なんか《Wheel of Fortune》の高騰の話題とかを機会にして、7ドローについて話しているEDHプレイヤーが多いので、自分もEDHにおける《Timetwister》について色々書こうと思います。

元々はテフェリー100枚解説(https://kakkokari.diarynote.jp/202007190903449399/)の時に「個別で書いてもいいくらい色々あるカードだから書きたいな」って思ってたんだけど、その後にともちんさんが非常に深く考えられた考察記事(https://wwwwwwwwwwwwwwwww.diarynote.jp/202007200042126931/)を上げてきたので断念してたんだけどね。
多分ともちんさんよりずっと浅い記事になるし。



☆《Timetwister》の強み
EDHで唯一使用可能なパワー9である《Timetwister》。(以下TT)
他のパワー9に比べると圧倒的に複雑なカードであるTTは、複合的に沢山の強みがある。
それがEDHというゲームシステムと相性が良かったのもあり、その強みがヴィンテよりもより出ていてEDHではヴィンテ環境(すでに死体)以上に活き活きしているカードと言える。
まずはその強み・弱みをひとつひとつ挙げていきたい。


・使用マナあたりのドロー枚数が多い
一般的なドロースペルの場合、強いと言われるものでも、その場で引けて1マナあたり1ドローを超えるドローは希少で、即時ドローだと《夜の囁き/Night’s Whisper》や《苦い真理/Painful Truths》で使用マナ:ドロー枚数ようやく1:1だ。
より高い効率を期待出来る《森の知恵/Sylvan Library》や《リスティックの研究/Rhystic Study》はあるが、そちらは1:1を超えるにはにターンをまたぐ必要がある。
それに比べてTTは、比較的緩い条件(解決時の手札が4枚以下)で1:1を超えた効率の手札増加が可能となる。
さらに少ない枚数、TTを含めた手札枚数が1~3枚ならば3マナで手札枚数+4~6枚。この効率は驚異的だ。

さらに言うならば、TTは手札を入れ替える効果なので、純粋な「ドローする枚数」で言ったら「3マナで7枚ドロー」。新たなカードを7枚見る事が出来れば、アクションの選択肢が大きく広がる事を期待出来るだろう。


・元の手札がなくなる(デメリット)
上に書いた通り、TTはドローではなく手札を入れ替える効果で、つまりハンドに強いカードやコンボパーツがある状況で撃つと、その強いカードが手札から失われるデメリットがある。
より単純かつ極端な話をするなら、手札が8枚以上の時に打つと手札を入れ替える効果しかない上に手札が減ったりしてしまう。
TTは明確に「撃つと損する」状況が存在する。



・対戦相手にも同じ効果が起こる(デメリット)
TTの効果は全てのプレイヤーに行われる。
手札の少ない・弱いプレイヤーは、何もせずに新しい7枚の手札を手に入れる事が出来る。多少は自分以外のプレイヤー同士の潰し合いで使われる事も期待できるが、それは直接的・間接的にTTを撃ったプレイヤーへの脅威となり得る。


ただ、この効果がメリットになる場合もある。
対戦相手の手札が多い場合、《悪魔の教示者/Demonic Tutor》撃ってエンドした明確に強いカードがハンドにある場合、対戦相手のリソースを削ったり目論見を崩したりを期待出来る。
また、あまり頻繁に起こる状況ではないのだが、1T目近辺に撃つ事で対戦相手を「マリガン出来ない初手」でゲームを始める事を強要出来るのも実質メリットと見ていいだろう。


・撃った後、一番最初にメインフェイズを迎えるのが自分
(TTキャスト分の)3マナ減っている状態ではあるが、全員が7ドローした後に、一番最初に豊富な手札を使って好きに動く権利を得るのはTTをキャストしたプレイヤーとなる。
3マナというそこそこ軽いマナコストのおかげで、ある程度以上マナが伸びている状況ならば、そのままゲームを有利に進める事が可能となる。

ただし、マナが少ない状況……極端な話、タップアウトでTTを撃った場合などは、その7枚の手札を自由に振り回せるのが事実上全プレイヤー中最後になるので不利なゲームを強いられる事となる。(デメリット)


・対戦相手の墓地を0枚に出来る
3マナソーサリーでわざわざ使うような効果ではないのだが、手札入れ替え効果のおまけとして無料で付いてくるのならばまあ嬉しいかな、という効果。
「即時に大きな数の墓地を肥やし、そこから即座にフィニッシュ」みたいなデッキには効果がないが、「ある程度の速度で墓地を肥やし、それをゆっくりと継続的にリソースとして使っていく」みたいなデッキには有効に働く。


・自分の墓地のカードをライブラリーに戻せる
自分が墓地をリソースとして使わないタイプのデッキ、特に墓地回収を苦手とするデッキの場合には有効に働く効果。
EDHはハイランダーなため、唯一性のあるコンボパーツが墓地に落ちて困ってしまうというのはしばしば見られる展開なのだが、そんな時にこの効果は中々嬉しい。
付随する効果が「7枚の新たなカードを手札に入れる」である点も、ライブラリーに戻したカードをそのまま引ける可能性が期待出来てより嬉しい。
「強力な墓地利用を持たない色で、回収専用の保険カードを入れなくてもいい」というのは構築時にも枠を割かずに済み、その分別のカードを投入出来るメリットとなる。

ただ、この効果もまた7ドロー効果同様に対戦相手にも影響する事からデメリットになり得る。
ただ、構築時に回収・保険を意識せずに済む方のメリットはないので、7ドローに比べるとずっと影響は薄い。



・上記効果のタイミングを選ぶ権利
一番のメリットがこれである。
今まで書き並べて来た効果を見てもらえば、TTには、大きなメリットとそれに伴う大きなデメリットの両方が備わっている事が分かると思う。
そんな不安定なカードを強カード足らしめているのは、「それらの効果のタイミングを決めるのはキャストするプレイヤーである」という要素にあると自分は考えている。

特に、最も大きな効果である「すべてのプレイヤーの手札を全て入れ替え、7枚にする」という効果で、このメリットが最も大きく働いているのが大きい。

枚数が少ない・弱いハンドの時(つまりゲーム展開は不利である事が多い)には、「その少ない手札の中にある1枚のカード」で一気に状況を動かす事が出来る。少ないハンドから可能な限りリソースを膨らませたい状況では最良の1枚となり得る。

一方、枚数が多い・強いハンドの時(つまりゲーム展開は有利である事が多い)には、TTは「あふれる多数の手札の中にある1枚の無駄カード」となるのだが、すでに多い・強い手札であるため1枚のカードの価値の重さが軽い。
そしてその状況は、すでにゲーム展開で有利に立っているのが主であるため、戦況への悪影響はあまり大きくはない。

稀に「手札が多い・強いのにゲーム展開では不利」という状況が発生して(大抵はマナスクリュー)立ち行かなくなる事がある(デメリット)が、デッキの動きのアベレージの上昇具合から考えれば背負うに見合う程度のデメリットであると自分は考える。



☆《Timetwister》は多くのデッキに入る?
自分はTTは多くのデッキに入り得るカードだと思っている。

マナフラッドを起こしてハンドが少なくなった時、真っ先に欲しくなるのはドローカードで、わずか3マナで即時に7枚も引けるカードは最優先のサーチ対象になり得る。

また、対戦相手とのリソース差が開き始めた時、3マナという軽めのマナのアクションで対戦相手とのハンド差を縮め、さらには全体のハンド枚数を増やす事により一気にゲームを動かし、有利な対戦相手への妨害を期待する事も出来る。

特定のコンボパーツに頼るデッキにおいて、専用の回収カードを入れずにふわっと墓地に落ちた時の保険を準備出来るため、わずかながら構築の自由度が上がる。

結果として、このカード1枚をデッキに入れるだけで「不利な状況からの逆転」「有利だが息切れしかけている時の攻め継続」という、安定性と爆発力に貢献する要素をデッキに仕込む事が可能となり、デッキパワーのアベレージの上昇が望める。

これは3マナのカードとしては非常に大きな効果であり、なので多くのデッキに入り得るカードであると考える。



☆《Timetwister》のいらないデッキは?
《Timetwister》の主な仕事は「ハンドの枚数を平たくする事による不利からの逆転」「大量にカードを引く事による息切れ防止」となるのだが、自力で継続的にアドを稼げるジェネラルの場合、これらの効果が不要となる。

継続的にアドバンテージが得られるので「ズルなしでターンが経過した場合、自分のハンドが一番多くなりがちでハンド枚数が平たくなると困る」「自力でアドバンテージを得られるので息切れしにくい」となり、それらのデッキにおいてはTTが強いタイミングが極端に少なくなってしまうのだ。

具体的には
《トリトンの英雄、トラシオス》+《織り手のティムナ》
《結界師ズアー/Zur the Enchanter》
《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》
《無限のエルシャ/Elsha of the Infinite》
のようなジェネラル群がそれにあたる。

この辺のデッキにとってはTTはハンドで腐る事の方が多くなりそうなので、自分はデッキに入れないだろう。


☆まとめ
大体こんな感じです。

他の方々の話を見ていると「状況を選ぶ。強く使えるジェネラル以外だとそこまででも」って意見が多数派なのですが、自分は逆で「状況を選ぶ。しかし強く使えるタイミングが多い汎用性の高いカードなので、強く使えないジェネラル以外なら欲しい事が多い」って感じの意見です。

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