EDH 0マナ・インスタント妨害について 【追記あり】
2015年8月19日 EDHカード考察 コメント (8)多人数戦ゆえに、基本的には周りを無視して全力で突っ張った方が勝てる事の多いEDHだけど、毎回自分が一番早く勝ちに行ける訳でもないし、自分が一番早かったからと言って、それに対する妨害が飛んで来たり、置物で止められたりなんて事がない訳でも無い。
そんな訳で、大概のデッキには空いた枠に妨害が入る訳だけど、それは2種類に大別される。
「ソーサリータイミング」と「インスタントタイミング」だ。
☆ソーサリータイミングの妨害
ソーサリータイミングの除去は基本的に能動的な妨害である。
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》や《締め付け/Stranglehold》のように、対戦相手の行動前に先出しして、以降の対戦相手の行動を制限したり、《溶融/Meltdown》や《ハルマゲドン/Armageddon》のように、対戦相手の行動に先んじてマナベースを破壊したりする。
能動的な行動であるため、必要なコストさえ揃っていれば自分でタイミングを選べる。
自分のターンにしかキャスト出来ない欠点があるものの、概ね効果は大きく広範囲で、自分の使えるマナに対する自由度も大きい。
☆インスタントタイミングの妨害
対してインスタント妨害は、主に相手のアクションにリアクションを起こす形で使われる。
危険な呪文をカウンターしたり、揃ったコンボパーツを破壊したりといった行動だ。
受動的な行動であるため、相手の意表を突けるし、比較的局地的かつ小さな効果でも大きな影響をゲームに与える事が出来るものの、その妨害をキャストするためのマナは常に準備しておかないといけない。
ある意味幸運な事に、妨害を必要としないまま一周して自分のターンが来た場合、そのために準備していたマナは丸々無駄になる。次のターンも妨害を構えようと思うのなら、そのマナコスト分は延々とテンポ損として自分のマナベースを圧迫し続ける。
☆0マナでキャストできるインスタント妨害
それゆえに、インスタント妨害は軽ければ軽いほど良く、特に0マナの妨害は自分の展開を全く阻害しないまま、一切のテンポ損なく突然のコンボ死や強力な全体除去などを回避する事が出来るので非常に強力である。
そんな訳で今回は、個人的にある程度以上の強さを評価している0マナ妨害をつらつらと書きならべて行こうと思う。
入れておくと、ある程度安心してフルタップできるので展開に余裕が出来やすいので、良かったら参考にしてデッキに入れてみて下さい。
上ほど自分内で高い評価を下しているカード。
・《Force of Will》
多分、多くの人が真っ先に思い浮かぶであろう0マナ妨害。
効果はカウンターで、ほとんどあらゆる行動を妨害する事が出来る。
ある程度青いカードが入っていれば無理なくピッチでキャストできる。そして青いカードは強いものが多いのでデッキに入れやすい。
・《否定の契約/Pact of Negation》
効果はカウンター。上で書いた通りとっても便利。
《Force of Will》と比べると、アドバンテージの代わりにテンポを失う感じ。
その性質上、早すぎるターンには防御に使えない欠点があるが、手札の状況に関わらず確実に0マナキャスト出来る点は、特に多色デッキで《Force of Will》に勝る事もある利点である。
・《精神的つまづき/Mental Misstep》
ファイレクシアマナにより実質0マナで撃てる、条件付きカウンター。
強力な軽量カードが多いEDHだと、序盤から終盤まで活躍の機会が多く、他のピッチカウンターと違ってコストが非常に軽いため、デッキ構築や前後の行動を一切制限せずに投入・使用が出来る器用なヤツ。偉い。
・《有毒の蘇生/Noxious Revival》
効果は墓地のカード1枚をライブラリートップへ。
ファイレクシアマナにより、実質0マナでキャスト可能。
これの利点はとにかく小器用な事。墓地利用に対する妨害、教示者系への時間稼ぎ、そして自分の重要カードの回収。
特に最後の回収効果が重要で、妨害多めのデッキが押せ押せになっている時によくある「妨害が手札に余って勢いが鈍る」という状況を緩和してくれる。ドローなりなんなりの回収に使えば、攻めの補強になるからだ。
・《撃退/Foil》
効果はカウンター。
消耗する手札が計3枚と多く、アドバンテージを失いやすい。
ただ、必要なのはキープしやすい島1枚なので、2色程度のデッキならピッチにそこまで困らない。
《Force of Will》よりマナコストが低いので、FoWよりも生撃ちされる機会がちょっとだけ多い印象。
・《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
効果は墓地リムーブ。
クリーチャーなのでサーチがしやすく、能力なのでカウンターされず、リムーブ枚数が2枚で、さらにはその対象は別プレイヤーでも構わない。
手札から飛んでくる墓地対策としては、最上級に強力な効果を持つ。
有効な状況が限定的ながら、パワーは一級品。
・《モグの分捕り/Mogg Salvage》
自分が山、対戦相手が島をコントロールしている、という条件付きで0マナになるアーティファクト破壊。
破壊対象がどのデッキも大概使っているアーティファクト、3マナというギリギリ素撃ち出来るマナコストで、もしも対戦相手に青がいなくても小回りが効く。
対戦相手のピッチ条件が、最も強い色である青デッキ相手の場合であるため、「ピッチ出来ない状況=対戦相手が多少戦いやすい状況」となる算段が高いのも嬉しい。おまけにその青がアーティファクトを多用しがち、というのも良く噛み合っている。
非常にストレスなくキャスト出来る印象。
・《水没/Submerge》
自分が島、対戦相手が森をコントロールしていると0マナキャスト出来るようになる。
対象のクリーチャーをライブラリートップへ置くインスタント。サーチなどシャッフルするカードに合わせれば確定除去に。
ルール変更でジェネラルをライブラリーに埋める動きが出来なくなったがまだまだ強い。
対戦相手のピッチ条件も、比較的強色として認知されていて、なおかつクリーチャーを多用しがちな緑であるため、ピッチ可能時には非常に高いパフォーマンスを発揮する。
惜しむらくは、《モグの分捕り/Mogg Salvage》と違って、素撃ちが難しい5マナなのが、ピッチ不可だった時に扱いにくい点。
個人的には、安定性を犠牲にした代わり、効果とコスト面で強化された《応じ返し/Snapback》という印象を持っている。
・《殺戮の契約/Slaughter Pact》
0マナ再生可能な《闇への追放/Dark Banishing》。あとで3マナ払ってね。
0マナインスタントのパーマネント除去の中では、かなり癖が少なく負担も小さい。破壊対象も、1、2を争うレベルで見るであろうクリーチャーなので無駄になりにくい。
ただ、黒の強力クリーチャーがそれなりに存在する環境であるため、時々どうしようもなくなったりする。特に突然出てきて即座に殺したくなる《概念泥棒/Notion Thief》。
・《殺し/Snuff Out》
効果は大体《殺戮の契約/Slaughter Pact》。
コストを見てどっちか、っていう。多色デッキだとごく稀に沼が無い事が散見される事がある。
対して2黒揃う前にどうしても撃ちたくなる事が少ないため、個人的には《殺戮の契約/Slaughter Pact》に軍配が上がった。
・《徴用/Commandeer》
ピッチで撃つには青の濃い手札が必要な、デッキ構築段階で結構な制限を強いてくるカード。
だが効果は強力。……強力かも知れない。
なにしろ生物や置物には無力だし、スペルですら時として対象に取っても無意味な事もある。しかし嵌った時は、ピッチで失ったアドを取り戻す以上の効果を見せたり、場合によってはゲームを決める力を発揮する事すらある。
リスクリターンの差が激しいスペル。
・《Pyrokinesis》
ピッチの4点割り振り火力。
4点は、インスタントタイミングで除去りたいクリーチャー(《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》《概念泥棒/Notion Thief》など)なら楽々除去できるダメージで、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のような硬めの強力クリーチャーの除去にも使える。
余ったダメージを盤面にばらまく事だって出来るし、単純に緑系相手のマナベースを壊滅させるのにも使える。
惜しむらくは、ピッチで使うには赤が濃いデッキである必要がある事。多色になった場合、十分な赤いカードをデッキに仕込むのが意外と難しく、そのパワーの割りに見かける事が少ない印象がある。
・《誤った指図/Misdirection》
比較的癖のないピッチスペルながら、有効なタイミングが意外と少ない難しいカード。
「単一の対象を取るインスタントかソーサリー」っていうのが思ったよりキャストされない。
ただ、カウンター合戦では《Force of Will》もかくや、という活躍を見せる。あと、《突然の衰微/Abrupt Decay》を躱せる数少ないカードでもある。
癖のなさのおかげか遭遇率はかなり高い印象。
・《応じ返し/Snapback》
《送還/Unsummon》の効果を持つピッチスペル。
生撃ちが1青と非常に撃ち易く、ピッチコストも青いカード1枚と癖がなく構えやすい。
そのくせ「その場に限るなら」ほとんどあらゆるクリーチャーに触れる有能っぷり。
ただ、あくまでその場しのぎに過ぎない1マナスペルで、対象も限定的。その割りには手札1枚というピッチコストが割高に感じられてしまう。
・《妨害/Thwart》
島三つ戻してピッチキャスト出来るカウンター。
事実上青単限定ながら、アドバンテージを一切失わずにピッチキャスト出来る確定カウンターってのはかなり評価できる。
ただしテンポ損は甚大で、キャスト後3、4ターンまでそのテンポ損を引きずる羽目になる。
自分は大好きなんだけど、自分以外に使ってる人を見ないw 個人的には《徴用/Commandeer》の前後に置きたいくらいなんだけどw
・《廃止/Abolish》
効果は《解呪/Disenchant》。平地を捨てる事でピッチキャスト出来る。
上に書いた《Pyrokinesis》以上に、パワーはある癖に色が恵まれないせいで出番がないカード。
2マナの汎用スペルがこのコスト。強色である青黒緑で《ブーメラン/Boomerang》や《最後の喘ぎ/Last Gasp》や《帰化/Naturalize》版があったならはるかに高い採用率を誇っているであろう。
個人的にとっても好評価……自分で使った事は一度もないけどw
・《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
対戦相手1人が3つ以上のスペルを唱えている場合に0マナになるカウンター。
対象を複数取れる呪文追放効果であるため、ストーム、続唱(《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》)、打ち消されない呪文に有効な非常に強力な効果。
ただ、ピッチ条件が意外と達成しにくい。
「1人が3つ以上」となっているため複数人の対戦相手で回数条件を達成する事が出来ず、多くの場合『誰かがマナ加速・準備などを経て強アクション→対戦相手が妨害を撃つ→それをカウンター』みたいな流れを必要とする。
大きなテンポ損を覚悟すれば素撃ちのギリギリ考えられるコストなのだが、《撃退/Foil》《妨害/Thwart》と違ってキャストしたくなる直前までピッチ出来るか出来ないかが分からないのが使い勝手の悪さに拍車をかける。
・《はらわた撃ち/Gut Shot》
非常に手軽に撃てるインスタント火力なのだが、さすがに1点は範囲が狭すぎて頼りない。
瞬速持ちの妨害生物である《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》《概念泥棒/Notion Thief》あたりをピンポイントに殺せるので、そこは評価したい。
・《雷音/Thunderclap》
山ひとつを生け贄にクリーチャーに3点ダメージ。素撃ちは3マナ。
意外と小回りが利くナイスカードなんだけど、やっぱり色の問題で採用率は今一つ。
生け贄のために確実にテンポとアドを失うのも微妙な使い勝手の悪さに拍車をかけてしまっている。
・《不快な群れ/Sickening Shoal》
黒のカードをピッチコストに-X/-X修正を与える。Xはリムーブしたカードのマナコスト。
有効範囲の広さ的には、《殺し/Snuff Out》とどっこいと言った所か。
効果は悪くないんだけど、アドを失ってる割りには有効範囲が狭く、また、多色の黒いカードはリムーブしたいカードが少なくなりがち(《Demonic Tutor》など強力カードがピンポイントで入るため)で、黒の濃いデッキでないとちょっと使いにくい。
・《Contagion》
《不快な群れ/Sickening Shoal》系の除去スペル。振り分けも可能。
……なんだけど、実質最大タフネス-2修正で、カード2枚使う割に有効範囲が非常に狭い。
・《闇の旋動/Spinning Darkness》
墓地の黒いカードを上から3枚リムーブする事によりピッチキャスト出来る3点ドレイン。
アドを失わずキャスト出来るのはいいのだが、黒いクリーチャーに撃てない、墓地にカードを溜めるのに苦労する、楽に溜まるデッキだと墓地利用したい事が多い、あげくリムーブに自由が利かない、といろいろ不便なカード。
・《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
《呪文破/Spell Blast》のピッチスペル版。ピッチ時のXの判定が特殊で、リムーブしたカードのマナコストがXとなる。しかも打ち消せるのは「マナコストX以下」ではなく「マナコストX」。
生撃ちもX青青と思く、とっても使い勝手が悪い。
腐ってもカウンターなのでワンチャン?
・《火炎破/Fireblast》
《雷音/Thunderclap》に似たスペル。
EDHだと、プレイヤーに撃てないマイナスよりも、山2枚を失う大きなテンポ損・アド損の方がでかいので評価は非常に低い。
妨害にこのピッチコストは流石に色々きつすぎる。
・《外科的摘出/Surgical Extraction》
ファイレクシアマナにより0マナキャスト出来る。効果は墓地リムーブ。
墓地コンボの始動が早いので、インスタント0マナの墓地除去は悪くはないんだけど、《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》があるせいで色々残念な評価に。
まだあるかもだけど大体この辺まで。
※ 《モグの分捕り/Mogg Salvage》《水没/Submerge》《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》を追記
久々にがっつり書いたぞ。
そんな訳で、大概のデッキには空いた枠に妨害が入る訳だけど、それは2種類に大別される。
「ソーサリータイミング」と「インスタントタイミング」だ。
☆ソーサリータイミングの妨害
ソーサリータイミングの除去は基本的に能動的な妨害である。
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》や《締め付け/Stranglehold》のように、対戦相手の行動前に先出しして、以降の対戦相手の行動を制限したり、《溶融/Meltdown》や《ハルマゲドン/Armageddon》のように、対戦相手の行動に先んじてマナベースを破壊したりする。
能動的な行動であるため、必要なコストさえ揃っていれば自分でタイミングを選べる。
自分のターンにしかキャスト出来ない欠点があるものの、概ね効果は大きく広範囲で、自分の使えるマナに対する自由度も大きい。
☆インスタントタイミングの妨害
対してインスタント妨害は、主に相手のアクションにリアクションを起こす形で使われる。
危険な呪文をカウンターしたり、揃ったコンボパーツを破壊したりといった行動だ。
受動的な行動であるため、相手の意表を突けるし、比較的局地的かつ小さな効果でも大きな影響をゲームに与える事が出来るものの、その妨害をキャストするためのマナは常に準備しておかないといけない。
ある意味幸運な事に、妨害を必要としないまま一周して自分のターンが来た場合、そのために準備していたマナは丸々無駄になる。次のターンも妨害を構えようと思うのなら、そのマナコスト分は延々とテンポ損として自分のマナベースを圧迫し続ける。
☆0マナでキャストできるインスタント妨害
それゆえに、インスタント妨害は軽ければ軽いほど良く、特に0マナの妨害は自分の展開を全く阻害しないまま、一切のテンポ損なく突然のコンボ死や強力な全体除去などを回避する事が出来るので非常に強力である。
そんな訳で今回は、個人的にある程度以上の強さを評価している0マナ妨害をつらつらと書きならべて行こうと思う。
入れておくと、ある程度安心してフルタップできるので展開に余裕が出来やすいので、良かったら参考にしてデッキに入れてみて下さい。
上ほど自分内で高い評価を下しているカード。
・《Force of Will》
多分、多くの人が真っ先に思い浮かぶであろう0マナ妨害。
効果はカウンターで、ほとんどあらゆる行動を妨害する事が出来る。
ある程度青いカードが入っていれば無理なくピッチでキャストできる。そして青いカードは強いものが多いのでデッキに入れやすい。
・《否定の契約/Pact of Negation》
効果はカウンター。上で書いた通りとっても便利。
《Force of Will》と比べると、アドバンテージの代わりにテンポを失う感じ。
その性質上、早すぎるターンには防御に使えない欠点があるが、手札の状況に関わらず確実に0マナキャスト出来る点は、特に多色デッキで《Force of Will》に勝る事もある利点である。
・《精神的つまづき/Mental Misstep》
ファイレクシアマナにより実質0マナで撃てる、条件付きカウンター。
強力な軽量カードが多いEDHだと、序盤から終盤まで活躍の機会が多く、他のピッチカウンターと違ってコストが非常に軽いため、デッキ構築や前後の行動を一切制限せずに投入・使用が出来る器用なヤツ。偉い。
・《有毒の蘇生/Noxious Revival》
効果は墓地のカード1枚をライブラリートップへ。
ファイレクシアマナにより、実質0マナでキャスト可能。
これの利点はとにかく小器用な事。墓地利用に対する妨害、教示者系への時間稼ぎ、そして自分の重要カードの回収。
特に最後の回収効果が重要で、妨害多めのデッキが押せ押せになっている時によくある「妨害が手札に余って勢いが鈍る」という状況を緩和してくれる。ドローなりなんなりの回収に使えば、攻めの補強になるからだ。
・《撃退/Foil》
効果はカウンター。
消耗する手札が計3枚と多く、アドバンテージを失いやすい。
ただ、必要なのはキープしやすい島1枚なので、2色程度のデッキならピッチにそこまで困らない。
《Force of Will》よりマナコストが低いので、FoWよりも生撃ちされる機会がちょっとだけ多い印象。
・《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
効果は墓地リムーブ。
クリーチャーなのでサーチがしやすく、能力なのでカウンターされず、リムーブ枚数が2枚で、さらにはその対象は別プレイヤーでも構わない。
手札から飛んでくる墓地対策としては、最上級に強力な効果を持つ。
有効な状況が限定的ながら、パワーは一級品。
・《モグの分捕り/Mogg Salvage》
自分が山、対戦相手が島をコントロールしている、という条件付きで0マナになるアーティファクト破壊。
破壊対象がどのデッキも大概使っているアーティファクト、3マナというギリギリ素撃ち出来るマナコストで、もしも対戦相手に青がいなくても小回りが効く。
対戦相手のピッチ条件が、最も強い色である青デッキ相手の場合であるため、「ピッチ出来ない状況=対戦相手が多少戦いやすい状況」となる算段が高いのも嬉しい。おまけにその青がアーティファクトを多用しがち、というのも良く噛み合っている。
非常にストレスなくキャスト出来る印象。
・《水没/Submerge》
自分が島、対戦相手が森をコントロールしていると0マナキャスト出来るようになる。
対象のクリーチャーをライブラリートップへ置くインスタント。サーチなどシャッフルするカードに合わせれば確定除去に。
ルール変更でジェネラルをライブラリーに埋める動きが出来なくなったがまだまだ強い。
対戦相手のピッチ条件も、比較的強色として認知されていて、なおかつクリーチャーを多用しがちな緑であるため、ピッチ可能時には非常に高いパフォーマンスを発揮する。
惜しむらくは、《モグの分捕り/Mogg Salvage》と違って、素撃ちが難しい5マナなのが、ピッチ不可だった時に扱いにくい点。
個人的には、安定性を犠牲にした代わり、効果とコスト面で強化された《応じ返し/Snapback》という印象を持っている。
・《殺戮の契約/Slaughter Pact》
0マナ再生可能な《闇への追放/Dark Banishing》。あとで3マナ払ってね。
0マナインスタントのパーマネント除去の中では、かなり癖が少なく負担も小さい。破壊対象も、1、2を争うレベルで見るであろうクリーチャーなので無駄になりにくい。
ただ、黒の強力クリーチャーがそれなりに存在する環境であるため、時々どうしようもなくなったりする。特に突然出てきて即座に殺したくなる《概念泥棒/Notion Thief》。
・《殺し/Snuff Out》
効果は大体《殺戮の契約/Slaughter Pact》。
コストを見てどっちか、っていう。多色デッキだとごく稀に沼が無い事が散見される事がある。
対して2黒揃う前にどうしても撃ちたくなる事が少ないため、個人的には《殺戮の契約/Slaughter Pact》に軍配が上がった。
・《徴用/Commandeer》
ピッチで撃つには青の濃い手札が必要な、デッキ構築段階で結構な制限を強いてくるカード。
だが効果は強力。……強力かも知れない。
なにしろ生物や置物には無力だし、スペルですら時として対象に取っても無意味な事もある。しかし嵌った時は、ピッチで失ったアドを取り戻す以上の効果を見せたり、場合によってはゲームを決める力を発揮する事すらある。
リスクリターンの差が激しいスペル。
・《Pyrokinesis》
ピッチの4点割り振り火力。
4点は、インスタントタイミングで除去りたいクリーチャー(《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》《概念泥棒/Notion Thief》など)なら楽々除去できるダメージで、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のような硬めの強力クリーチャーの除去にも使える。
余ったダメージを盤面にばらまく事だって出来るし、単純に緑系相手のマナベースを壊滅させるのにも使える。
惜しむらくは、ピッチで使うには赤が濃いデッキである必要がある事。多色になった場合、十分な赤いカードをデッキに仕込むのが意外と難しく、そのパワーの割りに見かける事が少ない印象がある。
・《誤った指図/Misdirection》
比較的癖のないピッチスペルながら、有効なタイミングが意外と少ない難しいカード。
「単一の対象を取るインスタントかソーサリー」っていうのが思ったよりキャストされない。
ただ、カウンター合戦では《Force of Will》もかくや、という活躍を見せる。あと、《突然の衰微/Abrupt Decay》を躱せる数少ないカードでもある。
癖のなさのおかげか遭遇率はかなり高い印象。
・《応じ返し/Snapback》
《送還/Unsummon》の効果を持つピッチスペル。
生撃ちが1青と非常に撃ち易く、ピッチコストも青いカード1枚と癖がなく構えやすい。
そのくせ「その場に限るなら」ほとんどあらゆるクリーチャーに触れる有能っぷり。
ただ、あくまでその場しのぎに過ぎない1マナスペルで、対象も限定的。その割りには手札1枚というピッチコストが割高に感じられてしまう。
・《妨害/Thwart》
島三つ戻してピッチキャスト出来るカウンター。
事実上青単限定ながら、アドバンテージを一切失わずにピッチキャスト出来る確定カウンターってのはかなり評価できる。
ただしテンポ損は甚大で、キャスト後3、4ターンまでそのテンポ損を引きずる羽目になる。
自分は大好きなんだけど、自分以外に使ってる人を見ないw 個人的には《徴用/Commandeer》の前後に置きたいくらいなんだけどw
・《廃止/Abolish》
効果は《解呪/Disenchant》。平地を捨てる事でピッチキャスト出来る。
上に書いた《Pyrokinesis》以上に、パワーはある癖に色が恵まれないせいで出番がないカード。
2マナの汎用スペルがこのコスト。強色である青黒緑で《ブーメラン/Boomerang》や《最後の喘ぎ/Last Gasp》や《帰化/Naturalize》版があったならはるかに高い採用率を誇っているであろう。
個人的にとっても好評価……自分で使った事は一度もないけどw
・《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
対戦相手1人が3つ以上のスペルを唱えている場合に0マナになるカウンター。
対象を複数取れる呪文追放効果であるため、ストーム、続唱(《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》)、打ち消されない呪文に有効な非常に強力な効果。
ただ、ピッチ条件が意外と達成しにくい。
「1人が3つ以上」となっているため複数人の対戦相手で回数条件を達成する事が出来ず、多くの場合『誰かがマナ加速・準備などを経て強アクション→対戦相手が妨害を撃つ→それをカウンター』みたいな流れを必要とする。
大きなテンポ損を覚悟すれば素撃ちのギリギリ考えられるコストなのだが、《撃退/Foil》《妨害/Thwart》と違ってキャストしたくなる直前までピッチ出来るか出来ないかが分からないのが使い勝手の悪さに拍車をかける。
・《はらわた撃ち/Gut Shot》
非常に手軽に撃てるインスタント火力なのだが、さすがに1点は範囲が狭すぎて頼りない。
瞬速持ちの妨害生物である《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》《概念泥棒/Notion Thief》あたりをピンポイントに殺せるので、そこは評価したい。
・《雷音/Thunderclap》
山ひとつを生け贄にクリーチャーに3点ダメージ。素撃ちは3マナ。
意外と小回りが利くナイスカードなんだけど、やっぱり色の問題で採用率は今一つ。
生け贄のために確実にテンポとアドを失うのも微妙な使い勝手の悪さに拍車をかけてしまっている。
・《不快な群れ/Sickening Shoal》
黒のカードをピッチコストに-X/-X修正を与える。Xはリムーブしたカードのマナコスト。
有効範囲の広さ的には、《殺し/Snuff Out》とどっこいと言った所か。
効果は悪くないんだけど、アドを失ってる割りには有効範囲が狭く、また、多色の黒いカードはリムーブしたいカードが少なくなりがち(《Demonic Tutor》など強力カードがピンポイントで入るため)で、黒の濃いデッキでないとちょっと使いにくい。
・《Contagion》
《不快な群れ/Sickening Shoal》系の除去スペル。振り分けも可能。
……なんだけど、実質最大タフネス-2修正で、カード2枚使う割に有効範囲が非常に狭い。
・《闇の旋動/Spinning Darkness》
墓地の黒いカードを上から3枚リムーブする事によりピッチキャスト出来る3点ドレイン。
アドを失わずキャスト出来るのはいいのだが、黒いクリーチャーに撃てない、墓地にカードを溜めるのに苦労する、楽に溜まるデッキだと墓地利用したい事が多い、あげくリムーブに自由が利かない、といろいろ不便なカード。
・《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
《呪文破/Spell Blast》のピッチスペル版。ピッチ時のXの判定が特殊で、リムーブしたカードのマナコストがXとなる。しかも打ち消せるのは「マナコストX以下」ではなく「マナコストX」。
生撃ちもX青青と思く、とっても使い勝手が悪い。
腐ってもカウンターなのでワンチャン?
・《火炎破/Fireblast》
《雷音/Thunderclap》に似たスペル。
EDHだと、プレイヤーに撃てないマイナスよりも、山2枚を失う大きなテンポ損・アド損の方がでかいので評価は非常に低い。
妨害にこのピッチコストは流石に色々きつすぎる。
・《外科的摘出/Surgical Extraction》
ファイレクシアマナにより0マナキャスト出来る。効果は墓地リムーブ。
墓地コンボの始動が早いので、インスタント0マナの墓地除去は悪くはないんだけど、《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》があるせいで色々残念な評価に。
まだあるかもだけど大体この辺まで。
※ 《モグの分捕り/Mogg Salvage》《水没/Submerge》《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》を追記
久々にがっつり書いたぞ。
コメント
雷音や廃止なんて忘れてましたわw
しかし、忌み者は強いですねー。
万が一場に出ても2/2飛行。
その辺の、対戦相手側の条件で0マナになる一連の罠スペルを忘れてましたわw
《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》《水没/Submerge》《モグの分捕り/Mogg Salvage》あたりは十分に強いカードなので、後ほど追加したいと思います。
こいつら《Contagion》とかよりよっぽど強いわw
あまり使わないけど個人的に《陥穽》がお気に入りです。
《陥穽/Ensnare》は、当時のリミテッドでとても強かった思い出がありますw
EDHの妨害として考えると、タップで止まる勝ち筋がそう多くはないので、残念ながらデッキに入る事は少なそうです。
たまーに誰も森出さなかったりしますがw
1マナで十分な強さを持った妨害があれば考慮したのかも知れませんが、ゲームスピードが速いため、ピッチコストと同程度の容易さで生物を並べるのは不可能と判断して召集は省かせてもらいました。
効果だけなら《かき立てる炎/Stoke the Flames》《隔離する活力/Sundering Vitae》あたりがいい線行くのですが。
>サーボ・打撲さん
《水没/Submerge》はそういうガッカリがあるのが個人的に評価が低いです。「他の人だともうちょっと高いんだろうけど」って自覚があるレベルで。
なぜか卓に青がいなくて《赤霊破/Red Elemental Blast》が使えなくなるより不快w
そんな訳で追記時は自分の評価よりちょい高めに置く予定w
《モグの分捕り/Mogg Salvage》のようにギリギリ生撃ち出来る程度に軽ければ良かったのですが、効果が効果なので軽くも出来ないのが残念。