GPオクラホマシティ優勝・ランタンコントロールは護符ランプになれるのか?
2015年9月14日 モダン コメント (2)GPオクラホマシティ(モダン)優勝が、《洞察のランタン/Lantern of Insight》を中心としたアーティファクトロックデッキだったので、それについてつらつらと。
ソースは↓
http://magic.wizards.com/en/content/grand-prix-oklahoma-city-2015
ちなみに、トップ8に入賞した他のデッキも、双子、エルフ、バーン、親和、護符ランプ、マーフォーク、スケシとバラバラでかなり愉快な感じになっている。
☆ランタンコントロールの動き
《洞察のランタン/Lantern of Insight》で相手のトップを確認し、《写本裁断機/Codex Shredder》や《グール呼びの鈴/Ghoulcaller’s Bell》で疑似消術ロックを行うのが主目的。
そう、このデッキは、モダン環境では非常に珍しいタイプと言えるロックデッキなのである。
このロックで対処しにくい行動に対処するために脇に並ぶのは、《罠の橋/Ensnaring Bridge》(アグロ全般)《呪文滑り/Spellskite》(茶破壊)《真髄の針/Pithing Needle》(特に序盤に出てしまった起動型能力持ち全般)など。
これらを《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》や《写本裁断機/Codex Shredder》で回収してロックを盤石なものとする。
勝ち筋は、そのままライブラリーアウトまで持って行くか、《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》を使い回したり《ギラプールの霊気格子/Ghirapur AEther Grid》で焼き殺す。
早いデッキ、特に《罠の橋/Ensnaring Bridge》の効果が薄いバーンが苦手。また、白いデッキは《神聖の力線/Leyline of Sanctity》や《石のような静寂/Stony Silence》といった良く見かけるサイドカードがぶっ刺さるので嫌い。
そのため、サイドボードにそれら対策のカードが多めに積んである。
☆ランタンコントロールの活躍
しばらく前のモダンGPでTOP8に入ったのを皮切りに、ちょっと前のGPでもTOP16圏内に入り、ちょくちょく目立ってきている。
これは、往年の護符ランプを思い出させる結果だ。当時は「安定性低いだろコレ。2、3キルなんてそうそう起こらないよ」「ぶっぱローグが勢いで駆けあがって来たのでは?」と言われたりもしていたが、どっこい今ではメタゲームの一角に存在感を示している。
護符ランプの現在の評価は、確かに最初の評判通り2、3キルをする安定性は低いものの、コンボのくせにかなり粘り腰のあるデッキで長期戦にも強く、色んな対処法をケアできる余地もある強デッキという立ち位置にいる。
まるで往時の護符ランプを思わせる活躍をしているので、「もしかしてこのデッキも護符ランプのようにメタゲームの一角に?」と感じさせる一面はある。
☆ランタンコントロールはメタゲームの一角になれるか?
自分は、確かにこのデッキと結果を知った時、護符ランプを連想した。
だがそれだけではなく、似ている印象を受けたモダンのアーキタイプがもう一種類あった。
それは『第二の日の出』である。
このデッキは、多量のアーティファクトを並べ、デッキを掘りマナを増やし、やがてはそれらを使い回す《第二の日の出/Second Sunrise》によってループに入る。
ただ、ライブラリーを引き切るまではその動きを繰り返しつつソリティアに入るため、コンボスタートしても勝てるかどうかは分からないし、コンボに入って勝ちが確定するまで非常に時間がかかる。
……しかし。このデッキは現在、モダンでは使えない。キーカードの1枚である《第二の日の出/Second Sunrise》が禁止されてしまったからだ。
強すぎたからではない。時間がかかりすぎる(特にエクストラターンの時間的消耗が激しかった)のを問題視されたからだ。
ランタンコントロールも、見るからに時間のかかるデッキのように見える。
第二の日の出のように1ターンの間にソリティアをする事はないものの、勝ちを決めるのに非常に長いターンを要する。
特に1ゲームを先取された試合などは、時間との戦いになるだろう。なにしろ、たとえロックに入っても、《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》ルートなら10ターンほどの時間がかかるのだ。2ゲーム目をどうにか取れた所で、3ゲーム目の奪取は絶望的。引き分け製造マシーンになる事が予想される。
なので自分は、もしもランタンコントロールがモダン一線級のデッキに育ったとしても、その遅さを嫌われて禁止されるのではないかと危惧している。
とはいえ、実際モダンGPで優勝したくらいなのだから、そこまで引き分けは発生しないのかも知れない。《グール呼びの鈴/Ghoulcaller’s Bell》でもりもり掘っていれば思っているよりも早くエンドカードに辿り着くし、そこからの動きも(対戦相手の行動の余地含めて)非常に単純で、時間がかからないのかも知れない。
それでも、自分はこのデッキが一線級になって定着する事には疑問を覚える。もう一つの不安要素があるからだ。
それは非常に単純な「ユーザーの好み」だ。
公式は、昔からあった色々な戦術の一部を現在は許していない。それらの戦術は、多くのユーザーが不満を抱き、ゲームを楽しむ妨げになると考えているからだ。
例えば「土地破壊」や「パーミッション」。そして「ロック」だ。
そう、公式はロックデッキを嫌っている。
クリーチャーが殴り合う、盤面が派手に動く環境が好みで、それを後押しするようなカードの発行や環境の整備をしている。
ランタンコントロールはそれに真っ向から逆らうようなアーキタイプであり、プレイヤーから嫌われそうなタイプのデッキなのだ。
つまり、時間のかかりそうな戦略含め、公式が望ましくないと感じそうな要素が非常に多いのだ。
そのため、自分はこのデッキがメタゲームの一線に立つ事はない、例え立ててもそう遅くないタイミングでアーキタイプを禁止されるのではないか、と思っている。
☆最後に、自分の印象
個人的にはロックやパーミッション、土地破壊が存在する環境は嫌いではないのだけれど、ロックはGPなど大きな大会だと、特に対ロック側劣勢時に「時間稼ぎにならない程度の遅いプレイ」が横行しそうなのが好ましくないと思っているので、こんなデッキが流行って欲しくはないなぁ、とは思っている。
GPの対戦動画配信で、必死に時間稼いで1-0-1に持って行くゲームなんか見たくない。めっちゃ盛り下がる。
このデッキ自体は(特にこの時代に現実的なロックデッキを甦らせたという点で)非常に革新的だと思うし、製作者は凄いと思う。
大体こんなで。
すっげー長々書いてしまったな。
ソースは↓
http://magic.wizards.com/en/content/grand-prix-oklahoma-city-2015
ちなみに、トップ8に入賞した他のデッキも、双子、エルフ、バーン、親和、護符ランプ、マーフォーク、スケシとバラバラでかなり愉快な感じになっている。
☆ランタンコントロールの動き
《洞察のランタン/Lantern of Insight》で相手のトップを確認し、《写本裁断機/Codex Shredder》や《グール呼びの鈴/Ghoulcaller’s Bell》で疑似消術ロックを行うのが主目的。
そう、このデッキは、モダン環境では非常に珍しいタイプと言えるロックデッキなのである。
このロックで対処しにくい行動に対処するために脇に並ぶのは、《罠の橋/Ensnaring Bridge》(アグロ全般)《呪文滑り/Spellskite》(茶破壊)《真髄の針/Pithing Needle》(特に序盤に出てしまった起動型能力持ち全般)など。
これらを《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》や《写本裁断機/Codex Shredder》で回収してロックを盤石なものとする。
勝ち筋は、そのままライブラリーアウトまで持って行くか、《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》を使い回したり《ギラプールの霊気格子/Ghirapur AEther Grid》で焼き殺す。
早いデッキ、特に《罠の橋/Ensnaring Bridge》の効果が薄いバーンが苦手。また、白いデッキは《神聖の力線/Leyline of Sanctity》や《石のような静寂/Stony Silence》といった良く見かけるサイドカードがぶっ刺さるので嫌い。
そのため、サイドボードにそれら対策のカードが多めに積んである。
☆ランタンコントロールの活躍
しばらく前のモダンGPでTOP8に入ったのを皮切りに、ちょっと前のGPでもTOP16圏内に入り、ちょくちょく目立ってきている。
これは、往年の護符ランプを思い出させる結果だ。当時は「安定性低いだろコレ。2、3キルなんてそうそう起こらないよ」「ぶっぱローグが勢いで駆けあがって来たのでは?」と言われたりもしていたが、どっこい今ではメタゲームの一角に存在感を示している。
護符ランプの現在の評価は、確かに最初の評判通り2、3キルをする安定性は低いものの、コンボのくせにかなり粘り腰のあるデッキで長期戦にも強く、色んな対処法をケアできる余地もある強デッキという立ち位置にいる。
まるで往時の護符ランプを思わせる活躍をしているので、「もしかしてこのデッキも護符ランプのようにメタゲームの一角に?」と感じさせる一面はある。
☆ランタンコントロールはメタゲームの一角になれるか?
自分は、確かにこのデッキと結果を知った時、護符ランプを連想した。
だがそれだけではなく、似ている印象を受けたモダンのアーキタイプがもう一種類あった。
それは『第二の日の出』である。
このデッキは、多量のアーティファクトを並べ、デッキを掘りマナを増やし、やがてはそれらを使い回す《第二の日の出/Second Sunrise》によってループに入る。
ただ、ライブラリーを引き切るまではその動きを繰り返しつつソリティアに入るため、コンボスタートしても勝てるかどうかは分からないし、コンボに入って勝ちが確定するまで非常に時間がかかる。
……しかし。このデッキは現在、モダンでは使えない。キーカードの1枚である《第二の日の出/Second Sunrise》が禁止されてしまったからだ。
強すぎたからではない。時間がかかりすぎる(特にエクストラターンの時間的消耗が激しかった)のを問題視されたからだ。
ランタンコントロールも、見るからに時間のかかるデッキのように見える。
第二の日の出のように1ターンの間にソリティアをする事はないものの、勝ちを決めるのに非常に長いターンを要する。
特に1ゲームを先取された試合などは、時間との戦いになるだろう。なにしろ、たとえロックに入っても、《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》ルートなら10ターンほどの時間がかかるのだ。2ゲーム目をどうにか取れた所で、3ゲーム目の奪取は絶望的。引き分け製造マシーンになる事が予想される。
なので自分は、もしもランタンコントロールがモダン一線級のデッキに育ったとしても、その遅さを嫌われて禁止されるのではないかと危惧している。
とはいえ、実際モダンGPで優勝したくらいなのだから、そこまで引き分けは発生しないのかも知れない。《グール呼びの鈴/Ghoulcaller’s Bell》でもりもり掘っていれば思っているよりも早くエンドカードに辿り着くし、そこからの動きも(対戦相手の行動の余地含めて)非常に単純で、時間がかからないのかも知れない。
それでも、自分はこのデッキが一線級になって定着する事には疑問を覚える。もう一つの不安要素があるからだ。
それは非常に単純な「ユーザーの好み」だ。
公式は、昔からあった色々な戦術の一部を現在は許していない。それらの戦術は、多くのユーザーが不満を抱き、ゲームを楽しむ妨げになると考えているからだ。
例えば「土地破壊」や「パーミッション」。そして「ロック」だ。
そう、公式はロックデッキを嫌っている。
クリーチャーが殴り合う、盤面が派手に動く環境が好みで、それを後押しするようなカードの発行や環境の整備をしている。
ランタンコントロールはそれに真っ向から逆らうようなアーキタイプであり、プレイヤーから嫌われそうなタイプのデッキなのだ。
つまり、時間のかかりそうな戦略含め、公式が望ましくないと感じそうな要素が非常に多いのだ。
そのため、自分はこのデッキがメタゲームの一線に立つ事はない、例え立ててもそう遅くないタイミングでアーキタイプを禁止されるのではないか、と思っている。
☆最後に、自分の印象
個人的にはロックやパーミッション、土地破壊が存在する環境は嫌いではないのだけれど、ロックはGPなど大きな大会だと、特に対ロック側劣勢時に「時間稼ぎにならない程度の遅いプレイ」が横行しそうなのが好ましくないと思っているので、こんなデッキが流行って欲しくはないなぁ、とは思っている。
GPの対戦動画配信で、必死に時間稼いで1-0-1に持って行くゲームなんか見たくない。めっちゃ盛り下がる。
このデッキ自体は(特にこの時代に現実的なロックデッキを甦らせたという点で)非常に革新的だと思うし、製作者は凄いと思う。
大体こんなで。
すっげー長々書いてしまったな。
コメント
赤って言うか《粉砕の嵐/Shatterstorm》がガン刺さりする(審問で抜けない、カウンター無いなので高確率で死ねる)ので、目立ちだすと親和対策と一緒に潰されそう。