最近のEDH 除去考
2014年3月3日 EDH環境考察 コメント (1)昨日cozaくんの飯食いながら話してた時の話題。
☆インスタントの除去の選択
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》のような1~2マナのバウンスを中心に採用されていた。
ゲームスピードの速いEDHでは、確定除去でなくても手札に戻してテンポを取れば大概間に合う(1ターン誤魔化している間に攻めに行ける・対処手段を準備できる・手札リセットで流せる・など)ため、「触れる範囲が広い代わりに時間稼ぎにしかならない」という弱点が顕在化しにくいというのがその理由だ。
そのため今までは、除去とは急なピンチに手広い範囲で対処出来るバウンスで揃えるのが一番丸いと考えていた。
☆実際にインスタント除去を撃つ対象は?
ここからが昨日cozaくんと話していた内容。
その場で、「実際に除去を撃つ事が多い対象はクリーチャーなのではないか?」という話題が出たのだ。
EDHの特徴は、初手にあり、何度でもキャスト出来るジェネラルというクリーチャーが必ずいる事。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のように最後にしか出てこなかったり《擬態の原形質/The Mimeoplasm》のようにぐだった頃がようやくの出番で無くても動かない事はない、といったジェネラルもいるにいるが、それでもジェネラルをキャストするデッキの方が多いだろう。
というか、キャストすればするだけアド得なので、多くの場合はジェネラルを活かせるような構成にするはずなのだ。そうでなければ特に2色以下のデッキで5色デッキに対する優位が消える。
そのため、クリーチャー除去は手札で腐りにくい。
そればかりではない。
普段の展開でデッキに入っているカードの内、インスタントで急いで除去したいカードの内約は、圧倒的にクリーチャーが多い。
これは、クリーチャーの方がエンチャントやアーティファクトといったパーマネントよりもずっと種類が多く、コンボやビートダウンなどの勝ち手段に繋がるパターンが多いためである。
・例えばコンボ方面・アドバンテージ方面で良く見かける、急いで除去したいクリーチャーカードをざっと書き出していくと、
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《概念泥棒/Notion Thief》《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
……などなど枚挙に暇がない。
これに加えて《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》のような出て来た所で即除去るのが望ましいジェネラルもいるのだから、クリーチャーに除去を撃つタイミングが非常に多くなるのは自明である。
・逆にクリーチャー以外で出されたその場で負けや大量のアド差が決まるために即除去りたい、良く見かけるカードとなると、
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《Power Artifact》(に絡むモノリス)《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》《食物連鎖/Food Chain》
くらい。
マナが大量に余っていたり1周回したりすると大体終わりそうな所を加えても、《出産の殻/Birthing Pod》《適者生存/Survival of the Fittest》《未来予知/Future Sight》《野生のつがい/Wild Pair》程度。
さらにデッキによっては放置すると死を呼ぶ置物があり、それが、
《基本に帰れ/Back to Basics》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》《Chains of Mephistopheles》《無のロッド/Null Rod》あたり。
その内の一部はクリーチャー除去で代用が利いたり(《出産の殻/Birthing Pod》《野生のつがい/Wild Pair》など)、
勝ち手段の除去の効かなさとフィニッシュの速さから、どちらにしろデッキに墓地対策を入れるのが望ましかったり(青くないデッキから見た《適者生存/Survival of the Fittest》)で、
なにも置物そのものに触る事が必須とはならない。
☆クリーチャー除去とバウンスのマナコスト
バウンスのマナ域の中心は1~2マナ、《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が1マナ、《残響する真実/Echoing Truth》《乱動への突入/Into the Roil》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》が2マナだ。
それに対し、クリーチャー除去は0~1マナが中心だ。《殺戮の契約/Slaughter Pact》《殺し/Snuff Out》《水没/Submerge》辺りが0マナ、《猿術/Pongify》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《四肢切断/Dismember》《稲妻/Lightning Bolt》などが1マナ。
バウンスは1マナで構えられるのが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》のみなのに対し、クリーチャー除去は1マナで大概のものが構えられる。
バウンスで事足りる場合でも、立てるマナが1~2マナ減ると考えるとクリーチャー除去の方が優秀という扱いになる。
☆クリーチャー除去の問題点
なら、青系デッキでもバウンスは1マナの《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚にして、残りは1マナ以下のクリーチャー除去中心にすればいいのか、というと違う。
・まず、置物が致命的な場合がある事が一点。
その場で勝負の決まる《Power Artifact》などはもちろんだが、それ以上に気にするべきは《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》のようなロック要素だ。
これらはコンボパーツと違って他と組み合わせる必要もないため、3マナ・4マナに達した時点でキャストするだけで仕事を始める。
さらに問題なのは、これらが「すべてのプレイヤーに致命的な悪影響を与える訳ではない」という点だ。
例えば《Power Artifact》ならば卓の残り3人すべてが協力して排除に回ってくれるだろう。しかし《血染めの月/Blood Moon》の場合は、単色デッキのプレイヤーはスルーするため、自分で対処する必要が強くなる。
下手すると、置物除去のない5色デッキは《Mana Crypt》から1ターン目に脱落する。そんなゲームはしたくないものである。
・また、クリーチャー除去の安定性も問題だ。
置物に触れないという根源的な欠点はもちろん、クリーチャー除去だからと言ってすべてのクリーチャーに触れる訳ではないのがネックになる事がある。
《殺し/Snuff Out》は《概念泥棒/Notion Thief》に触れないし、《四肢切断/Dismember》は《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を前にモジモジする。対象を選ばない《水没/Submerge》だってピッチで撃てるとは限らない。
究極的に安定なのは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》くらい。まあ流刑への道にはアド損リスクがあるが。
《猿術/Pongify》も悪くはないが、、一部墓地利用デッキだと軽量なリアニメイトスペルで復帰可能になるためにバウンスよりありがたかったりするし、デッキによっては3/3が致命的に邪魔だったりもする。まあ流刑への道とトントンくらいか。
そのため、ある程度は置物に触れる構築・安定して多くのクリーチャーに触れる構築をしたくなる。
自分は、バウンスが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚ではうっかり先に撃ったり《Wheel of Fortune》で墓地に落ちただけで詰んでしまうので、最低2枚くらいは入れたいと考える。
そうすると、引く期待値が2倍になるだけではなく、1枚目を無理に抱え込む必要が薄れるために安定性は倍以上になる。
☆そんな訳でまとめ。
青系デッキの場合のインスタント除去の配分は、『バウンス2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去1~3枚』くらいが適当であると考える。
また、この考え方は他の色のデッキにも適用できそうだ。
青にあった、「《Force of Will》のような、クリーチャーにも置物にも触れるカウンター」という枠が減っているため、その分除去が増えて、『置物除去1~2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去数枚(ただし青系よりも多い)・《混沌のねじれ/Chaos Warp》《内にいる獣/Beast Within》のような重い汎用除去1~2枚』といった感じになるだろうか。
☆インスタントの除去の選択
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》のような1~2マナのバウンスを中心に採用されていた。
ゲームスピードの速いEDHでは、確定除去でなくても手札に戻してテンポを取れば大概間に合う(1ターン誤魔化している間に攻めに行ける・対処手段を準備できる・手札リセットで流せる・など)ため、「触れる範囲が広い代わりに時間稼ぎにしかならない」という弱点が顕在化しにくいというのがその理由だ。
そのため今までは、除去とは急なピンチに手広い範囲で対処出来るバウンスで揃えるのが一番丸いと考えていた。
☆実際にインスタント除去を撃つ対象は?
ここからが昨日cozaくんと話していた内容。
その場で、「実際に除去を撃つ事が多い対象はクリーチャーなのではないか?」という話題が出たのだ。
EDHの特徴は、初手にあり、何度でもキャスト出来るジェネラルというクリーチャーが必ずいる事。
《妖精の女王、ウーナ/Oona, Queen of the Fae》のように最後にしか出てこなかったり《擬態の原形質/The Mimeoplasm》のようにぐだった頃がようやくの出番で無くても動かない事はない、といったジェネラルもいるにいるが、それでもジェネラルをキャストするデッキの方が多いだろう。
というか、キャストすればするだけアド得なので、多くの場合はジェネラルを活かせるような構成にするはずなのだ。そうでなければ特に2色以下のデッキで5色デッキに対する優位が消える。
そのため、クリーチャー除去は手札で腐りにくい。
そればかりではない。
普段の展開でデッキに入っているカードの内、インスタントで急いで除去したいカードの内約は、圧倒的にクリーチャーが多い。
これは、クリーチャーの方がエンチャントやアーティファクトといったパーマネントよりもずっと種類が多く、コンボやビートダウンなどの勝ち手段に繋がるパターンが多いためである。
・例えばコンボ方面・アドバンテージ方面で良く見かける、急いで除去したいクリーチャーカードをざっと書き出していくと、
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《隠遁ドルイド/Hermit Druid》《概念泥棒/Notion Thief》《狙い澄ましの航海士/Deadeye Navigator》《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》《エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria》
……などなど枚挙に暇がない。
これに加えて《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》《覇者シャルム/Sharuum the Hegemon》のような出て来た所で即除去るのが望ましいジェネラルもいるのだから、クリーチャーに除去を撃つタイミングが非常に多くなるのは自明である。
・逆にクリーチャー以外で出されたその場で負けや大量のアド差が決まるために即除去りたい、良く見かけるカードとなると、
《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》《Power Artifact》(に絡むモノリス)《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》《食物連鎖/Food Chain》
くらい。
マナが大量に余っていたり1周回したりすると大体終わりそうな所を加えても、《出産の殻/Birthing Pod》《適者生存/Survival of the Fittest》《未来予知/Future Sight》《野生のつがい/Wild Pair》程度。
さらにデッキによっては放置すると死を呼ぶ置物があり、それが、
《基本に帰れ/Back to Basics》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》《Chains of Mephistopheles》《無のロッド/Null Rod》あたり。
その内の一部はクリーチャー除去で代用が利いたり(《出産の殻/Birthing Pod》《野生のつがい/Wild Pair》など)、
勝ち手段の除去の効かなさとフィニッシュの速さから、どちらにしろデッキに墓地対策を入れるのが望ましかったり(青くないデッキから見た《適者生存/Survival of the Fittest》)で、
なにも置物そのものに触る事が必須とはならない。
☆クリーチャー除去とバウンスのマナコスト
バウンスのマナ域の中心は1~2マナ、《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》が1マナ、《残響する真実/Echoing Truth》《乱動への突入/Into the Roil》《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》が2マナだ。
それに対し、クリーチャー除去は0~1マナが中心だ。《殺戮の契約/Slaughter Pact》《殺し/Snuff Out》《水没/Submerge》辺りが0マナ、《猿術/Pongify》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《四肢切断/Dismember》《稲妻/Lightning Bolt》などが1マナ。
バウンスは1マナで構えられるのが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》のみなのに対し、クリーチャー除去は1マナで大概のものが構えられる。
バウンスで事足りる場合でも、立てるマナが1~2マナ減ると考えるとクリーチャー除去の方が優秀という扱いになる。
☆クリーチャー除去の問題点
なら、青系デッキでもバウンスは1マナの《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚にして、残りは1マナ以下のクリーチャー除去中心にすればいいのか、というと違う。
・まず、置物が致命的な場合がある事が一点。
その場で勝負の決まる《Power Artifact》などはもちろんだが、それ以上に気にするべきは《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》のようなロック要素だ。
これらはコンボパーツと違って他と組み合わせる必要もないため、3マナ・4マナに達した時点でキャストするだけで仕事を始める。
さらに問題なのは、これらが「すべてのプレイヤーに致命的な悪影響を与える訳ではない」という点だ。
例えば《Power Artifact》ならば卓の残り3人すべてが協力して排除に回ってくれるだろう。しかし《血染めの月/Blood Moon》の場合は、単色デッキのプレイヤーはスルーするため、自分で対処する必要が強くなる。
下手すると、置物除去のない5色デッキは《Mana Crypt》から1ターン目に脱落する。そんなゲームはしたくないものである。
・また、クリーチャー除去の安定性も問題だ。
置物に触れないという根源的な欠点はもちろん、クリーチャー除去だからと言ってすべてのクリーチャーに触れる訳ではないのがネックになる事がある。
《殺し/Snuff Out》は《概念泥棒/Notion Thief》に触れないし、《四肢切断/Dismember》は《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を前にモジモジする。対象を選ばない《水没/Submerge》だってピッチで撃てるとは限らない。
究極的に安定なのは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《流刑への道/Path to Exile》くらい。まあ流刑への道にはアド損リスクがあるが。
《猿術/Pongify》も悪くはないが、、一部墓地利用デッキだと軽量なリアニメイトスペルで復帰可能になるためにバウンスよりありがたかったりするし、デッキによっては3/3が致命的に邪魔だったりもする。まあ流刑への道とトントンくらいか。
そのため、ある程度は置物に触れる構築・安定して多くのクリーチャーに触れる構築をしたくなる。
自分は、バウンスが《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》1枚ではうっかり先に撃ったり《Wheel of Fortune》で墓地に落ちただけで詰んでしまうので、最低2枚くらいは入れたいと考える。
そうすると、引く期待値が2倍になるだけではなく、1枚目を無理に抱え込む必要が薄れるために安定性は倍以上になる。
☆そんな訳でまとめ。
青系デッキの場合のインスタント除去の配分は、『バウンス2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去1~3枚』くらいが適当であると考える。
また、この考え方は他の色のデッキにも適用できそうだ。
青にあった、「《Force of Will》のような、クリーチャーにも置物にも触れるカウンター」という枠が減っているため、その分除去が増えて、『置物除去1~2枚・その他必要に応じてクリーチャー除去数枚(ただし青系よりも多い)・《混沌のねじれ/Chaos Warp》《内にいる獣/Beast Within》のような重い汎用除去1~2枚』といった感じになるだろうか。
コメント
EDHで黒コントロールをやっています。
構築だったり、カードの選び方等々を参考にさせていただきます。