最近になって、これまで以上に統率者戦(EDH)に注目が集まっているのか、「EDHに参入したい」「けどデッキの組み方が分からない」「高額カード多くて敷居が高い」などなど、裾野が広がりそうな話題が良く目につく。

CFBの一覧表が発端の、10段階あるデッキのパワーレベル分け(https://twitter.com/ChannelFireball/status/1232002512896565248)の周知や、そのレベル帯で言う5~6を宣言し、実際にその通りのデッキを提示して解説する公式記事(https://mtg-jp.com/reading/topics/?search&tag=92)など、EDHの敷居を下げようとする動きが多いのもその一因なのかな? などと個人的には思っている。
あと、ネガティブな話だけど最近の他フォーマットの様子がちょっとアレな事とかも。


そんな訳で、その流れに乗っかって、自分も初心者向けのデッキ構築方の話をしようかな、と思います。
出来る限り単純化して、多くの人に手を付けやすい方向性で考えています。
また、自力で構築したデッキの入り口として最も適切そうに見えるレベル5~6帯くらいを想定しています。
EDHが気に入って「長く遊びそうだな」と思ってからはじめて、高額カードを加えたり洗練させていったりすればいいと思います。

余談になりますが、もしも高いレベル帯のデッキに手を出したいと思ったのなら、最初は複数デッキを持っている人からデッキを借りる形で良いと思います。いろいろ感覚がつかめるし、借りた人からその場で直接デッキの動きを教わる事も出来るので。



もちろんデッキの組み方は人それぞれなので、自分が提示した方法がやりにくかったら先人の記事を参考に自分がやりやすい方法を探してください。
なんなら独学でもいいのかもしれません。
https://edhmatsudo.diarynote.jp/201911162020234579/
https://saginukoduel137.diarynote.jp/201911190019462843/

ではここから、デッキ構築の流れを書いていきたいと思います。
長々とした文章を書きますが、最低でも太字と赤字を読めばある程度の要点は捉えられるかと思います。
忙しい人はそんな感じでよろしくです。


1・コンセプトを決める
好きな統率者を決める、使いたいカードやコンボを決める、やりたいデッキコンセプトでもいいでしょう。
ひとまずの方向性を決めます。


2・統率者を決める
1で決めたコンセプトに合わせて、合いそうな統率者を選びます。
コンセプトが、「好きな伝説のクリーチャーがいる」ならそのまま統率者に、「使いたいカードやコンボ」なら最低限その色を含んだ伝説のクリーチャー、「やりたいデッキコンセプトがある」なら親和性のある伝説のクリーチャー(ビートダウンがしたいのでパンチ力のある統率者にする)、などなど。
統率者の持つ固有色によって使えるカードプールが制限されるので、まずはここから決めるのが効率いいです。


3・土地を35枚入れる
対戦相手が3人・ライフ40という事もあり、通常のフォーマットとは構築が異なります。複数の対戦相手が持つ普段の倍のライフを削るため、クロックパーミッションやバーンは成立しません。
それゆれにEDHのデッキは、圧倒的なボードアドバンテージで時間をかけて押しつぶすデッキか、120点を一度に吹き飛ばすコンボデッキが主流となります。
一般的に、デッキの半分ほどがマナ関係になる事が多いです。土地は30~35枚ほど投入します。

その際には、「各色とも十分な数の色マナを出せるよう、複数の色マナを出せる土地」「出したターンにしっかり行動力を増やせるアンタップインの土地」を意識して選ぶといいと思います。
また単色の場合は、無色の便利な土地を沢山入れたくなるかもしれませんが、最初のうちは基本土地を多めに入れる事を意識した方が事故が減って良いと思います。


4・マナ加速を15枚入れる
3で「デッキの半分ほどがマナ関係」と書きましたが、一方「土地は35枚」とも書きました。
デッキの半分にするための残りの枠は、マナ加速のための枠となります。
ボードアドバンテージで勝つにしても、コンボで勝つにしても、毎ターン1マナずつしか伸びない土地セットだけでは、他対戦相手に対して速度面で不安があります。

序盤にキャストでき、以降の使用可能マナを増やせる《秘儀の印鑑》《アゾリウスの印鑑》《発展のタリスマン》《極楽鳥》《繁茂》のような、軽めのマナ加速カードは速度アップに一役買えるので、10枚程度は入れたいところです。

一方、キャストは中盤以降になるものの、一度に複数のマナを増やせるために実質的にアドバンテージカードにもなり、以降の行動が大幅に楽になる《金粉の水蓮》《火想者の器》《爆発的植生》のような重めのマナ加速カードは、後半のバリューを上げてくれるものの、序盤に引いても動きが詰まってしまうので多くても5枚程度に抑えておきたいです。

軽いので序盤から速度アップに貢献し、複数のマナを出すので爆発力や実質的アドバンテージ面でも有効な《太陽の指輪》は、EDHならではの強力なマナ加速です。
ぜひとも使ってEDHらしいパワフルさを体験してもらえればと思います。

まとめますと、2マナ以下の軽めのマナ加速を10枚、複数マナの出る重めのマナ加速を5枚程度選んで投入します。


5・ドローやアドバンテージカードを15枚入れる
さて、デッキの半分がマナ関係になりました。
このままだと、通常のMTGの感覚だとマナフラッドを起こしやすいデッキになっています。(それを補ってくれる、必ず初手にいる「統率者」という要素があるため、通常のゲームよりは影響が小さいですが)
また、強力なマナ加速と多めの土地により手札をダンプしがちなため、息切れしやすいデッキになります。
さらには上で書いた通り、複数のライフの多い対戦相手を倒す必要があるため、通常のゲームよりも多くのリソースを必要とします。
そのため、ある程度はアドバンテージを得るカードを入れた方が、デッキの動きが良くなります。
《調和》《聖別されたスフィンクス》のような単純に手札を増やすカードはもちろん、《渦まく知識》《安堵の再会》《師範の占い独楽》のような手札のバリューを上げてくれるようなカード、さらには《ウッド・エルフ》《太陽のタイタン》のような瞬発的・継続的にボードアドバンテージを得るようなカードもこのジャンルに含まれます。

展開・アドバンテージ獲得をスムーズに行うため、マナ加速と同じように「軽くて扱いやすいが効果が小さいもの」と「重いが効果が大きいもの」をバランスよく入れたいです。
ただ、マナ加速と違って(マナの展開が上手くいっているのならば)多少重い所に偏っても手札で詰まりにくい種類のカードではあります。

アドバンテージカードについては、3マナ以下の軽めのカードと4マナ以上の重めのカードは半々程度でも大丈夫だと思います。


6・妨害を15枚入れる
ここまでの構築で、自分が展開する準備は整いました。しかし、3人いる対戦相手も同じような行動をとってくる事が想定されます。
対戦相手の多いゲームです。誰かのプレイヤーが、自分より多くのマナと手札を手に入れる状況は頻繁に遭遇するでしょう。
また、即死コンボで盤面を無視しての勝利を狙ってくる対戦相手もいる事でしょう。
その際に、アドバンテージ差を縮めたり、コンボによる即死を避けたりするために妨害は必要です。

付けられたアドバンテージ差を縮めるための妨害は、対戦相手のリソースをまとめて破壊したり、機能不全に陥らせるカードがそれにあたります。
具体例としては《神の怒り》《紅蓮地獄》《無垢への回帰》《汚損破》《溜め込み屋のアウフ》《血染めの月》《呪われたトーテム像》《安らかなる眠り》などです。

即死コンボを避けるための妨害は、相手の行動に対してリアクティブに動けるインスタントタイミングの妨害がそれにあたります。
《対抗呪文》《帰化》《剣を鍬に》《混沌のねじれ》《フェアリーの忌み者》などが具体例となります。

盤面に大きな影響を与えるソーサリー・パーマネントの妨害と、即死コンボに素早く対応できるインスタントタイミングの妨害は、最初のうちはそれぞれ半々くらいで入れるのがいいと思います。
その後は実際にデッキを動かしながら、自分なりにバランスを考えて入れ替えていくとよろしいかと。

初めのうちは、インスタントの妨害を適切なタイミングで差し込むのは、盤面を見てから動くソーサリータイミング妨害に比べると扱いが難しいでしょう。
しかしながら、多人数での妨害のやり取りはEDHの醍醐味でもあります。慣れるためにも、最初のうちからインスタントの妨害も適当なバランスで入れた方がいいかと自分は考えます。


7・残りの枠に好きなカードを入れる
ここまでで、デッキの81~82枚(共闘を考慮)が埋まったかと思います。
残りの枠には、好きなカードを入れてください。

この「好きなカード」とは、今まで説明してきた種類のカードも含まれます。
カードを引くのが好きならばドローの枠を拡充しても良いでしょう。
生き延びる事を重視するなら妨害の枠を増やしても良いでしょう。
デッキが重いと感じたなら、マナ加速を足すのもいいかも知れません。

それ以外には、
・対戦相手を一気に倒せるコンボを入れる
・欲しいカードを手に入れる確率を上げるサーチカードを入れる
・ビートダウン向きの強化カードやアタッカー
などがそれにあたります。


特に、即死コンボとサーチカードを入れればデッキパワーが上がる傾向にあります。選択により、デッキのパワーレベルの調節に役立つでしょう。
ハイランダーであるEDHでは、統率者以外のカードにアクセスしにくいため、特定の強力カードを安定して使うためのサーチカードが強力です。
また、多人数戦かつライフの多いゲームなので、まともにライフを削るよりもコンボでまとめて倒してしまう方が、通常のフォーマットと比べて楽な勝ち手段となっています。

ある程度パワーのあるデッキを望むのなら、残りの枠を2、3種類の即死コンボのパーツと、10枚弱のサーチカードで埋めるのが望ましいと自分は考えます。


8・実際に対戦し、デッキのカードを入れ替える
7までが、自分が考えた方法によるデッキの構築のすべてです。
8は、そこから実際の対戦を通してさらにデッキを微調整し、手に馴染ませる手順となります。


7までで説明した構築法によるデッキは、あくまで自分が入門として適当であると考えているバランスのデッキです。
選んだ統率者によって適切なバランスは変わるでしょうし、使い手の好みで増減する枠もあると思います。
ゲームを遊ぶコミュニティによっては、デッキのパワーが高すぎたり低すぎたりする事もあるでしょう。(個人的には、4人戦での勝率が安定して4割近くになるようならば、その環境におけるそのデッキは「強すぎる」と判断します)

そのような個人個人ごと様々な状況に合わせ、また、よりファン的なコンセプトの強いデッキにしたり、より高いパワーレベルを目指したデッキにしたりと目的があると思うので、それらに合わせて自分の感覚でデッキをいじっていけばいいと思います。



これで、自分がお勧めする5~6のレベル帯想定のデッキ構築法の説明を終わります。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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