異界月のカード発表に合わせた記事を書いてたせいで大分遅れちゃったけど、(http://kakkokari.diarynote.jp/201606272249289322/)の続き。第3回。

今回は、EDHの大会に出る際、どんなデッキを使えば勝ち組になりやすいかを考察。
大会ルールは、比較的良く見る「ランダム3~4人卓を複数回行う予選」→「ポイント上位4人による決勝」というスタイル前提で。

という訳で早速。


◎爆発力のあるデッキを使え
ブン回れば3、4ターンで勝ち得るパターンがデッキに入っている。最低限のラインがここ。

なぜなら、EDHはアーキタイプが過剰で、かつ多人数戦であるために、ゲーム環境が対戦ごとに大幅に変わる。赤いデッキが並ぶ小型クリーチャー除去卓かも知れないし、青いデッキが多いカウンター卓かも知れない。緑や白の多い妨害置物が並ぶ遅い卓かも知れないし、黒緑系の多い対策しにくい墓地利用卓かも知れない。
デッキを組む上で、こういった様々なアーキタイプごとに、どうしても得手不得手は出てしまうだろう。そうして、苦手なアーキタイプの多い卓に放り込まれる事もあるだろう。

そんな時、頼りになるのがデッキの爆発力だ。
EDHでは、多くのデッキが最初の2~3ターン目までをマナ加速に費やす事が多い。ライフ40点×3を削る関係上、1ターン目からクリーチャーで圧力をかける意味が薄いからだ。それならば、マナ加速を経た3、4ターン目に強力なアクションを連打した方が勝てる。
そのため、あらゆるデッキの2、3ターン目までのアクションは「普通の回り方」の範囲内ならみんなマナ加速しているだけなので大して変わらず、アーキタイプ特有の「自分の苦手な行動」を取られない。

つまり、その数ターンの内ならば、相性差を気にせず好き放題に動いて勝つ事が可能となるのである。
もちろん、自分も「普通の回り方」の範囲内だと同じターンにマナ加速して終わるだけだ。だが、そのマナ加速の手順をジャンプする方法や、軽い即死フィニッシュを準備しておく事で、苦手なデッキ相手でもある程度勝率を叩きだせる可能性を確保出来る。
つまり爆発力の源とは、大きく分けて2つ。「普通よりも早いマナ加速」と、「少ないマナと手札で仕掛けられる勝ち手段」である。
いかに具体例を示す。

・早いマナ加速
1マナだが召喚酔いのある《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》や、2マナで1マナ伸びる《友なる石/Fellwar Stone》といった、「普通のマナ加速」の手順を一段二段飛ばしで行えるカード。
《魔力の墓所/Mana Crypt》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》


・早い勝ち手段
揃えやすい2枚以下のコンボで、かつ必要なマナが少ないものが求められる。勝ち、とまではいかなくとも、1対3をものともしないレベルの圧倒的なアドバンテージ獲得手段も次善の手段としてこのカテゴリに入れていいだろう。
《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》
《世界喰らいのドラゴン/Worldgorger Dragon》+《動く死体/Animate Dead》
《むかつき/Ad Nauseam》
《ネクロポーテンス/Necropotence》

その他普通の速度のコンボでも、必要パーツが少ないものならば「早いマナ加速」と組み合わせる事により3、4ターン目に決まり得る事もある。その程度の軽さならばこのカテゴリに入れてよいだろう。
逆に、枚数が多いものはこのカテゴリに入れたくない。3、4ターン目フィニッシュは少ない手札で回す必要があるし、その上でそのターンで2枚集めるのと3枚集めるのとでは実現性が大きく違う。



◎青いデッキを使え
EDH最強色である青。
ここで青いデッキを推すのは、単純に強いから、というのもあるのだが、それ以上に色の性質が大会向きであるためだ。
先ほど書いた通り、EDHはアーキタイプがばらける傾向が強い上に多人数戦であるため、対戦環境が幅広く変わる。その際、他人が好き放題動き出す前に勝てる「爆発力」と並んで重要なのが、他人が好き放題しそうになっても止められる「対応力」なのである。
そうして、青という色は、他の色から群を抜いて対応力に優れている。

一時的とは言えあらゆるパーマネントに対応できるバウンス、唯一インスタント、ソーサリーに対応できるカウンターを持つ青は、柔軟性と対応力が非常に高い。
そのため、序盤の《むかつき》ぶっ放しから終盤の《歯と爪》まで、『適切な手札とマナを確保出来ていれば』何にでも対応出来るデッキを無理なく構築可能なのだ。
そうして、青の妨害カードはその柔軟さから、『適切な手札』を確保するのが容易なのである。《むかつき/Ad Nauseam》でも《生き埋め/Buried Alive》でも《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》でもカウンターで解決するし、先出しされた《無のロッド/Null Rod》でも《石のような静寂/Stony Silence》でも《月の大魔術師/Magus of the Moon》でもバウンスで対処出来る。

これを他の色でやろうとすると非常に困難で、あらゆる脅威に対処するためには、クリーチャー除去とアーティファクト・エンチャント除去と墓地対策と《沈黙》系を一通り揃えた上、それらを適切なタイミングで手札に入れていく必要がある。
「呪文なら何でもカウンターで解決、パーマネントなら何でもバウンスで解決」と大雑把に2種類のカードだけであらゆる脅威に対処する青デッキと比べると、枠も食うし、裏目も多く発生しうる。
苦労するばかりなので、青を使っておくのが安心、という訳である。



◎安定性のあるデッキを使え
「ブン回れば2、3ターンキルを仕掛けられる、だけど可能性は4、5ゲームに1回程度、初動に失敗して中盤戦以降に持ち込まれるとほぼ勝てない」みたいなデッキは、普通に遊ぶ分には平均的な勝率は確保できるので悪くないのだが、大会向きではない。
予選を抜けるには3~4回程度の対戦で最低1回、安定して2回程度勝っておきたいのだが、不安定なデッキだとその結果が得にくいためだ。
上の例に出したようなデッキは、確かに4回戦の中で1回、運が良ければ2回は勝てる「かも知れない」。
だがそのデッキに出来るのは2キルを”しかける”までのため、その1回に偶然対戦相手が持っていた妨害を刺されたらアウトだし、2キル出来ない捨て回が2、3回発生するのも効率が悪い。


それならば、「平均して4~6ターン目に仕掛けられる、稀に±2ターン程度のブレはあるが毎ゲームそのくらいの速度が出る、一度止められても中盤戦以降に盛り返せる」みたいなデッキの方がいい。
複数回戦において捨て回がなく、以上に早い卓以外には対応出来るため卓のメンツのブレにも強い。期待は出来ないが運が良ければブン回りで1勝を拾えるかもしれない。
このような構築のデッキの方が、数回対戦する予選形式での総合的な勝率は上がりやすい。

なので、以下のような形の、安定性のあるデッキの方が総合的には勝てると考える。
・豊富な範囲のカードを探せるサーチを多く積む事が出来る。あるいはデッキの構成が金太郎飴。
・フィニッシュ速度はバカみたいに早い訳ではないながらも、ある程度で安定している。
・中盤戦以降に強いカード(アドバンテージソース(ドロー・追加ターンなど)、対戦相手のキラーカードを止められる妨害)を無理なくデッキに組み込める。




☆結論
爆発力があって、青くて、安定性があるデッキ。

これだけだとアレなので、青と組み合わせる色について軽く書いて、具体的なアーキタイプを示す。

◎青以外の色について
爆発力は黒がピカイチで、かつサーチも優秀なので、綺麗にまとまるならば黒を採用したい。
次点では緑。爆発力の面では頼りないものの、マナ加速の安定性が高く、サーチも生物限定ならば黒以上の枚数を確保出来る。
赤や白や青単色でも、爆発力は一部マナファクト頼りであるためちょっと心元ないものの、最低限の条件は満たせているので悪くはない。


という訳で、身も蓋もないけれど、前回のアーキタイプでいうトップメタ、

☆青黒茶系(非高速コンボ)

が最もおすすめ出来るアーキタイプ、という事に。
(非高速コンボ)としたのは、前回のアーキタイプ解説でも書いた通り、黒の高速コンボはデッキに構築制限がかかるため、組み合わせると安定性が低下するので向かないという判断から。
コンボ以外の爆発力要素、《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りは、デッキ相性が良ければ積極的に入れていきたい。
特に《むかつき/Ad Nauseam》に関しては、マナコストを気にせず、5マナのインスタントで10~20枚くらい引くドローと考えて投入する感じで。


次点となるのが、

☆エドリック
☆青黒茶系(+黒コンボ)
☆非黒の青茶系


辺り。
平均速度に不安が残るものの、エドリックは安定性の面で最優。
黒コンボ入り青黒茶は比較的不安定だけど爆発力は最強なので地力や相性差をひっくり返せる可能性アリ。構築は難しい。
非黒の青茶系はジェネラル候補が多いので、ジェネラルの性能と環境への嵌り具合次第で勝ち切れる地力は十分ある。



あくまで自分の評価だけど、大体こんな感じ。
よろしければ、大会形式でEDHをする際の参考にでもして下さい。

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