前回(http://kakkokari.diarynote.jp/201511130024207901/)の続き。
今回はアーティファクト以外のマナ加速の話。



☆アーティファクト以外のマナ加速
マナ加速に長ける緑以外だと、各色のマナ加速は基本的にアーティファクト以下の加速力である。
そのため、デッキに採用されるのは、何らかの有効なシナジーを持っているマナ加速や、アドバンテージを失う代わりに効率の高い使い切りのマナ加速が中心になっている。

次の項から、具体的なカードの代表例を色ごとにピックアップしていきたい。


◎白
色の並びで書くのでいきなりオチ担当。
弱色と名高い白だけあって、独自のマナ加速もまともに存在しない。
平地を手札に集めるカードは結構あるんだけど、戦場に出すとなるとかなり少ない。

・《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
・《しもべの誓い/Oath of Lieges》
ちょっと厳しめの条件付きで他人の後追い的にしか加速できないが、貴重なマナ加速。
条件なしで戦場に出せる《コーの地図作り/Kor Cartographer》とかもいる。
どっちにしろ大体アーティファクトで事足りるのであまり出番はない。


・《流刑への道/Path to Exile》
一応……マナ……加速? になる?
他人から《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》のトークン貰ってどうしてもマナ加速したい時に使ってもいいかもしれない。99%除去として使われるであろうカード。



◎青
アーティファクトとのシナジーが強い色なので、アーティファクト専用のマナ加速に長けていたりする。
また、《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》や《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》など、一部マナ加速とシナジーを持つジェネラルもいるので比較的見かける事は多いかも知れない。

・《High Tide》
瞬間的なマナ加速。
十分な効率を求めるなら、最低でも島が3、4枚は欲しいのでほぼほぼ青単専用になる。
速攻が多いEDHでは序盤に使えないデメリットは結構きついので、《パリンクロン/Palinchron》などのコンボが仕込んである場合に採用される事が多い。


・《海の占術師/Sea Scryer》
・《アフェットの錬金術師/Aphetto Alchemist》
・《錯乱した助手/Deranged Assistant》
・《魔法使いの弟子/Apprentice Wizard》
青いジェネラル《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》と相性のいいウィザードマナ加速。(アフェットはアンタップする能力持ちなので疑似的なものだが)
生物特有の召喚酔いの要素もあり効率はイマイチだが、あざみジェネラルにおいてはジェネラル登場前にはマナを出してキャストを補助し、登場後はドローソースになる優等生である。
《魔法使いの弟子/Apprentice Wizard》は複数マナを出すので《時間の大魔道士、テフェリー/Teferi, Temporal Archmage》なんかとも相性がいい。


・《大建築家/Grand Architect》
・《主任技師/Chief Engineer》
・《ヴィダルケンの技術者/Vedalken Engineer》
・《名高い武器職人/Renowned Weaponsmith》
アーティファクト専用のマナを出す連中。
アーティファクトの仕事は主にマナ加速であり、それゆえに序盤の展開には貢献するが、中盤以降のスペル・クリーチャーキャストには役立たずになる事が多く使いにくい。
特殊なデッキでないとあまり見ない感じ。



☆黒
黎明期に瞬間的なマナ加速の役割を与えられただけあり、アーティファクト以上の効率を持つ使いきりの強力マナ加速を持っている。
強い上にクセのない物もあり、目にする機会は多いと言える。

・《暗黒の儀式/Dark Ritual》
1マナから3マナ出せる、高効率瞬間マナ加速。
後述する同系統のカードに比べると、効率面、使いやすさ共に優秀で、多くの場合真っ先に投入される黒の瞬間マナ加速となる。


・《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
・《Songs of the Damned》
条件付きで《暗黒の儀式/Dark Ritual》を上回るものの、基本的には弱体化バージョン。
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》は癖が無いので追加の《暗黒の儀式/Dark Ritual》として。
《Songs of the Damned》は生物の多い専用デッキ向け。


・《Sacrifice》
・《Burnt Offering》
・《弱者選別/Culling the Weak》
クリーチャーの生け贄を追加で求めるマナ加速。
その使い勝手の悪さから、基本的に専用デッキ向きである。


・《ブラッド・ペット/Blood Pet》
・《Basal Thrull》
・《血の臣下/Blood Vassal》
・《熱心すぎる弟子/Overeager Apprentice》
自身を生け贄にマナを出せるマナ加速。
感触としてはマナ能力を使うと即死する緑のマナクリーチャーみたいな感じ。
上から《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《献身のドルイド/Devoted Druid》《緑織りのドルイド/Greenweaver Druid》などと見比べると悲しくなるが、黒は墓地・生物関係とのシナジーが多い色なので、これでも専用デッキでは採用圏内になる事が多い。


・《Priest of Yawgmoth》
・《Soldevi Adnate》
・《Lake of the Dead》
なんらかのリソースを生け贄としてマナを出すパーマネント。
瞬間的にはかなりのマナを発生させる事も可能だが、最終的にはジリ貧になるので、速攻の大技で勝負を決めるデッキ向けのカードといえる。
《Soldevi Adnate》は要求される生け贄がクリーチャーであるため、自身を生け贄に捧げる事も可能で使い勝手がちょっと良い。



☆赤
赤は、ある時代から黒より瞬間的なマナ加速のカラーパイを譲り受けており、それゆえに黒に負けず劣らず瞬間的なマナ加速を多く持つ。
色の性質的に、刹那的ではあるが自虐的な要素は薄いので、生け贄要求が少なく使い勝手が多少良いものが揃っていたりする。

・《炎の儀式/Rite of Flame》
・《捨て身の儀式/Desperate Ritual》《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
・《煮えたぎる歌/Seething Song》
・《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
クセの少ない瞬間マナ加速系。
特に《煮えたぎる歌/Seething Song》は少々重いが《暗黒の儀式/Dark Ritual》並みの効率を持つため、重めのカードを叩きつけるデッキでは活躍している事が多い。


・《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》
・《輝石の儀式/Brightstone Ritual》
ゴブリン専用マナ加速。
特に《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》は本人もゴブリンであるためにサーチしやすく、さらにはサクリ台としての役割も持っているため、特定デッキではコンボや加速に大活躍である。


・《業火への突入/Infernal Plunge》
・《マナの地鳴り/Mana Seism》
・《発生器の召使い/Generator Servant》
・《熱足ナメクジ/Thermopod》
それぞれ、自身を含めた何らかのリソースを生け贄にしてマナ加速する系。
効率で言ったら他のカードに劣る物が多いのだが、それぞれに特殊な利点があるため使うデッキでは重宝される。
(例:発生器の召使い・速攻を与える 熱足ナメクジ・サクリ台)


・《戦いの賛歌/Battle Hymn》
《輝石の儀式/Brightstone Ritual》のゴブリン制限撤廃版。
とは言え、対戦相手のクリーチャーを数えない、マナコストが2、と赤でクリーチャーを並べるならどうせゴブリンに寄る事もあって微妙な立ち位置にある。
ゴブリン以外を並べるのが得意な赤デッキなら採用されるのだが……そういうのは大体赤緑なのでこの記事の趣旨に反するためサヨナラー。


・《にやにや笑いのイグナス/Grinning Ignus》
・《ほとばしる魔力/Mana Flare》
・《肉喰らうもの/Rapacious One》
それぞれ分類の難しい特殊なマナ加速。
癖が強く採用デッキは少ないが、特に後者2つは爆発力のおかげで相性のいいデッキがあったりするので、意外と見かける事があるかも知れない。


・《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
瞬間マナ加速が制限され気味な近年、EDH界に突如現れた壊れマナ加速。
3ライフごとに赤をマナ・プールに加える能力は、40ライフのEDHにおいて爆発的なマナを提供してくれる。
マナ加速としては重めの4マナとは言え、その危険度に対しては安すぎるマナコストだと言える。




☆デッキにどれくらい入る?
・黒、赤
特に黒と赤のものは使い切りの不安定なものが多いため、爆発力はあるものの、引きすぎてもあっという間に息切れする上先に続かない展開になりがちである。
そのため、《暗黒の儀式/Dark Ritual》や《煮えたぎる歌/Seething Song》、《炎の儀式/Rite of Flame》《背信のオーガ/Treasonous Ogre》などの使い勝手や効率の良い所を、アーティファクトで固めたマナベースに数枚入れるのが定番の構築パターンとなっている。

ただし、一部のシナジー重視デッキ(特に黒に多い)の場合は生物であるだけで万々歳、おまけにマナフラだって上等だぜだったりするので、通常のアーティファクトのマナ加速に加えて生物のマナ加速が大量に投入されるパターンもある。


・青
青の場合は、その効率や使い勝手の悪さから、ほぼほぼ専用デッキ用のマナ加速としての立ち位置になっている。
《High Tide》は専用コンボ搭載デッキのコンボパーツ兼用、ウィザードは《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》専用、アーティファクト限定系は《メムナーク/Memnarch》や《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》などのアーティファクトジェネラル向け、みたいな。

枚数的には、気軽に使い捨てたくない《High Tide》や、後々ドローソースになるあざみのウィザードは通常の分量のアーティファクトに足す形で、アーティファクト限定系は通常のマナ加速とバランスを取って投入される形になるだろう。


・白
忘れろ。
何か他の楽しいこと考えるんだ。
黙ってアーティファクトのマナ加速を投入するんだ。





思い付く範囲で、少々のマイナー所と代表的な所、かつそこそこのパワーを持つカードはピックしたつもり。
実際はほとんどが土地とアーティファクトでマナ加速が固められがちなので、これまでの記事に比べると大分ニッチな話になってしまった感。
それでも《炎の修道女/Sisters of the Flame》とか個人的に微妙な思い入れのあるクソカードを挙げなかっただけマシだと思うんだ。


緑以外のデッキのマナ加速に関するお話。
全3回はこれにて終了。お疲れ様でした。

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