EDHは、圧倒的に広いカードプールの上に、1デッキ辺り100種類もカードを使わなければいけないため、他フォーマットでは出番のないようなカードも多く使われ、それゆえにルール上の疑問やおかしな挙動も多い。
そんな訳で、知ってる人は知ってる、知らない人は意外と知らない細かいカードの豆知識を書いていく。
昔に書いた事と被ってるのも結構あると思うけど勘弁な。
☆《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》と《白金の天使/Platinum Angel》
多人数戦の条件勝利カードは、その条件で勝利する時、代わりに対戦相手全員を敗北させる。
例えば《研究室の偏執狂》なら、ライブラリーが空の時にドローすると全員を敗北させる。
対戦相手が「対戦相手はゲームに勝利する事はない」と書いてある《白金の天使》をコントロールしている場合、その対戦相手以外も条件勝利カードによって敗北する事はない。
☆《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》と《反射池/Reflecting Pool》
《風変わりな果樹園》がマナを生み出す時に参照するのは「色」、《反射池が》参照するのは「タイプ」。
「色」は「白青黒赤緑」の5つであり、「タイプ」はそれに加えて「無色」が含まれる。
つまり対戦相手が《荒地》しかコントロールしていない場合、果樹園からはマナが出ない。自分が他に《荒地》しかコントロールしてない場合、反射池からはマナが出る。
また、「生み出すことが出来るマナ」に関しては、結構ややこしいのでルール参照で。
頻出する所だと、
・クリーチャーのいない《ファイレクシアの塔》は黒マナを生み出せる。(コストが払えるかどうかは考慮しない)
・他に土地のない《雨雲の迷路》は青、白、無色のマナを生み出せる。(条件を満たしているかは考慮しない)
・《崩壊する痕跡》は全てのマナを生み出せる。(誘発型能力でも条件を満たす)
・クリーチャーのいない《ガイアの揺籃の地》はマナを生み出さない。運勢カウンターの乗っていない《宝石の洞窟》は、無色マナしか生み出さない。(起動したと仮定して、それで出せないマナは生み出せない)
☆《Jeweled Amulet》
上の話に関連して。
EDHだと良く見るこのカードも参照しているのは「タイプ」なので、無色マナも溜められる。
また、マナを溜める能力は起動型能力であるため、《ブライトハースの指輪》でコピー可能。
その場合、蓄積カウンターが2つ乗る。
蓄積カウンターを取り除いて発生できるマナは最後に記録されたタイプのマナ。
「赤マナで蓄積を起動→解決前に《通電式キー》でアンタップ→青マナで蓄積を起動」と行った場合、カウンターを2つ乗せられるが、マナを出す時は2回とも(最後に解決され、記録された)赤マナが出る。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》と《覚醒の兜/Helm of Awakening》
《覚醒の兜》は呪文のコストを1減らす常在型能力。《リスティックの研究》は呪文を唱えた時に誘発する誘発型能力。
兜とリス研の両方が並んでいる状況だからと言って、本来のマナコストを支払えば《リスティックの研究》のドローを免れるとは限らない。
シンボルが濃いカードや0マナのカードといった、マナコストに不特定マナを含まない呪文で起こるので注意。
☆《花の絨毯/Carpet of Flowers》
《花の絨毯》からマナが出る条件は、あなたの各メインフェイズの開始時、まだこの能力によってマナを得ていない場合。
戦闘前メインフェイズにこれをキャストした場合、戦闘後メインフェイズには条件を満たすため、マナが出る。
☆《Mana Drain》
《Mana Drain》が無色マナを発生させるのは、あなたの次のメインフェイズの開始時である。
そのため、自分の戦闘前メインや戦闘中に《Mana Drain》をキャストした場合、マナが出るのは第2メインフェイズ。
《Mana Drain》が見え見えの場合、対戦相手はこれを利用してちょっとした妨害をかけたりできる(例:《Mana Drain》構えている対戦相手の色マナが少ないようならので、対戦相手の戦闘前メインに《吸血の教示者》をキャスト)ので、覚えておくとちょっと便利。
☆《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》と《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《ウラモグ》の墓地からライブラリーに戻る能力は墓地に落ちた時の誘発型能力、《巨像》の墓地からライブラリーに戻る能力は置換型能力。
《フェアリーの忌み者》などで妨害しようとする場合、《ウラモグ》は一度墓地に落ちるので妨害可能だが、《巨像》は墓地に落ちる代わりにライブラリーに戻るので妨害不可である。
☆《一日のやり直し/Day’s Undoing》
このカードは、呪文の解決中に、呪文の効果で「ターンを終了」する。
解決した場合、墓地に落ちるのではなくスタックから追放されて追放領域に移動するので注意。
また、カードプールが広いので、一般にデメリットとして見られるこのターン終了能力を役立てる事も可能。
・《最後の賭け》で得た追加ターンに使用し、敗北を踏み倒す。
・《騙し討ち》で出したクリーチャーを生き延びさせて戦場に残す……のは不可能。生け贄にするのが「次の終了ステップ」なので、《一日のやり直し》で終了ステップ自体を飛ばしてしまう結果、自分の次の手番プレイヤーの終了ステップに生け贄になる。
☆複数の追加ターン
複数の追加ターンを得た場合、後から得た物から逆順で解決していく。
例えば、同一ターンに《時間のねじれ》→《戦士の誓言》→《瞬間の味わい》とキャストした場合、そこから得られる追加ターンは、
1:アンタップステップを飛ばす追加ターン
2:終了ステップ開始時に敗北する追加ターン
3:普通の追加ターン
の順番で訪れる事となる。
実際の対戦でたまに見る気もする、思い付いた辺りをつらつらと。
また思い付いたら色々書くかも。
そんな訳で、知ってる人は知ってる、知らない人は意外と知らない細かいカードの豆知識を書いていく。
昔に書いた事と被ってるのも結構あると思うけど勘弁な。
☆《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》と《白金の天使/Platinum Angel》
多人数戦の条件勝利カードは、その条件で勝利する時、代わりに対戦相手全員を敗北させる。
例えば《研究室の偏執狂》なら、ライブラリーが空の時にドローすると全員を敗北させる。
対戦相手が「対戦相手はゲームに勝利する事はない」と書いてある《白金の天使》をコントロールしている場合、その対戦相手以外も条件勝利カードによって敗北する事はない。
☆《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》と《反射池/Reflecting Pool》
《風変わりな果樹園》がマナを生み出す時に参照するのは「色」、《反射池が》参照するのは「タイプ」。
「色」は「白青黒赤緑」の5つであり、「タイプ」はそれに加えて「無色」が含まれる。
つまり対戦相手が《荒地》しかコントロールしていない場合、果樹園からはマナが出ない。自分が他に《荒地》しかコントロールしてない場合、反射池からはマナが出る。
また、「生み出すことが出来るマナ」に関しては、結構ややこしいのでルール参照で。
頻出する所だと、
・クリーチャーのいない《ファイレクシアの塔》は黒マナを生み出せる。(コストが払えるかどうかは考慮しない)
・他に土地のない《雨雲の迷路》は青、白、無色のマナを生み出せる。(条件を満たしているかは考慮しない)
・《崩壊する痕跡》は全てのマナを生み出せる。(誘発型能力でも条件を満たす)
・クリーチャーのいない《ガイアの揺籃の地》はマナを生み出さない。運勢カウンターの乗っていない《宝石の洞窟》は、無色マナしか生み出さない。(起動したと仮定して、それで出せないマナは生み出せない)
☆《Jeweled Amulet》
上の話に関連して。
EDHだと良く見るこのカードも参照しているのは「タイプ」なので、無色マナも溜められる。
また、マナを溜める能力は起動型能力であるため、《ブライトハースの指輪》でコピー可能。
その場合、蓄積カウンターが2つ乗る。
蓄積カウンターを取り除いて発生できるマナは最後に記録されたタイプのマナ。
「赤マナで蓄積を起動→解決前に《通電式キー》でアンタップ→青マナで蓄積を起動」と行った場合、カウンターを2つ乗せられるが、マナを出す時は2回とも(最後に解決され、記録された)赤マナが出る。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》と《覚醒の兜/Helm of Awakening》
《覚醒の兜》は呪文のコストを1減らす常在型能力。《リスティックの研究》は呪文を唱えた時に誘発する誘発型能力。
兜とリス研の両方が並んでいる状況だからと言って、本来のマナコストを支払えば《リスティックの研究》のドローを免れるとは限らない。
シンボルが濃いカードや0マナのカードといった、マナコストに不特定マナを含まない呪文で起こるので注意。
☆《花の絨毯/Carpet of Flowers》
《花の絨毯》からマナが出る条件は、あなたの各メインフェイズの開始時、まだこの能力によってマナを得ていない場合。
戦闘前メインフェイズにこれをキャストした場合、戦闘後メインフェイズには条件を満たすため、マナが出る。
☆《Mana Drain》
《Mana Drain》が無色マナを発生させるのは、あなたの次のメインフェイズの開始時である。
そのため、自分の戦闘前メインや戦闘中に《Mana Drain》をキャストした場合、マナが出るのは第2メインフェイズ。
《Mana Drain》が見え見えの場合、対戦相手はこれを利用してちょっとした妨害をかけたりできる(例:《Mana Drain》構えている対戦相手の色マナが少ないようならので、対戦相手の戦闘前メインに《吸血の教示者》をキャスト)ので、覚えておくとちょっと便利。
☆《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre》と《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus》
《ウラモグ》の墓地からライブラリーに戻る能力は墓地に落ちた時の誘発型能力、《巨像》の墓地からライブラリーに戻る能力は置換型能力。
《フェアリーの忌み者》などで妨害しようとする場合、《ウラモグ》は一度墓地に落ちるので妨害可能だが、《巨像》は墓地に落ちる代わりにライブラリーに戻るので妨害不可である。
☆《一日のやり直し/Day’s Undoing》
このカードは、呪文の解決中に、呪文の効果で「ターンを終了」する。
解決した場合、墓地に落ちるのではなくスタックから追放されて追放領域に移動するので注意。
また、カードプールが広いので、一般にデメリットとして見られるこのターン終了能力を役立てる事も可能。
・《最後の賭け》で得た追加ターンに使用し、敗北を踏み倒す。
・《騙し討ち》で出したクリーチャーを生き延びさせて戦場に残す……のは不可能。生け贄にするのが「次の終了ステップ」なので、《一日のやり直し》で終了ステップ自体を飛ばしてしまう結果、自分の次の手番プレイヤーの終了ステップに生け贄になる。
☆複数の追加ターン
複数の追加ターンを得た場合、後から得た物から逆順で解決していく。
例えば、同一ターンに《時間のねじれ》→《戦士の誓言》→《瞬間の味わい》とキャストした場合、そこから得られる追加ターンは、
1:アンタップステップを飛ばす追加ターン
2:終了ステップ開始時に敗北する追加ターン
3:普通の追加ターン
の順番で訪れる事となる。
実際の対戦でたまに見る気もする、思い付いた辺りをつらつらと。
また思い付いたら色々書くかも。
コメント
ありがとうございます。
コントロール変更効果の終了だったり、オーナーであるオブジェクト(スタック上含む)が消滅したりとか1対1だとまず考えなくていい処理が行われるので知らない人も多いのではないかと
>・運勢カウンターが乗っていない《宝石の洞窟》は全てのタイプのマナを生み出せる。(条件を満たしているかは考慮しない)
これは違いますね。
「生み出すことのできる」マナとは、CR106.7より、そのパーマネントの能力が解決されたと仮定した場合に生み出されるマナのことです。カウンターの乗っていない宝石の洞窟の能力を解決しても無色しか出ませんので、「生み出すことのできる」マナも無色だけになります。
MTGwikiなどでは「条件も考慮しない」等と書かれているようですが、これは「~の時にしか起動できない」といった起動条件のことを書いているのだと思われます。宝石の洞窟の場合は起動条件ではなく、1つのマナ能力の条件分岐なので、無視できません。
失礼しました。
一部勘違いもありましたが(恥ずかしい)、他は合ってる……はず。
参考になったのなら幸いです。
>forteさん
コントロール変更関連とか《袖の下》関連の処理は、確かに知らない人も多そうですね。
後はターンプレイヤーが敗北した時のそのプレイヤーのオブジェクトやターン進行とか。
次があって忘れてなければ書かせていただこうと思います。
>BluEさん
ご指摘ありがとうございます。知ったかぶり恥ずかしいw
確かに《宝石の洞窟》の条件は、後に書いた《ガイアの揺籃の地》と同じような状態ですね。直しておきました。
また、途中で途切れた連投コメント分は削除しておきました。
第1メインに出して、第2メインにマナが出る。
緑包囲もそんな感じだったっけ。
花の絨毯、島さえあれば案外即効性があって便利なんですよね。
緑包囲は「あなたの各メイン開始時」なので、出して一周した以降は、第1、第2メインはもとより《連続突撃》などで得た追加のメインフェイズでも緑緑が出ます。マナ沢山!
最近は原形質ばっかり使ってますけど、みなさんが一番愛着あるジェネラルってなんでしょうねw
ありがとうございます。参考になると言ってもらえたなら嬉しいですw
愛着のあるジェネラル、となると人それぞれなのでしょうが、人気ジェネラル・使用ジェネラルの統計を取る人は散発的に出ていた記憶があるので、それを遡ってみればヒントにはなるかもです。
(でも「EDH ジェネラル 人気」とかだと出てこない……検索ワードに問題ある感)
花の絨毯なのですが、
現在のwikiの文章だとメイン1にマナを出さないことを選べばメイン2に出せるように見えるのですがいかがでしょうか。
コメントありがとうございます。
おっしゃっているのは印刷時の挙動ですね。
花の絨毯は、印刷時は自分の各メインで誘発し、任意でマナが出るメインを選べる誘発型能力でしたが、現在は、「まだその能力でマナが出ていないのなら、強制でマナが出る」誘発型能力に変更になっています。