ネット上でちょくちょくそういう話題を見かけるようになったなー、って話なんで大きな実感はないんだけど。
とはいえ自分の身の回りのプレイヤーも自分がEDH始めた時よりも増えたし、EDH需要らしきカードの高騰も見られるし(しかしアヴァシンは絶対に違うと思う。アヴァシンEDHでもそんなに使わねーよw)で、ちょっとはそういう事もあるのかーっても思う。

そんな訳で、今回は「ある程度ガチっぽいデッキにも対抗出来るレベルのデッキを新規参入者が組む方法」ってのを考えてみたいと思う。
「ある程度」「対抗出来る」ってのがポイントで、

・少しはEDHに関して予習している事が前提。ざっくり広い範囲の細かい話をする予定なので。ルールやコンボや戦略に関してまで一つ一つ書いてるとキリがないのです。
・超安価構築っていう訳でもないけれども、5桁届くようなカードは使わない
・適正なプレイングなら4人戦で2割くらいは勝てる
・それぞれのカード資産を流用できるよう、個別カード指定は少なく汎用性重視
・単色縛りはしない。あまり好みでない安くて強めなデッキより、ある程度弱かったり髙かったりでも好きなジェネラル・戦略を選んだ方が楽しいだろうし。安価デッキはまた別の機会に

ってのを念頭に置いて書いていく予定。
周りでEDHやってる所に混ざりたい、友達とスタン落ちしたカード中心に安価でEDH始めたい、っていう新規参入者の助けになれば。




☆デッキコンセプトを決める
まず、対戦ゲームである以上はゲームに勝てるようにしなければならない。その軸としての勝ち手段をまず一番最初に考える。



1・メインの勝ち手段を選択する
ライフが40の多人数戦であるEDHでは、通常のビートダウンが成立しにくい。そのため、主軸に据える勝ち手段としてはコンボをお勧めする。

その際に気を付けたいのは以下のポイント


◎必要パーツが少ない・パーツが複数ある
同じカードを1枚しか入れられないEDH。当然コンボパーツも各1枚しか入れられない。そのため、2枚コンボを揃えるのと3枚コンボを揃えるのでは揃えやすさが段違いに違う。
なので、主軸に据えるコンボはパーツが少ないものを選ぶとよい。
なお、この際レジェンドをパーツに流用出来るコンボは、そのレジェンドをジェネラルに据える事によって必要パーツ数を1つ減らせる事を考慮に入れる事。
例えば《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》ジェネラルなら《Power Artifact》《厳かなモノリス/Grim Monolith》のみの2枚コンボで勝ちだし、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》ジェネラルなら《トリスケリオン/Triskelion》の1枚コンボと考えていい。

また、パーツが複数あればそれだけ揃えやすい。コンボパーツが同型再版されている事はあまり多くないが、コンボを探す時には考慮に入れておいて損はない。
《未来予知/Future Sight》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》+《覚醒の兜/Helm of Awakening》のコンボは、《未来の大魔術師/Magus of the Future》や《エーテリウムの彫刻家/Etherium Sculptor》《雲の鍵/Cloud Key》などをコンボパーツの水増しとして利用出来る。
これも、パーツの少なさ程ではないが優先して選択する理由の一つになるので覚えておいた方がいい。



◎サーチのしやすさ
デッキに1枚しかないコンボパーツを手札に引き込むために重要なのがサーチカードである。
これがある事により、1/99のパーツを実質的に複数枚あるかのように扱う事が出来、それによって安定してコンボに入る事が出来る。
なので、コンボを選択する際には、「その色でどれだけサーチしやすいか」「どの色を加えるとどれだけサーチしやすくなるか」と評価基準として加えると良い。

例えば青ならアーティファクトサーチは《Transmute Artifact》《加工/Fabricate》《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》などかなりの数があるが、クリーチャーのサーチは不得手だ。なので、青いデッキならアーティファクトを中心にコンボを組んだ方がいい。
また、例えばここで、《魔力の篭手/Gauntlet of Power》《パリンクロン/Palinchron》のコンボを組もうとしたとする。この場合、パリンクロンをサーチしやすくなるように、クリーチャーサーチの豊富な緑を加えるという事が考慮に加わってくる。

ここから発展して、その色を加える事により勝ち手段が増えたり安定したりするのなら色を加える方向性は成功していると言える。
上の例なら、緑が加われば《春の鼓動/Heartbeat of Spring》もコンボパーツとして追加できるし、《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《パリンクロン/Palinchron》コンボも(クリーチャーサーチの豊富な緑があるので)揃えやすいコンボとして追加できる。

また、足りない方のコンボパーツをスムーズにサーチ出来るよう、コンボパーツのカードタイプは統一しておくのが望ましい。
例えば上の例の場合、魔力の篭手+パリンクロンコンボの場合は、篭手はアーティファクト、パリンクロンはクリーチャーであるため、篭手がある状況で加工を引いても無駄になるが、航海士+パリンクロンコンボの場合はどちらにしろクリーチャーなので、アーティファクト関連をすべて抜いてクリーチャーサーチに変えてしまえば、どちらを持っている状況でもサーチの裏目は出ない。

色によって得意分野は違うので、「色の得意なサーチ合った」「カードタイプが統一された」コンボを選ぶのが望ましい。
サーチが噛み合えば実質的な枚数が数倍となるので、実は上の項で書いたコンボパーツの枚数そのものよりもこちらの方が重要だったりする。コンボパーツが1枚増えても2倍だが、有効なサーチが3枚あるだけでデッキ内のパーツは実質4倍なのだから。しかもサーチはコンボパーツ以外のサーチにも使えるし、パーツと違って重ね引いて無駄牌になる事もない。
なお、黒には《吸血の教示者/Vampiric Tutor》のような万能サーチが複数枚存在する。ストレスなくコンボに入りたいのなら、デッキに黒を加える事をお勧めしたい。



◎コンボの軽さ
いくら素早くコンボパーツを手札に揃える事が出来ても、キャスト出来なくては意味がない。
例えば、《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》も《欠片の双子/Splinter Twin》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》も無限速攻トークンを発生させる2枚コンボだが、前者は計10マナ、後者は計7マナで成立する。
その点に着目して考えると、後者のコンボの方が早いターンでコンボに入る事が出来るために優秀であると言える。
(なお、この例はコンボ自体の性能を評価するものではない。例えば前者はどちらを先置きしてもいいし、両方クリーチャーなのでサーチを揃えられる)

対戦相手の勝ちを止める方法は大きく分けて2通り。ひとつは「対戦相手の勝ち手段を妨害する」そしてもうひとつは「対戦相手が勝つよりも先に勝つ」というものだ。
後者の方法を選べるのなら、「対戦相手の妨害」という余分なカードをデッキに入れなくて済み、その分自分の加速・アドバンテージなどのために枠を使える。
勝ち手段を軽く出来るのなら、軽いに越した事はないのである。



◎コンボパーツ自体の性能
複数枚揃えばその場で勝ちが決まるコンボパーツ。しかし単体ではその即勝利の効果は望めない。
だが、ゲームの大半はコンボが揃っていない状態で進む。そんな時に響いてくるのがパーツ単体としての性能だ。

例えば、《Power Artifact》も《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》も《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》とコンボして無限マナを発生させるカードであるのだが、《Power Artifact》は2マナと指輪の3マナよりも軽く、さらにはコンボ始動に必要なマナも指輪に比べて少ない。
しかしながら、《Power Artifact》は単体だと本当に使いようがない。単体で何の仕事もせず、先置きしておく事すらできない。
それに対し、指輪の方は単体でも少しは仕事をする。例えばフェッチランドをコピーしてマナを増やしたり、独楽のドローをコピーしてアドを稼いだり出来る。そもそも先置き(マナの先払い)出来るだけでコンボに入る時のマナを減らす事が出来るので偉い。

この点はかなり重要である。
コンボパーツが増えれば増えるほどコンボ成立確率は上がるが、その分だけコンボ完成まで無駄牌を抱える可能性が増えるという事。何の仕事もしないコンボパーツは、コンボ完成までは潜在的なアド損としなり続けるので、コンボにしか使えないパーツは出来る限り減らす事は強く意識しておきたい。




2・サブの勝ち手段を選択する
例えば、《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《トリスケリオン/Triskelion》で勝とうとするデッキがあったとする。
この場合、そのどちらかがリムーブされるだけで勝ち手段が無くなってしまう。
また、《安らかなる眠り/Rest in Peace》や《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》が戦場に置かれているだけでコンボに行く事が出来ない。1枚程度なら退ければいいが、もし複数枚置かれていたりするとなるとコンボに行くのも骨だ。

そんな時に頼りになるのが第2の勝ち手段である。
カード1枚で詰まされてはたまらないので、デッキにはぜひとも2、3個の勝ち手段を準備しておきたい。
この、いわゆるプランBの選択時の基準となるのは以下の通り。


◎メインの勝ち手段と違う軸で勝てる
例えば上の例の場合、ここに《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《モグの狂信者/Mogg Fanatic》のコンボを入れても意味は薄い。
このコンボはミケウストリスケ同様に墓地依存が強いので、これだとメインコンボが止まっている時に一緒に止まってしまう。

なので、サブの勝ち手段はメインと違う弱点、例えばアーティファクト破壊が有効だが墓地対策は効かない「《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》《瀉血/Exsanguinate》」などを選択するのが望ましい。



◎メインの勝ち手段と並列した動きが可能
例えば《テューンの大天使/Archangel of Thune》《スパイクの飼育係/Spike Feeder》《トリスケリオン/Triskelion》というコンボは、例に挙げていたミケウストリスケと《トリスケリオン/Triskelion》のパーツが被っている。
これなら実質投入される新たなコンボパーツは1枚少ない2枚で済むし、クリーチャーメインのコンボなのでメインコンボ用のサーチとも噛み合う。



◎ビートダウンも立派なサブプラン
特にクリーチャーの豊富な緑系のデッキならば、ビートダウンもサブの勝ち手段として十分選択肢に値する。
もちろん、最初に書いたようにビートダウンは速度は遅いし即効性もないためにメインの勝ち手段とはなり得ない。ビートダウン特化もしていないのならなおさらだ。
しかしながら、互いに妨害の刺し合いで長引いた時、コンボパーツなのに妙にサイズの大きいクリーチャーやアド取り用の《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》でライフを詰めていく事は意外と有効だ。
長期戦に陥った場合、ライフを詰めると対戦相手のライフにクロックがかかり、強引な速度アップを強要したり、ブロッカーを立てるために速度が落ちる行動を強要したりできるようになる。
このような状況になるかどうかは実際にゲームが進んで長期戦になるまで分からない。そんな時に後悔しないように、ダメージを刻める時には刻んでおく事を意識しておいた方がいい。
また、構築段階でも(特に緑を中心とする大型クリーチャーがなぜかパーツになっているコンボ)は、クリーチャーの数やパワーを意識しておいても損はない。




さあ、ここまで基本のコンセプトとなる勝ち手段、それを補助するサブの勝ち手段が決まる訳ですが……ここまでだけでこんなに長くなってしまったので続きはまたいつかw
長くなりそうだとは思っていたけどここまでになるとは思ってなかったw


次は「色とジェネラルの選択」について書く予定。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索