EDH セプターコンボって本当に強いの?
2020年5月13日 EDH環境考察 コメント (7)疑問に思っていた事があったので記事に。
可能であれば意見を求めたいので、ここのコメント欄なりTwitterのリプライなどで意見を貰えると嬉しいです。
☆《等時の王笏/Isochron Scepter》+《劇的な逆転/Dramatic Reversal》コンボ
《等時の王笏》に《劇的な逆転》を刻印する、いわゆるセプターコンボ。
このコンボは、今は亡きハルクフラッシュや《タッサの神託者》コンボ、《食物連鎖》や《最後の審判》辺りと並んで、(特に海外の)EDHに関する話題で「cEDHにおける主流の(ジェネラル依存の薄い)強力コンボ」としてよく挙げられている。
☆コレ、本当に強いの?
しかし自分は、このコンボをあまり強いとは思っていない。
仮にもcEDHプレイヤーとの自認のある立場で、世の中で多く見られる評価と大きく違っている事に不安があるので、今回はその理由を並べて、他の方々から判断を仰ぎたい。
よろしくおねがいします。
☆セプターコンボの利点
・軽さ
2マナ設置+2マナ起動の合計4マナでコンボスタート。
EDHのコンボ全般から見て、明確に軽い。
《儀式の大魔導師、イナーラ》の《呪文探求者》コンボや往年の《生き埋め》+《再活性》と同じマナ数、しかも(するかどうかは別にして)ターンをまたいでの分割払いも可能。
これより軽い一般コンボは《タッサの神託者》+《Demonic Consultation》の3マナくらいだ。
・単体でのパーツの強さ
《等時の王笏/Isochron Scepter》はデッキに入っている適当な妨害インスタントや《渦まく知識》やチューターを刻印しても、EDH的には十分なパフォーマンスを発揮する。
また、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》も状況が整っていれば、2マナという現実的なマナコストの瞬間加速として機能する。
いつも自分が一番にコンボを決めに行ける訳ではないゲームに置いて、コンボが揃っていない状況でも柔軟に扱えるのは重要だ。
☆セプターコンボの欠点
・サーチのしにくさ
《等時の王笏/Isochron Scepter》はアーティファクト、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》はインスタント。
どちらもコンボカラーである青でサーチは可能なのだが、1枚で手札に足りない方をサーチできるカードは非常に少ない(《交錯の混乱》くらい?)
カードタイプが違うので、サーチが噛み合わない事がどうしても多くなってしまう。
・正確には2枚コンボではない①
まず、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》でアンタップする、2マナ以上出る非土地パーマネントが最低限必要。無限マナを目指すのならば3マナが必要だ。
土地以外のマナソースを多く使いがちなEDHなので比較的条件の達成は容易とは言え、条件は条件。
全体除去撃たれて土地のみの平場では、もしコンボをそろえても動けない。
・正確には2枚コンボではない②
上の①の条件を満たしたとしても、そのまま勝ちとはいかない。
コンボによって発生するのは、「無限アンタップ、無限マナ、無限呪文キャスト」だ。どれも強力だが、しかしこれだけでは対戦相手は倒せない。
上記の無限コンボをエンジンとする勝ち手段が追加で必要なのだ。
色んな種類の無限が発生するので受けは広いのだが、それでも捌け口となるカードを追加で準備しなければならない。
・パーツを単体で使った場合、リカバーがしにくい
《等時の王笏》の方は、《彫り込み鋼》のようなコピーカードや良く見かける妨害カードであるバウンスで回収が出来るのでまだコンボに復帰しやすい。(特に《一瞬》なんかを刻印しておいていれば自分の効果で戻せるので完璧だ)
ただ、それでも一度戦場に出した状況からコンボスタートには手間が結構かかるので、戦場に出す時にはこのコンボルートを捨てる事をある程度覚悟しなければならない。
《劇的な逆転》に至っては撃ちきりのインスタントなので、墓地回収するくらいしかコンボ復帰方法はない。
☆利点と欠点を見比べて
現在の自分は、この利点と欠点を見比べた結果、そこまでこのコンボを評価できない、という結論に達している。
弱いとは言わないが、《Power Artifact》+《厳かなモノリス》と同程度くらいの感覚だ。
・パーツの揃えやすさ
パーツの揃えやすさは、セプターコンボにはインスタントである《劇的な逆転》がエンチャントである《Power Artifact》より容易である利点はあるものの、《Power Artifact》側も追加で《玄武岩のモノリス》という受けがある利点がある。
それでも《Power Artifact》のサーチのしにくさがキツイので、わずかながらセプターコンボに軍配が上がるか。
・パーツ単体の使い勝手
カード単体のパワーだと
《厳かなモノリス》(コンボ関係なくデッキに入りうる)>《玄武岩のモノリス》《王笏》《逆転》(それなりにパワーはあるが、単体でデッキに採用されているようなカードではない)>《Power Artifact》(実質コンボ専用)
といった感じで、しかし《王笏》も《逆転》も上記の通り単体で使うにはコンボルートをある程度諦める必要がある欠点があるために《Power Artifact》コンボの方がパーツが腐る状況は少ないだろう。
・パーツ以外の下準備
受けは広いが必要パーツが多い(非土地マナソース+捌け口)セプターコンボと、無限マナしか出ないが捌け口だけで解決する《Power Artifact》コンボ。
これに関しては単純に必要枚数の少ない《Power Artifact》コンボの方が扱いやすいだろう。
こんな感じで、自分の中ではこの2つのコンボの評価はどっちもどっちといった感じ。
そして《Power Artifact》コンボは「決して弱くはないが、現在のEDHにおける一線級のコンボとは言い難い」と自分は評価している。
もちろん、「どっちもどっち」と判断しているセプターコンボも同様に。
世間だと、「セプターコンボは強い」って評価が多く見られる印象があり、最初に書いた通り自分の感覚と齟齬がある。
他の方の意見も聞きたいです。よろしくお願いします。
可能であれば意見を求めたいので、ここのコメント欄なりTwitterのリプライなどで意見を貰えると嬉しいです。
☆《等時の王笏/Isochron Scepter》+《劇的な逆転/Dramatic Reversal》コンボ
《等時の王笏》に《劇的な逆転》を刻印する、いわゆるセプターコンボ。
このコンボは、今は亡きハルクフラッシュや《タッサの神託者》コンボ、《食物連鎖》や《最後の審判》辺りと並んで、(特に海外の)EDHに関する話題で「cEDHにおける主流の(ジェネラル依存の薄い)強力コンボ」としてよく挙げられている。
☆コレ、本当に強いの?
しかし自分は、このコンボをあまり強いとは思っていない。
仮にもcEDHプレイヤーとの自認のある立場で、世の中で多く見られる評価と大きく違っている事に不安があるので、今回はその理由を並べて、他の方々から判断を仰ぎたい。
よろしくおねがいします。
☆セプターコンボの利点
・軽さ
2マナ設置+2マナ起動の合計4マナでコンボスタート。
EDHのコンボ全般から見て、明確に軽い。
《儀式の大魔導師、イナーラ》の《呪文探求者》コンボや往年の《生き埋め》+《再活性》と同じマナ数、しかも(するかどうかは別にして)ターンをまたいでの分割払いも可能。
これより軽い一般コンボは《タッサの神託者》+《Demonic Consultation》の3マナくらいだ。
・単体でのパーツの強さ
《等時の王笏/Isochron Scepter》はデッキに入っている適当な妨害インスタントや《渦まく知識》やチューターを刻印しても、EDH的には十分なパフォーマンスを発揮する。
また、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》も状況が整っていれば、2マナという現実的なマナコストの瞬間加速として機能する。
いつも自分が一番にコンボを決めに行ける訳ではないゲームに置いて、コンボが揃っていない状況でも柔軟に扱えるのは重要だ。
☆セプターコンボの欠点
・サーチのしにくさ
《等時の王笏/Isochron Scepter》はアーティファクト、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》はインスタント。
どちらもコンボカラーである青でサーチは可能なのだが、1枚で手札に足りない方をサーチできるカードは非常に少ない(《交錯の混乱》くらい?)
カードタイプが違うので、サーチが噛み合わない事がどうしても多くなってしまう。
・正確には2枚コンボではない①
まず、《劇的な逆転/Dramatic Reversal》でアンタップする、2マナ以上出る非土地パーマネントが最低限必要。無限マナを目指すのならば3マナが必要だ。
土地以外のマナソースを多く使いがちなEDHなので比較的条件の達成は容易とは言え、条件は条件。
全体除去撃たれて土地のみの平場では、もしコンボをそろえても動けない。
・正確には2枚コンボではない②
上の①の条件を満たしたとしても、そのまま勝ちとはいかない。
コンボによって発生するのは、「無限アンタップ、無限マナ、無限呪文キャスト」だ。どれも強力だが、しかしこれだけでは対戦相手は倒せない。
上記の無限コンボをエンジンとする勝ち手段が追加で必要なのだ。
色んな種類の無限が発生するので受けは広いのだが、それでも捌け口となるカードを追加で準備しなければならない。
・パーツを単体で使った場合、リカバーがしにくい
《等時の王笏》の方は、《彫り込み鋼》のようなコピーカードや良く見かける妨害カードであるバウンスで回収が出来るのでまだコンボに復帰しやすい。(特に《一瞬》なんかを刻印しておいていれば自分の効果で戻せるので完璧だ)
ただ、それでも一度戦場に出した状況からコンボスタートには手間が結構かかるので、戦場に出す時にはこのコンボルートを捨てる事をある程度覚悟しなければならない。
《劇的な逆転》に至っては撃ちきりのインスタントなので、墓地回収するくらいしかコンボ復帰方法はない。
☆利点と欠点を見比べて
現在の自分は、この利点と欠点を見比べた結果、そこまでこのコンボを評価できない、という結論に達している。
弱いとは言わないが、《Power Artifact》+《厳かなモノリス》と同程度くらいの感覚だ。
・パーツの揃えやすさ
パーツの揃えやすさは、セプターコンボにはインスタントである《劇的な逆転》がエンチャントである《Power Artifact》より容易である利点はあるものの、《Power Artifact》側も追加で《玄武岩のモノリス》という受けがある利点がある。
それでも《Power Artifact》のサーチのしにくさがキツイので、わずかながらセプターコンボに軍配が上がるか。
・パーツ単体の使い勝手
カード単体のパワーだと
《厳かなモノリス》(コンボ関係なくデッキに入りうる)>《玄武岩のモノリス》《王笏》《逆転》(それなりにパワーはあるが、単体でデッキに採用されているようなカードではない)>《Power Artifact》(実質コンボ専用)
といった感じで、しかし《王笏》も《逆転》も上記の通り単体で使うにはコンボルートをある程度諦める必要がある欠点があるために《Power Artifact》コンボの方がパーツが腐る状況は少ないだろう。
・パーツ以外の下準備
受けは広いが必要パーツが多い(非土地マナソース+捌け口)セプターコンボと、無限マナしか出ないが捌け口だけで解決する《Power Artifact》コンボ。
これに関しては単純に必要枚数の少ない《Power Artifact》コンボの方が扱いやすいだろう。
こんな感じで、自分の中ではこの2つのコンボの評価はどっちもどっちといった感じ。
そして《Power Artifact》コンボは「決して弱くはないが、現在のEDHにおける一線級のコンボとは言い難い」と自分は評価している。
もちろん、「どっちもどっち」と判断しているセプターコンボも同様に。
世間だと、「セプターコンボは強い」って評価が多く見られる印象があり、最初に書いた通り自分の感覚と齟齬がある。
他の方の意見も聞きたいです。よろしくお願いします。
コメント
かっこかりさんをはじめ、色々な方のdiarynoteを拝見させていただいて、cEDHを勉強している者です。
私が普段edhをしてるコミュニティは大学のサークルということもあり、主に金銭的な問題でcEDH環境とは言えないのでエアプに近い意見だと思って下さい!
セプターコンボに関して、自分はサブプランとして使うなら強いと感じます。
セプターコンボの利点と欠点はかっこかりさんが挙げている通りだと思いますが、欠点で挙げられている項目は、(サブプランとしてなら)それほど大きな問題ではないと思います。
まず正確には2枚コンボではない①②に関して
①は、デモチューで最初に持ってくるカードとしてクリプトが最良の選択肢となる場合が多い構築ならそれほど気になりません。個人的に、ファクト全除去も主要なデッキのリストにはあまり入ってる印象はないです。
②はそもそもセプターコンボを採用できるデッキは
⑴統率者が無限マナの捌け口
⑵7ドロー等の強力なドロソを多く積んでいる
のどちらかに当てはまる場合が多い為、コンボ成立≒勝利
となるのではないでしょうか?
パーツの揃え辛さとリカバリーに関しては、あくまでもサブプランとしてのコンボであるなら、それほど重く見る必要が無いように思えます。
また追加の利点として、
・素引きしてはいけないパーツがないこと
・発生する無限マナが有色の場合もあること
等も挙げられるのではないでしょうか
メインプランとしてみると欠点の部分が重く感じますが、サブプランとしてなら及第点かもしくはそれ以上の強さがあると思います。
cEDH環境は知らないので、cEDH環境での強弱は判断しないことを前提とします。
長文失礼します。
採用理由がうまく重なるなら「セプターコンボ」は採用しますが、
それ以外では採用しませんね。
だから、嵌った時のみ「セプターコンボ」は強いイメージです。
自分は《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》で「セプターコンボ」を採用しています。
※この時点でcEDH向けではない。
採用理由は下記の通りです。
①《等時の王笏/Isochron Scepter》《劇的な逆転/Dramatic Reversal》が無理なくサーチできる。
→《等時の王笏/Isochron Scepter》は《捧げ物の魔道士/Tribute Mage》、
《劇的な逆転/Dramatic Reversal》は《呪文探求者/Spellseeker》で
サーチが可能。
②《呪文探求者/Spellseeker》《捧げ物の魔道士/Tribute Mage》の
サーチ先は「セプターコンボ」にこだわる必要がない。
→「セプターコンボ」が決まりそうならサーチすればよい。
序盤に使用するなら、カウンターなり、バウンスなり、マナファクトなりサーチすればよい。
③《等時の王笏/Isochron Scepter》《劇的な逆転/Dramatic Reversal》にコンボ以外の使い道が(一応)ある。
→《等時の王笏/Isochron Scepter》の刻印は、《渦まく知識/Brainstorm》であれば毎ターン1枚カードが増えるし、《秘儀の否定/Arcane Denial》であればカウンター(兼牽制)になる。
《劇的な逆転/Dramatic Reversal》は、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》がいる状態であれば、最低でも1枚カードは引ける。
④サーチ元がどちらも”ウィザード”持ち
→《呪文探求者/Spellseeker》《捧げ物の魔道士/Tribute Mage》でサーチした後は、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》でドローができるので、無駄は少ない。
ソラニンさんが書いています通り、
「セプターコンボ」はサブコンボとして輝くかと。
特定の2枚ですぐ勝ちに行けるって視点で見れば弱い、各々が単体で使えるレベルだけど無限コンボとしても使える。フィニッシュはジェネラルとでも絡めとけばいい。
まあサブコンボって奴なのかな。
一応火想者の予見なんかから一回でパーツが揃うっちゃ揃いますが。
コメントありがとうございます。
長文は、自分も書いちゃう方なので全然気にしないでくださいw
むしろより詳細な意見交換ができて嬉しいです。
Twitterで貰った意見を見ても、「複数コンボを積む前提で投入されるコンボのひとつ」という認識は強いみたいですね。
パーツ単体がそれなりにパワーがあり、投げ捨ててもメインコンボではないので諦めやすい、という観点で採用している方が多いようです。
そのような立ち位置なのもあってか、強さの評価に関しては、「強いけど一線級ではない」「普通の強さ」くらいの評価が多かったです。
海外だとこれよりも高めの評価を受けているようなのですが、日本だとそうでもないようです。
>zamaくん
なんかもうソラニンさんへの返信ですでに書いちゃったので重ねて書く必要がなく適当でアレなんですけど、みんな「コンボを複数入れる際に好まれるコンボ」って意見ですね。
「ジェネラルを無限マナの捌け口にする」は、ぱっと見で分かる弱点の埋め方でしたが、「複数あるコンボの一つにしてしまう」という方法も『揃えにくい』『単体で強いけど使っちゃうとコンボできなくなるパーツたち』というコンボの弱点を埋めうるプランですからね。
ある程度コンボ側を介護出来るジェネラル向きと考えると、やはりコンボ自体のパワーとしては今一つという評価に落ち着きそうです。