これまたこの前北上で遊んだ時に出た話。

これは個人的な論となるが、一般的なEDHのデッキは「土地+マナ加速」で50枚弱くらいがちょうどいいと思っている。
世に出回っているレシピも、特殊なものを除けば45~50枚くらいでまとまっているものが多いように見える。

でも、その比率は? と聞くと、2つのタイプに方向性が分かれる。



☆土地多め派
ひとつは、「土地は30~33枚くらい。29枚未満にはしたくない」というタイプ。

このタイプの意図は、「ある程度のターンの間、土地を切らさず毎ターンセットする」事にある。
また、この『ある程度のターンの間』は、『そこそこの枚数引けるドロースペルで手札を引き増すタイミングまで』である事が多く、つまりそのドローによって新たな土地を確保出来る可能性が高い=そこから先も土地セットが途切れない事が計算の内に入っている。


このタイプは、身内だとcozaくんが代表的。
「(特に置物の)マナ加速カードは、土地をセットした上でキャストしているからこそ(土地+マナ加速の2マナ分伸びる)マナ加速になっているのであって、土地を置かずにキャストしてると土地セットと同じ分しかマナが伸びず、テンポ損になっているだけ」という話は彼が良く話している事。





☆土地少な目派
もうひとつは、「土地は25~28枚くらい。30は多過ぎる」というタイプ。

このタイプの意図は、「十分なマナソースをデッキに確保しつつ、《Timetwister》のような手札リセット時に余分な土地を引かずに済むようにしたい」という事にある。

このタイプは、意識的にかどうかは分からないが、先程上に書いたような『土地セット+マナ加速を同時に行って初めてマナ加速になる』という理論を『1ターンに2マナ加速して初めてマナ加速になる』と読み替えている部分がある。
つまり、「土地を置けないターンがあっても、タリスマン2枚置けば2マナ加速してるのは一緒じゃない!」という考え方だ。


このタイプは、身内だとkuroeが代表的。





☆それぞれのタイプの特長
・土地多め派
初手に土地が無くて必死にパリマリして大きくアド損しながら土地を探す、みたいな流れが発生しにくい。つまり特に序盤のマナスクリューが起きにくく、安定性が高い。

期待値通りのドローが進めば、ドローカードも相まってマナ加速カードを途切れず適度に引けるようになっており、毎ターン平均2マナ弱の加速を期待出来る。(「弱」が付いているのは、期待値通りに引けた時でも、場合によってはドローか加速の時点でマナを使い切ってしまったり、他のアクション(サーチ・勝ち筋・妨害など)で加速が止まる事が予想されるため)



・土地少な目派
特に大量ドローキャスト時、手札に余分な土地がだぶつく事を防げる。
例えば土地セット後に《Timetwister》を撃って、手札に土地が4枚入ってくれば、そこから2ターン程の間の実質有効牌は、手札が7枚もあるにも拘わらず3~4枚しかなくなってしまう。
また、そんな手札の中にドローカード、特に手札リセットがあった場合、最大効率で使用できるのは4、5ターン後で、手札回転の効率が悪くなってしまう。
デッキの土地枚数を減らして代わりにマナ加速を投入する事で、手早く手札をダンプし、次の手札リセットやドローを最大効率で手早く利用出来る。

前者のタイプに比べて爆発力が高くなる傾向がある。
なぜなら、後者のタイプはデッキ内のマナ加速の量が多いので、「土地セット+マナ加速2枚」という3マナ加速の動きが発生する確率が前者に比べて高いためである。



☆それぞれのタイプの欠点
・土地多め派
特に目立った弱点はない。序盤から終盤まで安定してる。
あえて言うならば、逆説的に異常なブン回りをする確率は低い。また、「比較的安定している」だけで「絶対に事故らない」訳ではない。

◎具体例
・マナ加速が少なめである事が祟り、「数ターン土地セットだけ」「マナ加速を探してパリマリ繰り返してアド損」の二択が発生する。
・「安定して」毎回中途半端な速度の加速を行うため、自分より一段早いデッキに毎回付いていけない=負けがこむ。




・土地少な目派
特に序盤のマナスクリューの可能性が高い。
土地の代わりにマナ加速で代用する動きが発生し得る。しかしマナ加速カードの場合は、0マナノーリスクでセット出来る土地に比べ、テンポかアド面で損が発生する。

◎具体例
・手札リセットがドローの多くを占めているデッキはこのタイプに向いているのだが、ハイランダーのEDHで安定して手札リセットを連打するのは難しいため、土地を置けないテンポ損が頻繁に表出するパターン。
・初手において、「手札に沢山ある印鑑を置きたいけど2枚目の土地が引けない」となるパターン。
・土地とマナ加速を吐き出して手札リセットを撃ったはいいが、その手札に土地がなく、必要以上にテンポ損が発生するパターン。




総論として、土地多めタイプはローリスクローリターン、土地少な目タイプはハイリスクハイリターンなデッキ構成になっていると言える。




☆どっちが優れている?
結論から言うと、これはデッキ内のカードの細かなバランスによって変わるため、どちらが優れていると簡単に言えるものではない。と自分は考えている。

ここは、加速以外の部分をよく見て方向性を決めたい。
デッキにどれだけ軽量大量ドローが入れられるか・デッキの最終到達目標点は何マナか・それは平均何ターン目か・絶対にジェネラルをキャストしたいデッキならば、そのジェネラルを何ターン目にキャストしたいのか、などなど。


コメント

真空圧
2014年12月5日2:10

デッキ内のバランスもそうですけど、卓囲む相手への依存もだいぶありそうな気がしますね
結局毎ターン土地置く前提のデッキ(Aタイプ)を自分1人が使って、対戦相手3人がマナ加速で手札をダンプするようなデッキ(Bタイプ)を使ってると分が悪い気がします
手札リセットを打たれる度にデッキの構築段階から抱えてる不利な要素が他3人に引き離されていくようじゃ中々勝つのは難しくなるような
逆に自分だけがBタイプのデッキを使ってる場合、高速で手札を消費してからの手札リセット、或いはそのままコンボに行く際にそれらを妨害されると途端に不利になるだろうし


そうは言っても対戦相手のデッキなんてかなりの不確定要素だから結局は自分の好みって形に落ち着くのだろうけど

まの
まの
2014年12月5日3:20

かっこかりさんのEDH個人誌はまだですか(死んだ魚の目で

colorless@子育て中
2014年12月5日7:30

個人的には土地多目派ですね。
むかつきとかジェリーヴァのようなコンボデッキなら土地少なめでもいいんでしょうけど。
基本的に土地以外のマナ加速は何らかの弱点(脆弱性)を内包しており、無垢への回帰や進歩の災い、エリシュ=ノーン等でマナ基盤を何度もズタズタされた経験から土地の安定性をとても重視しています。
EDHは基本ガチでもパーティーゲームと考えていて、最後まで自分も賑わいに参加したいので安定性を大切にしています。

かっこかり
2014年12月5日18:59

>真空圧くん
もちろんタイプによって相性はあるけれど、そこは他の部分(勝ち筋選択・妨害量・色など)でも同じだと思ってる。A1B3のパターンでも、B側が溢れる手札リセットを十分に活用できる訳ではないしね。(自分のターンが来る前に手札リセット3回とかちょくちょくある話)
こればっかりは構築段階で仮想敵をどう決めるかのメタゲームじゃないかなー。


>まのさん
おう、半年くらい前に言ってた東北EDH同人誌の発行予定日発表あくしろよ。


>colorless@子育て中さん
自分も、どちらかというと土地多めでデッキを組む事が多いです。
ただ、おっしゃる通りジェネラル・デッキによって向いてる向いてないはあるので、そこを見極められれば良いのだと思います。
土地はやっぱり安定したマナソースですよね! 素晴らしいですね!(5色デッキ相手に血染めの月を置きながら)

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