AHEさんの、相棒に関する翻訳記事(https://ch.nicovideo.jp/AHE_mtg/blomaga/ar1750548)見て、EDHプレイヤーとして思ったの事でも。
元記事の筆者は、統率者戦についてはあまり深くプレイしていないようで、カジュアルなEDH環境(もちろんEDHはカジュアルな環境で遊ぶのがメインなのだが)とエターナルフォーマット(モダン・レガシーなど)を比較して書いてる印象を持った。
野良末端プレイヤーながら、仮にもEDHもモダン・レガシーもそれなりに手を付けている身としてはこの記事に色々思う所があったので、元記事に対して疑問に思った点や、主にエターナルにおける相棒の影響について自分なりに書いてみようと思った訳です。
という訳で、はじまりはじまり。
☆EDHが壊れてないのはカジュアルだから?
元記事の筆者は、「EDHはカジュアルなデッキばかりで、勝てるデッキを組んでいないから相棒様のシステムがあっても環境が壊れない」というように書いていたが、実際は違うと思う。
統率者戦において統率者というシステムで環境が壊れないのは、ひとえに『非常に厳しい構築制限』によるところが大きいと自分は考えている。
「99枚ハイランダー、さらには色の制限もあり、対戦相手が3人でライフ40」という、「60枚4枚制限、色制限なし、タイマンでライフ20」というルールに比べると、デッキのカードがかなり薄まる上に勝利のハードルが高いルールのおかげで、非常に環境が壊れにくい。
例えば、現在レガシーで暴れ回っているジャイルーダだって、EDHでやろうと思うと非常に難易度が高い。
偶数のクローンを(しかも青黒限定なので《修復の天使》なんかは使えない!)レガシーと同程度のバランスとなるデッキの1/3・33枚も準備するのは不可能だし、強力な加速を可能にする《ライオンの瞳のダイアモンド》も、手軽にコンボの確実性を上げる《魂の洞窟》も1枚しか入らない。
EDHは、相棒条件よりもずっと強い縛りが常にかかっているのである。
☆エターナルにおける相棒の影響は?
クッソデカいと思っている。
これは元記事の方も書いているのだが、「初手に必ずあり、その相棒の分1枚初手が増え、デッキによっては縛りが意味をなさない」カードの影響が少ないワケがない。
なにより「初手に必ずある」という要素が本当にヤバい。
EDHで強ジェネラルと呼ばれる伝説カードは何枚かあるのだが、それらのデッキの多くがそのジェネラルを活かしたデッキ構築になっている。
例えば《結界師ズアー》は3マナ以下の強力なエンチャントを軸にした構築になっているし、《ギトラグの怪物》は土地とのシナジーが強いデッキだ。《ナジーラ》は戦士シナジーや追加コンバット能力を上手く使える構築になっている。
だが、それら強力なジェネラルが、色の合う他のデッキに入っている事は非常に稀だ。
全ての強ジェネラルが強ジェネラルでいられるのは、「初手にある」という前提あってこそ。
ハイランダーという不安定な構築制限の中で、初手にあるという影響はそれだけ大きいのだ。
そうしてそれは、規模の違いこそある者の、通常構築フォーマットでも変わらない。
☆通常フォーマットで「特定のカードが初手にある」意味
上記の影響を通常フォーマットで考えてみよう。
今までの構築では「4枚積んでも7枚の初手にくる確率が40%ほど」だったのが、「問答無用で100%。しかもそれ以外に7枚引ける」になる。
手札破壊の影響を受けない《実物提示教育》が毎回8枚目の手札としてもらえるスニークショーを考えてみよう。
どう考えてもぶっ壊れだ。今までは4枚デッキに入れ、さらにはドロソで必死に探していたのがバカバカしくなる。
相棒は、(もちろんそれ自体のパワーに依存はするが)それを軸にしてデッキを組むに足る理由となる。
☆通常フォーマットで特定の相棒を軸にする価値
では、実際相棒は軸にして組むに足るカード足り得るのだろうか?
これはレガシーのジャイルーダデッキと、上で書いたEDHジャイルーダの構築の難しさなんかを見比べてもらえば明確なんだけど、通常フォーマットだと特定の相棒の効果を非常に有効に使いやすいので、特定のカードを軸にする価値が出やすい。
デッキは60枚しかないし、同じカードを4枚まで入れられる。EDHと違って色縛りなんてものもない。
つまり、相棒による縛りを受けてなお、かなり自由にデッキ構築が出来るのだ。
☆未来のフォーマットへの影響は?
これは元記事の人の意見に全面的に同意したい。
以下が元記事翻訳からの引用だ。
上で書いた通り、「必ず初手にある追加ドロー」の影響は大きすぎる。
『強い相棒が使えるデッキ』と『相棒が使えないデッキ』の間には、構築段階でそれなりに大きなアドバンテージの差が発生してしまう。
この影響は、環境に存在するデッキを制限するばかりか、デッキに投入されうるカードすら制限してしまうだろう。
例えば《ルールス》が環境を支配する数少ない相棒の1枚になった場合、(《ケルーガ》が同じく環境相棒にならない限り)3マナ以上のパーマネントの評価はすべて1段落ちる事になる。
それだけではない。
上に引用した通り、「相棒持ち」はマナフラに強くなるし、同じようなゲーム展開を安定して行う事が出来る。
対戦相手の高すぎる安定性は、対戦しているとつまらなくなる要素だ。これは非常によろしくない。
☆結論
今後の相棒の個人的な予想。
しばらくの間、相棒はエターナル環境に大きな影響を与え続けるだろう。
そして将来的にはファイレクシア・マナと同様に、強すぎる相棒カードから順に禁止になっていき、どこかのタイミングから環境から事実上消え去るのではないかと思っている。
相棒システム自体のゲームへの影響の大きさから、《外科的摘出/Surgical Extraction》や《四肢切断/Dismember》レベルの良カードに落ち着く相棒の発生は難しそうだ。
ストーム値は高く設定され、新しく出るにしても統率者セット辺りで数枚程度で、それも縛りやクリーチャーとしての性能が大きく制限されたものとなるだろう。
大体こんな。
書きたい事書いてスッキリしたぞ。
元記事の筆者は、統率者戦についてはあまり深くプレイしていないようで、カジュアルなEDH環境(もちろんEDHはカジュアルな環境で遊ぶのがメインなのだが)とエターナルフォーマット(モダン・レガシーなど)を比較して書いてる印象を持った。
野良末端プレイヤーながら、仮にもEDHもモダン・レガシーもそれなりに手を付けている身としてはこの記事に色々思う所があったので、元記事に対して疑問に思った点や、主にエターナルにおける相棒の影響について自分なりに書いてみようと思った訳です。
という訳で、はじまりはじまり。
☆EDHが壊れてないのはカジュアルだから?
元記事の筆者は、「EDHはカジュアルなデッキばかりで、勝てるデッキを組んでいないから相棒様のシステムがあっても環境が壊れない」というように書いていたが、実際は違うと思う。
統率者戦において統率者というシステムで環境が壊れないのは、ひとえに『非常に厳しい構築制限』によるところが大きいと自分は考えている。
「99枚ハイランダー、さらには色の制限もあり、対戦相手が3人でライフ40」という、「60枚4枚制限、色制限なし、タイマンでライフ20」というルールに比べると、デッキのカードがかなり薄まる上に勝利のハードルが高いルールのおかげで、非常に環境が壊れにくい。
例えば、現在レガシーで暴れ回っているジャイルーダだって、EDHでやろうと思うと非常に難易度が高い。
偶数のクローンを(しかも青黒限定なので《修復の天使》なんかは使えない!)レガシーと同程度のバランスとなるデッキの1/3・33枚も準備するのは不可能だし、強力な加速を可能にする《ライオンの瞳のダイアモンド》も、手軽にコンボの確実性を上げる《魂の洞窟》も1枚しか入らない。
EDHは、相棒条件よりもずっと強い縛りが常にかかっているのである。
☆エターナルにおける相棒の影響は?
クッソデカいと思っている。
これは元記事の方も書いているのだが、「初手に必ずあり、その相棒の分1枚初手が増え、デッキによっては縛りが意味をなさない」カードの影響が少ないワケがない。
なにより「初手に必ずある」という要素が本当にヤバい。
EDHで強ジェネラルと呼ばれる伝説カードは何枚かあるのだが、それらのデッキの多くがそのジェネラルを活かしたデッキ構築になっている。
例えば《結界師ズアー》は3マナ以下の強力なエンチャントを軸にした構築になっているし、《ギトラグの怪物》は土地とのシナジーが強いデッキだ。《ナジーラ》は戦士シナジーや追加コンバット能力を上手く使える構築になっている。
だが、それら強力なジェネラルが、色の合う他のデッキに入っている事は非常に稀だ。
全ての強ジェネラルが強ジェネラルでいられるのは、「初手にある」という前提あってこそ。
ハイランダーという不安定な構築制限の中で、初手にあるという影響はそれだけ大きいのだ。
そうしてそれは、規模の違いこそある者の、通常構築フォーマットでも変わらない。
☆通常フォーマットで「特定のカードが初手にある」意味
上記の影響を通常フォーマットで考えてみよう。
今までの構築では「4枚積んでも7枚の初手にくる確率が40%ほど」だったのが、「問答無用で100%。しかもそれ以外に7枚引ける」になる。
手札破壊の影響を受けない《実物提示教育》が毎回8枚目の手札としてもらえるスニークショーを考えてみよう。
どう考えてもぶっ壊れだ。今までは4枚デッキに入れ、さらにはドロソで必死に探していたのがバカバカしくなる。
相棒は、(もちろんそれ自体のパワーに依存はするが)それを軸にしてデッキを組むに足る理由となる。
☆通常フォーマットで特定の相棒を軸にする価値
では、実際相棒は軸にして組むに足るカード足り得るのだろうか?
これはレガシーのジャイルーダデッキと、上で書いたEDHジャイルーダの構築の難しさなんかを見比べてもらえば明確なんだけど、通常フォーマットだと特定の相棒の効果を非常に有効に使いやすいので、特定のカードを軸にする価値が出やすい。
デッキは60枚しかないし、同じカードを4枚まで入れられる。EDHと違って色縛りなんてものもない。
つまり、相棒による縛りを受けてなお、かなり自由にデッキ構築が出来るのだ。
☆未来のフォーマットへの影響は?
これは元記事の人の意見に全面的に同意したい。
以下が元記事翻訳からの引用だ。
3・4枚の相棒が最も強力なものとして残り、それらが同程度の厳しさの制限を持つと仮定すると、これはプレイアブルなデッキの幅を恐ろしく狭める事になる。それが非常に強力ならあなたはその内の一つを選ぶしかない。これは強力な相棒の制限に引っかかるカードを穏やかに締め出している。
上で書いた通り、「必ず初手にある追加ドロー」の影響は大きすぎる。
『強い相棒が使えるデッキ』と『相棒が使えないデッキ』の間には、構築段階でそれなりに大きなアドバンテージの差が発生してしまう。
この影響は、環境に存在するデッキを制限するばかりか、デッキに投入されうるカードすら制限してしまうだろう。
例えば《ルールス》が環境を支配する数少ない相棒の1枚になった場合、(《ケルーガ》が同じく環境相棒にならない限り)3マナ以上のパーマネントの評価はすべて1段落ちる事になる。
それだけではない。
これは常にルールスがあるという前提でデッキが組めると言うことだ。土地がちょっと多めでも許せる。8枚目は常に呪文だからだ。ミシュラのガラクタをプレイできる。3T目になればルールスからもう一度唱えられるからだ。3マナのマナカーブは外せる。3T目に戦場に出すものは常にあるからだ。(他にあったら代わりにジャッジが出てくる)
上に引用した通り、「相棒持ち」はマナフラに強くなるし、同じようなゲーム展開を安定して行う事が出来る。
対戦相手の高すぎる安定性は、対戦しているとつまらなくなる要素だ。これは非常によろしくない。
☆結論
今後の相棒の個人的な予想。
しばらくの間、相棒はエターナル環境に大きな影響を与え続けるだろう。
そして将来的にはファイレクシア・マナと同様に、強すぎる相棒カードから順に禁止になっていき、どこかのタイミングから環境から事実上消え去るのではないかと思っている。
相棒システム自体のゲームへの影響の大きさから、《外科的摘出/Surgical Extraction》や《四肢切断/Dismember》レベルの良カードに落ち着く相棒の発生は難しそうだ。
ストーム値は高く設定され、新しく出るにしても統率者セット辺りで数枚程度で、それも縛りやクリーチャーとしての性能が大きく制限されたものとなるだろう。
大体こんな。
書きたい事書いてスッキリしたぞ。
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