ウーナと《Candelabra of Tawnos》
2016年10月18日 EDHカード考察 コメント (8)ツイッターの話題を輸入する。
昨日「《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》を組みたい人がいるのだけど、カンデラ(《Candelabra of Tawnos》)って必須?」みたいな話題が出た。
とりあえず、カンデラを知らない人のためにテキストから。
XマナでX枚の土地を起こす。マナフィルター的に使ったり、複数マナが出る土地があればマナ加速になったりする。
EDHでの遭遇率としてはちょっと珍しめのカードだと思う。レガシーのHigh Tideで使うので非常にお高い。
で、長らくウーナを使っていたcoza君に昔聞いた所だと「カンデラは必須」との事だったのだが、cozaくん謹製ウーナの性質含めてその理由を改めて整理してみる。
◎直接的な勝ち筋
・《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》を出し、《汚れた契約/Tainted Pact》や《Demonic Consultation》でライブラリーを吹き飛ばして勝つ。
失敗するとそのまま敗北しかねないというリスクはあるが、実質2枚コンボで、必要なマナも軽いという利点がある。
・無限マナからのライブラリーアウト
《Power Artifact》や《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》を利用しての無限マナから、ウーナの能力で全員のライブラリーを追放する。
無色無限マナまでは結構楽に出せるのだが、そこから「ウーナキャスト→ライブラリー吹き飛ばし」と行うためには、4人戦の場合、青か黒のマナを合計6つも必要とする。
そのため、無限マナ達成からすぐに勝つにはちょっと準備がいる場合が多い。
◎間接的な勝ち筋
直接的な勝ち筋を手軽に揃える、実質的に勝ち同然の状況を作る、などの方法。
・《ネクロポーテンス/Necropotence》
初期ライフが40あるゲームなので、1ライフが1ドローに変わるネクロはとても効率が良いドローとなる。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》などで早いターンに設置し、毎ターン手札が溢れるほどの物量を維持し続け、ライフが切れる前にコンボに入って勝つ。
・《むかつき/Ad Nauseam》
撃ち切りのネクロみたいなカード。ただしカード1枚に対して減るライフは1:1ではなく、マナコストが参照される。
デッキのマナコストが低ければ、手札に入るタイミングをインスタントにした《ネクロポーテンス/Necropotence》同然の効果を発揮するため、非常に強力。
☆《Candelabra of Tawnos》の価値
という訳で、ここまで説明してきたようなデッキにおけるカンデラの価値を読み解いていく。
・色マナの確保
勝ち筋のひとつである、無限マナライブラリーアウトの色マナ確保に大きく貢献する。
無色マナは無限にある前提なので、土地から出る色マナ分を単純にそのまま増やせる換算。おおまかに、使える色マナの数が倍になる感じ。
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》なんかがあると非常に捗る。
・サーチのしやすさ
「1マナのアーティファクト」なので、非常にサーチしやすい。
黒の万能サーチはもちろん有効だし、コンボパーツがアーティファクトに寄っているのでそれ用のサーチの流用も出来る。それどころか、《粗石の魔道士/Trinket Mage》ですらサーチ出来る。
必要な時に即座に手札に加える事が出来るのだ。
・単体での便利さ
決して強くはないが、1マナのマナフィルターとして考えると案外悪くない仕事はする。
青茶系は《魔力の墓所/Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》のようなカードのおかげで無色マナが余りがちになるので、それを色マナに変えられる効果は行動回数の増加などに貢献できる。
まあ、そうは言ってもカード1枚使ってやるような事ではないので、あくまで「うっかり引いてしまっても完全なゴミにはならないよ」くらいに割り切った方が良さそう。
☆結論
単体ではゴミ。まあ最悪ちょっとしたマナフィルター。
だが、《むかつき/Ad Nauseam》の負担にならない低いマナコストで、必要な時にサーチが容易で、キャストも起動も無色のみなのでシンボルがキツキツの状態からでも色を増やす事が出来、無限マナフィニッシュに貢献する。
シンボル6個は、早いターンにコンボに入った場合・《Power Artifact》で青青消耗して無限マナに入った場合など特に達成が難しいので、無色から色マナを大きく増やせるこれは大事。
色マナが足りない時、任意でサーチして一気に色マナを増やせるのカードでは、恐らく最も使い勝手がいい。
サーチ先として、お値段さえ気にしないならデッキに入れた方が良いかも知れない。
☆代替品
比較的安いカードで同じような効果を得られるカードも幾つかある。
・《汚物の雨/Rain of Filth》
土地から倍の色マナが出る、という点だけ見れば大体カンデラ。
ただし後戻りは許されないし、1マナのアーティファクトに比べると流石にサーチはしにくい。始動に黒マナがいるため、完全に色マナが枯れた状態からは色マナの数を伸ばせない。
・《ダークウォーターの卵/Darkwater Egg》
・《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
・《彩色の星/Chromatic Star》
1~2マナをフィルターしてくれる。しかも使いきりとは言え1ドロー付き。土地に依存しないので盤面状況に左右されない。フィニッシュ時に使えば使いきりでもどうって事ない。
サーチのしやすさはカンデラと同等なのだが、フィルター出来る数が1~2で固定なのが難点。爆発的に色マナを増やす事は難しい。(カンデラの場合、土地の枚数分なのでフィニッシュ直前なら3、4マナくらいは軽くいく)
・《暗黒の儀式/Dark Ritual》
・《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
始動に色マナが必要な点、サーチのしやすさなど《汚物の雨/Rain of Filth》に近い性質。
増える色の数が固定であるが、汚物の雨に比べて低リスクであり、序盤の加速や《ネクロポーテンス/Necropotence》《むかつき/Ad Nauseam》のキャストに貢献してくれる丸いカード。
最近EDHの記事書いてないなー、って思ったから、なんて事ないお話をだらだらと書いてみた。
昨日「《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》を組みたい人がいるのだけど、カンデラ(《Candelabra of Tawnos》)って必須?」みたいな話題が出た。
とりあえず、カンデラを知らない人のためにテキストから。
Candelabra of Tawnos (1)
アーティファクト
(X),(T):土地X個を対象とし、それらをアンタップする。
XマナでX枚の土地を起こす。マナフィルター的に使ったり、複数マナが出る土地があればマナ加速になったりする。
EDHでの遭遇率としてはちょっと珍しめのカードだと思う。レガシーのHigh Tideで使うので非常にお高い。
で、長らくウーナを使っていたcoza君に昔聞いた所だと「カンデラは必須」との事だったのだが、cozaくん謹製ウーナの性質含めてその理由を改めて整理してみる。
◎直接的な勝ち筋
・《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》を出し、《汚れた契約/Tainted Pact》や《Demonic Consultation》でライブラリーを吹き飛ばして勝つ。
失敗するとそのまま敗北しかねないというリスクはあるが、実質2枚コンボで、必要なマナも軽いという利点がある。
・無限マナからのライブラリーアウト
《Power Artifact》や《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》を利用しての無限マナから、ウーナの能力で全員のライブラリーを追放する。
無色無限マナまでは結構楽に出せるのだが、そこから「ウーナキャスト→ライブラリー吹き飛ばし」と行うためには、4人戦の場合、青か黒のマナを合計6つも必要とする。
そのため、無限マナ達成からすぐに勝つにはちょっと準備がいる場合が多い。
◎間接的な勝ち筋
直接的な勝ち筋を手軽に揃える、実質的に勝ち同然の状況を作る、などの方法。
・《ネクロポーテンス/Necropotence》
初期ライフが40あるゲームなので、1ライフが1ドローに変わるネクロはとても効率が良いドローとなる。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》などで早いターンに設置し、毎ターン手札が溢れるほどの物量を維持し続け、ライフが切れる前にコンボに入って勝つ。
・《むかつき/Ad Nauseam》
撃ち切りのネクロみたいなカード。ただしカード1枚に対して減るライフは1:1ではなく、マナコストが参照される。
デッキのマナコストが低ければ、手札に入るタイミングをインスタントにした《ネクロポーテンス/Necropotence》同然の効果を発揮するため、非常に強力。
☆《Candelabra of Tawnos》の価値
という訳で、ここまで説明してきたようなデッキにおけるカンデラの価値を読み解いていく。
・色マナの確保
勝ち筋のひとつである、無限マナライブラリーアウトの色マナ確保に大きく貢献する。
無色マナは無限にある前提なので、土地から出る色マナ分を単純にそのまま増やせる換算。おおまかに、使える色マナの数が倍になる感じ。
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》なんかがあると非常に捗る。
・サーチのしやすさ
「1マナのアーティファクト」なので、非常にサーチしやすい。
黒の万能サーチはもちろん有効だし、コンボパーツがアーティファクトに寄っているのでそれ用のサーチの流用も出来る。それどころか、《粗石の魔道士/Trinket Mage》ですらサーチ出来る。
必要な時に即座に手札に加える事が出来るのだ。
・単体での便利さ
決して強くはないが、1マナのマナフィルターとして考えると案外悪くない仕事はする。
青茶系は《魔力の墓所/Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》のようなカードのおかげで無色マナが余りがちになるので、それを色マナに変えられる効果は行動回数の増加などに貢献できる。
まあ、そうは言ってもカード1枚使ってやるような事ではないので、あくまで「うっかり引いてしまっても完全なゴミにはならないよ」くらいに割り切った方が良さそう。
☆結論
単体ではゴミ。まあ最悪ちょっとしたマナフィルター。
だが、《むかつき/Ad Nauseam》の負担にならない低いマナコストで、必要な時にサーチが容易で、キャストも起動も無色のみなのでシンボルがキツキツの状態からでも色を増やす事が出来、無限マナフィニッシュに貢献する。
シンボル6個は、早いターンにコンボに入った場合・《Power Artifact》で青青消耗して無限マナに入った場合など特に達成が難しいので、無色から色マナを大きく増やせるこれは大事。
色マナが足りない時、任意でサーチして一気に色マナを増やせるのカードでは、恐らく最も使い勝手がいい。
サーチ先として、お値段さえ気にしないならデッキに入れた方が良いかも知れない。
☆代替品
比較的安いカードで同じような効果を得られるカードも幾つかある。
・《汚物の雨/Rain of Filth》
土地から倍の色マナが出る、という点だけ見れば大体カンデラ。
ただし後戻りは許されないし、1マナのアーティファクトに比べると流石にサーチはしにくい。始動に黒マナがいるため、完全に色マナが枯れた状態からは色マナの数を伸ばせない。
・《ダークウォーターの卵/Darkwater Egg》
・《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
・《彩色の星/Chromatic Star》
1~2マナをフィルターしてくれる。しかも使いきりとは言え1ドロー付き。土地に依存しないので盤面状況に左右されない。フィニッシュ時に使えば使いきりでもどうって事ない。
サーチのしやすさはカンデラと同等なのだが、フィルター出来る数が1~2で固定なのが難点。爆発的に色マナを増やす事は難しい。(カンデラの場合、土地の枚数分なのでフィニッシュ直前なら3、4マナくらいは軽くいく)
・《暗黒の儀式/Dark Ritual》
・《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
始動に色マナが必要な点、サーチのしやすさなど《汚物の雨/Rain of Filth》に近い性質。
増える色の数が固定であるが、汚物の雨に比べて低リスクであり、序盤の加速や《ネクロポーテンス/Necropotence》《むかつき/Ad Nauseam》のキャストに貢献してくれる丸いカード。
最近EDHの記事書いてないなー、って思ったから、なんて事ないお話をだらだらと書いてみた。
コメント
俺は「cozaくんはカンデラ厨なので沢山マナ出る土地は全部評価が上がる」論を強く推したい。
ジェネラルの性質上、色拘束が厳しい、どうしてもコントロールのような腰を据えた動きをするしかない。ことから、あれば腐る状況よりも器用な動きができる場面のほうが多そうなのかなー?と思いました。
カンデラはコンボ補助がメインの仕事なのですが、「テンポ的に先置きが容易」「単体で使い道が発生しうる」といった辺りで腐りにくいっていうのはありそうです。
それでもカードを1枚消費しているので、不要に思える場面も多そうですが。
手札リセットが多い、ネクロポーテンスなどで少々の手札の消耗は気にならない(むしろバンバン手札を吐き出したい)みたいな要素が弱みを薄めてるのかもです。
言われてみれば! そんなコンボもありましたね。基本が「土地6枚から6マナ+最初のコピー用の2マナ」でしたっけ?
確かに、そのために上でzamaくんが言ってる「4マナ出例の土地」(焦土)を入れてた時期もあったはず。
知らないカードいっぱいあるなぁ
カンデラ、古い時代の再録禁止でレアリティも高く、マイナーデッキとは言えレガシーに4枚入る居場所を見つけてしまったせいでシャレにならないくらい高いんですよね。
カードパワー自体は強過ぎず弱過ぎずで、再録してもおそらく「面白そう」レベルの適切な強さなのが本当に残念です。