去年末から嵌り始めたモダンとか、GP千葉(行けてない)とか、 主に仕事とかで何も書けてなかったけど、ひっさびさにEDHの事を書くよ。
ド長文注意。



今回書くのは、一月近く前にさかのぼるんだけど、GWにT野君が帰省してきて持ち込んだ《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》。

彼は一緒に《帰還した探検者、セルヴァラ/Selvala, Explorer Returned》も持ちこんでくれたんだけど、「非青系・チェインコンボデッキ」という方向性は同じだし、その上で比較的ジェネラル依存の強いチェイン系統としてならにった氏くんの《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》と似たタイプではあるので、特に自分の周辺ではレアなコイツについて書こうと思う。

リストも見てないし、数回対戦した感触が主なので的外れな部分もあるかも。それに関しては、リンクしてる方がコメントで色々訂正・補足とかしてくれると助かります。



☆シートンってどんなジェネラル?
《クローサの庇護者シートン/Seton, Krosan Protector》は、自軍のドルイドを速攻付きの《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》に変える能力を持っている。
キャスティングコストは3マナと軽めでキャストしやすい。ただ、そのマナ・コストは単色のトリプルシンボルとなっていて、強力な無色のマナ加速を有効に活用しにくい。
ただ、逆説的に信心が高いので、それを活用できるのは強みと言える。(EDHの場合《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》が主な使い道となるだろう)

総合的に見て、軽く、戦場に出た時点で仕事を始める事が出来、かつその仕事がアドバンテージ(マナベースが伸びる)に繋がる、と強ジェネラルとしての条件は満たしているように思える。



☆シートンってどんなデッキ?
基本的にはチェインコンボ。

全ドルイド速攻《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》化を活かし、ジェネラル(こいつ自身も速攻ラノワールのエルフことドルイドだ)キャスト直後から、1マナのドルイドを中心に手札からばらまくまでが第1アクション。

アンタップステップを迎えると大量のマナが確保できている状態にあるはずなので、そのマナを活かして《巫師の天啓/Shamanic Revelation》や《収穫の魂/Soul of the Harvest》などで手札を増やすのが第2アクション。

そうして引きましたハンドから、そのターンの内に《輪作/Crop Rotation》からの《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》や《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》、あるいは《みなぎる活力/Vitalize》といったその場で使えるマナ加速に繋げ、そのマナを元手にまたドロースペルを重ねていく。
最終的には《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》絡みのコンボで勝つ。ごくまれに、早いターンかつ後述する各種妨害の影響でで相手にまともな対処手段がないのをいい事にビートダウンで勝利する事も。



☆チェインのつなげ方
ハイランダーではあるのだが、緑には土地とクリーチャーに関するカードが大量にあり、それらを中心としたチェインを組む事によってある程度の安定性を確保することが出来ている。
ただ、召喚酔いの事を考慮した場合、生物サーチ側はドローソース、土地サーチ側はマナベースに偏っているので、そこが「十分なマナまたは手札があるにも関わらずチェインが詰まる」原因になる事がある。

ただし、特に得意分野である生物サーチに関しては、条件付きではあるがその場でマナを増やせる強力なマナソース(《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》など)につなげる事が出来るし、召喚酔いを考慮しなければ強力なマナソースにもアクセスできるので、そのターンの勝利を諦めれば次ターンをかなり有利な状況で臨む事は出来る。
まあ、その時点で実際「チェインは止まっている」ので、望ましくはないのであるが。



☆チェインコンボの強み
EDHにおける妨害カードは、多人数戦であるがゆえ、例え手札にあったとしてもポンポン吐き出したくはない。特にインスタントの場合、出来ればギリギリまで構えておきたい。

そういった妨害は、通常のコンボデッキ相手の場合にはコンボに直接つながっているカードを止めるために使われる。無事に解決されればコンボは止まり、自分に勝つチャンスが巡ってくる。

しかしチェインコンボの場合、その「コンボに直接つながっている」の判断が非常に難しい。
デッキ全体が基本骨子でありながら、デッキ全体がコンボパーツであるため、どれを止めてもある程度妨害として働くのだが、どれを止めても決定的に止まっている訳ではないとも言える。
また厄介なのが、この系統のチェインコンボは盤面のカードを使い回す事が多い(例:《エメラルドの魔除け/Emerald Charm》《動員/Mobilize》などでマナソースをアンタップ、《始原の賢者/Primordial Sage》のような戦場に残って効果を発揮し続けるドローソース)ため、それらのカードに対する除去は早ければ早いほど効果が大きく、逆に遅すぎた場合には効果が小さい(最悪、後続を引かれていてほとんど意味がない)事である。
この要素が、EDHの「出来れば除去は温存したい」と矛盾するため、シートン側は攻め入る隙や、除去一発ではチェインが止まらない状況を作りやすいのである。



☆妨害
緑単色ゆえに、有効な軽量妨害は置物対策に偏っている。
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》、《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》、生物サーチで持って来れる《進歩の災い/Bane of Progress》などが代表格。
自分のマナ加速がクリーチャーや土地に頼っているのもあって、アーティファクトの加速に頼ったデッキ相手にはそれらを有効に使う事が出来る。

だが、それゆえに、それらで抑え込めないクリーチャーや土地による加速、つまり自分と同じ緑系デッキ相手には無防備で、主に速度で対抗する事となる。
ただ、シートンは基本的に緑単色では最速クラスのジェネラルであるため、速攻を仕掛ける事が出来ればあまり気にならない事が多い。

ただ、妨害カードのほとんどがサーチ不可能なカードであるため、1、2ターン目に高速で動いてくる青茶系デッキなど相手だと初手の運任せになる事が多いという不安要素がある。
頼みの綱である《進歩の災い/Bane of Progress》も、《自然の秩序/Natural Order》でもなければ6マナという非常に重たいアクションであるため、後手に回ると有効に活用できない(そんな沢山のマナと生物サーチがあるのなら、大概チェインに入った方が早い)事も多い。

生物・スペルのコンボパーツに対してほとんど無力である点も、同等の速度で動いてくるデッキ相手に無防備を晒す事になるため厳しい。



☆総合的に見て
チェインは始まると止まりにくく、例え止められても(止まっても)、特にドローを稼ぐ事が出来ていれば次ターン以降にかなりいい形でチェインの再スタートを切る事が出来たり、吹き飛ばされた盤面の回復を行う事が出来るのでかなりしぶとい。

速度は結構早い部類に入り、デッキ全体のカード全てが勝利に向かっている構成であるため安定性も高い。

欠点としては、
1・低確率とは言え勝手にチェイン停止が発生する事
2・妨害の種類や量が薄めになりがちである事
3・妨害に対する対処手段が非常に薄い事
が挙げられる。

1、2に関しては構造上の問題なので対策は難しいが、3に関してはプレイングである程度誤魔化す事は出来ると思われる。
返しのターンでチェインが十分繋がりそうなら無駄に手札を吐き出しきらない、ドロースペルを大事に使って常に手札を潤沢に保っておく、などである。ただ、手札に余力を残すという事は、チェインが繋がらなくなるリスクに直結しているので注意が必要だろう。
3番が一番大きな弱点でありつつ、一番プレイングでカバー出来そうな弱点であるので、動かすのが中々楽しそうである。



☆対抗策
盤面にカードをまき散らすチェインコンボであるがゆえに、構えておいてピンポイントで止めるインスタントのピン除去には構造上強いが、全体の盤面を見て、状況によって早めに打てるソーサリーの全体除去は有効に働く事が多い。
見てから《紅蓮地獄/Pyroclasm》なんかは大きな減速を強いられる事だろう。

また、「マナ⇔手札」とつなげていくチェインコンボであるため、もしも動き始めそうな段階で妨害を撃つ場合、その妨害先はどちらかに固定した方がいい。ひたすらドローを止め続ければ息切れするし、ひたすらマナベースを止め続ければチェインが詰まって止まる。
ただ、見てから妨害する場合、実質すでにチェインが始動している事が多いはずなので、ドローソースの方を止め続けるのがオススメである。
その後の展開で注意すべき事としては、相手の復帰を助ける事になる《Wheel of Fortune》のような手札リセットは慎重に撃つべきである、という事だろう。

もしもマナベース側を止めるというのなら、とにかく早め早めで止め続ける事が肝要である。




☆終わり
と、まあ、対戦相手視点で見た印象だとこんな感じ。
非青系統のジェネラル依存の薄いチェインコンボ、っていうのが身内だと希少だし、速度やパワーも十分あって強かったので、対戦していて結構楽しかった。
機会があれば細々したカードを集めて組んでみようか。

長文乙。
読んでくれた皆様、ご苦労様でした。




☆余談。
T野君はドロソに《垣間見る自然/Glimpse of Nature》を使ってたんだけど、あれってカードを引くのが強制なので、《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》を勝ち筋に据えているとチェインが止まる(勝ちを決める前にライブラリーが無くなってクリーチャーをキャスト出来なくなる)可能性が高そう。
「完全に撃ちきりでターンを返す前提のカード」として使っているのか、「《調和の中心/Concordant Crossroads》とかからコンバットキルも狙える構成だからライブラリーを引けずに止まる前に勝てる構成」なのか。

シートン組んでる人教えてください。

コメント

ジャミラ
2015年6月4日15:40

無限ドローからは何とでもなるんじゃないですか?
いろいろな負け筋を考えましたが、やっぱり
調和の中心の存在が大きいと感じますね。(ーωー)

かっこかり
2015年6月4日18:43

>ジャミラさん
自分も、ライブラリーの大半引き切ってる状態なら、残りライブラリーの関係でクリーチャーキャスト出来ない状態でも勝てそう(エズーリorビヒモス+調和の中心とか)と思ったのですが、実戦でそれらのカードを1見た記憶がなかった(《Wheel of Fortune》などで落ちた手札含め)のでちょっと気になりました。
雲石リムーブされたら辛い問題もありますし、枠を食うとは言えビートダウンでワンパンプランも勝ち筋に入れた方がいいのかも知れませんね。

ジャミラ
2015年6月4日23:52

シートンならば調和の中心は必要ないかもしれませんね。
どんな方法で勝つことにしたのか、ちょっと興味が湧きます。

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