EDH プレイングの基本
2016年1月2日 EDH環境考察 コメント (5)EDHは多人数戦のため、ゲームが複雑になりがちで正着手を見つけるのが非常に難しい。
そもそも一対一の対戦と違い、完全な正着手が無い場合の方が多い。
対戦相手の気まぐれや、知識不足や注意不足によるプレイミスで勝ちが転がり込んで来る事もあれば、逆に圧倒的なはずだった状況がひっくり返される事もある。
それでも、同じルールの下で行われている対戦ゲームである以上、ある程度の精度で勝率を上げられるプレイングはあるはず。
という訳で、今日は、他人の対戦を後ろから見た時の事や、対戦相手のプレイ、そして自分のプレイから、自分なりの理論と経験上から「正着手になる事が”多いと思われる”」プレイングについて書いていきたい。
こういうのは他の意見が沢山あって、それを突き合わせて正解を探していくのが一番の近道なので、もし思う所があった方は、異論反論などをコメントに書いていってくれると嬉しいです。
☆初手
◎マナ加速編重の初手を目指してマリガンする。
他に何もなくてもジェネラルキャストが出来るし、環境には《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった、自分の手札がリフレッシュされて増えるカードが沢山ある。
それらのカードを使ったり使われたりする事を考えると、手札は高速で吐き出し得。マナと手札のアドバンテージを得る事が期待出来る。
◎最初のマリガン
特に、7枚→6枚となる最初のマリガンにおいては、高効率ドローやマナ加速以外にしかつながらないサーチなど、比較的序盤に使う要素すら埋めても悪い結果にならない方が多い。
ここで思い切ったマリガンが勧められるのは、その後もマリガンを繰り返す事を考えると、最終的に掘れるライブラリーの枚数が大きく変わるためである。
例えば最初に不要牌4枚埋めてマリガン3回を繰り返すと、「4+3+2」で最大9枚掘る事が出来るのだが、それが5枚になるだけで「5+4+3」で12枚、3枚も多くライブラリーを見る事が出来る。
これだけ掘ればマリガンで埋めたのと同程度のドローやサーチが見つかる事も多く、さらには余分に見た分でよりよいカードを手に入れられる。
◎初手のみで、出来れば3ターン分、最低でも2ターン分の行動が担保されるような手札をキープする。
4ターン目辺りにキャスト予定の重めで強いカードを手札に抑えたり、サーチしにくいからコンボパーツをキープするプレイヤーが結構多いが、EDHは思いの外早いターンでゲームが動く事も多い。
完全に無駄牌なので、わざわざキープせずにマリガンに回した方が有用なカードに変わる率が高い。上でも書いたが早めにマリガンすればより多くのカードを見て初手に選ぶ事が出来るのだから。
土地2枚+印鑑みたいなものでもいいので、最初の数ターンの指針が立つ手札をキープしたい。
サーチやドロー、コンボパーツを初手に残すのは、この辺りの動きが確定している事が前提。逆に言うと、序盤の加速が安定しているのなら2、3ターン目にキャストが担保されたドローソースは非常に強いしありがたい。
☆戦闘関連
◎プレインズウォーカーを攻撃するかどうかは良く考えた方がいい。
放置するとアドバンテージを延々と得ていったり、勝利に直結するPW(《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》など)は誰もが手が空いていれば攻撃したい対象。
だが、がら空きだからと安易に自分で攻撃せずに、自分以降のプレイヤーに攻撃を任せる事により相手の行動を制限する事が出来る。
特に《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》などの攻撃誘発持ちには圧力になる。
そうでなくても相手のクリーチャーの攻撃先を間接的に制限できるので損はない。
攻撃誘発持ちのプレイヤーがPWを殴りにいかない事を選ぶ可能性もあるが、それは自分がPWを落としていても行っていた行動。そんな時にはむしろPWの存在が攻撃誘発持ちの牽制になる。(下手にターンを回せない)
自分がPWを落とした場合、攻撃誘発持ちプレイヤーはPWを落とす必要は無い上、ブロッカーが減っている(PWを落とすために攻撃したクリーチャー)という非常に有利な状況になってしまう。
もちろん、「攻撃誘発持ちがPW放置して攻めに行ったが勝ちきれず」+「PW持ちがPWの力で勝った」という裏目があるのでそこは自己判断で。
◎40点のライフは非常に多く、一般的にクリーチャーの攻撃はあまり有効ではないのだが、 《背信のオーガ/Treasonous Ogre》《森の知恵/Sylvan Library》《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りを使うとその40点もあっという間に溶ける。
これらを使うデッキにとってはライフはリソースであり、攻撃によるライフ現象は疑似的な手札破壊や土地破壊と同じような効果を発揮する。
なので、上記カードを使うような対戦相手は優先的にライフを減らしていきたい。手札やマナ、それどころかゲームを決める猶予ターンにまで制限をかける事が出来る。
逆に、あまりライフをリソースとしないデッキにとってはコンバットの重要度は低い。
そういったプレイヤーにしか隙が無い時は、無理には攻撃せずにブロッカーを準備しておいた方が無難かも知れない。
☆呪文のプレイ
◎特に序盤戦、《Mana Crypt》をキャストしてもそこから何もキャスト出来ない状況でも、戦場に出しておいた方がいい場合の方が多い。
これは《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった手札リセットが存在するカードプールのためである。手札に残しておくと吹き飛ぶ可能性がある。
1/2の確率で3点のライフを失うが、ライフを率先してリソースとするデッキでもない限りはそこまで痛いダメージではないので、リスクよりリターンの方が大きくなりがちだ。
また、同じ理由で、盤面にあるマナは3マナで、《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とある手札の時に、「モノリス→パワーストーン」と、そのままではモノリス分のマナが失われて一見損に見えるようなプレイをする方がお得である。
どうせ次のターン使えるマナは同じだし、次のターンにモノリスをキャストする暇があるのなら同じ3マナで出来る行動であるアンタップを行う暇も同様にあるはずなのだから。
◎《リスティックの研究/Rhystic Study》は、あまり無視しているといつの間にかとんでもないアドバンテージに変わっている事がある。特に1、2ターン目辺りにキャストされた場合は顕著である。場合によっては手を遅める事も選択肢に入れるべき。
ただし、要所にはドローを気にせず思い切って攻めていきたい。例えば4マナジェネラルを3ターン目キャストするため、リス研を無視して2ターン目の印鑑をキャストするのは良いプレイだと思う。
逆に、特に次ターンのビッグアクションに繋がる訳ではないにも拘らず、3マナある状況で「印鑑→タリスマン」と動くのは望ましくない。タリスマンキャストのみで止めておく方が良い結果になる事が多いだろう。
似たようなカードの《Mystic Remora》は累加アップキープがあるので、特に「見」に入るのがいいパターンが多い。
☆除去
◎勝ち筋となるコンボパーツに対するピン除去に関しては、ギリギリまで引き付けて。
優先権を確認し、上家が除去を撃ってくれる可能性を期待したい。
特にカウンターに関しては除去よりも先に動く必要があるため、慌てて除去を見せて損をする事のないように。
◎《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようなチェインデッキ、追加ターンを用いたループデッキなどに関しては、逆に除去やカウンターを早め早めで撃っていきたい。
これらのデッキはチェインが繋がれば繋がるほど、加速度的に得られるアドバンテージが増えて取り返しが付かなくなる。
動き始めを止める、むしろ動く前に止めるくらいの意気込みで。
止める要所は、最序盤の複数マナを出すパーマネントが最も効果的。
次に効果的なのは(追加ターンを含めた)マナを回復させる行動や手札を回復させる行動。相手に足りない方を止め続ける方が止まりやすいので、相手の状況を見て片側をしつこく止めていくと良い。
しかしこれはあくまで理想論。
最序盤のマナ加速に除去を撃つと自分の行動が鈍るし、繋がるかどうか分からない追加ターンにカウンター撃つのは勇気がいる。
プレイング関連で自分がぱっと思い浮かんだのは大体こんな感じ。
要点だけ書くつもりが例によって結構長くなっちゃったなw
そもそも一対一の対戦と違い、完全な正着手が無い場合の方が多い。
対戦相手の気まぐれや、知識不足や注意不足によるプレイミスで勝ちが転がり込んで来る事もあれば、逆に圧倒的なはずだった状況がひっくり返される事もある。
それでも、同じルールの下で行われている対戦ゲームである以上、ある程度の精度で勝率を上げられるプレイングはあるはず。
という訳で、今日は、他人の対戦を後ろから見た時の事や、対戦相手のプレイ、そして自分のプレイから、自分なりの理論と経験上から「正着手になる事が”多いと思われる”」プレイングについて書いていきたい。
こういうのは他の意見が沢山あって、それを突き合わせて正解を探していくのが一番の近道なので、もし思う所があった方は、異論反論などをコメントに書いていってくれると嬉しいです。
☆初手
◎マナ加速編重の初手を目指してマリガンする。
他に何もなくてもジェネラルキャストが出来るし、環境には《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった、自分の手札がリフレッシュされて増えるカードが沢山ある。
それらのカードを使ったり使われたりする事を考えると、手札は高速で吐き出し得。マナと手札のアドバンテージを得る事が期待出来る。
◎最初のマリガン
特に、7枚→6枚となる最初のマリガンにおいては、高効率ドローやマナ加速以外にしかつながらないサーチなど、比較的序盤に使う要素すら埋めても悪い結果にならない方が多い。
ここで思い切ったマリガンが勧められるのは、その後もマリガンを繰り返す事を考えると、最終的に掘れるライブラリーの枚数が大きく変わるためである。
例えば最初に不要牌4枚埋めてマリガン3回を繰り返すと、「4+3+2」で最大9枚掘る事が出来るのだが、それが5枚になるだけで「5+4+3」で12枚、3枚も多くライブラリーを見る事が出来る。
これだけ掘ればマリガンで埋めたのと同程度のドローやサーチが見つかる事も多く、さらには余分に見た分でよりよいカードを手に入れられる。
◎初手のみで、出来れば3ターン分、最低でも2ターン分の行動が担保されるような手札をキープする。
4ターン目辺りにキャスト予定の重めで強いカードを手札に抑えたり、サーチしにくいからコンボパーツをキープするプレイヤーが結構多いが、EDHは思いの外早いターンでゲームが動く事も多い。
完全に無駄牌なので、わざわざキープせずにマリガンに回した方が有用なカードに変わる率が高い。上でも書いたが早めにマリガンすればより多くのカードを見て初手に選ぶ事が出来るのだから。
土地2枚+印鑑みたいなものでもいいので、最初の数ターンの指針が立つ手札をキープしたい。
サーチやドロー、コンボパーツを初手に残すのは、この辺りの動きが確定している事が前提。逆に言うと、序盤の加速が安定しているのなら2、3ターン目にキャストが担保されたドローソースは非常に強いしありがたい。
☆戦闘関連
◎プレインズウォーカーを攻撃するかどうかは良く考えた方がいい。
放置するとアドバンテージを延々と得ていったり、勝利に直結するPW(《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》など)は誰もが手が空いていれば攻撃したい対象。
だが、がら空きだからと安易に自分で攻撃せずに、自分以降のプレイヤーに攻撃を任せる事により相手の行動を制限する事が出来る。
特に《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》や《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》などの攻撃誘発持ちには圧力になる。
そうでなくても相手のクリーチャーの攻撃先を間接的に制限できるので損はない。
攻撃誘発持ちのプレイヤーがPWを殴りにいかない事を選ぶ可能性もあるが、それは自分がPWを落としていても行っていた行動。そんな時にはむしろPWの存在が攻撃誘発持ちの牽制になる。(下手にターンを回せない)
自分がPWを落とした場合、攻撃誘発持ちプレイヤーはPWを落とす必要は無い上、ブロッカーが減っている(PWを落とすために攻撃したクリーチャー)という非常に有利な状況になってしまう。
もちろん、「攻撃誘発持ちがPW放置して攻めに行ったが勝ちきれず」+「PW持ちがPWの力で勝った」という裏目があるのでそこは自己判断で。
◎40点のライフは非常に多く、一般的にクリーチャーの攻撃はあまり有効ではないのだが、 《背信のオーガ/Treasonous Ogre》《森の知恵/Sylvan Library》《むかつき/Ad Nauseam》《ネクロポーテンス/Necropotence》辺りを使うとその40点もあっという間に溶ける。
これらを使うデッキにとってはライフはリソースであり、攻撃によるライフ現象は疑似的な手札破壊や土地破壊と同じような効果を発揮する。
なので、上記カードを使うような対戦相手は優先的にライフを減らしていきたい。手札やマナ、それどころかゲームを決める猶予ターンにまで制限をかける事が出来る。
逆に、あまりライフをリソースとしないデッキにとってはコンバットの重要度は低い。
そういったプレイヤーにしか隙が無い時は、無理には攻撃せずにブロッカーを準備しておいた方が無難かも知れない。
☆呪文のプレイ
◎特に序盤戦、《Mana Crypt》をキャストしてもそこから何もキャスト出来ない状況でも、戦場に出しておいた方がいい場合の方が多い。
これは《Timetwister》《Wheel of Fortune》といった手札リセットが存在するカードプールのためである。手札に残しておくと吹き飛ぶ可能性がある。
1/2の確率で3点のライフを失うが、ライフを率先してリソースとするデッキでもない限りはそこまで痛いダメージではないので、リスクよりリターンの方が大きくなりがちだ。
また、同じ理由で、盤面にあるマナは3マナで、《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とある手札の時に、「モノリス→パワーストーン」と、そのままではモノリス分のマナが失われて一見損に見えるようなプレイをする方がお得である。
どうせ次のターン使えるマナは同じだし、次のターンにモノリスをキャストする暇があるのなら同じ3マナで出来る行動であるアンタップを行う暇も同様にあるはずなのだから。
◎《リスティックの研究/Rhystic Study》は、あまり無視しているといつの間にかとんでもないアドバンテージに変わっている事がある。特に1、2ターン目辺りにキャストされた場合は顕著である。場合によっては手を遅める事も選択肢に入れるべき。
ただし、要所にはドローを気にせず思い切って攻めていきたい。例えば4マナジェネラルを3ターン目キャストするため、リス研を無視して2ターン目の印鑑をキャストするのは良いプレイだと思う。
逆に、特に次ターンのビッグアクションに繋がる訳ではないにも拘らず、3マナある状況で「印鑑→タリスマン」と動くのは望ましくない。タリスマンキャストのみで止めておく方が良い結果になる事が多いだろう。
似たようなカードの《Mystic Remora》は累加アップキープがあるので、特に「見」に入るのがいいパターンが多い。
☆除去
◎勝ち筋となるコンボパーツに対するピン除去に関しては、ギリギリまで引き付けて。
優先権を確認し、上家が除去を撃ってくれる可能性を期待したい。
特にカウンターに関しては除去よりも先に動く必要があるため、慌てて除去を見せて損をする事のないように。
◎《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》のようなチェインデッキ、追加ターンを用いたループデッキなどに関しては、逆に除去やカウンターを早め早めで撃っていきたい。
これらのデッキはチェインが繋がれば繋がるほど、加速度的に得られるアドバンテージが増えて取り返しが付かなくなる。
動き始めを止める、むしろ動く前に止めるくらいの意気込みで。
止める要所は、最序盤の複数マナを出すパーマネントが最も効果的。
次に効果的なのは(追加ターンを含めた)マナを回復させる行動や手札を回復させる行動。相手に足りない方を止め続ける方が止まりやすいので、相手の状況を見て片側をしつこく止めていくと良い。
しかしこれはあくまで理想論。
最序盤のマナ加速に除去を撃つと自分の行動が鈍るし、繋がるかどうか分からない追加ターンにカウンター撃つのは勇気がいる。
プレイング関連で自分がぱっと思い浮かんだのは大体こんな感じ。
要点だけ書くつもりが例によって結構長くなっちゃったなw
コメント
前から、こういう、EDHの定石・プレイの指針みたいなのが欲しいと思っていました。
参考にさせていただきます!
冒頭でも書いた通り、多人数乱闘戦なおかげで定石を決めるのは難しく、全般的に自分視点の独断ですが、それでも参考になればー。
因みに個人的にはEDHのプレイミスは殆どが確認不足だと思ってますが、そもそも確認が必要な情報量も多ければ不確定要素も多いので、プレイングの正解を探すのは本当に難しいと思います。
EDHはカジュアルなので結構交渉によって決まる事が多いですが、基本はAPNAP順で対応を迫られるので、そこを加味した交渉術とかw
個人的には、妨害キープはよっぽど(対戦相手3人が茶系統っぽい+1番手1T目に無のロッドが置けるなど)でない限りしない感じです。
土地ばっかり引かれて効果が薄い、破壊・打消しを喰らって結果2人で減速、など意外と裏目が多いので。
対戦人数が倍なだけあって、確認不足のミスは結構ありますね。
2人対戦だとあまりない、「このパーマネントあったの忘れてた」系のミスは頻発する気がします。
それだけに、(プレイが遅すぎで周りの迷惑にならない範囲で)細かい確認を徹底するだけでも結構勝率が変わりそうですね。
>colorless@子育て中さん
APNAP順を用いた交渉は、自分はあまりしませんね。
下家が妨害持ってそうでも自分が先で絶対止めたいものなら止めますし、辛いけど我慢できるレベルなら通します。
未来予知とかで明らかに見えてる時には卓の空気が「それで妨害しろ」「それで妨害しろ」「それで妨害されるんだろうなぁ……」みたいになるので流石に任せますがw
その辺のセコイ交渉術は、真空圧くん辺りが好きそうですw
一回スルーした後、通る直前に「ごめん、実は妨害あったから独楽回して。もう1回優先権ちょうだい」とかいうネタを出してたしw