Twitter上で、MTGのルールに答えてくれる、複数のジャッジが中の人であるアカウント「MTG質問箱」(@testing_box)というものがあるのだけれど、そこで半年くらい前にした質問に関するお話。
今更な感じだけど、ちょっと前にTwitterで似たような話が出てきて思い出したので。



☆複雑なコンボ
EDHは、ライフ40×3人を倒す必要がある関係上、コンボを勝ち手段に据えているデッキが多い。
だが、コンボ専用の分かりやすいカードを使ったフィニッシュは、単純で理解しやすくはあるのだが、コンボカードがフィニッシュ時以外は無駄になりやすく、そこに至るまでのゲームでの足枷となる。
(例:無限マナ→そのマナを注ぎ込んで無限ダメージという勝ち手段の場合、《Power Artifact》や《ゴブリンの大砲/Goblin Cannon》は単体だと非常に弱く、勝つ時以外は引いてもその分潜在的なカードディスアドバンテージに繋がる)

なので、一部のデッキはそういった事態を避けるため、フィニッシュに向かう途中でも無駄になりにくい、無駄にならないカードをコンボパーツとしてデッキに組み込んでいるのだが……そういったコンボの場合、往々にして複雑になりやすい。

《Power Artifact》+《厳かなモノリス/Grim Monolith》のように「手順の省略」を行えれば楽なのだが、それが認められるのはループの結果が明確である場合のみ。
そのため、例えば「《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster》がいる状態で《ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage》を発掘し続ける。発掘時に土地が落ちれば余分に1ドロー出来る」のようなループは、手順の省略が認められておらず、ルールに則るならば1回1回行わなければならない。

で、このような”非常に時間のかかる”コンボはレガシーやモダンでも行うことが出来るのだが、こういった行動がルール上適正か(特に遅延行為にならないかどうか)というのが質問の意図。

結果としては「適正」でした。

以下引用

◎質問

@testing_box レガシーの大会(一般)で、ターンプレイヤーが《血の暴君、シディシ》《潮吹きの暴君》《厳かなモノリス》《虹色のレンズ》をコントロールしており、さらに手札に《厳かなモノリス》を持っていて、好きなだけシディシを手札に戻してキャスト出来る状況にあります(続く)

@testing_box 墓地はなく、50枚あるライブラリーは《真実の解体者、コジレック》《炎の血族の盲信者》《戦慄の復活》残りは土地です。この状況で、(手順の省略が出来ないので)地道にシディシのキャストを繰り返し、トークンを100体出す事は遅いプレイですか?(続く)

@testing_box また、この手順で100体トークンを出した後、《コジレック》が墓地に落ちる前に《盲信者》と《戦慄の復活》が墓地に落ちるまでループを繰り返す事は遅いプレイに入りますか?


◎回答
. @ubaitoriya いずれも、適正な時間でプレイ動作を続けるのならば、それは許容されます。言い換えると、「良くない行動」ではありません。何も意味のない行動を繰り返したり、行動決定までの時間が必要以上にかかる場合、「良くない行動」とされます。(JAR「良くない行動」)


まあギトラグ発掘やシディシループに比べればマシとは言え、不確定かつ手順に時間がかかる《第二の日の出/Second Sunrise》が認められていた(運営のタイムスケジュールに問題が出る事を理由に禁止にされたけどw)事からも、手順が省略できず複雑であっても、明確に勝利に向かう行動は認められるようです。


ゲームする時の実際の処理としては、事実上外的要因以外でコンボは止まらず、妨害が無い限りコンボをしたプレイヤーが勝利するのは確実なので、手順を説明され、それに必要なカードを全て公開された時点で「妨害が無ければその場で投了」「妨害のあてがある場合は差し込むタイミングまでは続けてもらう」というのがスムーズな形になると思う。



とりあえずここまで。
次の記事では、別の「時間のかかる勝ち手段」の問題に関して書きたい。

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