リンクしてもらっている大石智晴さんが面白い記事(http://redrum.diarynote.jp/201604292305219140/)を書いていたので、自分も思う所をつらつらと。

※ 追記 ※
黒字さんも同じテーマで書いてくれたようです。併せてどうぞ。
http://xchucrow.diarynote.jp/201605010116188900/


長文注意。

まず、智晴さんは「7ドロー」と書いていたけれど、概念として《意外な授かり物/Windfall》のような、「7枚引く訳ではないが、《Timetwister》などと同様に手札をすべて入れ替える」カードという事なので、自分は『手札リセット』と表現させていただきます。
もし「カードを7枚引く」そのものの意味が出て来た時混乱しそうだからね。


☆手札リセットは強い? 弱い?
まずは先に結論から。
智晴さんは「(一部の上手く使えるジェネラル以外だと)弱い」と結論付けていましたが、自分は強い派。
少なくとも、見た目通りのパワーのあるカードだとは思う。もちろんタダで7枚引かせてくれる訳ではなく、リスクはあるのだけれど、それを差し引いても多くの場合「強い」カードになると感じている。

とはいえ現在は、まだ言葉にまとめていないので、ざっくりとした理由と、漠然とした「強い」っていう感覚があるばかり。
智晴さんは理詰めで手札リセットの弱さをしっかり説いていたので、自分もこの辺の感覚の違いを解体して、理論立てて説明出来ればいいなぁ。




☆手札リセット全体の性質
・効率よく新しいカードが引ける
解決前の手札が全て無くなり、代わりに多くのカードが手に入る。
多くの場合、通常のドロースペルに比べると圧倒的に効率が良い。
無くなる手札を無視して考えると、《Timetwister》や《Wheel of Fortune》なら7枚、《意外な授かり物/Windfall》でもタイミングを計って撃てれば4~6枚程度は期待していいだろう。3マナのスペルとしては破格の効率だ。

・元の手札が無くなる
一部例外(《記憶の壺/Memory Jar》)があるが、記憶の壺の場合も、新しい手札の代わりに元の手札が使えなくなるので、これもほぼ全体の性質と言っていいだろう。
明確にデメリットである効果。
だが、大量のカードをわずか3マナで引けるデメリットとしてはかなり安い。手札が少ない状況で撃てばそれだけデメリットも軽減できる、最高の状況だと、撃った時点の手札を0、つまりデメリットを0にすら出来る。

・この効果は全員に与えられる
基本的には明確なデメリット。
これまで説明してきた強力な効果を、対戦相手は1マナ・1枚のカードを使う事無く享受する事が出来る。
このデメリットも回避不可能なものではないのだが、そのためには「対戦相手の手札の枚数が多い」「対戦相手の手札が強い事を知っている」というかなり難易度の高い条件を満たす必要がある。
ただ、これはメリットに転じうる要素でもある。対戦相手の手札が非常に強い場合、新しい手札がそれよりもずっと弱くなる事を期待出来るからだ。



まとめると「とても強力なドロー効果を少ないマナと1枚のカードで得られる、代わりに他人にも同じ効果を無料で与えてしまう」効果。
額面通りに読み取るなら、全員同じ恩恵を受けているのに、1枚のカードとそれなりのマナを使っている自分には損しかないカードとなる。



☆じゃあ手札リセットって撃ち損?
自分はそうは考えない。手札リセットは、カードの効果以外の部分で、撃つ側のメリットがあるので強いカードとなっている。
それは「手札リセット効果を適用するタイミングを選べるのは、キャストする自分である」という点だ。

手札リセットを持っているプレイヤーは、上で示したデメリットの回避条件、「自分の手札が少ない・弱い」「対戦相手の手札が多い・強い」を満たすタイミングを選んで撃ったり撃たなかったり出来るので、自分の恩恵を大きく、対戦相手の恩恵を小さくする事が出来るのだ。
これにより、”タイミングと状況次第では”3マナとしては破格の効果を得る事が出来る。撃ち得となる。



☆つまり、撃てない状況だと手札で腐る無駄牌になるって事?
これはその通り。
状況を選ぶ軽くて強いカードなので、適当に振り回すとデメリットの方が大きくなり、状況を悪化させてしまう。だからと言って撃たずに手札に抱えていると、それはそのまま1枚のディスアドバンテージとなってしまう。

ただ、それでも手札リセットはあって構わない。
手札リセットが弱い状態とは、「自分の手札が多い・強い」「対戦相手の手札が少ない・弱い」状況だ。
つまり、手札リセットが手札で無駄牌になっている時は、その多くが自分が有利な状況なのである。なので、そんな時には手札リセット1枚のディスアドバンテージなど気にならない。そのままの状況が続けば相手に勝てる。

そうして万が一その優位が覆された時は、手札で腐っていた手札リセットを撃てばいい。
つまり、自分の優位が失われた時、1枚分のディスアドバンテージは取り戻され、さらにはそれをキャストする事により多くのアドバンテージを得る事に繋がる。


この効果は、自分と同程度の強さの相手と対戦する時に役に立つものだと自分は考える。
同レベルの相手の場合、引きムラによって、ゲーム展開が有利になったり不利になったりする。そこでマイナスに寄った時、それを覆し得る効果はとても大事だ。
例えば手札枚数でアドバンテージ差を付けられた場合、ドローを重ねて細かくアドバンテージを取り返していく事こそが常道なのだが、相手も強いと同様のアドバンテージ獲得手段を持っていると考えられるので、それだけで追いつくのは難しい。
そんな時、手札リセットがあれば、細かな動きを重ねて必死に追いすがる必要もなく、1枚で一気に差を縮める事が出来る。
つまり手札リセットは、自分の優位を固定する性質はないものの、不利を覆す性質を持っていると言える。



☆デメリット無視で手札リセットを振り回す
こんな選択肢があるのも、手札リセットの強みだ。

例えば、対戦相手に圧倒的なマナ差を付けたものの、自分の手札は枚数はあるもののパーマネント破壊ばかりで決め手に欠ける。コンボパーツがあと1枚あれば勝ちに行ける状況。
対戦相手の手札は0枚、マナもタップアウト気味だが、相手のターンで逆転のカード(盤面リセットや、それこそ手札リセットなど)が振ってくる可能性も捨てきれない。

そんな時、デメリットの方が大きい手札リセットを撃つ意味が出る。
対戦相手の手札が回復するのは非常に辛いが、リセットカードやフィニッシュの多くはソーサリーで、またそれなりのマナが必要になる。なのでそのターンに引いた手札を使ってリセットをかけられたり、コンボを決められたりという事はそうそうないだろう。
つまり「自分が手札リセットを撃った直後、そのターンの間」なら、そのデメリットを疑似的に無視出来る=少ないマナで大量ドローが出来る、のである。
ここでゲームを決められる手札や、最悪でもその後を凌げる手札を確保出来れば悪くはない結果と言えるだろう。
もちろん、自分の手札が土地ばかりで対戦相手の手札が強く、妨害+フィニッシュカードの塊でいきなり負け、なんて事もあり得るのでノーリスクとはいかない。
が、不安定な有利でゲームを続けるリスクの方が大きくなる場合もある。そんな時には手札リセットが役に立つのだ。
特に《記憶の壺/Memory Jar》なんかは、引いた手札がターンで使い切りなのでこの使い方に向いている。後腐れ無くギャンブルできる。



とまあ、こんな感じで自分は手札リセットを「強い」と思っている。


カード1種に対する概念的な話だけでこんなに長くなってしまったw
本当は個別カードについても書くつもりだったんだけど(だから最初に「7ドロー」じゃなく「手札リセット」にした)力尽きたわw
終わり終わり! 少なくとも次の記事でだ!

という訳で以上となります。
最後まで読んで下さった方、長文乱文にお付き合いいただきありがとうございました。

コメント

杏仁
2016年4月30日23:36

個人的には、能動的に撃つ手札リセットは強いと思います。

理由としては、日記の中で記載されている通り、

・不要牌を有効牌に変えられる可能性があること。
・相手の有効牌を無効にできること。

ただ、撃つタイミングを間違えると、全く逆のことになってしまうので、
条件判断は難しいと思います。
シビアな状況でも、撃てる時にどんどん撃つってのも選択肢としてはありだと思います。

かっこかり
2016年5月1日7:49

>杏仁さん
撃つタイミングは本当に大事だと思います。

あと、それに伴いデッキの構成も結構影響する面はあると考えます。
おっしゃっているような「シビアな状況でも撃てる時に~」も出来るのがより強い運用なので、それをして得を出来る期待値があがる構築(全体的に軽い、マナが沢山出る、追加ターンで実質タダ撃ちを期待出来る、など)だと十分に効果を期待出来る、みたいな。

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