《リスティックの研究/Rhystic Study》とプレイング
2015年10月30日 EDHカード考察 コメント (2)おわりのカカオさんのEDH対戦動画(http://www.nicovideo.jp/watch/sm27463778)見てて思った事があったのでつらつらと。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》の性質
3マナ、シングルシンボルの青いエンチャント。
効果は、対戦相手は呪文をキャストするたびに1マナ支払う選択肢が与えられ、支払わなかった場合コントローラーが1ドロー出来るというもの。
EDHは、多人数戦である上に、軽量・優秀なマナ加速が多い事から「軽量のマナ加速→アドバンテージスペル」と言う動きや「マナ加速をした後に追加ターンスペル+αを繰り返す」といった動きが行われる事が珍しくない。
そのため、通常のマジックに比べてスペルをキャストする機会が多くなりがちで、《リスティックの研究/Rhystic Study》は高い効果を発揮する。
ただし、その安定性については疑問符が付く。
先述の通り、マナ加速が軽量・優秀であるため、ある程度マナが伸びてしまう中盤戦以降は1マナ支払いが非常に楽になってしまうのだ。
「1ターン早く勝負を決めに行くために、リスティックの研究を無視してスペルを連打する」などの動きが起こる最終盤以外の中盤以降は、ドロースペルとしての働きはあまり期待できない。
(それでも行動制限+相手の気まぐれでドローを貰えるかも知れない、と考えれば3マナのエンチャントとしては十分な仕事なのだが)
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》が強い盤面
という訳で上述の通り、序盤にマナ加速する事が多いEDHでは、《リスティックの研究/Rhystic Study》は安定したドロー源とはなりにくい。
ただ、そんなリスティックの研究が最大限に力を発揮する場面がある。
それは、「対戦相手が序盤のマナ加速をする前に研究をキャスト出来た」という状況である。
対戦相手としては、「マナ加速をしなくてはゲームが始まらないのに、そのマナ加速をまだしていない状況であるためマナベースが弱く、研究のマナを払いながら動く事も難しい」という苦しい状態になる。
しかもそんな状態に陥るのは1人ではない。対戦相手全員が、だ。
この状況に持ち込めれば、たったの1マナ支払いで逃れる事が出来る《リスティックの研究/Rhystic Study》と言えども流石にドロー、あるいは妨害として安定する。
動画で行われていたような、ターン進行が最も早いプレイヤーが1ターン目にキャストした状況など、その最たるものだろう。
似たような効果を持ち、かつ1マナである《Mystic Remora》ほどではないにせよ、動画であったように《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》などによって早いターンに出てくる事はちょくちょくあるのだ。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》を張られた側は?
では、《リスティックの研究/Rhystic Study》を張られた側はどう動くべきか。自分なりの考えを書いていきたい。
◎マナ加速が終わった後に張られた場合
1/99枚であるため、このパターンで《リスティックの研究/Rhystic Study》に遭遇する事の方が、後述するパターンよりもずっと多いだろう。
・基本的にはカードを引かせない
皆が序盤のマナ加速を終え、それゆえに手札が枯れ気味になっている事の多い状況だ。
この状況では、基本的には研究のマナを支払いながら動いた方がいい。タップアウトしながらの全力ムーブは避け、比較的後回しに出来るアクションは次ターンに回す。
インスタントの妨害を持っているのなら、2アクションするのを避けて1アクションで済ませてターンを終え、妨害を構えるのも良い。
ちなみに、妨害の方の研究支払い分は考えなくても構わない。例えば《対抗呪文/Counterspell》が手札にある場合は青青だけ立てて置けばいい。
なぜなら、手札の《対抗呪文/Counterspell》は使わない”かも知れない”からだ。危険なカードが飛んでこなければ使う事のないカードのためにまでマナを割き、アクションを減らすのは必要以上のテンポ損となり、研究を張ったプレイヤーに得をさせる事になってしまう。
・カードを引かせてもいい場合
研究を気にせず動いた方が良い結果をもたらす場合もある。
《Timetwister》など手札リセットを撃って通せる算段があるならば、その時の相手の手札の枚数なんてほとんど関係ないので引かせまくっても構わない。
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》+《結界師ズアー/Zur the Enchanter》や、《スランの発電機/Thran Dynamo》+《時間のねじれ/Time Warp》など、タップアウトになったとしても大きな効果を得られる場合は、そこで研究のマナを支払って1ターン回すよりは、そのままカードを引かせてでも突っ張った方が良い結果になる事が多い。
「対戦相手の内1人が数枚カードを引く事による損失」と、「自分のビッグアクションで自分が得られる利益」を見極めて動きたい。まあ、大概はビッグアクションの方が大きな価値を持つ事の方が多いのだが。
また、先述したような「構えていた妨害をギリギリのマナで撃つ」場合もあるだろう。
死ぬくらいなら、対戦相手にカード1枚引かせる方がずっとマシである。
◎マナ加速前に張られた場合
諦めて全力でマナ加速する。コレ一択である。
数枚のカードは与えてしまうものの、マナ加速してしまえばそれ以降は研究のマナを払いやすくなるので、苦しい状況から脱する事が出来る。
また、(特に、自分だけでなく残りのプレイヤー全員も一緒に)全力で動けるだけ動く事により、研究を張ったプレイヤーの手札を溢れさせる効果も期待出来る。
例えば動画のように《島/Island》《Mana Crypt》から研究を張っていたら盤面のマナは3マナ。10枚引かせても、そのすべてを十全に使い切る事は難しいだろう。7枚を超え、手札が溢れる事だって期待出来る。
そうしてそんな爆発的な手札になった1、2ターンさえどうにか乗り切れば、あとは研究で引かせる事もなく、自分の展開もそこまで阻害されない状態でゲームを進める事が可能になる。
最悪なのが、被害を最小限に抑えようとして小出しにマナ加速をして小出しに引かせる事。
自分の展開が遅くなるだけでなく、対戦相手の手札が定期的に数枚ずつ補充され、長く厚い手札を維持する事を可能としてしまう。
こんな動きをするくらいなら、展開を諦め、土地を置くだけでターンを終えて妨害を構え続けている方がずっと良い。
いっその事、絶対引かせないように土地を3枚並べて3ターン目に印鑑置くくらいゆっくりしてた方がまだマシである。
自分の《リスティックの研究/Rhystic Study》絡みのプレイングの指針は大体こんな感じ。
ちなみに、EDHを始めたごく初期に《リスティックの研究/Rhystic Study》disの記事を書いていた(http://kakkokari.diarynote.jp/201203221413178802/)んだけど、その頃に比べれば大分評価が上がっている。
多分主な理由は環境変化。デッキの最適化が進んだ結果ゲームスピードが速くなり、「手札が枯れ気味でマナが余っている」という状況が少なくなったように思う。
結果的に、研究が有効な序盤戦が長くなった(というか以前で言う中盤戦でゲームが終わる)事により強くなった感じ。
相変わらず全員の手札が噛み合わなかったり妨害が噛み合って長引くと弱いけど、その状況になるパターンが昔に比べて減った気がしている。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》の性質
3マナ、シングルシンボルの青いエンチャント。
効果は、対戦相手は呪文をキャストするたびに1マナ支払う選択肢が与えられ、支払わなかった場合コントローラーが1ドロー出来るというもの。
EDHは、多人数戦である上に、軽量・優秀なマナ加速が多い事から「軽量のマナ加速→アドバンテージスペル」と言う動きや「マナ加速をした後に追加ターンスペル+αを繰り返す」といった動きが行われる事が珍しくない。
そのため、通常のマジックに比べてスペルをキャストする機会が多くなりがちで、《リスティックの研究/Rhystic Study》は高い効果を発揮する。
ただし、その安定性については疑問符が付く。
先述の通り、マナ加速が軽量・優秀であるため、ある程度マナが伸びてしまう中盤戦以降は1マナ支払いが非常に楽になってしまうのだ。
「1ターン早く勝負を決めに行くために、リスティックの研究を無視してスペルを連打する」などの動きが起こる最終盤以外の中盤以降は、ドロースペルとしての働きはあまり期待できない。
(それでも行動制限+相手の気まぐれでドローを貰えるかも知れない、と考えれば3マナのエンチャントとしては十分な仕事なのだが)
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》が強い盤面
という訳で上述の通り、序盤にマナ加速する事が多いEDHでは、《リスティックの研究/Rhystic Study》は安定したドロー源とはなりにくい。
ただ、そんなリスティックの研究が最大限に力を発揮する場面がある。
それは、「対戦相手が序盤のマナ加速をする前に研究をキャスト出来た」という状況である。
対戦相手としては、「マナ加速をしなくてはゲームが始まらないのに、そのマナ加速をまだしていない状況であるためマナベースが弱く、研究のマナを払いながら動く事も難しい」という苦しい状態になる。
しかもそんな状態に陥るのは1人ではない。対戦相手全員が、だ。
この状況に持ち込めれば、たったの1マナ支払いで逃れる事が出来る《リスティックの研究/Rhystic Study》と言えども流石にドロー、あるいは妨害として安定する。
動画で行われていたような、ターン進行が最も早いプレイヤーが1ターン目にキャストした状況など、その最たるものだろう。
似たような効果を持ち、かつ1マナである《Mystic Remora》ほどではないにせよ、動画であったように《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》などによって早いターンに出てくる事はちょくちょくあるのだ。
☆《リスティックの研究/Rhystic Study》を張られた側は?
では、《リスティックの研究/Rhystic Study》を張られた側はどう動くべきか。自分なりの考えを書いていきたい。
◎マナ加速が終わった後に張られた場合
1/99枚であるため、このパターンで《リスティックの研究/Rhystic Study》に遭遇する事の方が、後述するパターンよりもずっと多いだろう。
・基本的にはカードを引かせない
皆が序盤のマナ加速を終え、それゆえに手札が枯れ気味になっている事の多い状況だ。
この状況では、基本的には研究のマナを支払いながら動いた方がいい。タップアウトしながらの全力ムーブは避け、比較的後回しに出来るアクションは次ターンに回す。
インスタントの妨害を持っているのなら、2アクションするのを避けて1アクションで済ませてターンを終え、妨害を構えるのも良い。
ちなみに、妨害の方の研究支払い分は考えなくても構わない。例えば《対抗呪文/Counterspell》が手札にある場合は青青だけ立てて置けばいい。
なぜなら、手札の《対抗呪文/Counterspell》は使わない”かも知れない”からだ。危険なカードが飛んでこなければ使う事のないカードのためにまでマナを割き、アクションを減らすのは必要以上のテンポ損となり、研究を張ったプレイヤーに得をさせる事になってしまう。
・カードを引かせてもいい場合
研究を気にせず動いた方が良い結果をもたらす場合もある。
《Timetwister》など手札リセットを撃って通せる算段があるならば、その時の相手の手札の枚数なんてほとんど関係ないので引かせまくっても構わない。
《稲妻のすね当て/Lightning Greaves》+《結界師ズアー/Zur the Enchanter》や、《スランの発電機/Thran Dynamo》+《時間のねじれ/Time Warp》など、タップアウトになったとしても大きな効果を得られる場合は、そこで研究のマナを支払って1ターン回すよりは、そのままカードを引かせてでも突っ張った方が良い結果になる事が多い。
「対戦相手の内1人が数枚カードを引く事による損失」と、「自分のビッグアクションで自分が得られる利益」を見極めて動きたい。まあ、大概はビッグアクションの方が大きな価値を持つ事の方が多いのだが。
また、先述したような「構えていた妨害をギリギリのマナで撃つ」場合もあるだろう。
死ぬくらいなら、対戦相手にカード1枚引かせる方がずっとマシである。
◎マナ加速前に張られた場合
諦めて全力でマナ加速する。コレ一択である。
数枚のカードは与えてしまうものの、マナ加速してしまえばそれ以降は研究のマナを払いやすくなるので、苦しい状況から脱する事が出来る。
また、(特に、自分だけでなく残りのプレイヤー全員も一緒に)全力で動けるだけ動く事により、研究を張ったプレイヤーの手札を溢れさせる効果も期待出来る。
例えば動画のように《島/Island》《Mana Crypt》から研究を張っていたら盤面のマナは3マナ。10枚引かせても、そのすべてを十全に使い切る事は難しいだろう。7枚を超え、手札が溢れる事だって期待出来る。
そうしてそんな爆発的な手札になった1、2ターンさえどうにか乗り切れば、あとは研究で引かせる事もなく、自分の展開もそこまで阻害されない状態でゲームを進める事が可能になる。
最悪なのが、被害を最小限に抑えようとして小出しにマナ加速をして小出しに引かせる事。
自分の展開が遅くなるだけでなく、対戦相手の手札が定期的に数枚ずつ補充され、長く厚い手札を維持する事を可能としてしまう。
こんな動きをするくらいなら、展開を諦め、土地を置くだけでターンを終えて妨害を構え続けている方がずっと良い。
いっその事、絶対引かせないように土地を3枚並べて3ターン目に印鑑置くくらいゆっくりしてた方がまだマシである。
自分の《リスティックの研究/Rhystic Study》絡みのプレイングの指針は大体こんな感じ。
ちなみに、EDHを始めたごく初期に《リスティックの研究/Rhystic Study》disの記事を書いていた(http://kakkokari.diarynote.jp/201203221413178802/)んだけど、その頃に比べれば大分評価が上がっている。
多分主な理由は環境変化。デッキの最適化が進んだ結果ゲームスピードが速くなり、「手札が枯れ気味でマナが余っている」という状況が少なくなったように思う。
結果的に、研究が有効な序盤戦が長くなった(というか以前で言う中盤戦でゲームが終わる)事により強くなった感じ。
相変わらず全員の手札が噛み合わなかったり妨害が噛み合って長引くと弱いけど、その状況になるパターンが昔に比べて減った気がしている。
コメント
ドローの効果を期待するならMystic Remoraの方を選択するのが賢く感じます。
プレイングの点から考えると、相手に引かせても抑え込むだけの要因があるなら無視して自分の展開を進めるのがいいんじゃないかなと思うのですが、相手のデッキが見えない状態で進めるなら、やはり自分の勢いを削いでもドローは止めたいと思います。
マナ拘束がメインの仕事と考えると、普通のデッキだと同じ役目のカードがそんなに入らず、どうしてもデッキで浮いてしまうのが難点な感じ。
動画みたいに他のマナ拘束(動画だとアウグスティン)と組み合わせると効果は大きいんだけど、相手の行動を縛る目的だと今度はカードを引かせながら動かれるのがなんともかんとも。その辺はリスティックの宿命だけど。
なので、俺は「不安定だけど枚数引けるかもしれない置物ドロー」くらいの気分で入れてる。逆にマナ拘束はオマケ気分。
その辺は個人の感覚だねー。
プレイングに関しては、記事でも書いたけど概ね同じ感じ。
多人数戦だし、どうしても相手無視して突っ込んだ方がいい事が多いんだよね。
たまーに見に入って消耗待つのが得策の場合もあるけど。その辺のプレイングが難しい。