使える2マナ以下のジェネラルは、デッキの動きをほとんど圧迫しないので軽快な挙動が可能になる。
(もちろん、マナを必要とする起動型能力が必要、などになれば話は別だが)
読みにくいので分割します。
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