【EDH】 統率者ピッチ考
【EDH】 統率者ピッチ考
【EDH】 統率者ピッチ考
統率者2020にて加わった新カードの中で、恐らく最も環境に影響を与えていると思われるカード群、青・黒・赤の統率者ピッチ。(統率者をコントロールしている場合、マナコストを支払わずに唱える事が出来るインスタント)
これらのカードを使ったり使われたりして色々思った事を言語化してみた。


☆各カード評
・《激情の後見/Fierce Guardianship》
マナコストは2U。効果は《否認/Negate》。
《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》や《否定の力/Force of Negation》、デッキによっては《否認/Negate》も使われているような現状の環境なので、効果としては十分強力。
ピッチで撃てればコストなしのピッチ《否定の力》のようなもの。当然強力。
生撃ちも、シングルシンボル3マナとかなり現実的な範囲。
クセなく、分かりやすく強い。


・《致命的なはしゃぎ回り/Deadly Rollick》
マナコストは3B。効果は対象クリーチャーの追放。
「インスタントで対象を選ばないクリーチャー除去」は、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》や《猿術/Pongify》など、現在の環境でも実績のあるもの揃い。追放によって後腐れない処理が可能で、コンボパーツなんかを飛ばせるととても嬉しい。
ピッチで撃てれば非常に強力。EDHで使われるこれ系の除去は大抵1マナと軽量なのだが、これが1マナ軽くなると全然違う。0と1の差は非常に大きい。
生撃ちは4マナと目を覆いたくなるレベル。構えるのは容易ではないし、能動的に当てていくにしてもテンポ損が馬鹿デカい。
ピッチと非ピッチでのパワーの差が非常に大きい印象がある。


・《偏向はたき/Deflecting Swat》
マナコストは2R。効果は強化型《偏向/Deflection》。
対象変更は、《跳ね返りの罠/Ricochet Trap》や《誤った指図/Misdirection》などで、デッキに入っているのをしばしば見かける種類のカード。嵌れば強い。ただ、こちらは複数の対象を持つ呪文の対象も変えられるし、呪文のみならず能力への使用も可能。かなり柔軟性が上がっていると言える。
ピッチで撃てれば、ピッチコストの1枚損分を減らした《誤った指図》なので美味しい。対象が多いため、使いどころが多いのは嬉しい。
マナ撃ちも現実的な範囲。というか他の類似カードと効果やマナコストを見比べると、ピッチ無くてもこのコストだったんじゃないかってレベル。
対象変更なので使いどころは少し狭いが、生撃ちで十分コスト相応で、ピッチだとより強い強力カード。



☆ピッチのしやすさは?
「ピッチ条件はどれも一緒なんだから3枚とも同じだろ」と思うかも知れないが、地味に違う。
対戦相手のアクションに対応する使い方となる《激情の後見》《偏向はたき》に対し、《致命的なはしゃぎ回り》だけが能動的に撃てる除去呪文なので、ピッチで撃てる事を期待しやすい。

統率者が着地さえすれば、ひとまずピッチ除去のキャストは確定させる事が出来るため、その点では安定している。
《激情の後見》《偏向はたき》は、統率者に除去を撃たれるとその除去を弾く動きをせざるを得なくなるし、なんなら対応出来ない除去呪文(《金粉のドレイク/Gilded Drake》や《議会の採決/Council’s Judgment》)だったらピッチの構えを崩されながら統率者まで失ってしまう。



☆上手く使える統率者ってどんな性質?
強力なこれら統率者ピッチだが、うまく使える統率者は何だろう?

◎固有色に青黒赤を持つ
まあEDHというルールに縛られる以上、当然ながら。
青と赤は特に強いので、固有色で持ってるととても嬉しい。


◎統率者が軽い
統率者ピッチの条件を満たすには、当然ながら統率者を戦場に送り込む必要がある。
軽ければ軽いほど早い段階でピッチを構えられるので、より軽いジェネラルの方が望ましい。
ピッチで稼げるテンポが3~4マナ分なので、可能であればこれと同じ程度のマナコスト以下だと気分的によろしいかもしれない。たとえ単なる置物でも、マナコスト先払い気分でキャスト出来るだろう。
共闘なんかは、色が多い割に軽い傾向があるので良い。


◎有用なキャスト誘発・ETB・常在型能力を持つ統率者
ピッチするには統率者を戦場に送り込む必要があるのだが、その統率者が置物だと、たとえピッチ出来たとしてもテンポの先取り程度の意味しかなくなってしまう。
キャスト時点でアドを取ったり有利な効果を期待出来るジェネラルなら、能動的にキャストして有利な盤面を作りつつピッチの準備が出来るので便利。



◎有用な起動型能力・戦闘誘発能力を持つ統率者
上の項と同様、ピッチコストを満たしつつ盤面に有効なパーマネントを設置出来るので望ましいムーブとなりえる。
ただ、ETB勢と比べると、統率者ピッチ抜きに考えても「放置しているとアドを稼がれる」という印象を対戦相手に与えるので除去の的になりやすい。
青赤のピッチで多くの除去を躱す事は出来るにしても、そこで使っちゃうと本末転倒感がある。
実質的な場持ちの悪さから、少しだけETB系に劣る印象。
特に重めのジェネラルは、再キャストもしにくく再キャスト自体でアドを稼げる訳でもなく、再キャストは純粋に損なので影響が顕著。



☆具体的な、統率者ピッチを上手く使える統率者例
・《織り手のティムナ/Tymna the Weaver》《トリトンの英雄、トラシオス/Thrasios, Triton Hero》《ルーデヴィックの名作、クラム/Kraum, Ludevic’s Opus》《激情の薬瓶砕き/Vial Smasher the Fierce》

トラティムを軸とした共闘強キャラ四天王。
双方が軽くアドソースとなるが、赤が使えないトラティム。
3色使えて双方アドソースとなるが、比較的重くもっさりなティムクラ。
3色使えるし双方軽いのだが、薬瓶砕きの有用性の低さが気になるトラ砕き。
どの共闘も上手にピッチを使えるが、惜しい部分もあるの。なんとなくバランスが取れてる感。

・《反体制魔道士、ケス/Kess, Dissident Mage》
3色持ち、そこそこ軽い、速攻除去撃たれてもアドを稼ぎ終えている行動が可能、と高レベルで条件を満たしているジェネラル。
軽さの面では流石に共闘連中に負けるが、単体ジェネラルとしてはよく頑張っている。

・《エーテリウム造物師、ブレイヤ/Breya, Etherium Shaper》
3色持ち、そこそこ軽いが色拘束がヤバい、除去や先置きコンボパーツになりうる。
ケスに近いが、色拘束の強さがちょっと気になる。

・《刃を咲かせる者、ナジーラ/Najeela, the Blade-Blossom》
3色持ち、軽くキャストしやすい、コンボパーツ、と高レベルで条件を満たすジェネラル。
起動型能力で色を満たしてる系で、シングルシンボル3マナというかなり軽いコストでキャスト出来る。

・《ウェザーライトの艦長、シッセイ/Sisay, Weatherlight Captain》
3色持ち、軽くキャストしやすい、タップのいらない起動型能力アド源持ち、とかなり高レベルで条件を満たすジェネラル。
起動型能力でアドを稼げるとは言うものの、起動コストが異常に重いので基本出たターンに使える訳では無いのが少し惜しい。

・《帰還した王、ケンリス/Kenrith, the Returned King》
3色持ち、ちょっと重い、タップのいらない起動型能力アド源持ち。
2マナ重くなった代わり、起動型能力が使いやすくなったシッセイって感じ。
本人が5マナと重めで、直接的にアドを稼げる能力も4・5マナと重いもっさり感が気になる。

・《初祖スリヴァー/The First Sliver》
3色持ち、重い、キャスト時点でアドを取る。
キャストしにくい代わりにキャスト時点でアドを確約してくれるケンリス王って感じ。同じ5マナ(この時点で重いな)だが色拘束の差がヤバい。
着地後は大抵デカい以外に何もしないので放置してもらえがち。ピッチは撃ちやすいが少し悲しい。



☆結論として
思い付く事をぐだぐだ書いてきたけど、特に強く持っている、統率者ピッチによる環境変化の印象をまとめると、

・赤は少し不安定だが超強い、青は安定して強い、黒は言うほど強くない
・ただし黒には「統率者キャスト→即撃ち」という偉い確約ムーブがある
・(特に軽い)共闘持ちはピッチ撃ちやすい。超偉い
・ETBで仕事を終えるジェネラルのピッチがうざい
・継続的にアド稼ぐジェネラルは気持ち長生きしにくくなった。狙われる
・ただし定着するとアド稼ぎ+ピッチ構えで美味しい事この上ない
・最悪置物同然でも軽いだけで偉い場合もある。先払い版《否定の契約》気分

みたいな感じ。

コメント

ランクス
2020年7月13日15:00

赤ピッチは手に入った瞬間にすぐフェザー内定しました←

かっこかり
2020年7月14日6:33

>ランクスさん
赤ピッチは「なんでここまでハイスペックにした」ってレベルのカードですよね。
《分流/Shunt》が泣くわ。

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