この前の北上で対戦したにったくんのシディシが動きが独特だし強そうな形だったので自分なりに分析。

レシピ原型はこれ(http://5clark.diarynote.jp/201410300133219139/)対戦したのがレシピ上げてから数日だったから内容はそう変わってなかったと思う。
そういや《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》とか加わってたな……。


☆勝ち筋
・《隠遁ドルイド/Hermit Druid》
最も簡単な1枚コンボ。
釣り上げるのは《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》《永遠の証人/Eternal Witness》辺りで、そこから《Songs of the Damned》を手札に戻してキャスト、大量の黒マナを背景に《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》を起動、《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》+《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》、《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》+《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》からの《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》などで勝ちに行く。
《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》が手札にあったりするとキャストして戦場で能力起動も出来るようになるので、《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》+《Songs of the Damned》で無限マナが出たりもする。

特長として、《隻眼の将軍 夏侯惇/Xiahou Dun, the One-Eyed》が戦場に出てから能力起動までが優先権の移動を挟まず行えるため、《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボのような高い除去耐性を持っている点がある。



・《狂気の祭壇/Altar of Dementia》
勝利する動きは基本的に上と同じ。
地道に自分のライブラリーを削っていくルート。しかしながら、動き始めると1ターンに数十枚削るくらいの爆発力がある。

その源は、3割強投入されたクリーチャー+《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》によって、シディシのゾンビ・トークンでループする動きと、ある程度墓地が肥えた所からの《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》+《墓所這い/Gravecrawler》ムーブ。
特に前者と後者が組み合わせられると、1ターンで4、50枚のライブラリーを削り切ってしまう事もある。



・《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》
勝利の仕方は上2つと同じ。
ランダムではあるが、まとめて大量に削れる事を期待出来る。期待値としてはライブラリーが半分に。
また、これを《擬態の原形質/The Mimeoplasm》《影武者/Body Double》でコピーする事により、ライブラリーをすべて削る動きも発生し得る。

どの動きも5マナと重いのだが、シディシの性質上墓地にカードが落ちやすく、運よく墓地に落ちた場合には《動く死体/Animate Dead》などで釣る形にする事により、かなり軽量にスタートする事が出来る。




☆勝ち筋の強み
一番上はとにかく速度が速い。しかしあらゆる妨害が刺さるので安定性が低い。
下2つの勝ち筋を見れば分かる通り、多くのカードが絡み合うソリティアデッキなので、粘り強く、中途半端な状況なら中途半端なりの盤面影響力を確保出来るので、0か1かのコンボデッキに比べると「その時点ではまったく無意味な無駄牌」が発生しにくい。ただしその性質上どうしても遅い。

この、「早くてもろい」「遅くて手堅い」2種類の勝ち筋の組み合わせにより、序盤から終盤まで対戦相手へと敗北を突きつける事が可能となっている。
「苦手な時間帯」が存在しにくいので、ゲーム展開の速さに左右されにくい。




☆ピックアップカード
・《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》《Songs of the Damned》
ライブラリー全部とは言わずとも、ある程度ライブラリーが削れている状態だと大量マナの黒マナを発生させる事が出来る。
このマナと豊富な墓地を元手に様々な行動がとれるため、《狂気の祭壇/Altar of Dementia》や《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》といった中途半端に墓地が肥えた所で止まりがちなカードでも勝ちに向かう事が出来たりする。


・《再活性/Reanimate》他各種リアニメイト
中途半端に少しずつ墓地が肥えるデッキなので、場合によってはキーカードやパワーカードが墓地に落ちる事もある。
それを釣り上げる手段を複数枚入れる事により、墓地を第二の手札のように扱える。また、《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm》ルートなどではルートの軽量化にすら貢献する。
ジェネラルによって毎回墓地が増えるゲームを期待出来るので、無駄牌になりにくいのも追い風。


・《生ける屍/Living Death》《汚らわしき者バルソー/Balthor the Defiled》など
重いが大量にリアニメイトする系。
《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem》などと組み合わせた時が最大の効果を発生するタイミングで、これで大量にマナが出ている時点である程度のクリーチャーが墓地に落ちているため、落ち方次第では雑にコンボスタート出来てしまう事もある。
そうでない場合でも、迷惑を振り撒き周囲を減速するクリーチャーや、さらなる墓地肥やしに繋がるクリーチャー、対戦相手に制限時間を与える単純な高打点を戦場に送り込む事を期待出来る。


・《進歩の災い/Bane of Progress》《奈落の君、苦弄/Kuro, Pitlord》など
盤面影響系。
隠遁ルート以外は遅めのデッキなので、これらを墓地に落として釣り上げる事によって対戦相手の減速を計る。ある程度の打力も期待出来るので、対戦相手にクロックを与える事も期待出来る。
基本的に重いが、ジェネラルの墓地肥やし性能、多めに入ったリアニメイトカードにより、そしてこの系統自体が複数枚入っている事により、「ピンポイントで好きなクリーチャーを狙って」とは言えないものの、なんらかの要素の踏み倒しを期待出来る。




☆弱点
・墓地対策
ありとあらゆるルートが墓地に依存しているため、《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》などの墓地対策を置かれるだけで大きな遠回りを強いられる。
置物除去が《進歩の災い/Bane of Progress》くらいしか入っておらず、多くの場合、墓地対策に対する解答が「勝ちそうにして1回使わせてもう1回勝つ」という無茶な動きになりがちである。
その理由から、特に《虚空の力線/Leyline of the Void》などの対策カードの場合には完全に機能不全に陥る事がある。
一度墓地肥やしが始まると、特に《狂気の祭壇/Altar of Dementia》ルートなら墓地肥やし速度は維持できるものの、元がそう早くないデッキである事もあり、他デッキに間に合わなそうである。
《再利用の賢者/Reclamation Sage》くらいはいてもいいかも知れない。


・(特にスペルに対する)妨害の薄さ。
青入りにもかかわらず妨害がクリーチャー頼りであるため、むかつきデッキなどに対して不利である。頼りになる妨害が《狂気の祭壇/Altar of Dementia》、《精神を刻むもの/Mindslicer》《サディストの催眠術師/Sadistic Hypnotist》くらいしかない。しかも後者2つは重くて使いにくい。
また、クリーチャー頼りであるがゆえにソーサリー妨害が多くなっていて、突然一度にパーツを盤面に並べてくる動きには無防備になりがちだ。
しかしスペルを増やすと爆発力が落ちるジレンマがあるため、スペルを増やしにくい。《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》辺りが救世主になる可能性も。





☆自分が弄るなら
ざっと対戦してレシピを見ただけなので怪しいけど。

《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》《再利用の賢者/Reclamation Sage》《のたうつウンパス/Thrashing Wumpus》《幻影の像/Phantasmal Image》辺りの追加を検討。

《無垢への回帰/Seeds of Innocence》はクリーチャーじゃないし、3マナソーサリーと挙動が重い割にキャストのタイミングが計り難いのでいらない感じ。

《地底街の密告人/Undercity Informer》は本人がツイッターで書いてた通り抜けそう。狂気の祭壇に比べて起動が重い上に期待値が安定しない。

前に会った時に話していた通り、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を抜かれると《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》ルートのドローが消える事を考慮してドローカードを追加するなら、単体で使った時に重い割に戦場にいあるクリーチャーのパワーの安定性に疑問があるので、《ボーラスの信奉者/Disciple of Bolas》よりも軽くて安定な《エルフの幻想家/Elvish Visionary》にしたい。
コンボ時はリアニカードで戻すので黒マナだけで動けるし。



大体こんな感じ。久しぶりに結構書いたぞ。
そうしてこんな記事を書いておいて自分は《擬態の原形質/The Mimeoplasm》を組む予定っていうw

コメント

katsu
2014年11月14日15:01

DCでシディシ組んでますが大体同じ感じですね。
自分はエレンドラも採用してますが、ヨーグモスの意志から勝ちに行きやすくする為に否定の契約を入れています。クリーチャー減らしたくないですがDCだと妨害少なすぎると死ねますしねw

あとは独楽が禁止なのですが、エルフの幻想家ではなくファイレクシアの憤怒鬼にしてます。たまに黒マナしか出なくて困ることがあるのでw
後は単純に便利な綿密な分析にしてます。

EDHでもDCでも思った以上にやれそうなジェネラルですね。
まだまだ弄り甲斐がありそうです。

かっこかり
2014年11月14日17:55

>katsuさん
DCだと、マナ加速が乏しくテンポデッキが強い環境ですし、色々と違う部分もあるのでしょうが、(特に加速の弱体化が薄い)緑系デッキの話だと参考になります。
対戦して見ていた側視点ではありますが、シディシは強さと独自性がいい具合に同居していて新鮮だったので、動かし甲斐がありそうです。
よろしければまた色々聞かせてもらえるとうれしいです。

nophoto
流里
2014年11月15日10:14

こういったデッキの各パーツをしっかりと考察した記事は、
自分がデッキを組む際に非常に参考になるため助かります。

部長
2014年11月15日21:50

はじめまして。


自分がEDHで使ってるシディシはより良い品物とドレッジのカードで勝ちを狙いに行く場合が多いです。

偏執狂を釣った後、そのままより良い品物ドローで勝てるのが便利ですね。

かっこかり
2014年11月15日22:10

>流里さん
ありがとうございます。
半ば自分の脳内整理で書いてるような記事でしたが、そう言っていただけるととても嬉しいですw

>部長さん
こちらこそはじめまして。
確かに、《よりよい品物/Greater Good》と発掘の組み合わせはシディシデッキだとちょくちょく聞く型の1つですね。揃えば一気に勝てる瞬発力は魅力だと思います。

個人的な印象で言うと、自分が記事に挙げていたタイプに比べ、(同程度のマナベースの確保を前提とすると、発掘カードが入れ替わるであろう枠が妨害クリーチャーやリアニ要素であるため)盤面への圧力が劣るのが欠点で、揃うと比較的緩い条件でターンを跨ぐ事なく一気に勝ちに行ける爆発力が利点という感じです。
同系統である《催眠の宝珠/Mesmeric Orb》型に比べると、より良い品物がデッキのクリーチャー構成次第では単体でも機能する点で優れいてると思っています。
宝珠も軽さと緩い妨害要素になってくれる利点があるので、そこも一長一短だと思いますが。

シディシはそれぞれ利点と欠点が違いつつも有効そうなデッキパターンが複数あるので弄り甲斐がありますよね。

部長
2014年11月16日19:46

福島はビートが多い環境なこともあり、自分のシディシはサブプランの一つで不可思議を墓地に落としてビートしに行くことも多いので妨害やドレッジも含めて生物多めにしてあります。
生物以外のドレッジだと墓地に落ちたアカディームを回収出来る壌土からの生命や小粒に人権が無くなる暗黒波が使いやすいですね。


リンクしましたのでこれからも参考にさせて頂きたいと思います。

あと、機会があればまた北上にもお邪魔したいです。

かっこかり
2014年11月17日18:40

>部長さん
リンクありがとうございます。こちらからもリンクさせていただきます。

他の方のレポートとかちょくちょく見て興味あるので、機会があったら自分も福島に行ってみたいです。
日本全国の人がいるDNで考えると、地域的にはかなりご近所な部類ですし。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索