第一回EDHカード紹介:《Breath of Dreams》
なんかDNのリンク先が楽しそうな感じになっていたので触発されて。
発端は稲荷さん(http://9thtailmohumohu.diarynote.jp/201507110035473326/

という訳で、EDHカード紹介、第一回である。
以前にも何度かカードを取り上げてEDHで使うとどうこう言っててような気もするが、あくまで第一回である。


まずは紹介カード、《Breath of Dreams》のテキストから。

Breath of Dreams  (2)(青)(青)

エンチャント

累加アップキープ(青)(あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に経年(age)カウンターを1個置く。その後あなたがこの上に置かれている経年カウンター1個につきアップキープ・コストを1回支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。)
緑のクリーチャーは「累加アップキープ(1)」を持つ。



☆マナが大事なEDH
EDHは《Mana Crypt》をはじめとする優秀なマナ加速があり、また、それらを大量に投入する戦略が有力である。(デッキの3割が土地、2割がマナ加速、というデッキが一般的に良く見られる)
そのため、序盤から高速かつ大量にマナが伸びて行きながら、強力なカードを叩きつけ合う形でゲームが進む事が多い。

それに加えて、多人数戦+ライフ40点というゲームの性質上、似たようなカードプールであるヴィンテージやレガシーに比べ、重たいカードが活躍する機会が多い。
(対戦相手が3倍=通常の3倍である3人分のターンを飛ばせる)追加ターンカードや、《自然の秩序/Natural Order》に頼る事すらなく出てくる事も稀ではない《進歩の災い/Bane of Progress》のような重いクリーチャー、それら強力なヘビークリーチャーを対戦相手から奪い取る《袖の下/Bribery》などが代表的だろうか。

そんな環境にあるため、EDHにおいてはマナの量、ひいてはマナ加速が非常に大切なのである。



☆マナ拘束
逆説的に、EDHではマナ拘束が有効である。
マナ加速から想い強力カードをキャストするという、大雑把な分類だとマナランプ戦略に寄りがちな環境であるため、対戦相手のマナベースを潰して動きに制限をかける事は非常に有効だ。

ただ、EDHにおけるマナ拘束の影響は他の環境のようにはいかない。
先に書いた通り、EDHはライフ40点の3人戦であるため、エターナル環境におけるMUDやデスアンドタックスのような、『マナ拘束をしている間に手早く殴り倒す』という戦略が機能しにくい。
ハンドを使いながらあくまで『相手を遅らせる』に終始するマナ拘束戦略で抑え込める時間で勝ちきる事は難しく、中途半端なマナ拘束では自分が勝つ前に相手が十分なマナまで伸ばす事を許容してしまう事が多い。
それならばと、さらに遅延しようとマナ拘束カードを重ね撃つと、それはそれで自分のハンドが失われ、せっかく遅延しているのに勝ちが遠のくという本末転倒な状況になりがちである。
これは特に、自分も同じように動きが鈍る《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》のようなカードを用いてマナ拘束をする戦略で顕著な欠点である。

また、そもそもEDHはハイランダーであるため、マナ拘束戦略を中心に据えようとも、序盤に上手くマナ拘束カードを引き込めるかの確実性に欠ける。

さらにはEDHは対戦相手が3人であるため、誰もが嫌うマナ拘束カードは高いヘイトを稼ぎ、優先的に除去されてしまいがちである。
《アウグスティン四世大判事/Grand Arbiter Augustin IV》ジェネラルなどはその顕著な例であろう。

マナ拘束自体は有効なのだが、その扱いは難しい。



☆有用なマナ拘束
では、有用なマナ拘束とは何か。自分は、

・「自分が影響を受けない」
・「効果が絶大で、複数枚なくても十分な遅延を期待出来る」

この2点が重要な要素だと考える。
どちらも、先ほど例示したマナ拘束戦略の弱点を補う要素である。
自分が影響を受けないならば遅延の効果を最大限に活かして動けるし、マナ拘束カードが最低限の枚数で済むのなら残りの手札を存分に使い切って攻めていける。


代表的な例が、

アーティファクトの少ないデッキの《無のロッド/Null Rod》《石のような静寂/Stony Silence》
特殊土地の少ないデッキの《血染めの月/Blood Moon》
クリーチャーの起動型能力を期待しないデッキの《呪われたトーテム像/Cursed Totem》

などである。



☆《Breath of Dreams》
さて、今回紹介したカードを見てみよう。

効果は、クリーチャーに頼りがちである緑のデッキに、累加アップキープという大きなマナ拘束をかけるというもの。
青単色のカードであり、自分が悪影響を受けないよう、緑のクリーチャーが入っていないデッキに投入する事は容易である。

緑のデッキにしか影響しないため、広く対戦相手に有効である事を期待するのは難しいが、逆に言うと有効な相手以外からは除去されたりカウンターされたりしにくいという利点にもなる。
そして緑のクリーチャーを多く使う強力なデッキ(《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》など)は、孤独な立場でこのカードの対処に迫られる苦境を強いられる、という寸法だ。

惜しむらくは、これ自体にも累加アップキープが付いており、維持にこだわると自分のマナ拘束にもなってしまう点である。

だが、この欠点も様々な要素である程度は緩和できる。
まず、ターン進行の関係で対戦相手から累加アップキープが発生する事。最初の1ターン目に関しては無料で出し得という事だ。
そうして青1マナ(そう、最初に支払うのはたったの青1マナだ)払って2周目に入ったら入ったでまたキツイ。クリーチャー1体につき2マナというマナ拘束は、以下にマナ加速が得意な緑とは言えかなりのコストだろう。

さらに、現在の累加アップキープのルールが追い風になっている。
「アップキープごとにパーマネントの上に経年カウンターを1個置き、その後カウンターの数分の累加アップキープコストを支払う」という挙動であり、また、《Breath of Dreams》が戦場を離れた際に経年カウンターが取り除かれるとも書いていないため、累加アップキープが危険域に成ったら自分でバウンスして出し直す事により、自分はより低いアップキープコストで、対戦相手のクリーチャーにのみ高いコストを課す事が出来るのである。

この戦略が特に有効なのは、地力でブリンクできる《永遠王、ブレイゴ/Brago, King Eternal》であろう。毎ターン青1マナのみのアップキープコストで、永遠に緑のクリーチャーに累加アップキープを課し続ける事が出来るのだ。


4マナは少々重たいが、緑のデッキがまとめて機能不全に陥るのなら安いものだ。
緑のデッキに苦しめられた経験があるのならば、デッキにほんの1枚の枠を開けるだけで十分だ。このカードを投入してみよう。

コメント

zama
2015年7月11日21:42

カタキさんマジイケメン。
edhだとナンバーワンまである…

かっこかり
2015年7月11日22:20

カタキさんはなー。色が無色以下のアレ色なのがなー。
緑だったら絶対あちこちでエースしてたのに。

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