EDH 時間のかかる勝ち手段と裁定 その2
2017年2月2日 EDH環境考察(http://kakkokari.diarynote.jp/201702022051302377/)の続き。
☆不確実だけど、繰り返せば必ず勝てるループ
前回は、「時間はかかるけれども確実に勝ちに向かう行動を繰り返し、それによって時間をかけて勝利する事は遅延行為などに引っかからない適正な行為か」という問題に関してだったけど、今度は別の角度で時間がかかるループに関する質問とその答え。
例えば、無色無限マナがあって《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》がいる状態。
好きなだけ3×n枚のライブラリーを削る事が出来るのだけれど、その際《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》のようなカードが対戦相手のデッキに入っている場合、ライブラリーを削り切る事が出来ない。
しかし、例えばライブラリー+墓地の枚数が40枚の場合、《大使》で39枚削って最後の1枚が《ウラモグ》になった場合、何もなければ2ターン後のドローステップに対戦相手を敗北させる事が出来る。
「ライブラリー39枚削る→ウラモグで戻る」を延々繰り返していれば、確率的にいつかは必ず《ウラモグ》1枚のライブラリーに出来るはずなのだが……これが適正な行為かと言う質問。
結果としては適正とは言えない?でした。
ハッキリしてなくてすいませんw
一般RELのレガシーで行われた場合と言う形で質問したのだけど、質問箱さんの答えが、「ルール上は適正だけれども、一般RELが掲げる楽しいゲームには反する事でしょう」というものだったためです。
実際にレガシーで上記のような行動を行った場合、現場のジャッジからはなんらかのアクションが向けられる事になりそうだというニュアンスを感じたため、『適正でない』と自分は読み取りました。
ていうか、大会で追加5ターンに入ってみたら、どっかのテーブルがひたすらライブラリー39枚めくり続ける行動してたら、たとえルール上適正でも、大会運営に明らかに支障をきたすしそりゃ止めるわっていうw
以下引用
◎質問
◎回答
☆不確実だけど、繰り返せば必ず勝てるループ
前回は、「時間はかかるけれども確実に勝ちに向かう行動を繰り返し、それによって時間をかけて勝利する事は遅延行為などに引っかからない適正な行為か」という問題に関してだったけど、今度は別の角度で時間がかかるループに関する質問とその答え。
例えば、無色無限マナがあって《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》がいる状態。
好きなだけ3×n枚のライブラリーを削る事が出来るのだけれど、その際《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》のようなカードが対戦相手のデッキに入っている場合、ライブラリーを削り切る事が出来ない。
しかし、例えばライブラリー+墓地の枚数が40枚の場合、《大使》で39枚削って最後の1枚が《ウラモグ》になった場合、何もなければ2ターン後のドローステップに対戦相手を敗北させる事が出来る。
「ライブラリー39枚削る→ウラモグで戻る」を延々繰り返していれば、確率的にいつかは必ず《ウラモグ》1枚のライブラリーに出来るはずなのだが……これが適正な行為かと言う質問。
結果としては適正とは言えない?でした。
ハッキリしてなくてすいませんw
一般RELのレガシーで行われた場合と言う形で質問したのだけど、質問箱さんの答えが、「ルール上は適正だけれども、一般RELが掲げる楽しいゲームには反する事でしょう」というものだったためです。
実際にレガシーで上記のような行動を行った場合、現場のジャッジからはなんらかのアクションが向けられる事になりそうだというニュアンスを感じたため、『適正でない』と自分は読み取りました。
ていうか、大会で追加5ターンに入ってみたら、どっかのテーブルがひたすらライブラリー39枚めくり続ける行動してたら、たとえルール上適正でも、大会運営に明らかに支障をきたすしそりゃ止めるわっていうw
以下引用
◎質問
@testing_box レガシーの大会(一般)での状況です。こちらは《Power Artifact》+《厳かなモノリス》、《ラクァタス大使》をコントロールしています。対戦相手の墓地は0枚、山札は40枚、うち1枚は《引き裂かれし永劫、エムラクール》です。(続く)
@testing_box この時、《ラクァタス大使》の起動13回を繰り返し、対戦相手のライブラリーを《エムラクール》のみにする行動は「遅いプレイ」、「良くない行動」になりますか?
◎回答
. @ubaitoriya 適正な時間でプレイ動作を続けるのならば、それは許容されます。言い換えると、「良くない行動」ではありません。何も意味のない行動を繰り返したり、行動決定までの時間が必要以上にかかる場合、「良くない行動」とされます。(JAR「良くない行動」)
. @ubaitoriya ただし、この行動は最終的な状態に至るまでの手数が不定です。あまりに長い間、あなたがこれらの手順を繰り返すのは、少なくとも一般RELが目指す楽しいゲームではなくなるでしょう。
EDH 時間のかかる勝ち手段と裁定 その1
2017年2月2日 EDH環境考察Twitter上で、MTGのルールに答えてくれる、複数のジャッジが中の人であるアカウント「MTG質問箱」(@testing_box)というものがあるのだけれど、そこで半年くらい前にした質問に関するお話。
今更な感じだけど、ちょっと前にTwitterで似たような話が出てきて思い出したので。
☆複雑なコンボ
EDHは、ライフ40×3人を倒す必要がある関係上、コンボを勝ち手段に据えているデッキが多い。
だが、コンボ専用の分かりやすいカードを使ったフィニッシュは、単純で理解しやすくはあるのだが、コンボカードがフィニッシュ時以外は無駄になりやすく、そこに至るまでのゲームでの足枷となる。
(例:無限マナ→そのマナを注ぎ込んで無限ダメージという勝ち手段の場合、《Power Artifact》や《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》は単体だと非常に弱く、勝つ時以外は引いてもその分潜在的なカードディスアドバンテージに繋がる)
なので、一部のデッキはそういった事態を避けるため、フィニッシュに向かう途中でも無駄になりにくい、無駄にならないカードをコンボパーツとしてデッキに組み込んでいるのだが……そういったコンボの場合、往々にして複雑になりやすい。
《Power Artifact》+《厳かなモノリス/Grim Monolith》のように「手順の省略」を行えれば楽なのだが、それが認められるのはループの結果が明確である場合のみ。
そのため、例えば「《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》がいる状態で《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を発掘し続ける。発掘時に土地が落ちれば余分に1ドロー出来る」のようなループは、手順の省略が認められておらず、ルールに則るならば1回1回行わなければならない。
で、このような”非常に時間のかかる”コンボはレガシーやモダンでも行うことが出来るのだが、こういった行動がルール上適正か(特に遅延行為にならないかどうか)というのが質問の意図。
結果としては「適正」でした。
以下引用
◎質問
◎回答
まあギトラグ発掘やシディシループに比べればマシとは言え、不確定かつ手順に時間がかかる《第二の日の出/Second Sunrise》が認められていた(運営のタイムスケジュールに問題が出る事を理由に禁止にされたけどw)事からも、手順が省略できず複雑であっても、明確に勝利に向かう行動は認められるようです。
ゲームする時の実際の処理としては、事実上外的要因以外でコンボは止まらず、妨害が無い限りコンボをしたプレイヤーが勝利するのは確実なので、手順を説明され、それに必要なカードを全て公開された時点で「妨害が無ければその場で投了」「妨害のあてがある場合は差し込むタイミングまでは続けてもらう」というのがスムーズな形になると思う。
とりあえずここまで。
次の記事では、別の「時間のかかる勝ち手段」の問題に関して書きたい。
今更な感じだけど、ちょっと前にTwitterで似たような話が出てきて思い出したので。
☆複雑なコンボ
EDHは、ライフ40×3人を倒す必要がある関係上、コンボを勝ち手段に据えているデッキが多い。
だが、コンボ専用の分かりやすいカードを使ったフィニッシュは、単純で理解しやすくはあるのだが、コンボカードがフィニッシュ時以外は無駄になりやすく、そこに至るまでのゲームでの足枷となる。
(例:無限マナ→そのマナを注ぎ込んで無限ダメージという勝ち手段の場合、《Power Artifact》や《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》は単体だと非常に弱く、勝つ時以外は引いてもその分潜在的なカードディスアドバンテージに繋がる)
なので、一部のデッキはそういった事態を避けるため、フィニッシュに向かう途中でも無駄になりにくい、無駄にならないカードをコンボパーツとしてデッキに組み込んでいるのだが……そういったコンボの場合、往々にして複雑になりやすい。
《Power Artifact》+《厳かなモノリス/Grim Monolith》のように「手順の省略」を行えれば楽なのだが、それが認められるのはループの結果が明確である場合のみ。
そのため、例えば「《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》がいる状態で《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を発掘し続ける。発掘時に土地が落ちれば余分に1ドロー出来る」のようなループは、手順の省略が認められておらず、ルールに則るならば1回1回行わなければならない。
で、このような”非常に時間のかかる”コンボはレガシーやモダンでも行うことが出来るのだが、こういった行動がルール上適正か(特に遅延行為にならないかどうか)というのが質問の意図。
結果としては「適正」でした。
以下引用
◎質問
@testing_box レガシーの大会(一般)で、ターンプレイヤーが《血の暴君、シディシ》《潮吹きの暴君》《厳かなモノリス》《虹色のレンズ》をコントロールしており、さらに手札に《厳かなモノリス》を持っていて、好きなだけシディシを手札に戻してキャスト出来る状況にあります(続く)
@testing_box 墓地はなく、50枚あるライブラリーは《真実の解体者、コジレック》《炎の血族の盲信者》《戦慄の復活》残りは土地です。この状況で、(手順の省略が出来ないので)地道にシディシのキャストを繰り返し、トークンを100体出す事は遅いプレイですか?(続く)
@testing_box また、この手順で100体トークンを出した後、《コジレック》が墓地に落ちる前に《盲信者》と《戦慄の復活》が墓地に落ちるまでループを繰り返す事は遅いプレイに入りますか?
◎回答
. @ubaitoriya いずれも、適正な時間でプレイ動作を続けるのならば、それは許容されます。言い換えると、「良くない行動」ではありません。何も意味のない行動を繰り返したり、行動決定までの時間が必要以上にかかる場合、「良くない行動」とされます。(JAR「良くない行動」)
まあギトラグ発掘やシディシループに比べればマシとは言え、不確定かつ手順に時間がかかる《第二の日の出/Second Sunrise》が認められていた(運営のタイムスケジュールに問題が出る事を理由に禁止にされたけどw)事からも、手順が省略できず複雑であっても、明確に勝利に向かう行動は認められるようです。
ゲームする時の実際の処理としては、事実上外的要因以外でコンボは止まらず、妨害が無い限りコンボをしたプレイヤーが勝利するのは確実なので、手順を説明され、それに必要なカードを全て公開された時点で「妨害が無ければその場で投了」「妨害のあてがある場合は差し込むタイミングまでは続けてもらう」というのがスムーズな形になると思う。
とりあえずここまで。
次の記事では、別の「時間のかかる勝ち手段」の問題に関して書きたい。
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18489
かんたんに意訳。
かんたんに意訳。
ノーチェンジ。
この環境は健全だ。
《パラドックス装置/Paradox Engine》の先行禁止について話す人もいるが、実際のプレイを見てからの方が好ましいので(《グリセルブランド/Griselbrand》同様)しばらくは様子見で。
ウィザーズは新しい禁止スケジュールを発表したが、こっちはひとまず、万が一の緊急事態が発生でもしない限りは現行のままのスケジュールで。
フォーマットの方針ページ(http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=12254)を近々書きかえる。方針自体は変わらないけど、より良い表現に書きなおす。
霊気紛争はオモチャ。あと伝説の猿。遊べよ。
http://tappedout.net/mtg-decks/list-multiplayer-edh-generals-by-tier/
リンクしてもらってるサエヂさんの記事から引っ張ってきた。
日本だと、禁止リストの更新などから、なんとなく「アメリカは怪獣大決戦環境。平和に土地とデカブツ並べて殴り合ってる」みたいなイメージが強い印象があったんだけど、このTier表を見ると、案外日本と変わらない感じなので興味深い。
海外も、結構強ジェネラルで強いコンボ叩きこんだりしてるっぽい。
自分が組んで結構使っている(た)ジェネラルが気になったので見てみると、
テフェリー:1
レオヴォルド:1
ズアー:1
ブレイヤ:2
マラス:2
旧ニヴ:2
アローロ:2
旧アナフェンザ:3
サーダ:3
ジョリー:4
ガルザ:4
伍堂:4
サーダがTier3、ジョリーがTier4。
みんな、コイツらに除去撃つの、止めよう!(提案)
ジェネラル数が非常に多く、ある程度納得のランキングながらもお国柄のためか意外なジェネラルが意外なランクになってて面白いから暇なら読み込むのオススメ。
リンクしてもらってるサエヂさんの記事から引っ張ってきた。
日本だと、禁止リストの更新などから、なんとなく「アメリカは怪獣大決戦環境。平和に土地とデカブツ並べて殴り合ってる」みたいなイメージが強い印象があったんだけど、このTier表を見ると、案外日本と変わらない感じなので興味深い。
海外も、結構強ジェネラルで強いコンボ叩きこんだりしてるっぽい。
自分が組んで結構使っている(た)ジェネラルが気になったので見てみると、
テフェリー:1
レオヴォルド:1
ズアー:1
ブレイヤ:2
マラス:2
旧ニヴ:2
アローロ:2
旧アナフェンザ:3
サーダ:3
ジョリー:4
ガルザ:4
伍堂:4
サーダがTier3、ジョリーがTier4。
みんな、コイツらに除去撃つの、止めよう!(提案)
ジェネラル数が非常に多く、ある程度納得のランキングながらもお国柄のためか意外なジェネラルが意外なランクになってて面白いから暇なら読み込むのオススメ。
統率者2016 新システム:共闘
2016年10月25日 EDH環境考察
統率者2016の情報が出始めましたよー。
で、今回の目玉は「共闘」。
これは、双方とも共闘を持ってるレジェンドである場合、統率者を2枚指定する事が出来る、というシステム。
詳細な説明はこちらを参照(英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/commander-2016-mechanics-2016-10-24
まさかこんな方法で4色ジェネラルを表現してくるとは。
面白いこと考えるもんだなー。
軽く見た感じ、赤青は重いけど《リスティックの研究/Rhystic Study》や《Mystic Remora》的なドロソ置物みたいな働きが期待できそうなのと、青黒が軽くてアドバンテージを稼げるので悪さをしそう。
で、今回の目玉は「共闘」。
これは、双方とも共闘を持ってるレジェンドである場合、統率者を2枚指定する事が出来る、というシステム。
詳細な説明はこちらを参照(英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/commander-2016-mechanics-2016-10-24
・統率者を2枚にした場合、デッキの残りは98枚。
・《統率の塔》などで固有色を参照する場合、双方の色すべてを参照。(赤青と青黒なら固有色は青黒赤、赤青と白緑なら固有色は白青赤緑)デッキ構築もこれに準ずる。
・《統率の灯台》は、いずれか一方を手札に加える効果。共闘で2枚ジェネラルにしてても両方は手札に加わらない。
・統率者ダメージはそれぞれで計測。(例:Aが10点、Bが11点与えても人は死なない)
・統率者のキャスト回数もそれぞれで計測。(例:これまでにAが0回、Bが2回キャストされている状況で双方とも統率者領域にある場合、Aはコストそのまま、Bはコスト+4マナでキャスト出来る)
まさかこんな方法で4色ジェネラルを表現してくるとは。
面白いこと考えるもんだなー。
軽く見た感じ、赤青は重いけど《リスティックの研究/Rhystic Study》や《Mystic Remora》的なドロソ置物みたいな働きが期待できそうなのと、青黒が軽くてアドバンテージを稼げるので悪さをしそう。
2016/09/26付禁止改訂。
ソースは(http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18371)。
今回はカードもルールもノーチェンジ。
……なんだけど、ウェブサイトのルール表記に微妙な変更が。
今まではハウスルール(非常に有名な所だと「サイドボード・ウィッシュボード」)のページが存在していたのだけれど、それが削除された。
公式に制定されたルールと併記されていたせいで混乱を招く事があったため、との事。
コメントをざっくり意訳
ソースは(http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18371)。
今回はカードもルールもノーチェンジ。
……なんだけど、ウェブサイトのルール表記に微妙な変更が。
今まではハウスルール(非常に有名な所だと「サイドボード・ウィッシュボード」)のページが存在していたのだけれど、それが削除された。
公式に制定されたルールと併記されていたせいで混乱を招く事があったため、との事。
コメントをざっくり意訳
禁止リスト:変更なし
ルール:変更なし*
『異界月』『コンスピラシー:王位継承』、さらには『カラデシュ』が加わり、EDHプレイヤーにはエキサイティングな夏となっている。新しいカード、新しいシステム、および古いデッキの新バージョンは、デッキビルダーに新たな方向を示すだろう。
現在のフォーマットは健全であり、変更の必要は無い。禁止リストを両面(おそらく禁止、解禁両面という意味)から見たが、好ましいバランスであると判断した。
ルーリングチームは10年目を迎えた。引き続き積極的かつ献身的にゲームバランスを取っていく。あなたとの次の十年の乗り心地も良いものであるよう。
*小さな変更だが、ウェブサイトからハウスルールのページを削除した。
特にサイドボード(あるいはウィッシュボード)は、公式かどうかについて、いくつかの混乱につながっている。明確にし、簡素化するため、我々はその混乱の元を削除する事にした。
それでも、この公式ルールがローカルグループに合わないのなら、ハウスルールの制定をお勧めする。
EDH マリガン基準 2
2016年8月8日 EDH環境考察 コメント (3)前回(http://kakkokari.diarynote.jp/201608081635282457/)の続き。
まあ、前回分の方で予定していた分量の8割方終わってるけど。キリがいい所が無かったんだよw
☆ジェネラル依存型と非ジェネラル依存型の比較
全体的に、非ジェネラル依存型の方がキープが難しい。
依存型はキープカードがマナ加速だけなので分かりやすいが、非依存型はマナ加速と、その他のカードをバランスよく手札に揃え、依存型のデッキに対応しなければならないため、選択肢が豊富だからだ。
☆どこから妥協する?
前回挙げたようなキープ基準に嵌る手札が毎回入ってくれば文句はない。
しかしこれはハイランダーのカードゲーム。必ずしも理想的な手札が早い段階で整ってくれるとは限らない。
では、実際にマリガンした時にどこまで妥協せずに頑張るべきだろうか?
この辺りは非常に難しく、自分もまだ手探りであるのだが、ここでは自分なりの基準を書いていきたい。
◎手札7枚(1回目)
・ジェネラル依存型
ここでマリガンしても1回は7枚引き直せるので、とにかく厳しく。
前回に挙げたキャストのターン基準でいう、「出来れば」の方でなければマリガンしてしまいたい。
例えば、4マナのジェネラルなら2ターン目キャストハンドか、3ターン目キャストで他が他が強い(例:《ブレイゴ》で、土地×3、印鑑、ストリオン、ドロー置物、カウンター、くらい)ハンドとか。
・非ジェネラル依存型
3ターン目までの強い動きが見えているならキープ。
《Timetwister》系の大量アドバンテージ獲得か《隠遁ドルイド/Hermit Druid》などの高速勝利が見えているハンドが望ましい。
自分の場合、このタイプのデッキはキープが厳しいので、特にマナフラに関しては多少緩めに見ている。
◎手札7枚(2回目)
・ジェネラル依存型
マリガンすると手札が減るため、基準を緩く。
4マナなら印鑑1枚で3ターン目キャストが確保出来ているなら納得する。
5マナなら3ターン目キャストか、「4ターン目キャスト+序盤に強そうなカード群」なら納得する。
・非ジェネラル依存型
1回目と同じ。
その難易度から、そもそもキープ基準を依存型に比べて基準を少し緩くしているので、この段階でもキープ基準は変えない。
◎手札6枚
・ジェネラル依存型
2回目とほぼ同じ。
ただ、これ以上手札を減らすとキツイので、ジェネラルキャストさえ確保出来ていれば他の手札の悪さは諦める。
例えば4マナジェネラルなら、3ターン目キャストが確保(土地×3+印鑑)出来ているなら残りは土地ばかりだろうと重いカードだらけだろうと我慢する。
・非ジェネラル依存型
最低限の土地とマナ加速。それ以外に関しては諦めてキープ。占術があるとはいえ、これ以上手札が減るのは厳しい。
ここで言う最低限とは、「3ターン目までのマナベース構築だけは低すぎない程度の速度で確保されている」という事。
具体的には、「土地が2~3枚、2マナ以下のマナ加速が1枚、3ターン目までにゲームに干渉できるカードが1枚(ドローでも、妨害でも、3マナのマナ加速でも)」と言った所か。
◎5枚以下
・ジェネラル依存、非依存双方
ここまで来ると基準は同じ。とにかく土地とマナ加速。
どうせ普通にゲームが進めば勝てない。他の必要なカード・逆転に繋がるカードは後から引いて来る事に賭けて、それらをキャスト出来るマナだけを確保。
ハンドが4・5枚なら、手札から2マナ出る算段があるならもう諦めてキープ。
今の自分の基準をまとめると、大体こんな感じ。
みなさんのマリガンの参考になれば。
あと、他の人のキープ基準も聞きたいので、コメントで書いてくれたりすると喜びます。
まあ、前回分の方で予定していた分量の8割方終わってるけど。キリがいい所が無かったんだよw
☆ジェネラル依存型と非ジェネラル依存型の比較
全体的に、非ジェネラル依存型の方がキープが難しい。
依存型はキープカードがマナ加速だけなので分かりやすいが、非依存型はマナ加速と、その他のカードをバランスよく手札に揃え、依存型のデッキに対応しなければならないため、選択肢が豊富だからだ。
☆どこから妥協する?
前回挙げたようなキープ基準に嵌る手札が毎回入ってくれば文句はない。
しかしこれはハイランダーのカードゲーム。必ずしも理想的な手札が早い段階で整ってくれるとは限らない。
では、実際にマリガンした時にどこまで妥協せずに頑張るべきだろうか?
この辺りは非常に難しく、自分もまだ手探りであるのだが、ここでは自分なりの基準を書いていきたい。
◎手札7枚(1回目)
・ジェネラル依存型
ここでマリガンしても1回は7枚引き直せるので、とにかく厳しく。
前回に挙げたキャストのターン基準でいう、「出来れば」の方でなければマリガンしてしまいたい。
例えば、4マナのジェネラルなら2ターン目キャストハンドか、3ターン目キャストで他が他が強い(例:《ブレイゴ》で、土地×3、印鑑、ストリオン、ドロー置物、カウンター、くらい)ハンドとか。
・非ジェネラル依存型
3ターン目までの強い動きが見えているならキープ。
《Timetwister》系の大量アドバンテージ獲得か《隠遁ドルイド/Hermit Druid》などの高速勝利が見えているハンドが望ましい。
自分の場合、このタイプのデッキはキープが厳しいので、特にマナフラに関しては多少緩めに見ている。
◎手札7枚(2回目)
・ジェネラル依存型
マリガンすると手札が減るため、基準を緩く。
4マナなら印鑑1枚で3ターン目キャストが確保出来ているなら納得する。
5マナなら3ターン目キャストか、「4ターン目キャスト+序盤に強そうなカード群」なら納得する。
・非ジェネラル依存型
1回目と同じ。
その難易度から、そもそもキープ基準を依存型に比べて基準を少し緩くしているので、この段階でもキープ基準は変えない。
◎手札6枚
・ジェネラル依存型
2回目とほぼ同じ。
ただ、これ以上手札を減らすとキツイので、ジェネラルキャストさえ確保出来ていれば他の手札の悪さは諦める。
例えば4マナジェネラルなら、3ターン目キャストが確保(土地×3+印鑑)出来ているなら残りは土地ばかりだろうと重いカードだらけだろうと我慢する。
・非ジェネラル依存型
最低限の土地とマナ加速。それ以外に関しては諦めてキープ。占術があるとはいえ、これ以上手札が減るのは厳しい。
ここで言う最低限とは、「3ターン目までのマナベース構築だけは低すぎない程度の速度で確保されている」という事。
具体的には、「土地が2~3枚、2マナ以下のマナ加速が1枚、3ターン目までにゲームに干渉できるカードが1枚(ドローでも、妨害でも、3マナのマナ加速でも)」と言った所か。
◎5枚以下
・ジェネラル依存、非依存双方
ここまで来ると基準は同じ。とにかく土地とマナ加速。
どうせ普通にゲームが進めば勝てない。他の必要なカード・逆転に繋がるカードは後から引いて来る事に賭けて、それらをキャスト出来るマナだけを確保。
ハンドが4・5枚なら、手札から2マナ出る算段があるならもう諦めてキープ。
今の自分の基準をまとめると、大体こんな感じ。
みなさんのマリガンの参考になれば。
あと、他の人のキープ基準も聞きたいので、コメントで書いてくれたりすると喜びます。
EDH マリガン基準 1
2016年8月8日 EDH環境考察EDHでのマリガン、自分は多分下手な方(特に遅いマナフラ手札に対する基準がガバガバに甘いタイプ)で、案外難しいなーとか思いながらやってる。
ので、上達のためにも一度その辺の基準を自分なり整理しとこうという事で、マリガンについて書いていきたい。
めっちゃ長文注意。
☆キープ基準
キープ基準を決めるのは、デッキタイプによって大きく2つに分かれる。
1つが「ジェネラル依存の強いデッキ」もう1つが「ジェネラル依存の薄いデッキ」だ。
◎ジェネラル依存デッキ
《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のような、ジェネラルが間接的に勝ち筋に繋がるデッキや、《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》のようなジェネラルがアドバンテージを稼ぐエンジンになってくれるデッキ。
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》のような単騎型ビートダウンジェネラルもこのカテゴリに入れていいだろう。
極端な例だと、《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》や《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》のような、ジェネラルキャストですべてが完結するデッキも。
〇キープ基準となるカード
基本的には、そのデッキ自体も、ジェネラルによって得られるアドバンテージを上手に活かせる構築になっている。
そのため、ジェネラルを早く出せば出すほどゲームを早く終わらせられる。
なので、キープ基準は「ジェネラルを何ターン目にキャスト出来そうか」というのが第一となる。
つまり、手札をキープする理由となるカードは、「土地」と「マナ加速」。その他のカードの価値は薄い。
〇実際のキープ基準
ジェネラル依存のデッキは、ジェネラルが早くキャスト出来ればできる程勝利までのターンを短縮できる。
「土地」と「マナ加速」は必須だが、何でも良いわけではない。『ジェネラルを”出来る限り早く”キャスト出来る』というのが正しいキープ基準となる。
極端な話をすると、《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》で「土地6枚+妨害」みたいな手札ではマリガンだ。
確かに手札でジェネラルキャストは確保されているが、キャスト出来るターンはあまりに遅く、ジェネラルキャスト前に負けてしまうだろう。
・ジェネラルキャストの理想的なターン数
概ねではあるが、ジェネラルのマナコストごとに
3マナ:2ターン目
4マナ:最低3ターン目、出来れば2ターン目
5マナ:3ターン目
6マナ:最低4ターン目、出来れば3ターン目
7マナ:4ターン目
までにキャスト出来るのが望ましい。
3マナ域については、そのターンの確実なキャストは難しいので、その他の手札が良ければ1ターンなら妥協してもいいかなって個人的に考えているマナコスト帯。
4マナ、6マナに関しては、確実ではないがそこそこの確率で早い方のターンキャストも出来るので基準に書き加えた。
ちょっと厳しいかな、と思う人もいるかも知れないが、ジェネラルキャストのターンの早さがそのまま勝利ターンの早さに直結するので、ここは結構タイトに考えるべきポイントだと自分は思っている。
ジェネラルがアドバンテージを稼いでくれる系の場合、大きくターンを早められるなら《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》のようなカードですら諸手を上げて受け入れられる程なのだから。
なお、上記の通りの手札がキープ基準とはなるものの、実戦においてジェネラルキャストがそのターンになるとは限らない。
ジェネラルより強いカードがあったりする(例:茶系デッキが多そうな卓での1ターン目《Mystic Remora》など)ので、稀に動きが変わる。
まとめると、ジェネラル依存の強いデッキに関しては、
「土地」:目標マナコストにもよるが2~3枚程度が理想
「マナ加速」:目標マナコストにもよるが1~2枚程度が理想
に加え、
「サーチ」:上記2種に繋がる、実質的なマナ加速カード
によって、基準ターンまでにジェネラルをキャスト出来る見通しが立つ手札がキープ基準となるだろう。
◎非ジェネラル依存型デッキ
全力で《むかつき/Ad Nauseam》を撃つ《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》や、ジェネラルキャストからの勝ち筋もあるものの、それよりも早い《生き埋め/Buried Alive》・《隠遁ドルイド/Hermit Druid》の方がメインの勝ち筋となっている《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》のようなデッキ。
または、ジェネラルがフィニッシュでしか出番がない《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のようなデッキ。
デッキ全体が戦闘を行うようなふんわりとしたビートダウンデッキや、マスデスや置物で相手を縛るジェネラルの登場が遅いタイプのデッキもこちらに分類されるだろう。
〇実際のキープ基準
デッキによって理想とする動きは違うので、厳密な事は書きにくいのだが、それでも明確なのは「3ターン目までの行動がはっきりと見えている事、そしてその行動が弱くない事」だ。
3ターン目を基準としたのは、多くのデッキがビッグアクションを仕掛けてくるのがそのターン辺りになるため、それに対応、もしくは負けない速度で追いついている必要があるためだ。
また、そもそも6、7枚程度の手札では4ターン目以降の動きまで確約するのが難しい、というのもある。
曖昧ではあるが、そこまでの行動で必要とされるのは「マナ加速、アドバンテージ、デッキによっては妨害置物のキャスト、デッキによってはビッグアクション」となる。
つまり、それらがバランス良く入っている手札こそがキープ基準を満たすハンドだ。
〇キープ基準となるカード
・マナ加速
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》のようなカード。
それに加え、数枚の土地。マナ加速で1マナ増やせても、土地をセットしていないのでは結局マナは増えない。土地の毎ターンセットは大切。
・アドバンテージ
3ターン目までにアドバンテージを確保出来るものが求められているため、必要とされるのは軽いカード。マナを使うのなら圧倒的なアドバンテージが理想とされる。
分かりやすいカードだと、《Mystic Remora》や《森の知恵/Sylvan Library》、高速で手札を吐いてからの《Timetwister》。
分かりにくいカードだと、《古えの墳墓/Ancient Tomb》や《太陽の指輪/Sol Ring》。これは、1枚のカードから2マナを確保しているため、基本的に1枚のカードから1マナを発生するこのゲームに置いて、マナ加速であると同時にアドバンテージを生み出している。
・妨害置物
使うデッキが偏っているので項目を分けたが、実質的にはこれもマナ加速やアドバンテージカードとなる。
例えば《無のロッド/Null Rod》は、対戦相手のマナ加速を封じる事により、「他人の速度を落とす≒相対的に自分の速度を上げる」事に繋がる。
また、対戦相手の手札にあるマナ加速アーティファクトは役に立たなくなるので、「他人の手札の有効牌が減る≒相対的に自分が手札の枚数が多いプレイヤーとなれる」事に繋がる。
・ビッグアクション
アドバンテージも生み出さず、マナ加速にもならないが、直接的、あるいは間接的に勝ちに繋がるカード群。
コンボデッキなら、《生き埋め/Buried Alive》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《納墓/Entomb》といったフィニッシュに繋がるカード。
ビートダウンデッキなら、「全体強化ジェネラルキャスト前のトークン横並べ」《憎悪/Hatred》のような恐ろしく高い打点など。
ここに、上記カードに繋がり得るサーチカードを加えたものがキープ基準となり得るカードだ。
見やすくするため分けるので、続く
ので、上達のためにも一度その辺の基準を自分なり整理しとこうという事で、マリガンについて書いていきたい。
めっちゃ長文注意。
☆キープ基準
キープ基準を決めるのは、デッキタイプによって大きく2つに分かれる。
1つが「ジェネラル依存の強いデッキ」もう1つが「ジェネラル依存の薄いデッキ」だ。
◎ジェネラル依存デッキ
《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のような、ジェネラルが間接的に勝ち筋に繋がるデッキや、《ネファリアの災い、ジェリーヴァ/Jeleva, Nephalia’s Scourge》のようなジェネラルがアドバンテージを稼ぐエンジンになってくれるデッキ。
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》のような単騎型ビートダウンジェネラルもこのカテゴリに入れていいだろう。
極端な例だと、《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》や《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》のような、ジェネラルキャストですべてが完結するデッキも。
〇キープ基準となるカード
基本的には、そのデッキ自体も、ジェネラルによって得られるアドバンテージを上手に活かせる構築になっている。
そのため、ジェネラルを早く出せば出すほどゲームを早く終わらせられる。
なので、キープ基準は「ジェネラルを何ターン目にキャスト出来そうか」というのが第一となる。
つまり、手札をキープする理由となるカードは、「土地」と「マナ加速」。その他のカードの価値は薄い。
〇実際のキープ基準
ジェネラル依存のデッキは、ジェネラルが早くキャスト出来ればできる程勝利までのターンを短縮できる。
「土地」と「マナ加速」は必須だが、何でも良いわけではない。『ジェネラルを”出来る限り早く”キャスト出来る』というのが正しいキープ基準となる。
極端な話をすると、《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》で「土地6枚+妨害」みたいな手札ではマリガンだ。
確かに手札でジェネラルキャストは確保されているが、キャスト出来るターンはあまりに遅く、ジェネラルキャスト前に負けてしまうだろう。
・ジェネラルキャストの理想的なターン数
概ねではあるが、ジェネラルのマナコストごとに
3マナ:2ターン目
4マナ:最低3ターン目、出来れば2ターン目
5マナ:3ターン目
6マナ:最低4ターン目、出来れば3ターン目
7マナ:4ターン目
までにキャスト出来るのが望ましい。
3マナ域については、そのターンの確実なキャストは難しいので、その他の手札が良ければ1ターンなら妥協してもいいかなって個人的に考えているマナコスト帯。
4マナ、6マナに関しては、確実ではないがそこそこの確率で早い方のターンキャストも出来るので基準に書き加えた。
ちょっと厳しいかな、と思う人もいるかも知れないが、ジェネラルキャストのターンの早さがそのまま勝利ターンの早さに直結するので、ここは結構タイトに考えるべきポイントだと自分は思っている。
ジェネラルがアドバンテージを稼いでくれる系の場合、大きくターンを早められるなら《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》のようなカードですら諸手を上げて受け入れられる程なのだから。
なお、上記の通りの手札がキープ基準とはなるものの、実戦においてジェネラルキャストがそのターンになるとは限らない。
ジェネラルより強いカードがあったりする(例:茶系デッキが多そうな卓での1ターン目《Mystic Remora》など)ので、稀に動きが変わる。
まとめると、ジェネラル依存の強いデッキに関しては、
「土地」:目標マナコストにもよるが2~3枚程度が理想
「マナ加速」:目標マナコストにもよるが1~2枚程度が理想
に加え、
「サーチ」:上記2種に繋がる、実質的なマナ加速カード
によって、基準ターンまでにジェネラルをキャスト出来る見通しが立つ手札がキープ基準となるだろう。
◎非ジェネラル依存型デッキ
全力で《むかつき/Ad Nauseam》を撃つ《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》や、ジェネラルキャストからの勝ち筋もあるものの、それよりも早い《生き埋め/Buried Alive》・《隠遁ドルイド/Hermit Druid》の方がメインの勝ち筋となっている《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》のようなデッキ。
または、ジェネラルがフィニッシュでしか出番がない《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のようなデッキ。
デッキ全体が戦闘を行うようなふんわりとしたビートダウンデッキや、マスデスや置物で相手を縛るジェネラルの登場が遅いタイプのデッキもこちらに分類されるだろう。
〇実際のキープ基準
デッキによって理想とする動きは違うので、厳密な事は書きにくいのだが、それでも明確なのは「3ターン目までの行動がはっきりと見えている事、そしてその行動が弱くない事」だ。
3ターン目を基準としたのは、多くのデッキがビッグアクションを仕掛けてくるのがそのターン辺りになるため、それに対応、もしくは負けない速度で追いついている必要があるためだ。
また、そもそも6、7枚程度の手札では4ターン目以降の動きまで確約するのが難しい、というのもある。
曖昧ではあるが、そこまでの行動で必要とされるのは「マナ加速、アドバンテージ、デッキによっては妨害置物のキャスト、デッキによってはビッグアクション」となる。
つまり、それらがバランス良く入っている手札こそがキープ基準を満たすハンドだ。
〇キープ基準となるカード
・マナ加速
《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》のようなカード。
それに加え、数枚の土地。マナ加速で1マナ増やせても、土地をセットしていないのでは結局マナは増えない。土地の毎ターンセットは大切。
・アドバンテージ
3ターン目までにアドバンテージを確保出来るものが求められているため、必要とされるのは軽いカード。マナを使うのなら圧倒的なアドバンテージが理想とされる。
分かりやすいカードだと、《Mystic Remora》や《森の知恵/Sylvan Library》、高速で手札を吐いてからの《Timetwister》。
分かりにくいカードだと、《古えの墳墓/Ancient Tomb》や《太陽の指輪/Sol Ring》。これは、1枚のカードから2マナを確保しているため、基本的に1枚のカードから1マナを発生するこのゲームに置いて、マナ加速であると同時にアドバンテージを生み出している。
・妨害置物
使うデッキが偏っているので項目を分けたが、実質的にはこれもマナ加速やアドバンテージカードとなる。
例えば《無のロッド/Null Rod》は、対戦相手のマナ加速を封じる事により、「他人の速度を落とす≒相対的に自分の速度を上げる」事に繋がる。
また、対戦相手の手札にあるマナ加速アーティファクトは役に立たなくなるので、「他人の手札の有効牌が減る≒相対的に自分が手札の枚数が多いプレイヤーとなれる」事に繋がる。
・ビッグアクション
アドバンテージも生み出さず、マナ加速にもならないが、直接的、あるいは間接的に勝ちに繋がるカード群。
コンボデッキなら、《生き埋め/Buried Alive》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《納墓/Entomb》といったフィニッシュに繋がるカード。
ビートダウンデッキなら、「全体強化ジェネラルキャスト前のトークン横並べ」《憎悪/Hatred》のような恐ろしく高い打点など。
ここに、上記カードに繋がり得るサーチカードを加えたものがキープ基準となり得るカードだ。
見やすくするため分けるので、続く
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18278
上にある通り、今回はノーチェンジ。
コメントも、なんか長々と書いてるけど、中身は「色々厳密に検討したけどルールもカードも問題なく、素晴らしい環境になってるよ。幸せ」という毒にも薬にもならないやつだった。頑張って読んで損したぞ。
平和!
上にある通り、今回はノーチェンジ。
コメントも、なんか長々と書いてるけど、中身は「色々厳密に検討したけどルールもカードも問題なく、素晴らしい環境になってるよ。幸せ」という毒にも薬にもならないやつだった。頑張って読んで損したぞ。
平和!
【EDH】 大会におけるメタゲーム その3
2016年7月14日 EDH環境考察異界月のカード発表に合わせた記事を書いてたせいで大分遅れちゃったけど、(http://kakkokari.diarynote.jp/201606272249289322/)の続き。第3回。
今回は、EDHの大会に出る際、どんなデッキを使えば勝ち組になりやすいかを考察。
大会ルールは、比較的良く見る「ランダム3~4人卓を複数回行う予選」→「ポイント上位4人による決勝」というスタイル前提で。
という訳で早速。
◎爆発力のあるデッキを使え
ブン回れば3、4ターンで勝ち得るパターンがデッキに入っている。最低限のラインがここ。
なぜなら、EDHはアーキタイプが過剰で、かつ多人数戦であるために、ゲーム環境が対戦ごとに大幅に変わる。赤いデッキが並ぶ小型クリーチャー除去卓かも知れないし、青いデッキが多いカウンター卓かも知れない。緑や白の多い妨害置物が並ぶ遅い卓かも知れないし、黒緑系の多い対策しにくい墓地利用卓かも知れない。
デッキを組む上で、こういった様々なアーキタイプごとに、どうしても得手不得手は出てしまうだろう。そうして、苦手なアーキタイプの多い卓に放り込まれる事もあるだろう。
そんな時、頼りになるのがデッキの爆発力だ。
EDHでは、多くのデッキが最初の2~3ターン目までをマナ加速に費やす事が多い。ライフ40点×3を削る関係上、1ターン目からクリーチャーで圧力をかける意味が薄いからだ。それならば、マナ加速を経た3、4ターン目に強力なアクションを連打した方が勝てる。
そのため、あらゆるデッキの2、3ターン目までのアクションは「普通の回り方」の範囲内ならみんなマナ加速しているだけなので大して変わらず、アーキタイプ特有の「自分の苦手な行動」を取られない。
つまり、その数ターンの内ならば、相性差を気にせず好き放題に動いて勝つ事が可能となるのである。
もちろん、自分も「普通の回り方」の範囲内だと同じターンにマナ加速して終わるだけだ。だが、そのマナ加速の手順をジャンプする方法や、軽い即死フィニッシュを準備しておく事で、苦手なデッキ相手でもある程度勝率を叩きだせる可能性を確保出来る。
つまり爆発力の源とは、大きく分けて2つ。「普通よりも早いマナ加速」と、「少ないマナと手札で仕掛けられる勝ち手段」である。
いかに具体例を示す。
・早いマナ加速
1マナだが召喚酔いのある《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や、2マナで1マナ伸びる《友なる石/Fellwar Stone》といった、「普通のマナ加速」の手順を一段二段飛ばしで行えるカード。
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
・早い勝ち手段
揃えやすい2枚以下のコンボで、かつ必要なマナが少ないものが求められる。勝ち、とまではいかなくとも、1対3をものともしないレベルの圧倒的なアドバンテージ獲得手段も次善の手段としてこのカテゴリに入れていいだろう。
《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》
《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》+《動く死体/Animate Dead》
《むかつき/Ad Nauseam》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
その他普通の速度のコンボでも、必要パーツが少ないものならば「早いマナ加速」と組み合わせる事により3、4ターン目に決まり得る事もある。その程度の軽さならばこのカテゴリに入れてよいだろう。
逆に、枚数が多いものはこのカテゴリに入れたくない。3、4ターン目フィニッシュは少ない手札で回す必要があるし、その上でそのターンで2枚集めるのと3枚集めるのとでは実現性が大きく違う。
◎青いデッキを使え
EDH最強色である青。
ここで青いデッキを推すのは、単純に強いから、というのもあるのだが、それ以上に色の性質が大会向きであるためだ。
先ほど書いた通り、EDHはアーキタイプがばらける傾向が強い上に多人数戦であるため、対戦環境が幅広く変わる。その際、他人が好き放題動き出す前に勝てる「爆発力」と並んで重要なのが、他人が好き放題しそうになっても止められる「対応力」なのである。
そうして、青という色は、他の色から群を抜いて対応力に優れている。
一時的とは言えあらゆるパーマネントに対応できるバウンス、唯一インスタント、ソーサリーに対応できるカウンターを持つ青は、柔軟性と対応力が非常に高い。
そのため、序盤の《むかつき》ぶっ放しから終盤の《歯と爪》まで、『適切な手札とマナを確保出来ていれば』何にでも対応出来るデッキを無理なく構築可能なのだ。
そうして、青の妨害カードはその柔軟さから、『適切な手札』を確保するのが容易なのである。《むかつき/Ad Nauseam》でも《生き埋め/Buried Alive》でも《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》でもカウンターで解決するし、先出しされた《無のロッド/Null Rod》でも《石のような静寂/Stony Silence》でも《月の大魔術師/Magus of the Moon》でもバウンスで対処出来る。
これを他の色でやろうとすると非常に困難で、あらゆる脅威に対処するためには、クリーチャー除去とアーティファクト・エンチャント除去と墓地対策と《沈黙》系を一通り揃えた上、それらを適切なタイミングで手札に入れていく必要がある。
「呪文なら何でもカウンターで解決、パーマネントなら何でもバウンスで解決」と大雑把に2種類のカードだけであらゆる脅威に対処する青デッキと比べると、枠も食うし、裏目も多く発生しうる。
苦労するばかりなので、青を使っておくのが安心、という訳である。
◎安定性のあるデッキを使え
「ブン回れば2、3ターンキルを仕掛けられる、だけど可能性は4、5ゲームに1回程度、初動に失敗して中盤戦以降に持ち込まれるとほぼ勝てない」みたいなデッキは、普通に遊ぶ分には平均的な勝率は確保できるので悪くないのだが、大会向きではない。
予選を抜けるには3~4回程度の対戦で最低1回、安定して2回程度勝っておきたいのだが、不安定なデッキだとその結果が得にくいためだ。
上の例に出したようなデッキは、確かに4回戦の中で1回、運が良ければ2回は勝てる「かも知れない」。
だがそのデッキに出来るのは2キルを”しかける”までのため、その1回に偶然対戦相手が持っていた妨害を刺されたらアウトだし、2キル出来ない捨て回が2、3回発生するのも効率が悪い。
それならば、「平均して4~6ターン目に仕掛けられる、稀に±2ターン程度のブレはあるが毎ゲームそのくらいの速度が出る、一度止められても中盤戦以降に盛り返せる」みたいなデッキの方がいい。
複数回戦において捨て回がなく、以上に早い卓以外には対応出来るため卓のメンツのブレにも強い。期待は出来ないが運が良ければブン回りで1勝を拾えるかもしれない。
このような構築のデッキの方が、数回対戦する予選形式での総合的な勝率は上がりやすい。
なので、以下のような形の、安定性のあるデッキの方が総合的には勝てると考える。
・豊富な範囲のカードを探せるサーチを多く積む事が出来る。あるいはデッキの構成が金太郎飴。
・フィニッシュ速度はバカみたいに早い訳ではないながらも、ある程度で安定している。
・中盤戦以降に強いカード(アドバンテージソース(ドロー・追加ターンなど)、対戦相手のキラーカードを止められる妨害)を無理なくデッキに組み込める。
☆結論
爆発力があって、青くて、安定性があるデッキ。
これだけだとアレなので、青と組み合わせる色について軽く書いて、具体的なアーキタイプを示す。
◎青以外の色について
爆発力は黒がピカイチで、かつサーチも優秀なので、綺麗にまとまるならば黒を採用したい。
次点では緑。爆発力の面では頼りないものの、マナ加速の安定性が高く、サーチも生物限定ならば黒以上の枚数を確保出来る。
赤や白や青単色でも、爆発力は一部マナファクト頼りであるためちょっと心元ないものの、最低限の条件は満たせているので悪くはない。
という訳で、身も蓋もないけれど、前回のアーキタイプでいうトップメタ、
☆青黒茶系(非高速コンボ)
が最もおすすめ出来るアーキタイプ、という事に。
(非高速コンボ)としたのは、前回のアーキタイプ解説でも書いた通り、黒の高速コンボはデッキに構築制限がかかるため、組み合わせると安定性が低下するので向かないという判断から。
コンボ以外の爆発力要素、《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りは、デッキ相性が良ければ積極的に入れていきたい。
特に《むかつき/Ad Nauseam》に関しては、マナコストを気にせず、5マナのインスタントで10~20枚くらい引くドローと考えて投入する感じで。
次点となるのが、
☆エドリック
☆青黒茶系(+黒コンボ)
☆非黒の青茶系
辺り。
平均速度に不安が残るものの、エドリックは安定性の面で最優。
黒コンボ入り青黒茶は比較的不安定だけど爆発力は最強なので地力や相性差をひっくり返せる可能性アリ。構築は難しい。
非黒の青茶系はジェネラル候補が多いので、ジェネラルの性能と環境への嵌り具合次第で勝ち切れる地力は十分ある。
あくまで自分の評価だけど、大体こんな感じ。
よろしければ、大会形式でEDHをする際の参考にでもして下さい。
今回は、EDHの大会に出る際、どんなデッキを使えば勝ち組になりやすいかを考察。
大会ルールは、比較的良く見る「ランダム3~4人卓を複数回行う予選」→「ポイント上位4人による決勝」というスタイル前提で。
という訳で早速。
◎爆発力のあるデッキを使え
ブン回れば3、4ターンで勝ち得るパターンがデッキに入っている。最低限のラインがここ。
なぜなら、EDHはアーキタイプが過剰で、かつ多人数戦であるために、ゲーム環境が対戦ごとに大幅に変わる。赤いデッキが並ぶ小型クリーチャー除去卓かも知れないし、青いデッキが多いカウンター卓かも知れない。緑や白の多い妨害置物が並ぶ遅い卓かも知れないし、黒緑系の多い対策しにくい墓地利用卓かも知れない。
デッキを組む上で、こういった様々なアーキタイプごとに、どうしても得手不得手は出てしまうだろう。そうして、苦手なアーキタイプの多い卓に放り込まれる事もあるだろう。
そんな時、頼りになるのがデッキの爆発力だ。
EDHでは、多くのデッキが最初の2~3ターン目までをマナ加速に費やす事が多い。ライフ40点×3を削る関係上、1ターン目からクリーチャーで圧力をかける意味が薄いからだ。それならば、マナ加速を経た3、4ターン目に強力なアクションを連打した方が勝てる。
そのため、あらゆるデッキの2、3ターン目までのアクションは「普通の回り方」の範囲内ならみんなマナ加速しているだけなので大して変わらず、アーキタイプ特有の「自分の苦手な行動」を取られない。
つまり、その数ターンの内ならば、相性差を気にせず好き放題に動いて勝つ事が可能となるのである。
もちろん、自分も「普通の回り方」の範囲内だと同じターンにマナ加速して終わるだけだ。だが、そのマナ加速の手順をジャンプする方法や、軽い即死フィニッシュを準備しておく事で、苦手なデッキ相手でもある程度勝率を叩きだせる可能性を確保出来る。
つまり爆発力の源とは、大きく分けて2つ。「普通よりも早いマナ加速」と、「少ないマナと手札で仕掛けられる勝ち手段」である。
いかに具体例を示す。
・早いマナ加速
1マナだが召喚酔いのある《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や、2マナで1マナ伸びる《友なる石/Fellwar Stone》といった、「普通のマナ加速」の手順を一段二段飛ばしで行えるカード。
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
・早い勝ち手段
揃えやすい2枚以下のコンボで、かつ必要なマナが少ないものが求められる。勝ち、とまではいかなくとも、1対3をものともしないレベルの圧倒的なアドバンテージ獲得手段も次善の手段としてこのカテゴリに入れていいだろう。
《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》
《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》+《動く死体/Animate Dead》
《むかつき/Ad Nauseam》
《ネクロポーテンス/Necropotence》
その他普通の速度のコンボでも、必要パーツが少ないものならば「早いマナ加速」と組み合わせる事により3、4ターン目に決まり得る事もある。その程度の軽さならばこのカテゴリに入れてよいだろう。
逆に、枚数が多いものはこのカテゴリに入れたくない。3、4ターン目フィニッシュは少ない手札で回す必要があるし、その上でそのターンで2枚集めるのと3枚集めるのとでは実現性が大きく違う。
◎青いデッキを使え
EDH最強色である青。
ここで青いデッキを推すのは、単純に強いから、というのもあるのだが、それ以上に色の性質が大会向きであるためだ。
先ほど書いた通り、EDHはアーキタイプがばらける傾向が強い上に多人数戦であるため、対戦環境が幅広く変わる。その際、他人が好き放題動き出す前に勝てる「爆発力」と並んで重要なのが、他人が好き放題しそうになっても止められる「対応力」なのである。
そうして、青という色は、他の色から群を抜いて対応力に優れている。
一時的とは言えあらゆるパーマネントに対応できるバウンス、唯一インスタント、ソーサリーに対応できるカウンターを持つ青は、柔軟性と対応力が非常に高い。
そのため、序盤の《むかつき》ぶっ放しから終盤の《歯と爪》まで、『適切な手札とマナを確保出来ていれば』何にでも対応出来るデッキを無理なく構築可能なのだ。
そうして、青の妨害カードはその柔軟さから、『適切な手札』を確保するのが容易なのである。《むかつき/Ad Nauseam》でも《生き埋め/Buried Alive》でも《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》でもカウンターで解決するし、先出しされた《無のロッド/Null Rod》でも《石のような静寂/Stony Silence》でも《月の大魔術師/Magus of the Moon》でもバウンスで対処出来る。
これを他の色でやろうとすると非常に困難で、あらゆる脅威に対処するためには、クリーチャー除去とアーティファクト・エンチャント除去と墓地対策と《沈黙》系を一通り揃えた上、それらを適切なタイミングで手札に入れていく必要がある。
「呪文なら何でもカウンターで解決、パーマネントなら何でもバウンスで解決」と大雑把に2種類のカードだけであらゆる脅威に対処する青デッキと比べると、枠も食うし、裏目も多く発生しうる。
苦労するばかりなので、青を使っておくのが安心、という訳である。
◎安定性のあるデッキを使え
「ブン回れば2、3ターンキルを仕掛けられる、だけど可能性は4、5ゲームに1回程度、初動に失敗して中盤戦以降に持ち込まれるとほぼ勝てない」みたいなデッキは、普通に遊ぶ分には平均的な勝率は確保できるので悪くないのだが、大会向きではない。
予選を抜けるには3~4回程度の対戦で最低1回、安定して2回程度勝っておきたいのだが、不安定なデッキだとその結果が得にくいためだ。
上の例に出したようなデッキは、確かに4回戦の中で1回、運が良ければ2回は勝てる「かも知れない」。
だがそのデッキに出来るのは2キルを”しかける”までのため、その1回に偶然対戦相手が持っていた妨害を刺されたらアウトだし、2キル出来ない捨て回が2、3回発生するのも効率が悪い。
それならば、「平均して4~6ターン目に仕掛けられる、稀に±2ターン程度のブレはあるが毎ゲームそのくらいの速度が出る、一度止められても中盤戦以降に盛り返せる」みたいなデッキの方がいい。
複数回戦において捨て回がなく、以上に早い卓以外には対応出来るため卓のメンツのブレにも強い。期待は出来ないが運が良ければブン回りで1勝を拾えるかもしれない。
このような構築のデッキの方が、数回対戦する予選形式での総合的な勝率は上がりやすい。
なので、以下のような形の、安定性のあるデッキの方が総合的には勝てると考える。
・豊富な範囲のカードを探せるサーチを多く積む事が出来る。あるいはデッキの構成が金太郎飴。
・フィニッシュ速度はバカみたいに早い訳ではないながらも、ある程度で安定している。
・中盤戦以降に強いカード(アドバンテージソース(ドロー・追加ターンなど)、対戦相手のキラーカードを止められる妨害)を無理なくデッキに組み込める。
☆結論
爆発力があって、青くて、安定性があるデッキ。
これだけだとアレなので、青と組み合わせる色について軽く書いて、具体的なアーキタイプを示す。
◎青以外の色について
爆発力は黒がピカイチで、かつサーチも優秀なので、綺麗にまとまるならば黒を採用したい。
次点では緑。爆発力の面では頼りないものの、マナ加速の安定性が高く、サーチも生物限定ならば黒以上の枚数を確保出来る。
赤や白や青単色でも、爆発力は一部マナファクト頼りであるためちょっと心元ないものの、最低限の条件は満たせているので悪くはない。
という訳で、身も蓋もないけれど、前回のアーキタイプでいうトップメタ、
☆青黒茶系(非高速コンボ)
が最もおすすめ出来るアーキタイプ、という事に。
(非高速コンボ)としたのは、前回のアーキタイプ解説でも書いた通り、黒の高速コンボはデッキに構築制限がかかるため、組み合わせると安定性が低下するので向かないという判断から。
コンボ以外の爆発力要素、《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りは、デッキ相性が良ければ積極的に入れていきたい。
特に《むかつき/Ad Nauseam》に関しては、マナコストを気にせず、5マナのインスタントで10~20枚くらい引くドローと考えて投入する感じで。
次点となるのが、
☆エドリック
☆青黒茶系(+黒コンボ)
☆非黒の青茶系
辺り。
平均速度に不安が残るものの、エドリックは安定性の面で最優。
黒コンボ入り青黒茶は比較的不安定だけど爆発力は最強なので地力や相性差をひっくり返せる可能性アリ。構築は難しい。
非黒の青茶系はジェネラル候補が多いので、ジェネラルの性能と環境への嵌り具合次第で勝ち切れる地力は十分ある。
あくまで自分の評価だけど、大体こんな感じ。
よろしければ、大会形式でEDHをする際の参考にでもして下さい。
【EDH】 大会におけるメタゲーム その2
2016年6月27日 EDH環境考察前回の記事(http://kakkokari.diarynote.jp/201606271953431067/)の続き。
実際のEDHのメタゲームについて。
今回は、自分なりに分けて考えたアーキタイプ解説。長いよ。
☆トップメタ
個人的に考えるトップメタは、《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》と青黒茶系デッキ。
そのどちらもが、地力と安定性、嵌った時の爆発力を、他のデッキタイプよりも高いポテンシャルで持っている。
まずはその2タイプのデッキについて、それぞれの強みを書いていく。
◎エドリック
代表格であるエドリックと名付けたが、実際の所このアーキタイプのジェネラルは2体。《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》と《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》である。
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
最強ジェネラルの呼び声も高く、実際のパワーもかなりあるデッキ。
デッキコンセプトとしては、ジェネラルの能力でマナ加速になるクリーチャーを《泥棒カササギ/Thieving Magpie》に変え、それで得られるアドバンテージを追加ターンカードで倍々に増やして殴り殺す、というもの。
ジェネラルが3マナと軽く、2回程度なら再キャストも容易で、さらには《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》といった第二、第三のジェネラルもデッキに仕込む事が出来る。
その上手札を増やすリソースは山ほど入っているクリーチャー「すべて」であるため、非常にしぶとい。
カウンター、バウンス、コントロール奪取といった方法であらゆる脅威に対応出来る妨害カード有する青を固有色に持っているため、防御力が高い。
勝ちパターンの全てのカードが複数積む事が可能で、ハイランダーにも拘らず金太郎飴のような構築が出来るため、デッキの安定性がとても高い。
・《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
得られるアドバンテージを手札からマナに変えたようなエドリック。そこに色を足し、再キャストを容易にした感じ。
デッキコンセプトとしては、エドリック同様のものに加え、能力を活かしたコンボを複数積み込んだ形のものが多い。
エドリック同様、デッキの防御力を確保する青い固有色に加え、4マナでジェネラルをリキャストできる能力も相まって非常にしぶとい。このリキャスト能力が本当に曲者で、盤面にクリーチャーを確保し続ける能力は間違いなくエドリック以上。
コンボでいきなり勝ちに行くパターンも持っているので、追加ターンループが撲殺レベルまでつながらずともゲームを終わらせる力があるのも利点。
ただし、能力で得られるアドバンテージが手札ではなくマナなので、ハンドアドバンテージをデッキ内の《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》で稼いでいく必要があるのが欠点。そのため、ハンドアドバンテージの面に関してはエドリックに比べて不安が残る。
◎青黒茶系
ジェネラルは様々、勝ち筋も様々だが、共通したコンセプトとしては、多人数戦で強い青と黒の得意分野(カウンター、除去、ドロー)の高いカードパワーを背景にしたパワーゲームとなっている。
青と黒には、カードプール平均から見て全体的にカードパワーの高いカードが多く、またバランスも良い。
ハイランダーで安定性を提供するサーチにおける最優はどんなカードもサーチ出来る黒だし、パーマネントのみならずスペルにも対応できるカウンターは青にしかない。
多人数戦のため、ライフが多いためライフレースになりにくく、アドバンテージゲームになりやすいEDH環境ではドローソースが非常に大切なのだが、そのドローを得意とする色のツートップは青と黒だ。
色的に苦手なのはマナ加速くらいなものなのだが、それも《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》を代表とする古い時代にあったバランスの悪い優秀なアーティファクト群がフォローしてくれる。
これらのカードが適切な配分で入ったデッキというその時点で、すでに他の色のデッキに対するアドバンテージになっている。
ジェネラルを一度もキャストしないままながら、強カードの群れでずっと有利を確保し続け、そのまま勝ってしまう青黒系デッキの姿は良く見られる光景だ。ジェネラルが重いと特に良く見る。
さらには、EDHのライフ40というルールを背景にして強さを増した黒のカードが、他デッキとの地力の差を後押しする。
悪名高い《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》はもちろん、遅くとも5~7ターン目には勝負が決まる高速のゲーム展開で勝ちきるコンセプトでは《吸血の教示者/Vampiric Tutor》や《夜の囁き/Night’s Whisper》などの細かいロスライフがゲームに響く事は稀だ。
☆トップメタへの対抗策
両デッキ共に、序盤・中盤・終盤と隙がなく、安定性も高く、爆発力があるデッキだ。
ただ、その性質は全く同じではない。エドリックが若干安定性重視、青黒茶が若干爆発力重視といった違いはある。
それだけではない。弱点だってそれぞれ違う。
次にはそれらに対する対抗策について。
◎対エドリック
小型の軽量クリーチャーを中心としたコンセプトである上、エドリック自身も2/2と小粒のクリーチャーであるため、点数が2、3点程度の全体火力を含めたクリーチャーに対する全体除去が有効だ。
ただ、エドリック側(特にジェネラル再キャストが容易なデリーヴィーならなおさら)もクリーチャーだけなら絶え間なく追加できる構築なので、一回盤面を流した程度だと楽々立ち直ってくる。
盤面を流した後に手早く勝ち切れるような構築か、ある程度頻繁に除去を撃ち込めるような構築が求められる。
キーとなる追加ターンを打ち消すカウンターはそこそこ有効だが、デッキの肝はジェネラル能力によるアドバンテージでの物量戦にこそある。除去に比べると有効度は一段落ちてしまうだろう。
ただ、デリーヴィーに対しては、《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》をはじめとするハンドアドバンテージ要素をピンポイントで止めていくと動きが止まる。コンボパーツにも有効な事もあり、カウンターはエドリックよりも強力に働くだろう。
◎対青黒茶
全体的に高いパフォーマンスを持っているデッキであり、ピンポイントでの対処が難しい。
共通して有効なのはマナソース周りを妨害する方法。例外なくアーティファクトに加速を頼っているので、《無のロッド/Null Rod》や《破滅的な行為/Pernicious Deed》などは非常に有効に働く。
また、多色のデッキには《血染めの月/Blood Moon》などの特殊地形対策も有効だが、アーティファクトによるマナベースも持っているため、こちらだけだと対応が片手落ちになりやすい。
☆その他の良く見かけるコンセプト
◎トップメタをメタった形
赤緑白あたりを中心とした妨害カードを用い、トップメタの機能不全を狙いながら戦うデッキ。
クリーチャーとアーティファクトを咎める関係上、緑を用いて加速にランプスペルを採用している形が多い。
嵌ると強いのだが、強力な妨害カードも所詮はデッキに1枚でトップメタと比較すると安定性に欠け、実際の勝率を考えると厳しいのが現実。
「エドリック」「青黒茶」のどちらかに対策を寄せたパターンも存在し、その場合は比較的安定して対象アーキタイプに有利を取れる。
特にエドリック対策特化型の場合は、加速にアーティファクトを使えるので、現実的な速度を保ったままで色の自由度が増えるという利点がある。
◎緑系高速コンボ
安定性ではトップメタに劣るとも爆発力なら負けないと突っ走るデッキ。
《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》や《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》なんかが代表格か。
緑はマナ加速に関してはトップであり、また、妨害をあまり気にしなければコンボの速度やアドバンテージ能力もかなり高い。
その爆発力に頼ってブン回りでトップメタを抑えてしまおうというコンセプトがこれらのアーキタイプだ。
最高速ならばトップメタと比肩するものの、特にカウンターが使えない事から防御力が低く、ゲームがもつれると厳しくなりやすい。
また、色的にどうしてもクリーチャーが多くなる性質上、エドリックに耐性がある。
◎「トップメタをメタった形」「緑系高速コンボ」のハイブリット
ある程度トップメタに対するメタカードを積みつつ、ブン回り重視のデッキコンセプトを維持しているアーキタイプ。
《帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer Returned》、《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》辺りが代表格か。前者は青黒茶系に対する耐性が高く、後者は前者と後者にある程度平均的に対処出来る構築が可能。
ぶっちゃけ両方のいいトコ取り的な強さがある。
少なくとも、特化せざるを得ない「トップメタをメタった形」に妨害力で劣るのはともかく、「緑系高速コンボ」の爆発力は特化型に比べてほとんど失われていない。
前者の型に対して後れを取っている部分にしても、僅かな遅延を活かして手早く勝ちに行けるアドバンテージがあるのでコンセプト的にも決して劣っているばかりではない。
◎非青の黒系高速コンボ
EDHにおける最速の勝ち手段、《むかつき/Ad Nauseam》《生き埋め/Buried Alive》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》を用いた高速コンボ群。
黒を軸にしたコンボのため、青黒茶系に仕込まれている事も多々あるのだが、ここではそれ以外のアーキタイプとして取り上げる。
《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》あたりが代表格か。
どれも高速勝つ少数のカードで突然勝ちに行けるパワーがあり、爆発力は恐らく全体から見ても間違いなくアーキタイプ最優。
欠点は、いかに黒のサーチを駆使しようとも、毎回2~3キルを叩きつけるだけの安定性の確保は難しい、という点だ。
初手やそこからのドローが悪いと大した攻撃も防御も出来ず、もしうまく高速で仕掛ける事が出来ても止められると復帰も難しく、そのままずるずるとアドバンテージを失い続けて……というのが良く見る負けパターン。
どの高速コンボも、デッキ構築次点で制限を受けたり、無駄牌が多かったりといったリスクを背負っている事もその負けパターンの発生に拍車をかける。
複数回の対戦を重ねる大会形式では、ある程度の勝率アベレージを稼ぐ事は出来るだろうが、1回勝負の場合は結構な運ゲーになったりする。
このアーキタイプの良くない所は、上に書いた通り青黒茶系のデッキに仕込む事が可能な点。
安定性が高く、どの時間帯でも高いポテンシャルで戦える青黒茶系に爆発力が加わるので、非常に対処が困難となる。
しかし、だからと言って「青黒茶」+「黒コンボ」が最強アーキタイプとはなり得ない。上で説明した通り、黒コンボには構築制限や無駄牌の多さがあるためにデッキの安定性が落ちてしまう欠点があり、そのデメリットまでついて来てしまうのだ。
その辺りは、ジェネラルやデッキコンセプトとの兼ね合いで相性があるので個別ジェネラルごとに変わってくる。それに関しては、ここで書くと長くなるので省略。
◎ビートダウンジェネラル
主に「トップメタをメタった形」デッキとのハイブリットが多い。
正直個人的には修羅の道だと思っているのだが、大会ルールが「プレイヤーキル数を基にしたポイント制」ならばチャンスはある。
隙を見て、無防備な対戦相手をピンポイントでなで斬りにしていけばある程度の成績を上げる事は期待出来るだろう。
それでも高速コンボデッキ以上のポイントを取れるか怪しいのが辛い。苦行アーキ。
ざっくりとした分け方だけど、アーキタイプは大体こんな感じ。
非常に長くなったけど、今回はこの辺りで。
次があれば多分最終回。
どのアーキタイプを選ぶのが勝ち組になれるかのお話になる予定。
実際のEDHのメタゲームについて。
今回は、自分なりに分けて考えたアーキタイプ解説。長いよ。
☆トップメタ
個人的に考えるトップメタは、《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》と青黒茶系デッキ。
そのどちらもが、地力と安定性、嵌った時の爆発力を、他のデッキタイプよりも高いポテンシャルで持っている。
まずはその2タイプのデッキについて、それぞれの強みを書いていく。
◎エドリック
代表格であるエドリックと名付けたが、実際の所このアーキタイプのジェネラルは2体。《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》と《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》である。
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
最強ジェネラルの呼び声も高く、実際のパワーもかなりあるデッキ。
デッキコンセプトとしては、ジェネラルの能力でマナ加速になるクリーチャーを《泥棒カササギ/Thieving Magpie》に変え、それで得られるアドバンテージを追加ターンカードで倍々に増やして殴り殺す、というもの。
ジェネラルが3マナと軽く、2回程度なら再キャストも容易で、さらには《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》といった第二、第三のジェネラルもデッキに仕込む事が出来る。
その上手札を増やすリソースは山ほど入っているクリーチャー「すべて」であるため、非常にしぶとい。
カウンター、バウンス、コントロール奪取といった方法であらゆる脅威に対応出来る妨害カード有する青を固有色に持っているため、防御力が高い。
勝ちパターンの全てのカードが複数積む事が可能で、ハイランダーにも拘らず金太郎飴のような構築が出来るため、デッキの安定性がとても高い。
・《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
得られるアドバンテージを手札からマナに変えたようなエドリック。そこに色を足し、再キャストを容易にした感じ。
デッキコンセプトとしては、エドリック同様のものに加え、能力を活かしたコンボを複数積み込んだ形のものが多い。
エドリック同様、デッキの防御力を確保する青い固有色に加え、4マナでジェネラルをリキャストできる能力も相まって非常にしぶとい。このリキャスト能力が本当に曲者で、盤面にクリーチャーを確保し続ける能力は間違いなくエドリック以上。
コンボでいきなり勝ちに行くパターンも持っているので、追加ターンループが撲殺レベルまでつながらずともゲームを終わらせる力があるのも利点。
ただし、能力で得られるアドバンテージが手札ではなくマナなので、ハンドアドバンテージをデッキ内の《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》で稼いでいく必要があるのが欠点。そのため、ハンドアドバンテージの面に関してはエドリックに比べて不安が残る。
◎青黒茶系
ジェネラルは様々、勝ち筋も様々だが、共通したコンセプトとしては、多人数戦で強い青と黒の得意分野(カウンター、除去、ドロー)の高いカードパワーを背景にしたパワーゲームとなっている。
青と黒には、カードプール平均から見て全体的にカードパワーの高いカードが多く、またバランスも良い。
ハイランダーで安定性を提供するサーチにおける最優はどんなカードもサーチ出来る黒だし、パーマネントのみならずスペルにも対応できるカウンターは青にしかない。
多人数戦のため、ライフが多いためライフレースになりにくく、アドバンテージゲームになりやすいEDH環境ではドローソースが非常に大切なのだが、そのドローを得意とする色のツートップは青と黒だ。
色的に苦手なのはマナ加速くらいなものなのだが、それも《太陽の指輪/Sol Ring》《魔力の櫃/Mana Vault》を代表とする古い時代にあったバランスの悪い優秀なアーティファクト群がフォローしてくれる。
これらのカードが適切な配分で入ったデッキというその時点で、すでに他の色のデッキに対するアドバンテージになっている。
ジェネラルを一度もキャストしないままながら、強カードの群れでずっと有利を確保し続け、そのまま勝ってしまう青黒系デッキの姿は良く見られる光景だ。ジェネラルが重いと特に良く見る。
さらには、EDHのライフ40というルールを背景にして強さを増した黒のカードが、他デッキとの地力の差を後押しする。
悪名高い《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》はもちろん、遅くとも5~7ターン目には勝負が決まる高速のゲーム展開で勝ちきるコンセプトでは《吸血の教示者/Vampiric Tutor》や《夜の囁き/Night’s Whisper》などの細かいロスライフがゲームに響く事は稀だ。
☆トップメタへの対抗策
両デッキ共に、序盤・中盤・終盤と隙がなく、安定性も高く、爆発力があるデッキだ。
ただ、その性質は全く同じではない。エドリックが若干安定性重視、青黒茶が若干爆発力重視といった違いはある。
それだけではない。弱点だってそれぞれ違う。
次にはそれらに対する対抗策について。
◎対エドリック
小型の軽量クリーチャーを中心としたコンセプトである上、エドリック自身も2/2と小粒のクリーチャーであるため、点数が2、3点程度の全体火力を含めたクリーチャーに対する全体除去が有効だ。
ただ、エドリック側(特にジェネラル再キャストが容易なデリーヴィーならなおさら)もクリーチャーだけなら絶え間なく追加できる構築なので、一回盤面を流した程度だと楽々立ち直ってくる。
盤面を流した後に手早く勝ち切れるような構築か、ある程度頻繁に除去を撃ち込めるような構築が求められる。
キーとなる追加ターンを打ち消すカウンターはそこそこ有効だが、デッキの肝はジェネラル能力によるアドバンテージでの物量戦にこそある。除去に比べると有効度は一段落ちてしまうだろう。
ただ、デリーヴィーに対しては、《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》をはじめとするハンドアドバンテージ要素をピンポイントで止めていくと動きが止まる。コンボパーツにも有効な事もあり、カウンターはエドリックよりも強力に働くだろう。
◎対青黒茶
全体的に高いパフォーマンスを持っているデッキであり、ピンポイントでの対処が難しい。
共通して有効なのはマナソース周りを妨害する方法。例外なくアーティファクトに加速を頼っているので、《無のロッド/Null Rod》や《破滅的な行為/Pernicious Deed》などは非常に有効に働く。
また、多色のデッキには《血染めの月/Blood Moon》などの特殊地形対策も有効だが、アーティファクトによるマナベースも持っているため、こちらだけだと対応が片手落ちになりやすい。
☆その他の良く見かけるコンセプト
◎トップメタをメタった形
赤緑白あたりを中心とした妨害カードを用い、トップメタの機能不全を狙いながら戦うデッキ。
クリーチャーとアーティファクトを咎める関係上、緑を用いて加速にランプスペルを採用している形が多い。
嵌ると強いのだが、強力な妨害カードも所詮はデッキに1枚でトップメタと比較すると安定性に欠け、実際の勝率を考えると厳しいのが現実。
「エドリック」「青黒茶」のどちらかに対策を寄せたパターンも存在し、その場合は比較的安定して対象アーキタイプに有利を取れる。
特にエドリック対策特化型の場合は、加速にアーティファクトを使えるので、現実的な速度を保ったままで色の自由度が増えるという利点がある。
◎緑系高速コンボ
安定性ではトップメタに劣るとも爆発力なら負けないと突っ走るデッキ。
《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》や《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》なんかが代表格か。
緑はマナ加速に関してはトップであり、また、妨害をあまり気にしなければコンボの速度やアドバンテージ能力もかなり高い。
その爆発力に頼ってブン回りでトップメタを抑えてしまおうというコンセプトがこれらのアーキタイプだ。
最高速ならばトップメタと比肩するものの、特にカウンターが使えない事から防御力が低く、ゲームがもつれると厳しくなりやすい。
また、色的にどうしてもクリーチャーが多くなる性質上、エドリックに耐性がある。
◎「トップメタをメタった形」「緑系高速コンボ」のハイブリット
ある程度トップメタに対するメタカードを積みつつ、ブン回り重視のデッキコンセプトを維持しているアーキタイプ。
《帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer Returned》、《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》辺りが代表格か。前者は青黒茶系に対する耐性が高く、後者は前者と後者にある程度平均的に対処出来る構築が可能。
ぶっちゃけ両方のいいトコ取り的な強さがある。
少なくとも、特化せざるを得ない「トップメタをメタった形」に妨害力で劣るのはともかく、「緑系高速コンボ」の爆発力は特化型に比べてほとんど失われていない。
前者の型に対して後れを取っている部分にしても、僅かな遅延を活かして手早く勝ちに行けるアドバンテージがあるのでコンセプト的にも決して劣っているばかりではない。
◎非青の黒系高速コンボ
EDHにおける最速の勝ち手段、《むかつき/Ad Nauseam》《生き埋め/Buried Alive》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》を用いた高速コンボ群。
黒を軸にしたコンボのため、青黒茶系に仕込まれている事も多々あるのだが、ここではそれ以外のアーキタイプとして取り上げる。
《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》あたりが代表格か。
どれも高速勝つ少数のカードで突然勝ちに行けるパワーがあり、爆発力は恐らく全体から見ても間違いなくアーキタイプ最優。
欠点は、いかに黒のサーチを駆使しようとも、毎回2~3キルを叩きつけるだけの安定性の確保は難しい、という点だ。
初手やそこからのドローが悪いと大した攻撃も防御も出来ず、もしうまく高速で仕掛ける事が出来ても止められると復帰も難しく、そのままずるずるとアドバンテージを失い続けて……というのが良く見る負けパターン。
どの高速コンボも、デッキ構築次点で制限を受けたり、無駄牌が多かったりといったリスクを背負っている事もその負けパターンの発生に拍車をかける。
複数回の対戦を重ねる大会形式では、ある程度の勝率アベレージを稼ぐ事は出来るだろうが、1回勝負の場合は結構な運ゲーになったりする。
このアーキタイプの良くない所は、上に書いた通り青黒茶系のデッキに仕込む事が可能な点。
安定性が高く、どの時間帯でも高いポテンシャルで戦える青黒茶系に爆発力が加わるので、非常に対処が困難となる。
しかし、だからと言って「青黒茶」+「黒コンボ」が最強アーキタイプとはなり得ない。上で説明した通り、黒コンボには構築制限や無駄牌の多さがあるためにデッキの安定性が落ちてしまう欠点があり、そのデメリットまでついて来てしまうのだ。
その辺りは、ジェネラルやデッキコンセプトとの兼ね合いで相性があるので個別ジェネラルごとに変わってくる。それに関しては、ここで書くと長くなるので省略。
◎ビートダウンジェネラル
主に「トップメタをメタった形」デッキとのハイブリットが多い。
正直個人的には修羅の道だと思っているのだが、大会ルールが「プレイヤーキル数を基にしたポイント制」ならばチャンスはある。
隙を見て、無防備な対戦相手をピンポイントでなで斬りにしていけばある程度の成績を上げる事は期待出来るだろう。
それでも高速コンボデッキ以上のポイントを取れるか怪しいのが辛い。苦行アーキ。
ざっくりとした分け方だけど、アーキタイプは大体こんな感じ。
非常に長くなったけど、今回はこの辺りで。
次があれば多分最終回。
どのアーキタイプを選ぶのが勝ち組になれるかのお話になる予定。
【EDH】 大会におけるメタゲーム その1
2016年6月27日 EDH環境考察自分が首までEDHに浸かっているってのもあるんだろうけど、数年前に比べればEDHのプレイヤーも、対戦機会も、そしてショップその他で行われる大会も増えているように見受けられる。
贔屓目をなくした視点で考えても盛り上がっているのは確実だ。少なくとも事実として、公式から統率者セットが毎年販売されるようになっているくらいには市民権を得ているのだから。
好きなフォーマットが盛り上がるのはいい事だ。
そんな訳で、今回は大会形式で行われるEDHにおけるメタゲームに関するお話。
☆特殊なフォーマット環境
普通の記事なら早速メタゲームの話に行くところなんだけど、ぶっちゃけ、EDHは通常のフォーマットとは色々と違うせいで前提条件も大きく違っている。
なので、まずはその辺の、環境を定義する前提から順番に書いていく。
◎大会運営に関する環境
EDHはカジュアルフォーマットで、ルールこそ制定されてはいるものの、競技イベントは存在せず、それどころか多人数戦に合わせたイベントのルールや公式のバックアップも存在しない。DCIレポーターを用いてスイスラウンドを組む事も(多分)出来ない。
それゆえに、大会形式に関しては運営側に任されている部分が大きい。
基本的には統率者戦のルールにのっとってはいるものの、公式ではっきりイベントのルールがないため、大会によって細かく違う部分がある。
◎サイドボードなし
公式ルールでの「サイドボード非推奨」の制定を受けて、大会形式でも明確に「サイドボードなし」となっている事が多い。
もしもどうしても苦手なデッキタイプがあり、それに対抗する手段を仕込みたいのなら、サイドボードに当たるカードはメインボードから投入する必要がある。
◎1ゲーム制
上に書いたサイドボードなしの話にも絡むのだが、多くの大会形式の場合、1ゲーム取ったプレイヤーがそのままそのラウンドの勝者とされる。
これは、プレイヤー数の関係で1ゲームにかかる時間が一般のフォーマットよりも長くなりがちである事に起因する。
そもそも1ゲームが長くなりがちだし、もし他フォーマット並みの時間(15分程度)で1ゲームを終えられるとしてすら、2本先取だと4人戦で最大75分もかかってしまう。
運営上の
◎フォーマット理解に関する情報の不足
公式でフォローされておらず、競技イベントも存在しないフォーマットゆえに、構築やプレイングに関する情報は大昔のマジック並みの貧しさである。実績のあるデッキリストの束や、プレイングセオリーのコラムなどは望むべくもない。
この時代には珍しく情報格差が大きく、そのため、他フォーマットに比べてプレイヤー間で情報における有利不利が大きいフォーマットになっている。
◎アーキタイプ過剰
必ず初手にある「ジェネラル」が存在するがために、アーキタイプが異常なほど多い。似たような構成に見えても、ジェネラルを活用する時点で結構有利不利が変わったり、動きが異なったりする。
大雑把にまとめる事は出来るが、それでも現スタンダート環境の「バントカンパニー」と「バント人間」をひとつとして扱ったり、レガシーの「デルバー系」を一括りにする程度には乱暴なアーキタイプ定義になってしまう。
◎ある程度人読みが可能
大きな公式大会がないため、大会規模が10人前後になる事が多く、また、比較的近い地域のプライヤーと対戦する事が多い。
そのため、普段対戦しているプレイヤーと当たる率が他フォーマットに比べて高くなりやすく、ある程度の人読みが通ってしまう。
◎アーキタイプの分散のしやすさ
カジュアルフォーマットである上に、デッキの顔となる「ジェネラル」が存在する事から、『ジェネラル被り』を嫌う傾向がある。
例えトップメタであっても、それに人気が集中し、使用しているのが参加プレイヤーの3割を超える、なんて事は稀だ。
まずはここまで。
この辺りの感覚をバックボーンとして敷きつつ、メタゲームについて考えていく。
次の記事からは実際のメタゲームについて書いていこうと思う。
贔屓目をなくした視点で考えても盛り上がっているのは確実だ。少なくとも事実として、公式から統率者セットが毎年販売されるようになっているくらいには市民権を得ているのだから。
好きなフォーマットが盛り上がるのはいい事だ。
そんな訳で、今回は大会形式で行われるEDHにおけるメタゲームに関するお話。
☆特殊なフォーマット環境
普通の記事なら早速メタゲームの話に行くところなんだけど、ぶっちゃけ、EDHは通常のフォーマットとは色々と違うせいで前提条件も大きく違っている。
なので、まずはその辺の、環境を定義する前提から順番に書いていく。
◎大会運営に関する環境
EDHはカジュアルフォーマットで、ルールこそ制定されてはいるものの、競技イベントは存在せず、それどころか多人数戦に合わせたイベントのルールや公式のバックアップも存在しない。DCIレポーターを用いてスイスラウンドを組む事も(多分)出来ない。
それゆえに、大会形式に関しては運営側に任されている部分が大きい。
基本的には統率者戦のルールにのっとってはいるものの、公式ではっきりイベントのルールがないため、大会によって細かく違う部分がある。
◎サイドボードなし
公式ルールでの「サイドボード非推奨」の制定を受けて、大会形式でも明確に「サイドボードなし」となっている事が多い。
もしもどうしても苦手なデッキタイプがあり、それに対抗する手段を仕込みたいのなら、サイドボードに当たるカードはメインボードから投入する必要がある。
◎1ゲーム制
上に書いたサイドボードなしの話にも絡むのだが、多くの大会形式の場合、1ゲーム取ったプレイヤーがそのままそのラウンドの勝者とされる。
これは、プレイヤー数の関係で1ゲームにかかる時間が一般のフォーマットよりも長くなりがちである事に起因する。
そもそも1ゲームが長くなりがちだし、もし他フォーマット並みの時間(15分程度)で1ゲームを終えられるとしてすら、2本先取だと4人戦で最大75分もかかってしまう。
運営上の
◎フォーマット理解に関する情報の不足
公式でフォローされておらず、競技イベントも存在しないフォーマットゆえに、構築やプレイングに関する情報は大昔のマジック並みの貧しさである。実績のあるデッキリストの束や、プレイングセオリーのコラムなどは望むべくもない。
この時代には珍しく情報格差が大きく、そのため、他フォーマットに比べてプレイヤー間で情報における有利不利が大きいフォーマットになっている。
◎アーキタイプ過剰
必ず初手にある「ジェネラル」が存在するがために、アーキタイプが異常なほど多い。似たような構成に見えても、ジェネラルを活用する時点で結構有利不利が変わったり、動きが異なったりする。
大雑把にまとめる事は出来るが、それでも現スタンダート環境の「バントカンパニー」と「バント人間」をひとつとして扱ったり、レガシーの「デルバー系」を一括りにする程度には乱暴なアーキタイプ定義になってしまう。
◎ある程度人読みが可能
大きな公式大会がないため、大会規模が10人前後になる事が多く、また、比較的近い地域のプライヤーと対戦する事が多い。
そのため、普段対戦しているプレイヤーと当たる率が他フォーマットに比べて高くなりやすく、ある程度の人読みが通ってしまう。
◎アーキタイプの分散のしやすさ
カジュアルフォーマットである上に、デッキの顔となる「ジェネラル」が存在する事から、『ジェネラル被り』を嫌う傾向がある。
例えトップメタであっても、それに人気が集中し、使用しているのが参加プレイヤーの3割を超える、なんて事は稀だ。
まずはここまで。
この辺りの感覚をバックボーンとして敷きつつ、メタゲームについて考えていく。
次の記事からは実際のメタゲームについて書いていこうと思う。
【EDH】 流行っている? デッキ
2016年6月14日 EDH環境考察 コメント (3)ちょっと雑談気味の話題だけど。
アテリエルさん(http://120yen.diarynote.jp/201606132325387288/)としもっちさん(http://simochi1341.diarynote.jp/201606132309255601/)が、立て続けにデリーヴィーのレシピを上げていたのを見てふと思ったので。
TwitterやDN、その他ネット上でのEDHの話題を見たり、実際に対戦したり友達と話をしていると、なんか流行ってるなーって思うジェネラルが何個かあったので。
大きな公式大会もなく、ネット上での情報交換はあるものの、その基本情報をベースに局地的なメタが加わっている印象があるEDH。
しかもルール・フォーマットの性質上、近しいプレイヤー同士では同じジェネラルを避ける傾向が強い。
にも拘らず、良く名前を聞く・「良く見る」という話を聞くジェネラルが何種類か目に入ったのでその辺をならべようかなーって話題。
ただし一昔以上前から強ジェネラルという話が多く、有名なものはわざわざ話しても仕方がないので除く。代表的なところだと、エドリックとかズアーとか始祖ドラとか旧ニヴとかね。
初めてEDHに手を出して情報を調べると、どうしても沢山話題に上がっているのが古くからの有名ジェネラルで、それらは大概強いし動きもEDH独特の楽しさがあり、何も知らない+これと決めたジェネラルのいない初心者が、それらから『最初のジェネラル』を選びがちになるので数が多くなるだろうからね。
☆《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
代表格。自分が良くプレイするグループのみならず、リンクを貰っている人でも複数聞く。
自分が知る中で今一番多くの人が研究しているジェネラル。
色が多く、能力も複数あってさらに強く、構築の幅が非常に広いのがその原因ではないかと予想。
何しろ勝ち筋が、自分が知った範囲かつある程度妥協していない構築のものだけでも
・《出産の殻/Birthing Pod》(からのモマあざみ)
・《爆破基地/Blasting Station》
・《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》(追加ターンループ)
・《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》
・《不朽の理想/Enduring Ideal》
と溢れる程に見るのだから。
まだ最近の範囲の統率者に入っていた事もあり、ジェネラルの入手が比較的簡単な事もあり、多分実際も人口が多そう。
☆《大いなる歪み、コジレック/Kozilek, the Great Distortion》
なんか出た途端にあちこちで構築している話を聞いたジェネラル。今でも対戦記録とかの話を聞くと名前がちょくちょく出てくる。
修羅の道ではあるけれど、やはり無色デッキはロマンがあるからか。
能力が、非常にEDHに向いている(ドローとカウンター)というのも構築意欲をくすぐったのではないだろうか。
☆《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》
《大いなる歪み、コジレック/Kozilek, the Great Distortion》ほどではないものの、上のジェネラルと同じく、登場と同時期に手を出した話を結構聞いたジェネラル。かくいう自分も愛用してます。
特殊なPWジェネラルという立ち位置、理解すれば単純だが奇妙かつEDH特有の《鎖のヴェール/The Chain Veil》の勝ち筋、比較的安価で組める上に強さも期待出来る青単ジェネラル、って辺りが人気の理由か。
自分は「そこそこいるくらいかなー」って思ってたんだけど、人の呟きを見てると結構生息率は高いらしい。
☆《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》
これまた《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》同様に、強く、構築の幅が広いジェネラル。
通常構築のプレイヤーにも好きな人が多いジャンドカラー、てつろーさん発の《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》型の派手な印象などから人気のあるイメージ。
☆《精神破壊者、ネクサル/Nekusar, the Mindrazer》
散発的に組んでる人が出てくるイメージのジェネラル。ホント2013年は人気ジェネラルが多いな。
色が強く、マナコストもまあ現実的な範囲で、いかにもやってくれそうな能力もあってか挑戦する人は多い。しかしさまざまな理由から微妙な弱さが露呈し、諦める人もまた多い。
そうしてそれを見て、また新たな人が「俺が強い形を作ってやる」とでも言わんばかりにネクサルを組んでくる。
自分も挑戦した。そして挫けた。
☆《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》
ザ・大味。
派手なマナ加速からどっかんどっかん大技をぶっ放す、(EDHプレイヤー外から見た)一般的なEDHデッキの代表格。
「大技」の選択肢が個人の好みで結構自由に変えられ、さらには爽快感も非常に高いのが人気の秘密か。
登場直後は今以上に人気があったジェネラルだった気がする。今だと脆さや運ゲー感満載の不安定性がバレて手に取られる率が減った感じ。
☆《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》
新時代の《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》。一時期は本当にあちこちで話題を見たりデッキに遭遇したりした気がする。
マリガンルールの変更、大渦と同じ安定感の不足などのネタが割れ、最近は人気が下降気味な印象。
とはいえまだまだ人気ジェネラルの類なのではないだろうか?
あくまで個人の印象だし、他にも出せばいくらでも出てきそうだけど、とりあえずはこんな所で。
アテリエルさん(http://120yen.diarynote.jp/201606132325387288/)としもっちさん(http://simochi1341.diarynote.jp/201606132309255601/)が、立て続けにデリーヴィーのレシピを上げていたのを見てふと思ったので。
TwitterやDN、その他ネット上でのEDHの話題を見たり、実際に対戦したり友達と話をしていると、なんか流行ってるなーって思うジェネラルが何個かあったので。
大きな公式大会もなく、ネット上での情報交換はあるものの、その基本情報をベースに局地的なメタが加わっている印象があるEDH。
しかもルール・フォーマットの性質上、近しいプレイヤー同士では同じジェネラルを避ける傾向が強い。
にも拘らず、良く名前を聞く・「良く見る」という話を聞くジェネラルが何種類か目に入ったのでその辺をならべようかなーって話題。
ただし一昔以上前から強ジェネラルという話が多く、有名なものはわざわざ話しても仕方がないので除く。代表的なところだと、エドリックとかズアーとか始祖ドラとか旧ニヴとかね。
初めてEDHに手を出して情報を調べると、どうしても沢山話題に上がっているのが古くからの有名ジェネラルで、それらは大概強いし動きもEDH独特の楽しさがあり、何も知らない+これと決めたジェネラルのいない初心者が、それらから『最初のジェネラル』を選びがちになるので数が多くなるだろうからね。
☆《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》
代表格。自分が良くプレイするグループのみならず、リンクを貰っている人でも複数聞く。
自分が知る中で今一番多くの人が研究しているジェネラル。
色が多く、能力も複数あってさらに強く、構築の幅が非常に広いのがその原因ではないかと予想。
何しろ勝ち筋が、自分が知った範囲かつある程度妥協していない構築のものだけでも
・《出産の殻/Birthing Pod》(からのモマあざみ)
・《爆破基地/Blasting Station》
・《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》
・《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》(追加ターンループ)
・《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》
・《不朽の理想/Enduring Ideal》
と溢れる程に見るのだから。
まだ最近の範囲の統率者に入っていた事もあり、ジェネラルの入手が比較的簡単な事もあり、多分実際も人口が多そう。
☆《大いなる歪み、コジレック/Kozilek, the Great Distortion》
なんか出た途端にあちこちで構築している話を聞いたジェネラル。今でも対戦記録とかの話を聞くと名前がちょくちょく出てくる。
修羅の道ではあるけれど、やはり無色デッキはロマンがあるからか。
能力が、非常にEDHに向いている(ドローとカウンター)というのも構築意欲をくすぐったのではないだろうか。
☆《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》
《大いなる歪み、コジレック/Kozilek, the Great Distortion》ほどではないものの、上のジェネラルと同じく、登場と同時期に手を出した話を結構聞いたジェネラル。かくいう自分も愛用してます。
特殊なPWジェネラルという立ち位置、理解すれば単純だが奇妙かつEDH特有の《鎖のヴェール/The Chain Veil》の勝ち筋、比較的安価で組める上に強さも期待出来る青単ジェネラル、って辺りが人気の理由か。
自分は「そこそこいるくらいかなー」って思ってたんだけど、人の呟きを見てると結構生息率は高いらしい。
☆《カーの空奪い、プローシュ/Prossh, Skyraider of Kher》
これまた《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》同様に、強く、構築の幅が広いジェネラル。
通常構築のプレイヤーにも好きな人が多いジャンドカラー、てつろーさん発の《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》型の派手な印象などから人気のあるイメージ。
☆《精神破壊者、ネクサル/Nekusar, the Mindrazer》
散発的に組んでる人が出てくるイメージのジェネラル。ホント2013年は人気ジェネラルが多いな。
色が強く、マナコストもまあ現実的な範囲で、いかにもやってくれそうな能力もあってか挑戦する人は多い。しかしさまざまな理由から微妙な弱さが露呈し、諦める人もまた多い。
そうしてそれを見て、また新たな人が「俺が強い形を作ってやる」とでも言わんばかりにネクサルを組んでくる。
自分も挑戦した。そして挫けた。
☆《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》
ザ・大味。
派手なマナ加速からどっかんどっかん大技をぶっ放す、(EDHプレイヤー外から見た)一般的なEDHデッキの代表格。
「大技」の選択肢が個人の好みで結構自由に変えられ、さらには爽快感も非常に高いのが人気の秘密か。
登場直後は今以上に人気があったジェネラルだった気がする。今だと脆さや運ゲー感満載の不安定性がバレて手に取られる率が減った感じ。
☆《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》
新時代の《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》。一時期は本当にあちこちで話題を見たりデッキに遭遇したりした気がする。
マリガンルールの変更、大渦と同じ安定感の不足などのネタが割れ、最近は人気が下降気味な印象。
とはいえまだまだ人気ジェネラルの類なのではないだろうか?
あくまで個人の印象だし、他にも出せばいくらでも出てきそうだけど、とりあえずはこんな所で。
EDHにおける戦闘のお話 &昔の記事【統率者十戒】
2016年6月8日 EDH環境考察 コメント (4)Twitterで相互フォローさせて貰ってる方々が、数日前にぽつぽつコンバット関連の事を呟いていたので、時間も出来た事だし自分も書いてみようかとなった話。
これ以外にも、ジャミラさんの7ドローの記事とかひと月くらい前にみたらしさんが呟いてた「変身タシグルとむかつき」についての話とか面白そうなネタが転がり込んで来るのはDNと合わせてTwitterはじめた収穫ですよね。
まあそんな訳で、EDHのコンバットのお話。
とはいえ、戦闘はマジックにおける重要な要素だから、他のレギュレーションに比べて効果が非常に薄いとはいえ昔に書いたりしてたんだろーなーって自分の記事を追ったらあったので、まずはそっちを張る。
という訳で焼き直しになるけれど。
EDHのコンバットについて。
☆EDHにおける戦闘の目的
大別して2つ。
それを意識したプレイングが大事だと思うのでそれを挙げていく。
◎殺す
EDHは、なんとライフが0になれば敗北します。
なので、邪魔なプレイヤーのライフを戦闘によって叩き続けると敗北させる事が出来ます。
いや何当たり前の事言ってんだ、って話なんだけど、あまりにもコンボコンボしたゲームばかりしていると忘れがちになる事だったり。
高速でゲームを決める事を目的としたコンボ戦でも、互いの妨害が噛み合って長引いた場合、「ブロッカーがいなくて暇な時に2/2くらいのシステム生物に殴られ続けていた」「《魔力の墓所/Mana Crypt》《古えの墳墓/Ancient Tomb》みたいなのを頻繁に使った」みたいな事が重なって、気が付けばライフが15くらい、なんて事は案外起こり得る。
そうなると、ビートダウンを目的としたデッキはもとより、ちょっとしたシステムクリーチャーとか《白鳥の歌/Swan Song》のトークンとかも寄ってたかって殴りに行くのが案外大きな影響を与えるようになる。
問題は、そのみんなから狙われるようになる『ライフ15くらいを切った』になるまでの間。
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》で地味に殴り続けた3ターンが、対戦相手のコンボの完成をライフ0にして阻止する鍵になる時もある。
なので忘れず殴りましょう。
◎ライフ以外のリソースアドバンテージを間接的に削る
おそらく、一番良く用いられる戦闘の目的。
本来ならば先ほど挙げた1番目の項目が最も大きく頻繁に見かける目的になるんだけれど、ライフ40×3人とか倒す必要のあるEDHだとそうもいかず。
対戦相手のライフから考えれば中途半端なダメージで我慢しなければならないのだけれど、その中途半端なダメージでも効果的な結果をもたらす場合がある。
それがこの項で挙げている『間接的にライフに繋がっているライフ以外のリソース』を削るという事である。
例えば《森の知恵/Sylvan Library》を持っているプレイヤーにとっては、4ライフが1枚のカードに繋がるリソースだし、《ネクロポーテンス/Necropotence》なら1ライフが1枚だ。
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》ならば、3ライフ削る毎に自由に出せる赤マナを1つずつ減らしていく事が出来る。
☆『ライフ以外のリソースを削る目的の戦闘』の具体的な方針
多分2番目の方がよく使われる目的ので、ざっくりと自分なりの戦闘方針の手引きを。
この目的で戦闘をする先を判断する際に大事なのが、「ライフをリソースに変換するカードが戦場に出ているか・デッキに入っている」と予想できるか。
そして、その条件が満たされた上で優先順位を決めるのが、そのリソース変換カードが「容易に、かつ一度に大量にリソース変換出来るか」「戦場に出てくる可能性がどれだけ高いか」という事。
○容易に、かつ一度に大量にリソース変換出来るか
リソース変換カードと言っても色々ある。
例えば《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》なんかは1ターンに1回しか誘発しないため、「ライフ→カード」のリソース変換が自由に出来ない。
《古えの墳墓/Ancient Tomb》も、「本来なら土地1枚からは1マナしか出ない所を、ライフを支払う事で土地1枚から2マナを出している」という見方をすれば「ライフ→マナ」のリソース変換していると言えるのだが、これもタップ能力なせいで「ライフ→マナ」のリソース変換が毎ターン1回しか使えない。
これらはリソース変換のペースが非常に遅く、それゆえに戦闘で多少ライフを削っても、即座に相手の行動を縛る状況にする事は難しい。
それに対し、《森の知恵/Sylvan Library》なら一度に8ライフまで、《ネクロポーテンス/Necropotence》《背信のオーガ/Treasonous Ogre》なら際限なくその場でリソース変換できる。
逆に言うと、その場で減らしたライフがその場で即座にリソース減少に繋がっている。
なので、いくらライフを持ちいるとは言っても、《古えの墳墓/Ancient Tomb》のようなカードを持っているプレイヤーより、《森の知恵/Sylvan Library》《背信のオーガ/Treasonous Ogre》のようなカードを持っているプレイヤーを優先的に戦闘で狙うべきである。
○戦場に出てくる可能性がどれだけ高いか
上に書いたようなカードが戦場に出ているなら話は早い。
そうでない場合、盤面や状況、カードプールを見て想像する事になる。
例えば《ネクロポーテンス/Necropotence》の場合。
・黒いカードなので、最低限黒いジェネラルである。
・黒黒黒という色拘束ゆえに、黒の濃いデッキ程投入されている確率が高い。
・エンチャントであるため、エンチャントサーチが得意な白デッキならば投入されている可能性が高いだろう。
・さらには、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》がいればサーチが出来るので、それが見えたなら使われている事が予測できる。
・ジェネラルならばなおさらだ。
例えば《背信のオーガ/Treasonous Ogre》の場合。
・赤いカードなので、最低限赤いジェネラルである。
・クリーチャーなので、サーチが得意な緑と組んでいると出てくる確率が高い。
・(例えば《意外な授かり物/Windfall》で墓地に落ちたカードを見て)継続的ではないが、一度に大量のマナを使いそうなカード(《歯と爪/Tooth and Nail》《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》など)が見えた場合、相性が良いので使われている確率が高い。
また、個別のカードを考えての判断は出来なくとも、例えば《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》がジェネラルの場合、「毎ターンライフが増える能力だ→それをリソースとして使うカードが入っていそうだ」などと想像出来るので戦闘の指針を決める助けとなるだろう。
上に書いたような盤面・状況に加えて、カードプールも判断に影響する。
黒いデッキはよりライフをリソースとするカードが多い。ゆえに判断に困ったら黒を殴ると有効な場合が多い。
大体こんな感じ?
……本当に焼き直しになったな。あんまり書き直した意味なかった。
多分《背信のオーガ/Treasonous Ogre》とかいう新カードが加わってるくらいしか変化がない。
まあいいや。書きたい事書いたしとりあえずはこんな所でー。
※ おまけ ※
戦闘関連の事書いてた気がしたからと自分の記事掘ってたら、昔書いた奴でちょっと面白いのを見つけたのでついでに張って置く。
統率者十戒
http://kakkokari.diarynote.jp/201311261817495665/
こんなの書いたのすっかり忘れてたw
ざっくり翻訳なんだけど、リンクを辿ると元記事が消えちゃってるらしいのが残念。
まあでもクソ翻訳だけどおかげで保存できてる。偉いぞ、見つけた昔の俺。
↓
(書きながら探したら公式の別のアドレスで元記事見つけた http://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/ten-commander-commandments-2013-11-24)
これ以外にも、ジャミラさんの7ドローの記事とかひと月くらい前にみたらしさんが呟いてた「変身タシグルとむかつき」についての話とか面白そうなネタが転がり込んで来るのはDNと合わせてTwitterはじめた収穫ですよね。
まあそんな訳で、EDHのコンバットのお話。
とはいえ、戦闘はマジックにおける重要な要素だから、他のレギュレーションに比べて効果が非常に薄いとはいえ昔に書いたりしてたんだろーなーって自分の記事を追ったらあったので、まずはそっちを張る。
EDH コンボデッキは誰を殴る?
http://kakkokari.diarynote.jp/201403252211433824/
コンバットが勝ち手段とはとても言えないコンボデッキが、手が空いた時に誰を殴るかを考察した記事。
……なんか記事読み返したら今回書きたい事が大体書いてたぞ。
という訳で焼き直しになるけれど。
EDHのコンバットについて。
☆EDHにおける戦闘の目的
大別して2つ。
それを意識したプレイングが大事だと思うのでそれを挙げていく。
◎殺す
EDHは、なんとライフが0になれば敗北します。
なので、邪魔なプレイヤーのライフを戦闘によって叩き続けると敗北させる事が出来ます。
いや何当たり前の事言ってんだ、って話なんだけど、あまりにもコンボコンボしたゲームばかりしていると忘れがちになる事だったり。
高速でゲームを決める事を目的としたコンボ戦でも、互いの妨害が噛み合って長引いた場合、「ブロッカーがいなくて暇な時に2/2くらいのシステム生物に殴られ続けていた」「《魔力の墓所/Mana Crypt》《古えの墳墓/Ancient Tomb》みたいなのを頻繁に使った」みたいな事が重なって、気が付けばライフが15くらい、なんて事は案外起こり得る。
そうなると、ビートダウンを目的としたデッキはもとより、ちょっとしたシステムクリーチャーとか《白鳥の歌/Swan Song》のトークンとかも寄ってたかって殴りに行くのが案外大きな影響を与えるようになる。
問題は、そのみんなから狙われるようになる『ライフ15くらいを切った』になるまでの間。
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》で地味に殴り続けた3ターンが、対戦相手のコンボの完成をライフ0にして阻止する鍵になる時もある。
なので忘れず殴りましょう。
◎ライフ以外のリソースアドバンテージを間接的に削る
おそらく、一番良く用いられる戦闘の目的。
本来ならば先ほど挙げた1番目の項目が最も大きく頻繁に見かける目的になるんだけれど、ライフ40×3人とか倒す必要のあるEDHだとそうもいかず。
対戦相手のライフから考えれば中途半端なダメージで我慢しなければならないのだけれど、その中途半端なダメージでも効果的な結果をもたらす場合がある。
それがこの項で挙げている『間接的にライフに繋がっているライフ以外のリソース』を削るという事である。
例えば《森の知恵/Sylvan Library》を持っているプレイヤーにとっては、4ライフが1枚のカードに繋がるリソースだし、《ネクロポーテンス/Necropotence》なら1ライフが1枚だ。
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》ならば、3ライフ削る毎に自由に出せる赤マナを1つずつ減らしていく事が出来る。
☆『ライフ以外のリソースを削る目的の戦闘』の具体的な方針
多分2番目の方がよく使われる目的ので、ざっくりと自分なりの戦闘方針の手引きを。
この目的で戦闘をする先を判断する際に大事なのが、「ライフをリソースに変換するカードが戦場に出ているか・デッキに入っている」と予想できるか。
そして、その条件が満たされた上で優先順位を決めるのが、そのリソース変換カードが「容易に、かつ一度に大量にリソース変換出来るか」「戦場に出てくる可能性がどれだけ高いか」という事。
○容易に、かつ一度に大量にリソース変換出来るか
リソース変換カードと言っても色々ある。
例えば《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》なんかは1ターンに1回しか誘発しないため、「ライフ→カード」のリソース変換が自由に出来ない。
《古えの墳墓/Ancient Tomb》も、「本来なら土地1枚からは1マナしか出ない所を、ライフを支払う事で土地1枚から2マナを出している」という見方をすれば「ライフ→マナ」のリソース変換していると言えるのだが、これもタップ能力なせいで「ライフ→マナ」のリソース変換が毎ターン1回しか使えない。
これらはリソース変換のペースが非常に遅く、それゆえに戦闘で多少ライフを削っても、即座に相手の行動を縛る状況にする事は難しい。
それに対し、《森の知恵/Sylvan Library》なら一度に8ライフまで、《ネクロポーテンス/Necropotence》《背信のオーガ/Treasonous Ogre》なら際限なくその場でリソース変換できる。
逆に言うと、その場で減らしたライフがその場で即座にリソース減少に繋がっている。
なので、いくらライフを持ちいるとは言っても、《古えの墳墓/Ancient Tomb》のようなカードを持っているプレイヤーより、《森の知恵/Sylvan Library》《背信のオーガ/Treasonous Ogre》のようなカードを持っているプレイヤーを優先的に戦闘で狙うべきである。
○戦場に出てくる可能性がどれだけ高いか
上に書いたようなカードが戦場に出ているなら話は早い。
そうでない場合、盤面や状況、カードプールを見て想像する事になる。
例えば《ネクロポーテンス/Necropotence》の場合。
・黒いカードなので、最低限黒いジェネラルである。
・黒黒黒という色拘束ゆえに、黒の濃いデッキ程投入されている確率が高い。
・エンチャントであるため、エンチャントサーチが得意な白デッキならば投入されている可能性が高いだろう。
・さらには、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》がいればサーチが出来るので、それが見えたなら使われている事が予測できる。
・ジェネラルならばなおさらだ。
例えば《背信のオーガ/Treasonous Ogre》の場合。
・赤いカードなので、最低限赤いジェネラルである。
・クリーチャーなので、サーチが得意な緑と組んでいると出てくる確率が高い。
・(例えば《意外な授かり物/Windfall》で墓地に落ちたカードを見て)継続的ではないが、一度に大量のマナを使いそうなカード(《歯と爪/Tooth and Nail》《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》など)が見えた場合、相性が良いので使われている確率が高い。
また、個別のカードを考えての判断は出来なくとも、例えば《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》がジェネラルの場合、「毎ターンライフが増える能力だ→それをリソースとして使うカードが入っていそうだ」などと想像出来るので戦闘の指針を決める助けとなるだろう。
上に書いたような盤面・状況に加えて、カードプールも判断に影響する。
黒いデッキはよりライフをリソースとするカードが多い。ゆえに判断に困ったら黒を殴ると有効な場合が多い。
大体こんな感じ?
……本当に焼き直しになったな。あんまり書き直した意味なかった。
多分《背信のオーガ/Treasonous Ogre》とかいう新カードが加わってるくらいしか変化がない。
まあいいや。書きたい事書いたしとりあえずはこんな所でー。
※ おまけ ※
戦闘関連の事書いてた気がしたからと自分の記事掘ってたら、昔書いた奴でちょっと面白いのを見つけたのでついでに張って置く。
統率者十戒
http://kakkokari.diarynote.jp/201311261817495665/
こんなの書いたのすっかり忘れてたw
ざっくり翻訳なんだけど、リンクを辿ると元記事が消えちゃってるらしいのが残念。
まあでもクソ翻訳だけどおかげで保存できてる。偉いぞ、見つけた昔の俺。
↓
(書きながら探したら公式の別のアドレスで元記事見つけた http://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/ten-commander-commandments-2013-11-24)
今回はノーチェンジです。
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18152
ソースのコメントざっくり適当意訳
http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18152
ソースのコメントざっくり適当意訳
イニストラードを覆う影でもたらされる楽しさを、今回の改定で失わせるつもりはない。
前回改定したルール4(固有色以外の色マナが無色に変わる)の撤廃と《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》の禁止は、バランス調整として上手くいっているように見える。
現在の環境とフォーマットの人気は満足のいくものだ。各コミュニティからのサポートには感謝だ。
EDH 置物妨害について 1
2016年2月24日 EDH環境考察久々にEDH全体を見てのざっくりした考察を書くぞ。
今回は、タイトル通り置物妨害について。
☆そもそも論
という訳で、EDHで用いる置物妨害(主に常在型能力により、対戦相手の行動を制限するパーマネントによる妨害)についての話をしようと思うのだが、そもそもの前提として、実は自分はEDHにおける置物妨害の効果を今一つ信用していない。
早速台無しだ。
理由はいくつかある。
◎勝利に貢献しない
置物妨害は自分が勝利に近付く動きに直接貢献する事がない。
自分が最速で勝ちに向かって動けているパターンでは、その速度を助ける役にも立たなければ、自分の勝利を妨げる他人の妨害に対する回答になる事も少ない。
◎設置速度が安定しない
置物妨害は、設置時点から対戦相手の行動を縛り続ける事が強みである。そのため早く設置できればそれだけ効果が大きいのだが、それが安定しない。
ハイランダーという性質に加え、強力な置物妨害は唯一無二の効果の物が多いため、十分な速度で戦場に出す事が難しい。
サーチを多めに入れるという方向性ですら、その欠点の改善には至らない。それで妨害持ってくるくらいなら《ネクロポーテンス/Necropotence》でカード引いて勝ちに行った方が早いからだ。
なお、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》のようにジェネラルにしてしまえばまあその点は解消されるのだが、そのためにわざわざ勝利に貢献しないカードをジェネラルに据えた挙句白単を選ぶのは修羅の道過ぎる。
◎効果が安定しない
置物妨害は、どうしても効果が限定的で、汎用性が低い事が多い。
そのため、設置出来てもその費用対効果に見合った効果が発揮できるとは限らない。
安定して強い効果の置物も幾つかあるのだが、今度はマナコストが重めになってしまい、最速設置がより安定せず、設置出来てもテンポ面で損を被る。
といった辺りが主な理由である。
多くの場合、置物妨害の部分をカウンターや万能除去なんかに使った方が安定すると自分は考えている。
なぜなら、カウンターや除去は、置物妨害のような防御的な使い方のみならず、自分の勝ち手段に対する妨害を跳ね除ける攻撃的な使い方が出来るため、先行している時でも後を追っている時でも引いて役立つ事が多いためである。
☆それでも、置物妨害を使う理由
そんな訳であまり置物妨害を好まない自分であるが、それでもデッキに置物妨害が入る事がある。カウンターや除去でいいと思っているのに、置物妨害が入ったデッキも組む。
理由は単純。
「そもそも青いデッキじゃないとカウンターが入れられない」
「除去では対処出来ない勝ち筋が存在する」
「自分の勝ち筋よりも早い勝ち筋が存在する」
という3点である。
◎例えば《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》からの《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》による勝ち筋は、すべてソーサリーのみで構成されるため、除去が効かず、打ち消しでの対処が求められる。
青いデッキなら打消しを入れておけば事足りるのだが、青くないデッキは墓地対策で対抗しなければならない。
《外科的摘出/Surgical Extraction》のようなインスタントで対処するのも一つの手だが、墓地対策インスタントは、手札で構える必要のあるインスタント除去しては範囲が狭すぎる。クリーチャー除去やアーティファクト除去に比べ、勝ち筋潰し以外での使い道が薄く、手札で腐る事が多い。当然、利点である「攻めの使い道」もない。
どうせ防御的なものと割り切るのなら、インスタントに拘らず、《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》や《呪われたトーテム像/Cursed Totem》の方が、より範囲が広く、先置きするのでマナや手札の融通も利くので便利だ。
そんな訳で、自分は主に「カウンターも使えない色」の、「通常の除去だけでは対処できない勝ち筋に対抗する目的」で置物妨害をデッキに入れる。
◎また、速度的な問題で採用する事も多い。
テンポこそが強さとなるEDHではあるのだが、ジェネラルや色の関係で、どうしても遅めのデッキにしないと強くならないジェネラルはある。
そんなデッキに於いては、最速を目指すだけでは負ける事が多いため、勝ちを目指しながらも対戦相手の行動を減速する必要がある。
先述したように、妨害置物は効果や設置速度が安定しない。
安定した強さを持つカードは重く、テンポを失うため手が遅れる。
それでも、カードとマナというリソースを使い、自分の行動を1、2ターン遅らせながら、対戦相手の最速行動を4、5ターン遅延する必要のあるデッキもあるのである。
そのまま真っ直ぐ行っても勝てないのだから仕方がないのだ。
この辺りが、妨害置物の強さや存在意義に関する自分なりの考えである。
今回はここまで。
次回は実際の置物妨害カードについて、具体例を出しつつ強みや弱みを解説していく予定。
今回は、タイトル通り置物妨害について。
☆そもそも論
という訳で、EDHで用いる置物妨害(主に常在型能力により、対戦相手の行動を制限するパーマネントによる妨害)についての話をしようと思うのだが、そもそもの前提として、実は自分はEDHにおける置物妨害の効果を今一つ信用していない。
早速台無しだ。
理由はいくつかある。
◎勝利に貢献しない
置物妨害は自分が勝利に近付く動きに直接貢献する事がない。
自分が最速で勝ちに向かって動けているパターンでは、その速度を助ける役にも立たなければ、自分の勝利を妨げる他人の妨害に対する回答になる事も少ない。
◎設置速度が安定しない
置物妨害は、設置時点から対戦相手の行動を縛り続ける事が強みである。そのため早く設置できればそれだけ効果が大きいのだが、それが安定しない。
ハイランダーという性質に加え、強力な置物妨害は唯一無二の効果の物が多いため、十分な速度で戦場に出す事が難しい。
サーチを多めに入れるという方向性ですら、その欠点の改善には至らない。それで妨害持ってくるくらいなら《ネクロポーテンス/Necropotence》でカード引いて勝ちに行った方が早いからだ。
なお、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》のようにジェネラルにしてしまえばまあその点は解消されるのだが、そのためにわざわざ勝利に貢献しないカードをジェネラルに据えた挙句白単を選ぶのは修羅の道過ぎる。
◎効果が安定しない
置物妨害は、どうしても効果が限定的で、汎用性が低い事が多い。
そのため、設置出来てもその費用対効果に見合った効果が発揮できるとは限らない。
安定して強い効果の置物も幾つかあるのだが、今度はマナコストが重めになってしまい、最速設置がより安定せず、設置出来てもテンポ面で損を被る。
といった辺りが主な理由である。
多くの場合、置物妨害の部分をカウンターや万能除去なんかに使った方が安定すると自分は考えている。
なぜなら、カウンターや除去は、置物妨害のような防御的な使い方のみならず、自分の勝ち手段に対する妨害を跳ね除ける攻撃的な使い方が出来るため、先行している時でも後を追っている時でも引いて役立つ事が多いためである。
☆それでも、置物妨害を使う理由
そんな訳であまり置物妨害を好まない自分であるが、それでもデッキに置物妨害が入る事がある。カウンターや除去でいいと思っているのに、置物妨害が入ったデッキも組む。
理由は単純。
「そもそも青いデッキじゃないとカウンターが入れられない」
「除去では対処出来ない勝ち筋が存在する」
「自分の勝ち筋よりも早い勝ち筋が存在する」
という3点である。
◎例えば《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》からの《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》による勝ち筋は、すべてソーサリーのみで構成されるため、除去が効かず、打ち消しでの対処が求められる。
青いデッキなら打消しを入れておけば事足りるのだが、青くないデッキは墓地対策で対抗しなければならない。
《外科的摘出/Surgical Extraction》のようなインスタントで対処するのも一つの手だが、墓地対策インスタントは、手札で構える必要のあるインスタント除去しては範囲が狭すぎる。クリーチャー除去やアーティファクト除去に比べ、勝ち筋潰し以外での使い道が薄く、手札で腐る事が多い。当然、利点である「攻めの使い道」もない。
どうせ防御的なものと割り切るのなら、インスタントに拘らず、《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》や《呪われたトーテム像/Cursed Totem》の方が、より範囲が広く、先置きするのでマナや手札の融通も利くので便利だ。
そんな訳で、自分は主に「カウンターも使えない色」の、「通常の除去だけでは対処できない勝ち筋に対抗する目的」で置物妨害をデッキに入れる。
◎また、速度的な問題で採用する事も多い。
テンポこそが強さとなるEDHではあるのだが、ジェネラルや色の関係で、どうしても遅めのデッキにしないと強くならないジェネラルはある。
そんなデッキに於いては、最速を目指すだけでは負ける事が多いため、勝ちを目指しながらも対戦相手の行動を減速する必要がある。
先述したように、妨害置物は効果や設置速度が安定しない。
安定した強さを持つカードは重く、テンポを失うため手が遅れる。
それでも、カードとマナというリソースを使い、自分の行動を1、2ターン遅らせながら、対戦相手の最速行動を4、5ターン遅延する必要のあるデッキもあるのである。
そのまま真っ直ぐ行っても勝てないのだから仕方がないのだ。
この辺りが、妨害置物の強さや存在意義に関する自分なりの考えである。
今回はここまで。
次回は実際の置物妨害カードについて、具体例を出しつつ強みや弱みを解説していく予定。
EDH バンクバーマリガンの感触(机上の空論込み)
2016年1月24日 EDH環境考察 コメント (4)EDHのルール変更により、部分パリ式マリガンから、初回フリーマリガン+バンクーバーマリガンに変わって数日。
DNやTwitterで結構な数の感触も上がっていたし、実際自分もデッキを回してみたりした。
そこで今回は、あくまで自分の見えた範囲内だけど、その辺りのまとめを書いてみようかな、と。
現時点で、まんてさんが特に詳しく記事を書いてくださっている(http://mantenokariaka.diarynote.jp/201601240249044886/)ので今更感はあるのだけれどw
☆土地枚数への影響
元のデッキから、気持ち土地を増やした人が多い模様。
しかしながら、元のデッキの土地が30枚前後のプレイヤーが、公式で実際に提示していた枚数である37枚あたりまで増やした例は見られなかった。
良く見られた増加量は枚数にして1~3枚、比率にすると3~10%程度。
☆元のデッキのまま、実際にデッキを回してみた感触
◎大して影響なくデッキが回った
・ジェネラルキャストだけでデッキの動きが完成するデッキの内、マナソース偏重のもの
・ドローと軽量マナファクトが中心の青茶系
・1マナエルフや繁茂などが加速の中心である緑絡みの2~3色系
・土地の多い、一部特殊なデッキ(《上位の大蛇、ささ弥/Sasaya, Orochi Ascendant》など)
・デッキの中身が金太郎飴な、同じ役割のカードが山ほど入ったデッキ
初手の不安定ささえ乗り切れば、あとは今までとゲームが変わらない。
土地が元から多いデッキはマリガンで土地が詰まる可能性が低いし、軽めのマナ加速が多めに入っているのなら、土地が伸びないまでもマナが詰まって身動きが取れない程ではない。
そのため、序盤の動きが安定しやすい、軽めの加速を持つデッキは安定性があまり落ちていないようだ。
また、マリガンルールの変更により初手の安定性が下がった影響で、「必ず初手にある」ジェネラルの価値がより強くなったようだ。
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》のような、デッキの中身の大半がマナ加速で、マナ加速してジェネラル叩きつけるだけのデッキはそこまで動きに変化がない。
マナ加速編重デッキと同じく、デッキの中身が金太郎飴のデッキも元からマリガンで特定のカードを除ける必要性が薄いので安定性が高い。
どちらかというと、こちら寄りの意見の方を多く見かけたような気がしている。
一番見たのが「平均速度は少し(最速キル速度にして1~2ターン)落ちたけれど、まともにゲームが出来ない程ではない」くらいの感触。
◎明らかに事故率が上がったり大幅に速度が落ちたりした
・数枚のカードに勝ち筋の全てを頼る《むかつき/Ad Nauseam》デッキ
・手札に来てもキャストしにくい重いカードが多めに入ったデッキ
・フィニッシュ時前提のコンボパーツや特殊な役目のカードがデッキに多く入っている系
まず1番目、みんな大嫌いむかつきデッキ。
数枚のチューターをキープ基準としていたむかつきデッキは安定性が大幅ダウン。
最高速度こそ変わらないものの、かなり厳しい妥協キープ(マナ加速十分のチューター待ち5枚ハンドなど)が発生する率は大分上がった。
2番目は、《アニマのメイエル/Mayael the Anima》《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》辺りが代表格。
初手にあった邪魔なカード2、3枚をマナ加速や土地に変わる事を期待して交換出来なくなったため、速度自体が1段ダウン。
それに加えて、デッキの性質上ドローも安定しない(土地やマナ加速でなく重いカードを引く可能性がある)ため、初手でジェネラルキャスト分までのマナが準備出来ていないとかなり不安定。
3番目は、《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》や《擬態の原形質/The Mimeoplasm》、一部《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》など。
手札に来たらさっさと捨てたい、ライブラリーか墓地にいてくれってレベルのゴミカードが多く、初手が安定しにくい。
特にライブラリーにいてくれジャンルのカードが手札に居座るのが辛い。
この中では捨てたりキャストしたりで十分対応できるバルソーが一番影響が少ない。
原形質もルーティングスペルで対応可能なのだが、そこが上手く噛み合うのも運次第なので事故率が上がっている。
以前なら、例え手札が減るだけだろうと喜んで1枚埋めしていた初手の《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》や《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》が一番影響デカイ奴らか。
☆土地以外のデッキ内容への影響
マナ加速・ドローは軽いものにシフト傾向。初手、あるいは序盤に来て嬉しいかどうかの重要性がアップ。
逆に、終盤向きの、高コスト重アドバンテージカードは減少傾向。
上に書いた通り、動きの安定するジェネラル中心の構築に有利が付き気味。
チューターを駆使して、勝ちパターンを力強く引き寄せる統率者領域にはないカード、”真のジェネラル”(例:禁止になった《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》など)に頼る系統のデッキは不安定になるので依存度を下げる方向に。
フィニッシュまで役に立たない、重たいコンボパーツは忌避傾向。
軽ければ、初手にあってもちょっと暇が出来た時に先置き出来るのでまだマシだが、重たい、単体だと使いにくいカードだとそうはいかない。
以前ならマリガンで変換できたが、今だと初手から居座り続けてずっと潜在的なディスアドになり続けるので可能な限り避けられる。
☆強くなったデッキ、弱くなったデッキ
・バランスの悪い構築だった一部強デッキが弱体化
むかつき、ナーセット、大渦など
・ごちゃごちゃしたゴミカードに頼って強デッキに喰らいついていた中堅下位デッキは安定性の低下により弱体化
・洗練された無駄牌の少なさが売りだった、一般的な強デッキは安定性があまり下がらないので相対的に強化
・全体的に速度が落ちているので、殴る猶予の増えたビートダウンは強化
・同じく、ゲームを長引かせて消耗戦に持ち込みたいロック系デッキも強化
こんな印象。
自分の意見が強く出ているので、必ずしも客観的な感想とは言えないけれど、大体こんな感じかなー、と。
今後の構築、メタゲームの参考になれば。
DNやTwitterで結構な数の感触も上がっていたし、実際自分もデッキを回してみたりした。
そこで今回は、あくまで自分の見えた範囲内だけど、その辺りのまとめを書いてみようかな、と。
現時点で、まんてさんが特に詳しく記事を書いてくださっている(http://mantenokariaka.diarynote.jp/201601240249044886/)ので今更感はあるのだけれどw
☆土地枚数への影響
元のデッキから、気持ち土地を増やした人が多い模様。
しかしながら、元のデッキの土地が30枚前後のプレイヤーが、公式で実際に提示していた枚数である37枚あたりまで増やした例は見られなかった。
良く見られた増加量は枚数にして1~3枚、比率にすると3~10%程度。
☆元のデッキのまま、実際にデッキを回してみた感触
◎大して影響なくデッキが回った
・ジェネラルキャストだけでデッキの動きが完成するデッキの内、マナソース偏重のもの
・ドローと軽量マナファクトが中心の青茶系
・1マナエルフや繁茂などが加速の中心である緑絡みの2~3色系
・土地の多い、一部特殊なデッキ(《上位の大蛇、ささ弥/Sasaya, Orochi Ascendant》など)
・デッキの中身が金太郎飴な、同じ役割のカードが山ほど入ったデッキ
初手の不安定ささえ乗り切れば、あとは今までとゲームが変わらない。
土地が元から多いデッキはマリガンで土地が詰まる可能性が低いし、軽めのマナ加速が多めに入っているのなら、土地が伸びないまでもマナが詰まって身動きが取れない程ではない。
そのため、序盤の動きが安定しやすい、軽めの加速を持つデッキは安定性があまり落ちていないようだ。
また、マリガンルールの変更により初手の安定性が下がった影響で、「必ず初手にある」ジェネラルの価値がより強くなったようだ。
《山賊の頭、伍堂/Godo, Bandit Warlord》のような、デッキの中身の大半がマナ加速で、マナ加速してジェネラル叩きつけるだけのデッキはそこまで動きに変化がない。
マナ加速編重デッキと同じく、デッキの中身が金太郎飴のデッキも元からマリガンで特定のカードを除ける必要性が薄いので安定性が高い。
どちらかというと、こちら寄りの意見の方を多く見かけたような気がしている。
一番見たのが「平均速度は少し(最速キル速度にして1~2ターン)落ちたけれど、まともにゲームが出来ない程ではない」くらいの感触。
◎明らかに事故率が上がったり大幅に速度が落ちたりした
・数枚のカードに勝ち筋の全てを頼る《むかつき/Ad Nauseam》デッキ
・手札に来てもキャストしにくい重いカードが多めに入ったデッキ
・フィニッシュ時前提のコンボパーツや特殊な役目のカードがデッキに多く入っている系
まず1番目、みんな大嫌いむかつきデッキ。
数枚のチューターをキープ基準としていたむかつきデッキは安定性が大幅ダウン。
最高速度こそ変わらないものの、かなり厳しい妥協キープ(マナ加速十分のチューター待ち5枚ハンドなど)が発生する率は大分上がった。
2番目は、《アニマのメイエル/Mayael the Anima》《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》辺りが代表格。
初手にあった邪魔なカード2、3枚をマナ加速や土地に変わる事を期待して交換出来なくなったため、速度自体が1段ダウン。
それに加えて、デッキの性質上ドローも安定しない(土地やマナ加速でなく重いカードを引く可能性がある)ため、初手でジェネラルキャスト分までのマナが準備出来ていないとかなり不安定。
3番目は、《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》や《擬態の原形質/The Mimeoplasm》、一部《始祖ドラゴンの末裔/Scion of the Ur-Dragon》など。
手札に来たらさっさと捨てたい、ライブラリーか墓地にいてくれってレベルのゴミカードが多く、初手が安定しにくい。
特にライブラリーにいてくれジャンルのカードが手札に居座るのが辛い。
この中では捨てたりキャストしたりで十分対応できるバルソーが一番影響が少ない。
原形質もルーティングスペルで対応可能なのだが、そこが上手く噛み合うのも運次第なので事故率が上がっている。
以前なら、例え手札が減るだけだろうと喜んで1枚埋めしていた初手の《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》や《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》が一番影響デカイ奴らか。
☆土地以外のデッキ内容への影響
マナ加速・ドローは軽いものにシフト傾向。初手、あるいは序盤に来て嬉しいかどうかの重要性がアップ。
逆に、終盤向きの、高コスト重アドバンテージカードは減少傾向。
上に書いた通り、動きの安定するジェネラル中心の構築に有利が付き気味。
チューターを駆使して、勝ちパターンを力強く引き寄せる統率者領域にはないカード、”真のジェネラル”(例:禁止になった《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》など)に頼る系統のデッキは不安定になるので依存度を下げる方向に。
フィニッシュまで役に立たない、重たいコンボパーツは忌避傾向。
軽ければ、初手にあってもちょっと暇が出来た時に先置き出来るのでまだマシだが、重たい、単体だと使いにくいカードだとそうはいかない。
以前ならマリガンで変換できたが、今だと初手から居座り続けてずっと潜在的なディスアドになり続けるので可能な限り避けられる。
☆強くなったデッキ、弱くなったデッキ
・バランスの悪い構築だった一部強デッキが弱体化
むかつき、ナーセット、大渦など
・ごちゃごちゃしたゴミカードに頼って強デッキに喰らいついていた中堅下位デッキは安定性の低下により弱体化
・洗練された無駄牌の少なさが売りだった、一般的な強デッキは安定性があまり下がらないので相対的に強化
・全体的に速度が落ちているので、殴る猶予の増えたビートダウンは強化
・同じく、ゲームを長引かせて消耗戦に持ち込みたいロック系デッキも強化
こんな印象。
自分の意見が強く出ているので、必ずしも客観的な感想とは言えないけれど、大体こんな感じかなー、と。
今後の構築、メタゲームの参考になれば。
EDH禁止改訂&ルール変更、およびそれに伴う今後の環境考察 2
2016年1月19日 EDH環境考察 コメント (3)前回(http://kakkokari.diarynote.jp/201601192151526990/)の続き。
☆ルール4の撤廃
恐らくはゲートウォッチの誓いで登場した、「無色マナを色拘束とするカード」に対する配慮。
今までは、色マナが無色マナに変わる事がデメリットでしかなかったので、このルールは問題なく機能していたのだが、いわゆる「無色の色拘束」の登場により、黒でないデッキで《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》を採用して無色マナを出し、無色スペルを使うといった意図しないメリットが発生するようになってしまうので、それは良くないとルールチームが判断したのだろう。
結果、各デッキでは固有色以外の色を発生させる事が出来るようになり、さまざまな副次的効果が発生した。
◎烈日・収斂
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》が、無色デッキや黒単デッキでもX=2以上の数の蓄積カウンターを置けるようになった。
《五元のプリズム/Pentad Prism》が、単色デッキでもマナ加速として十分な効果を発揮できるようになった。
《白日の下に/Bring to Light》が、青緑デッキでも3マナ以上のカードを持って来れるようになった。
などなど。
基本的に強化されたと考えていいだろう。
十分な効果を発揮するためには、《統率の塔/Command Tower》や《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》などのカードが必要。
特に土地の場合はデメリットが少ない物も結構あるので、単色でも《統率の塔/Command Tower》や《マナの合流点/Mana Confluence》なんかは採用されるようになるかもしれない。
◎無色スペルと茶系デッキ
ルール4の撤廃により、簡単に無色マナを発生させる事が出来なくなった。
特に2色、3色のデッキの場合は無色マナの確保が難しく、優秀な無色スペルをデッキに投入する事が難しい。
だが、アーティファクトで加速する単色デッキなどは元から「アーティファクトから無色しか出なくてダブルシンボルが辛い」なんて言い出すような色マナの出なさっぷりだったので、逆に無色の色拘束を有効なカードプールとして利用できそうである。
今までは2色、3色のデッキと比べると単純に狭いだけのプールだったのだが、これからは少しだけ格差が縮まりそう。
今後のカードの追加次第では、単色デッキは単色デッキではなく、1色+無色の2色デッキに変わっていくのかも知れない。
逆に、クリーチャーやランプスペル、土地エンチャントで加速する緑系デッキは緑マナは良く出るのだが無色マナは出にくい。緑単色でも無色と仲良くするのは少し工夫がいるかも知れない。
◎一部ジェネラル・カード
《センの三つ子/Sen Triplets》《狂気を操る者チェイナー/Chainer, Dementia Master》《擬態の原形質/The Mimeoplasm》など、ある程度他人のカードを使う事が想定されるジェネラルはパワーアップしたと言っていい。
これらは、ルール4の撤廃により、自分の固有色外にある他人のパワーカードの起動型能力を起動できるようになった。
逆に弱体化したのが《寛大なるゼドルー/Zedruu the Greathearted》。
元から微妙なジェネラルだったが、《天界の曙光/Celestial Dawn》とのコンボすらなくなってしまった。
また、単体のカードでも他人の固有色が出せると嬉しいカードがいくつかある。
代表例は《法務官の掌握/Praetor’s Grasp》。
以前は自分の固有色に準じたカードを持ってこないと微妙だったが、《統率の塔/Command Tower》などのカードがあれば、他人の強力カードを十全に使用する事が出来るようになった。
☆《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》の禁止
これまで解説したルール変更に比べれば、流石に影響は少ないと思っている。
ただ、特に本人がドローソースになったり、何度も起動出来る起動型能力を持つジェネラルのデッキでは非常に強力だったので、そういったジェネラルの影響はかなり大きいだろう。
特に、起動型能力持ち、かつそれがドローソースという《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》にとってはかなりのマイナスになりそう。
ある程度マナ基盤の整った状態だと、アレぶっちゃけ《時間の伸長/Time Stretch》より強かったし。
以上。
ルールの大きな変更により、全てのデッキは変化を避けられなそうである。
ゲーム速度の減速、デッキ内のカードパワーとデッキの安定性の低下、と、EDHの理念である『ジェネラルを活かすゲーム』という部分がより強く出る方向性の変更なので、ゲーム的には良い変化なのかも知れない。
実際のゲームがより楽しくなるのか盛り下がるのかは……まあ、実際に遊んでみてからという事で。
☆ルール4の撤廃
恐らくはゲートウォッチの誓いで登場した、「無色マナを色拘束とするカード」に対する配慮。
今までは、色マナが無色マナに変わる事がデメリットでしかなかったので、このルールは問題なく機能していたのだが、いわゆる「無色の色拘束」の登場により、黒でないデッキで《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》を採用して無色マナを出し、無色スペルを使うといった意図しないメリットが発生するようになってしまうので、それは良くないとルールチームが判断したのだろう。
結果、各デッキでは固有色以外の色を発生させる事が出来るようになり、さまざまな副次的効果が発生した。
◎烈日・収斂
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》が、無色デッキや黒単デッキでもX=2以上の数の蓄積カウンターを置けるようになった。
《五元のプリズム/Pentad Prism》が、単色デッキでもマナ加速として十分な効果を発揮できるようになった。
《白日の下に/Bring to Light》が、青緑デッキでも3マナ以上のカードを持って来れるようになった。
などなど。
基本的に強化されたと考えていいだろう。
十分な効果を発揮するためには、《統率の塔/Command Tower》や《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》などのカードが必要。
特に土地の場合はデメリットが少ない物も結構あるので、単色でも《統率の塔/Command Tower》や《マナの合流点/Mana Confluence》なんかは採用されるようになるかもしれない。
◎無色スペルと茶系デッキ
ルール4の撤廃により、簡単に無色マナを発生させる事が出来なくなった。
特に2色、3色のデッキの場合は無色マナの確保が難しく、優秀な無色スペルをデッキに投入する事が難しい。
だが、アーティファクトで加速する単色デッキなどは元から「アーティファクトから無色しか出なくてダブルシンボルが辛い」なんて言い出すような色マナの出なさっぷりだったので、逆に無色の色拘束を有効なカードプールとして利用できそうである。
今までは2色、3色のデッキと比べると単純に狭いだけのプールだったのだが、これからは少しだけ格差が縮まりそう。
今後のカードの追加次第では、単色デッキは単色デッキではなく、1色+無色の2色デッキに変わっていくのかも知れない。
逆に、クリーチャーやランプスペル、土地エンチャントで加速する緑系デッキは緑マナは良く出るのだが無色マナは出にくい。緑単色でも無色と仲良くするのは少し工夫がいるかも知れない。
◎一部ジェネラル・カード
《センの三つ子/Sen Triplets》《狂気を操る者チェイナー/Chainer, Dementia Master》《擬態の原形質/The Mimeoplasm》など、ある程度他人のカードを使う事が想定されるジェネラルはパワーアップしたと言っていい。
これらは、ルール4の撤廃により、自分の固有色外にある他人のパワーカードの起動型能力を起動できるようになった。
逆に弱体化したのが《寛大なるゼドルー/Zedruu the Greathearted》。
元から微妙なジェネラルだったが、《天界の曙光/Celestial Dawn》とのコンボすらなくなってしまった。
また、単体のカードでも他人の固有色が出せると嬉しいカードがいくつかある。
代表例は《法務官の掌握/Praetor’s Grasp》。
以前は自分の固有色に準じたカードを持ってこないと微妙だったが、《統率の塔/Command Tower》などのカードがあれば、他人の強力カードを十全に使用する事が出来るようになった。
☆《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》の禁止
これまで解説したルール変更に比べれば、流石に影響は少ないと思っている。
ただ、特に本人がドローソースになったり、何度も起動出来る起動型能力を持つジェネラルのデッキでは非常に強力だったので、そういったジェネラルの影響はかなり大きいだろう。
特に、起動型能力持ち、かつそれがドローソースという《スリヴァーの首領/Sliver Overlord》にとってはかなりのマイナスになりそう。
ある程度マナ基盤の整った状態だと、アレぶっちゃけ《時間の伸長/Time Stretch》より強かったし。
以上。
ルールの大きな変更により、全てのデッキは変化を避けられなそうである。
ゲーム速度の減速、デッキ内のカードパワーとデッキの安定性の低下、と、EDHの理念である『ジェネラルを活かすゲーム』という部分がより強く出る方向性の変更なので、ゲーム的には良い変化なのかも知れない。
実際のゲームがより楽しくなるのか盛り下がるのかは……まあ、実際に遊んでみてからという事で。
EDH禁止改訂&ルール変更、およびそれに伴う今後の環境考察 1
2016年1月19日 EDH環境考察昨日の深夜、統率者戦の禁止改訂が発表になりました。
(http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18057)
概要は、
というもの。
また、このアナウンスの最後に、『マリガンで毎回シャッフルするのは時間がかかって面倒だから、キープする手札になるまで、手札をライブラリーに混ぜずに脇に退けてはライブラリーから新たな手札を引いていくやり方を推奨する』とあります。
ただ、これはあくまでアナウンスしている人の個人的な推奨なので、ルールとしては毎回手札を混ぜてシャッフルするのが正しいので注意。
今回の変更は、EDHの環境に非常に大きな影響を与える事が予想される。
という訳で、新ルール採用後の環境について自分なりに考えていきたい。
☆マリガンルール変更
今まで採用されていた部分パリ式マリガンは、特定の(特に序盤に欲しい)カードを手札に残し、後半に引きたいカードだけをマリガンし続ける事が出来た。
そのため、序盤から強力な動き(特にマナ加速)が出来る手札が他のフォーマットに比べて非常にキープしやすくなっていた。その上でライブラリーには後半強いカードも入っているので、長引いても強い動きが容易だった。
また、手札に適切な枚数の土地を確保するのも容易であり(足りなければ多くの手札を脇に退けて高確率で土地を引けるし、余っていれば土地をマリガンで脇に退けてしまえばよい)それゆえにデッキの土地の枚数を絞っても問題なく動くデッキ構築が可能だった。
これらの要素が無くなる事により、
といった環境の変化が予想される。
もはや、後半にしか使わないカードだけを除けた初手を作るのは不可能になったし、マリガンに期待して土地の枚数を絞ってスペルを詰め込む構築も認められない。
今後は、
事が予想される。
また、この要素により「デッキのマナベースが強固に、スペルが軽めに移行する事から、マナフラッドが起こりやすくなる」≒「デッキの中身が弱くなる」ので、副次的に、
事だろう。
これからはジェネラルの強さ、特にジェネラル1枚で戦えるかどうかの勝ちが非常に大きくなりそうだ。
特に《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》のようにデッキが金太郎飴だったり、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のようにジェネラルキャストがそう難しくなく、そこまで繋げさえすれば安定した勝ちパターンムーブが出来るジェネラルは相対的に強化されそうである。
ただ、ジェネラル1枚で勝てる系デッキでも弱体化しているものは存在する。
《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》や《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》のような、ライブラリーの重いスペルを踏み倒すデッキは初手にやってくる重量級のカードの山に苦労する事になるだろう。
また、部分パリ式マリガンによって強引に《むかつき/Ad Nauseam》に繋いでいた《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》をはじめとする「むかつきデッキ」も弱体化が予想される。
安定してサーチを初手に仕込む事が難しくなり、マナスクリューこそ起こしにくいものの、以前よりも初動が遅くなるパターンが増えると予想される。
ここまで書いて来たような構築環境の変化により、今後は全体的にゲームスピードが遅くなる事が予想される。
初手に《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》を確保出来る環境は過去のものとなる。
これからは、大量の印鑑とタリスマン、それから安定して3ターン目までセットできるだけの土地という感じのマナベース・速度が標準的なものとなるだろう。
相対的に、《繁茂/Wild Growth》《極楽鳥/Birds of Paradise》などのマナ加速を複数有する緑デッキは速度面で他の色よりも優位に立つ事が予想される。
ただ、その優位がどれほどの物かはまだ未知数だ。「青茶系のアーティファクト加速>緑のクリーチャー加速」というトップスピードの差は変わらないため、その優位は青茶系の安定性がどこまで落ちるかにかかっている。
今回のマリガン変更による、構築環境への主な影響はこんな所だろうか。
個人的には、このマリガンルールの変更が今回の変更の中で最も影響力があるものだったと思う。
長くなったので残りは次回。
ルール4に関してはマリガンほどの影響はないし、そこまで長くはならないはずなので次は2つまとめて。
(http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18057)
概要は、
☆マリガンルールの変更
部分パリ式マリガンから、多人数戦用バンクーバーマリガンに変更。
手札が気に入らなければ、それをライブラリーに混ぜ、混ぜた枚数から1引いた数を改めて引き直しても良い。 ただし、1回目は枚数が減らず7枚引ける。
気に入った手札になった時点で手札が6枚以下の場合、占術1を行う。
☆ルール4の撤廃
「統率者の固有色以外の色のマナがマナプールに加わる場合、代わりにそれと同数の無色のマナを加える」というルールが撤廃された。
☆《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》禁止
というもの。
また、このアナウンスの最後に、『マリガンで毎回シャッフルするのは時間がかかって面倒だから、キープする手札になるまで、手札をライブラリーに混ぜずに脇に退けてはライブラリーから新たな手札を引いていくやり方を推奨する』とあります。
ただ、これはあくまでアナウンスしている人の個人的な推奨なので、ルールとしては毎回手札を混ぜてシャッフルするのが正しいので注意。
今回の変更は、EDHの環境に非常に大きな影響を与える事が予想される。
という訳で、新ルール採用後の環境について自分なりに考えていきたい。
☆マリガンルール変更
今まで採用されていた部分パリ式マリガンは、特定の(特に序盤に欲しい)カードを手札に残し、後半に引きたいカードだけをマリガンし続ける事が出来た。
そのため、序盤から強力な動き(特にマナ加速)が出来る手札が他のフォーマットに比べて非常にキープしやすくなっていた。その上でライブラリーには後半強いカードも入っているので、長引いても強い動きが容易だった。
また、手札に適切な枚数の土地を確保するのも容易であり(足りなければ多くの手札を脇に退けて高確率で土地を引けるし、余っていれば土地をマリガンで脇に退けてしまえばよい)それゆえにデッキの土地の枚数を絞っても問題なく動くデッキ構築が可能だった。
これらの要素が無くなる事により、
・初手には全くいらない、終盤に強い重たいカードの価値の下落
・土地の枚数を増やさなければマナスクリューが起こりやすくなる
といった環境の変化が予想される。
もはや、後半にしか使わないカードだけを除けた初手を作るのは不可能になったし、マリガンに期待して土地の枚数を絞ってスペルを詰め込む構築も認められない。
今後は、
・マナベース、特に土地の枚数が増える
・いつ引いてもそこそこ強い、軽く優秀なスペルの割合が上がる
事が予想される。
また、この要素により「デッキのマナベースが強固に、スペルが軽めに移行する事から、マナフラッドが起こりやすくなる」≒「デッキの中身が弱くなる」ので、副次的に、
マナフラッドにも対処出来、唯一「初手にある・再キャスト出来る」性質が変わっていないために安定性が高いままであるジェネラルの強さの影響が大きくなる。
事だろう。
これからはジェネラルの強さ、特にジェネラル1枚で戦えるかどうかの勝ちが非常に大きくなりそうだ。
特に《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》のようにデッキが金太郎飴だったり、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のようにジェネラルキャストがそう難しくなく、そこまで繋げさえすれば安定した勝ちパターンムーブが出来るジェネラルは相対的に強化されそうである。
ただ、ジェネラル1枚で勝てる系デッキでも弱体化しているものは存在する。
《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》や《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》のような、ライブラリーの重いスペルを踏み倒すデッキは初手にやってくる重量級のカードの山に苦労する事になるだろう。
また、部分パリ式マリガンによって強引に《むかつき/Ad Nauseam》に繋いでいた《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Ascetic》をはじめとする「むかつきデッキ」も弱体化が予想される。
安定してサーチを初手に仕込む事が難しくなり、マナスクリューこそ起こしにくいものの、以前よりも初動が遅くなるパターンが増えると予想される。
ここまで書いて来たような構築環境の変化により、今後は全体的にゲームスピードが遅くなる事が予想される。
初手に《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》を確保出来る環境は過去のものとなる。
これからは、大量の印鑑とタリスマン、それから安定して3ターン目までセットできるだけの土地という感じのマナベース・速度が標準的なものとなるだろう。
相対的に、《繁茂/Wild Growth》《極楽鳥/Birds of Paradise》などのマナ加速を複数有する緑デッキは速度面で他の色よりも優位に立つ事が予想される。
ただ、その優位がどれほどの物かはまだ未知数だ。「青茶系のアーティファクト加速>緑のクリーチャー加速」というトップスピードの差は変わらないため、その優位は青茶系の安定性がどこまで落ちるかにかかっている。
今回のマリガン変更による、構築環境への主な影響はこんな所だろうか。
個人的には、このマリガンルールの変更が今回の変更の中で最も影響力があるものだったと思う。
長くなったので残りは次回。
ルール4に関してはマリガンほどの影響はないし、そこまで長くはならないはずなので次は2つまとめて。
EDH プレイングの基本
2016年1月2日 EDH環境考察 コメント (5)EDHは多人数戦のため、ゲームが複雑になりがちで正着手を見つけるのが非常に難しい。
そもそも一対一の対戦と違い、完全な正着手が無い場合の方が多い。
対戦相手の気まぐれや、知識不足や注意不足によるプレイミスで勝ちが転がり込んで来る事もあれば、逆に圧倒的なはずだった状況がひっくり返される事もある。
それでも、同じルールの下で行われている対戦ゲームである以上、ある程度の精度で勝率を上げられるプレイングはあるはず。
という訳で、今日は、他人の対戦を後ろから見た時の事や、対戦相手のプレイ、そして自分のプレイから、自分なりの理論と経験上から「正着手になる事が”多いと思われる”」プレイングについて書いていきたい。
こういうのは他の意見が沢山あって、それを突き合わせて正解を探していくのが一番の近道なので、もし思う所があった方は、異論反論などをコメントに書いていってくれると嬉しいです。
☆初手
◎マナ加速編重の初手を目指してマリガンする。
他に何もなくてもジェネラルキャストが出来るし、環境には《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった、自分の手札がリフレッシュされて増えるカードが沢山ある。
それらのカードを使ったり使われたりする事を考えると、手札は高速で吐き出し得。マナと手札のアドバンテージを得る事が期待出来る。
◎最初のマリガン
特に、7枚→6枚となる最初のマリガンにおいては、高効率ドローやマナ加速以外にしかつながらないサーチなど、比較的序盤に使う要素すら埋めても悪い結果にならない方が多い。
ここで思い切ったマリガンが勧められるのは、その後もマリガンを繰り返す事を考えると、最終的に掘れるライブラリーの枚数が大きく変わるためである。
例えば最初に不要牌4枚埋めてマリガン3回を繰り返すと、「4+3+2」で最大9枚掘る事が出来るのだが、それが5枚になるだけで「5+4+3」で12枚、3枚も多くライブラリーを見る事が出来る。
これだけ掘ればマリガンで埋めたのと同程度のドローやサーチが見つかる事も多く、さらには余分に見た分でよりよいカードを手に入れられる。
◎初手のみで、出来れば3ターン分、最低でも2ターン分の行動が担保されるような手札をキープする。
4ターン目辺りにキャスト予定の重めで強いカードを手札に抑えたり、サーチしにくいからコンボパーツをキープするプレイヤーが結構多いが、EDHは思いの外早いターンでゲームが動く事も多い。
完全に無駄牌なので、わざわざキープせずにマリガンに回した方が有用なカードに変わる率が高い。上でも書いたが早めにマリガンすればより多くのカードを見て初手に選ぶ事が出来るのだから。
土地2枚+印鑑みたいなものでもいいので、最初の数ターンの指針が立つ手札をキープしたい。
サーチやドロー、コンボパーツを初手に残すのは、この辺りの動きが確定している事が前提。逆に言うと、序盤の加速が安定しているのなら2、3ターン目にキャストが担保されたドローソースは非常に強いしありがたい。
☆戦闘関連
◎プレインズウォーカーを攻撃するかどうかは良く考えた方がいい。
放置するとアドバンテージを延々と得ていったり、勝利に直結するPW(《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》など)は誰もが手が空いていれば攻撃したい対象。
だが、がら空きだからと安易に自分で攻撃せずに、自分以降のプレイヤーに攻撃を任せる事により相手の行動を制限する事が出来る。
特に《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》などの攻撃誘発持ちには圧力になる。
そうでなくても相手のクリーチャーの攻撃先を間接的に制限できるので損はない。
攻撃誘発持ちのプレイヤーがPWを殴りにいかない事を選ぶ可能性もあるが、それは自分がPWを落としていても行っていた行動。そんな時にはむしろPWの存在が攻撃誘発持ちの牽制になる。(下手にターンを回せない)
自分がPWを落とした場合、攻撃誘発持ちプレイヤーはPWを落とす必要は無い上、ブロッカーが減っている(PWを落とすために攻撃したクリーチャー)という非常に有利な状況になってしまう。
もちろん、「攻撃誘発持ちがPW放置して攻めに行ったが勝ちきれず」+「PW持ちがPWの力で勝った」という裏目があるのでそこは自己判断で。
◎40点のライフは非常に多く、一般的にクリーチャーの攻撃はあまり有効ではないのだが、 《背信のオーガ/Treasonous Ogre》《森の知恵/Sylvan Library》《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りを使うとその40点もあっという間に溶ける。
これらを使うデッキにとってはライフはリソースであり、攻撃によるライフ現象は疑似的な手札破壊や土地破壊と同じような効果を発揮する。
なので、上記カードを使うような対戦相手は優先的にライフを減らしていきたい。手札やマナ、それどころかゲームを決める猶予ターンにまで制限をかける事が出来る。
逆に、あまりライフをリソースとしないデッキにとってはコンバットの重要度は低い。
そういったプレイヤーにしか隙が無い時は、無理には攻撃せずにブロッカーを準備しておいた方が無難かも知れない。
☆呪文のプレイ
◎特に序盤戦、《Mana Crypt》をキャストしてもそこから何もキャスト出来ない状況でも、戦場に出しておいた方がいい場合の方が多い。
これは《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった手札リセットが存在するカードプールのためである。手札に残しておくと吹き飛ぶ可能性がある。
1/2の確率で3点のライフを失うが、ライフを率先してリソースとするデッキでもない限りはそこまで痛いダメージではないので、リスクよりリターンの方が大きくなりがちだ。
また、同じ理由で、盤面にあるマナは3マナで、《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とある手札の時に、「モノリス→パワーストーン」と、そのままではモノリス分のマナが失われて一見損に見えるようなプレイをする方がお得である。
どうせ次のターン使えるマナは同じだし、次のターンにモノリスをキャストする暇があるのなら同じ3マナで出来る行動であるアンタップを行う暇も同様にあるはずなのだから。
◎《リスティックの研究/Rhystic Study》は、あまり無視しているといつの間にかとんでもないアドバンテージに変わっている事がある。特に1、2ターン目辺りにキャストされた場合は顕著である。場合によっては手を遅める事も選択肢に入れるべき。
ただし、要所にはドローを気にせず思い切って攻めていきたい。例えば4マナジェネラルを3ターン目キャストするため、リス研を無視して2ターン目の印鑑をキャストするのは良いプレイだと思う。
逆に、特に次ターンのビッグアクションに繋がる訳ではないにも拘らず、3マナある状況で「印鑑→タリスマン」と動くのは望ましくない。タリスマンキャストのみで止めておく方が良い結果になる事が多いだろう。
似たようなカードの《Mystic Remora》は累加アップキープがあるので、特に「見」に入るのがいいパターンが多い。
☆除去
◎勝ち筋となるコンボパーツに対するピン除去に関しては、ギリギリまで引き付けて。
優先権を確認し、上家が除去を撃ってくれる可能性を期待したい。
特にカウンターに関しては除去よりも先に動く必要があるため、慌てて除去を見せて損をする事のないように。
◎《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようなチェインデッキ、追加ターンを用いたループデッキなどに関しては、逆に除去やカウンターを早め早めで撃っていきたい。
これらのデッキはチェインが繋がれば繋がるほど、加速度的に得られるアドバンテージが増えて取り返しが付かなくなる。
動き始めを止める、むしろ動く前に止めるくらいの意気込みで。
止める要所は、最序盤の複数マナを出すパーマネントが最も効果的。
次に効果的なのは(追加ターンを含めた)マナを回復させる行動や手札を回復させる行動。相手に足りない方を止め続ける方が止まりやすいので、相手の状況を見て片側をしつこく止めていくと良い。
しかしこれはあくまで理想論。
最序盤のマナ加速に除去を撃つと自分の行動が鈍るし、繋がるかどうか分からない追加ターンにカウンター撃つのは勇気がいる。
プレイング関連で自分がぱっと思い浮かんだのは大体こんな感じ。
要点だけ書くつもりが例によって結構長くなっちゃったなw
そもそも一対一の対戦と違い、完全な正着手が無い場合の方が多い。
対戦相手の気まぐれや、知識不足や注意不足によるプレイミスで勝ちが転がり込んで来る事もあれば、逆に圧倒的なはずだった状況がひっくり返される事もある。
それでも、同じルールの下で行われている対戦ゲームである以上、ある程度の精度で勝率を上げられるプレイングはあるはず。
という訳で、今日は、他人の対戦を後ろから見た時の事や、対戦相手のプレイ、そして自分のプレイから、自分なりの理論と経験上から「正着手になる事が”多いと思われる”」プレイングについて書いていきたい。
こういうのは他の意見が沢山あって、それを突き合わせて正解を探していくのが一番の近道なので、もし思う所があった方は、異論反論などをコメントに書いていってくれると嬉しいです。
☆初手
◎マナ加速編重の初手を目指してマリガンする。
他に何もなくてもジェネラルキャストが出来るし、環境には《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった、自分の手札がリフレッシュされて増えるカードが沢山ある。
それらのカードを使ったり使われたりする事を考えると、手札は高速で吐き出し得。マナと手札のアドバンテージを得る事が期待出来る。
◎最初のマリガン
特に、7枚→6枚となる最初のマリガンにおいては、高効率ドローやマナ加速以外にしかつながらないサーチなど、比較的序盤に使う要素すら埋めても悪い結果にならない方が多い。
ここで思い切ったマリガンが勧められるのは、その後もマリガンを繰り返す事を考えると、最終的に掘れるライブラリーの枚数が大きく変わるためである。
例えば最初に不要牌4枚埋めてマリガン3回を繰り返すと、「4+3+2」で最大9枚掘る事が出来るのだが、それが5枚になるだけで「5+4+3」で12枚、3枚も多くライブラリーを見る事が出来る。
これだけ掘ればマリガンで埋めたのと同程度のドローやサーチが見つかる事も多く、さらには余分に見た分でよりよいカードを手に入れられる。
◎初手のみで、出来れば3ターン分、最低でも2ターン分の行動が担保されるような手札をキープする。
4ターン目辺りにキャスト予定の重めで強いカードを手札に抑えたり、サーチしにくいからコンボパーツをキープするプレイヤーが結構多いが、EDHは思いの外早いターンでゲームが動く事も多い。
完全に無駄牌なので、わざわざキープせずにマリガンに回した方が有用なカードに変わる率が高い。上でも書いたが早めにマリガンすればより多くのカードを見て初手に選ぶ事が出来るのだから。
土地2枚+印鑑みたいなものでもいいので、最初の数ターンの指針が立つ手札をキープしたい。
サーチやドロー、コンボパーツを初手に残すのは、この辺りの動きが確定している事が前提。逆に言うと、序盤の加速が安定しているのなら2、3ターン目にキャストが担保されたドローソースは非常に強いしありがたい。
☆戦闘関連
◎プレインズウォーカーを攻撃するかどうかは良く考えた方がいい。
放置するとアドバンテージを延々と得ていったり、勝利に直結するPW(《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》など)は誰もが手が空いていれば攻撃したい対象。
だが、がら空きだからと安易に自分で攻撃せずに、自分以降のプレイヤーに攻撃を任せる事により相手の行動を制限する事が出来る。
特に《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》などの攻撃誘発持ちには圧力になる。
そうでなくても相手のクリーチャーの攻撃先を間接的に制限できるので損はない。
攻撃誘発持ちのプレイヤーがPWを殴りにいかない事を選ぶ可能性もあるが、それは自分がPWを落としていても行っていた行動。そんな時にはむしろPWの存在が攻撃誘発持ちの牽制になる。(下手にターンを回せない)
自分がPWを落とした場合、攻撃誘発持ちプレイヤーはPWを落とす必要は無い上、ブロッカーが減っている(PWを落とすために攻撃したクリーチャー)という非常に有利な状況になってしまう。
もちろん、「攻撃誘発持ちがPW放置して攻めに行ったが勝ちきれず」+「PW持ちがPWの力で勝った」という裏目があるのでそこは自己判断で。
◎40点のライフは非常に多く、一般的にクリーチャーの攻撃はあまり有効ではないのだが、 《背信のオーガ/Treasonous Ogre》《森の知恵/Sylvan Library》《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りを使うとその40点もあっという間に溶ける。
これらを使うデッキにとってはライフはリソースであり、攻撃によるライフ現象は疑似的な手札破壊や土地破壊と同じような効果を発揮する。
なので、上記カードを使うような対戦相手は優先的にライフを減らしていきたい。手札やマナ、それどころかゲームを決める猶予ターンにまで制限をかける事が出来る。
逆に、あまりライフをリソースとしないデッキにとってはコンバットの重要度は低い。
そういったプレイヤーにしか隙が無い時は、無理には攻撃せずにブロッカーを準備しておいた方が無難かも知れない。
☆呪文のプレイ
◎特に序盤戦、《Mana Crypt》をキャストしてもそこから何もキャスト出来ない状況でも、戦場に出しておいた方がいい場合の方が多い。
これは《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった手札リセットが存在するカードプールのためである。手札に残しておくと吹き飛ぶ可能性がある。
1/2の確率で3点のライフを失うが、ライフを率先してリソースとするデッキでもない限りはそこまで痛いダメージではないので、リスクよりリターンの方が大きくなりがちだ。
また、同じ理由で、盤面にあるマナは3マナで、《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とある手札の時に、「モノリス→パワーストーン」と、そのままではモノリス分のマナが失われて一見損に見えるようなプレイをする方がお得である。
どうせ次のターン使えるマナは同じだし、次のターンにモノリスをキャストする暇があるのなら同じ3マナで出来る行動であるアンタップを行う暇も同様にあるはずなのだから。
◎《リスティックの研究/Rhystic Study》は、あまり無視しているといつの間にかとんでもないアドバンテージに変わっている事がある。特に1、2ターン目辺りにキャストされた場合は顕著である。場合によっては手を遅める事も選択肢に入れるべき。
ただし、要所にはドローを気にせず思い切って攻めていきたい。例えば4マナジェネラルを3ターン目キャストするため、リス研を無視して2ターン目の印鑑をキャストするのは良いプレイだと思う。
逆に、特に次ターンのビッグアクションに繋がる訳ではないにも拘らず、3マナある状況で「印鑑→タリスマン」と動くのは望ましくない。タリスマンキャストのみで止めておく方が良い結果になる事が多いだろう。
似たようなカードの《Mystic Remora》は累加アップキープがあるので、特に「見」に入るのがいいパターンが多い。
☆除去
◎勝ち筋となるコンボパーツに対するピン除去に関しては、ギリギリまで引き付けて。
優先権を確認し、上家が除去を撃ってくれる可能性を期待したい。
特にカウンターに関しては除去よりも先に動く必要があるため、慌てて除去を見せて損をする事のないように。
◎《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようなチェインデッキ、追加ターンを用いたループデッキなどに関しては、逆に除去やカウンターを早め早めで撃っていきたい。
これらのデッキはチェインが繋がれば繋がるほど、加速度的に得られるアドバンテージが増えて取り返しが付かなくなる。
動き始めを止める、むしろ動く前に止めるくらいの意気込みで。
止める要所は、最序盤の複数マナを出すパーマネントが最も効果的。
次に効果的なのは(追加ターンを含めた)マナを回復させる行動や手札を回復させる行動。相手に足りない方を止め続ける方が止まりやすいので、相手の状況を見て片側をしつこく止めていくと良い。
しかしこれはあくまで理想論。
最序盤のマナ加速に除去を撃つと自分の行動が鈍るし、繋がるかどうか分からない追加ターンにカウンター撃つのは勇気がいる。
プレイング関連で自分がぱっと思い浮かんだのは大体こんな感じ。
要点だけ書くつもりが例によって結構長くなっちゃったなw