なんか個人的に気になってるモダンの話(というより価格の話か?)をしたら妙に反応がよかったので、ちょうど旬だし個人的に注目していたGPリッチモンドの結果について書こうと思う。


まずは上位入賞者の分布から

ちなみにリストはこちら
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gprich14/welcome#1a

☆TOP18
親和 5
メリーラ殻 4
タルモツイン 2
トリコツイン 1
テンポツイン 1
キキジキ殻 1
ヴァラクート 1
フェアリー 1
黒緑オブリタレーターロック 1
青白コン 1

☆TOP8
メリーラ殻 4
親和 2
キキジキ殻 1
テンポツイン 1

☆トップ4
・優勝
 キキジキ殻
・準優勝
 親和
・セミファイナリスト
 親和
 メリーラ殻


☆分析
・トップ18を大きなアーキタイプ別に見ると、親和が5、殻が5、双子が4。
この3アーキタイプで8割近くを占めている。これらが今回の勝ち組と言ってよさそうだ。
その上で、トップ8まで勝ち上がって来た最大勢力は殻。なんと5つ全部がトップ8入り。ベスト4にも2つ送り込み、優勝もした。対抗勢力は親和。ベスト4の残り2枠をすべて奪い、準優勝も果たした。

・準優勝の親和は、準決勝・決勝と殻に当たった訳だが、メリーラ殻が負けてキキジキ殻が勝てた理由は、墓地対策の効きにくさとコンボの成立のしやすさが大きかったのではないかと思われる。

親和に良く入っているサイドの内、メリーラ殻の場合によく効くカードが《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》《倦怠の宝珠/Torpor Orb》《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》。対して、キキジキ殻の場合によく効くカードは《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》《倦怠の宝珠/Torpor Orb》。
そもそも有効なカードの種類が1つ少なく、特に幅広いデッキに効くため複数枚積まれる確率の高い《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》が効きにくいというのは大きい。

《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》で殻を封じられたとしても、《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》以外は大抵1枚挿しの3枚コンボである無限頑強に比べ、キキジキ2枚、相方4~6枚程度の2枚コンボであるキキジキコンボの方がうっかり揃ってしまう確率が圧倒的に高い。
あと、地味にキキジキ殻の方が飛行戦力が優秀なので、《頭蓋囲い/Cranial Plating》で上から殴られるのを防止出来るのが大きい。


・《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》禁止によって墓地対策の弱体化と、(ジャンドをはじめとする黒緑系弱体化による)手札破壊の減少の影響が大きい印象のある今のモダン環境。
実際、それらの影響で優位になれるコンボデッキが上位の多く見られたのだが、それは多くのプレイヤーが予測出来た環境だったはずだ。

そこから一歩踏み込むと、「墓地利用コンボが増える=墓地対策は重要」という事もまた予想できたのだろう。
黒でないと使えない手札破壊はともかく、墓地対策ならばどの色でも行う事は出来る。
死儀礼禁止で勢力拡大が噂されていた「死せる生」が上に上がってこなかったのは、そういった理由によって特にサイドボードの墓地対策が厳しかったのだろうと予想された。



☆注目デッキ
何と言っても注目は、黒緑オブリタレーターロック。
上で散々書いていた「《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》禁止で黒緑は弱体化した」という話をあざ笑うかのようなデッキで、赤や白を足してジャンドやジャンクにする事もせず、10枚の手札破壊(うち4枚は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》)と12枚の除去のバックアップ(うち4枚は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》)を受けた黒緑のパワークリーチャーを叩きつけるというコンセプトの非常に綺麗にまとまった構成のデッキだ。

コンボ環境ならば黒の手札破壊は非常に強力で、強力なコンボデッキである双子に対しては黒緑特有の除去である《突然の衰微/Abrupt Decay》が非常に有効だ。
最近解禁された《野生のナカティル/Wild Nacatl》を活かすデッキには、大量の軽量除去とガッチリと固い地上戦力で有利に戦えるだろう。
黒緑系の弱点と言えばトロンだったのだが、お客様だったジャンドの弱体化と《血染めの月/Blood Moon》の台頭により減っているのも追い風だ。
そういう意味で、環境柄この黒緑デッキは大会を有利に戦えたのだろう。

このデッキを代表するカードが《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》で、ジャンク・ジャンドから色を減らしてまで投入された主力である。
この環境で最もよく見る除去であろう《稲妻/Lightning Bolt》に対する圧倒的な強さが売りで、クリーチャー戦においても地上戦を完全に制圧する事が出来る。

また、《漁る軟泥/Scavenging Ooze》が4枚メイン投入されているのも特筆すべき所で、一昔前の環境の「メインから死儀礼4枚」デッキ並の墓地対策を実現している。


今まで信心システム登場と同時に値上がりながらもまともにデッキパーツとなる事もなかった《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》がしっかり結果を残した、というのが個人的にとても嬉しいw
オリジナリティーもあるし、メタとの噛み合わせ方も神がかっている非常に魅力的なデッキなので、ぜひとももう少し勝ち上がって欲しかったのだが、トップ18止まりだったのが残念だ。



随分長々と書いてしまったけど、とりあえずはこんな所で。
モダン楽しいよね。……プレイ環境あんまりないけどw

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