青黒赤ジェネラルの最強がジェリーヴァだと誰が言った?
2014年1月23日 EDHデッキ考察 コメント (2)俺だよ!!
という訳で、今日は久々に私事もないお休みだったのでデッキを弄っていたのだけれど、一応理論上はジェリーヴァよりもいい感じのデッキが組めたので記事にしてみる事にする。
☆ジェリーヴァの欠点
・デッキが重い
ジェリーヴァをジェネラルとして置くと、その能力のおかげで《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》は《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》などの相方なしでもライブラリーアウトを狙えるし、《無限への突入/Enter the Infinite》を積み込んでただ撃ちするという勝ち手段も加わる。
多人数戦では撃てさえすればナチュラルに強い追加ターンとは、ただ撃ちにしろ素撃ちにしろ好相性で、運がよければ他のデッキからの《歯と爪/Tooth and Nail》なんかも《粗石の魔道士/Trinket Mage》《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》と持って来て勝ち手段に変えられる。
しかし、これらの勝ち手段には欠点がある。
大量の追加ターン、《無限への突入/Enter the Infinite》、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》といった重量級をデッキに大量投入するため、デッキの動きが歪みがちになるのだ。
ジェネラルが役立たずにならないように《精神の願望/Mind’s Desire》のような強力スペルが入りがちになるのもこの傾向に拍車をかける。
そのコストの関係上、黒の特権である《むかつき/Ad Nauseam》も非常に使いにくい。
・ジェネラル能力が勝ち手段の選択に悪影響を与える
自身の能力によるリムーブの危険性があるので、勝ち筋には複数カードを要するものは使いにくい。
それゆえに、1枚抜かれると一気に無駄牌が増えるようなコンボは鬼門だ。《生き埋め/Buried Alive》からの《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボなどが代表例だろう。
向いているものは《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》のような1枚で完結しているコンボや、《欠片の双子/Splinter Twin》《やっかい児/Pestermite》のようなそれぞれが複数パーツを突っ込めるためにリムーブリスクが小さいものとなる。
結果、この色で考えると、止めにくさと軽さの面で最も優秀であろう《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボは使いにくいし、双子コンボのパーツをサーチに変えてシェイプアップするのも難しい。
しかし、そうなると始動の重いコンボが多くなり、速攻はなかなか望めなくなる。黒赤という瞬間的な爆発力を持つ色にも拘らず、構造上ある程度は低速にならざるを得ないのだ。
ジェネラル特有の《無限への突入/Enter the Infinite》ただ撃ちも、積み込み、(ターンを回すと《隠遁ドルイド/Hermit Druid》並みのヘイトなので)速攻付与まで考えると早くても4、5ターン目あたりがせいぜいだろう。必要枚数(速攻付与、キャストと同ターンに撃つ必要のある積み込み、1青黒赤のマナコスト捻出)まで考えると現実的ではない。
感覚的には、「双方複数枚パーツのある、シンボル5~6個の5~7マナ2枚コンボ」といった所だろうか。
つまり《生き埋め/Buried Alive》コンボ「片側複数パーツのある、シンボル2個の4~6マナ2枚コンボ」の劣化版と見ていい。
勝っている部分は、コンボパーツの一部が単体で偉いチューターなので無駄牌になりがちな速攻付与カードを抑えれば無駄牌が少なくて済む点があるだろうか。
速攻付与を諦めると今度は重たい《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような形となる。また、着地すると《無限への突入/Enter the Infinite》がリムーブされてしまうので、除去1発でルートが封殺される点はハーミットと比べてマイナスだとなる。
ハーミットデッキの《隠遁ドルイド/Hermit Druid》に当たる、1枚コンボ用積み込みカードが複数ある点はプラス……に見えるが、実はハーミットをサーチしていたカード(《吸血の教示者/Vampiric Tutor》など)がそのままコンボパーツになってるせいでそこまででもない。
複数パーツで揃えやすいこの1~2枚コンボも、実は実際に運用してみると意外なほど重いのだ。
結果、多くの場合軽めかつハイリスクな《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボに頼る事になるだろう。
(余談になるが、デッキのマナコスト的な意味でウーズコンボとの相性は最高なので、冒険して入れてみるのも手かもしれない)
・手札に無駄牌がたまりやすい
上記2項の理由から、ジェリーヴァデッキは特に序盤、手札に無駄牌が溜まりやすい。
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《無限への突入/Enter the Infinite》は元より、5マナなければ追加ターンも撃てない。その追加ターンも、ジェネラルがいない、かつ重いカードを手札に抱えているような状況では《探検/Explore》になるのがせいぜいだろう。
双子コンボのパーツを複数ずつ積み込むと、それだけ展開に影響を与えないまま手札で出番を待つコンボパーツも増えるだろう。
それをケアしようとすると3マナの手札リセット群や、軽量のルーターで処理する事になるのだが、そうすると今度は枠が足りない。
双子コンボで各2枠ずつ4枠使っているような場合はもとより、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《Demonic Consultation》の計3枚に絞って圧縮している場合でも、追加ターンなどのジェネラルとのシナジーを考えた重量強カードや、ジェネラル不在時にそれを支えるマナベースでどうしても枠を食ってしまう。
妨害要素を切ればその辺りは解消するのだろうが、妨害切り捨てる超速攻を目指すには遅すぎる。その方向性だと結局劣化《隠遁ドルイド/Hermit Druid》デッキ化は避けられない。
☆結論として、ジェリーヴァは総じて重い。
ジェネラル自身は赤いズアーなのだが、3マナ以下のカードを踏み倒すズアーと違い、重ければ重いほど報われるジェリーヴァだと、デッキの中身は《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》に近いアンバランスなデッキとなるのだ。バランスの悪いデッキは安定性が低い。
挙句、上に書いたように勝ち手段を放つのが微妙に遅い。
とは言え、青茶系なのでブン回ればマナは出る。重い勝ち手段だろうが速攻でキャスト可能にして一気に押し切れるだろうが、安定して勝ち続けるデッキとなるのは難しそうだ。
☆という訳で、それを踏まえて新デッキ。
気を使ったポイントは、
・挙動が軽い。
・勝ち手段を叩きつけるのが早い。
・無駄牌が少ない
という3点。これはジェリーヴァの構造上の弱点とは真逆の方向性だ。
それを意識して組んだ結果、以下のような構成となった。
◎直接的な勝ち手段は、軽量な《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボと《生き埋め/Buried Alive》からのリアニ。ただし《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》は使わない。
ウーズコンボの除去耐性は魅力だが、デッキを重くする必要がある点と、無駄牌が増える点で理想からは外れる。
よって、《生き埋め/Buried Alive》で落とす3枚は《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》。
ライフががっつり減るし除去は効くが、墓地利用は必須ではなく、マナさえあれば単純にコンボに行く事も可能なのが大きい。
また、2枚コンボのおかげでこれまたマナがあれば《直観/Intuition》からのリアニの2枚コンボで勝ちに行ける。
さらには《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》が分割払い可能な6青赤赤赤赤の11マナ《歯と爪/Tooth and Nail》になるのもよい。《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》が《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》サーチにも使えるというのも高ポイント。
総じてこのコンボは《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》よりも無駄牌化が少ない。
また、マナコストを意識する必要が無くなった事により、後述する勝ち手段が増加した。
◎間接的勝ち手段は、ジェリーヴァにも入るであろう《概念泥棒/Notion Thief》に加え、《むかつき/Ad Nauseam》が入った。
マナコスト依存のない《生き埋め/Buried Alive》コンボのおかげで、《むかつき/Ad Nauseam》が投入される事となった。
構築段階で挙動の軽さ(=マナコストの軽さ)を意識していたのもあって、総マナコストは低め。結構な量の手札を期待出来る。
◎マナベースはとにかくしっかり。
・土地が31枚。マナ加速要素は、完全に使い切りとなるスペルのマナ加速を《暗黒の儀式/Dark Ritual》1枚に抑えて18枚。
合計49枚と、デッキのほとんど半分をマナ関係とした。
これによって、早いターンにコンボに入る場合でもマナの伸びが追いつかずにコンボに行けない状況を減らすと共に、ゲーム全体を通して手札が滞る事のない安定した動きを期待出来る。
長引いてマナが伸びきった状況でも無駄にならない勝ちルート(手札からのキキジキ総督、《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》の11マナ一括払い、同一ターン中のチューター経由のコンボスタート、など)を投入してマナフラリスクを減らした。
・あとはそれでも起こるであろうマナフラッド対策。
それに関しては、ドロースペル、及びそれに繋がるチューターを大量投入する事で補った。
ルーター含めたドローカードが18枚、それらに繋がるチューター系が《汚れた契約/Tainted Pact》含め8枚、合計26枚とデッキの1/4超をドロー関連として数えられるように投入した。
そうしてそれでもジリ貧になった場合には、ジェネラルでアドを稼ぐという方向で補う事とした。
「ジェネラルがカラーマーカーになるようでは弱い」というのは自分も信じている格言なのだが、そこであえての「ジェネラルがカラーマーカーの間に勝てる事を目的とした構築」である。
手札からカードをガンガン吐き出せる軽めかつマナベースの強固な構成にすれば、ちょっと便利なくらいのジェネラルならマナの無駄にしてしまえるはず、という理論。
◎そうして、マナベース50%、ドローソース25%として、あとは残った25%弱の枠にコンボパーツと妨害をそれぞれ10枚強突っ込めばデッキは完成。
そうして出来上がったのがこのデッキである。
ジェネラル
《疫病の女王、ガルザ・ゾル/Garza Zol, Plague Queen》
コンボパーツ 11
《生き埋め/Buried Alive》
《直観/Intuition》
《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》
《再活性/Reanimate》
《動く死体/Animate Dead》
《ネクロマンシー/Necromancy》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《Demonic Consultation》
《汚れた契約/Tainted Pact》
ドローカード 18
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
《渦まく知識/Brainstorm》
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《Mystic Remora》
《占骨術/Skeletal Scrying》
《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》
《夜の囁き/Night’s Whisper》
《リスティックの研究/Rhystic Study》
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
《強迫的な研究/Compulsive Research》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《意外な授かり物/Windfall》
《Wheel of Fortune》
《Timetwister》
《むかつき/Ad Nauseam》
《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》
サーチ 8
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《Demonic Tutor》
《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
《Grim Tutor》
妨害 13
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《払拭/Dispel》
《白鳥の歌/Swan Song》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《紅蓮破/Pyroblast》
《Arcane Denial》
《Force of Will》
《誤った指図/Misdirection》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《残響する真実/Echoing Truth》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《概念泥棒/Notion Thief》
マナ加速 18
《Jeweled Amulet》
《金属モックス/Chrome Mox》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《Mana Crypt》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《通電式キー/Voltaic Key》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《Copy Artifact》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
土地 31
《Underground Sea》
《Badlands》
《Volcanic Island》
《湿った墓/Watery Grave》
《血の墓所/Blood Crypt》
《蒸気孔/Steam Vents》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《統率の塔/Command Tower》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《真鍮の都/City of Brass》
《反射池/Reflecting Pool》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《シャドーブラッドの尾根/Shadowblood Ridge》
《地底の大河/Underground River》
《硫黄泉/Sulfurous Springs》
《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
《偶像の石塚/Graven Cairns》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《島/Island》
《沼/Swamp》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
という訳で、マナフラ起こして手札0のジリ貧時に、速攻で1ドローを持って来てくれる《疫病の女王、ガルザ・ゾル/Garza Zol, Plague Queen》がジェネラルとして選ばれました。
マナ加速が豊富かつドローの多い丸っこい構成なので安定感はジェリーヴァに勝っているし、《生き埋め/Buried Alive》のおかげで《無限への突入/Enter the Infinite》ルートがなくても勝ち手段を叩きつける速度でだって負けてはいないはず。
あと、物理的に殴り合っても負けていないはず。
ガルザ=ゾル(55)「ジェリーヴァ? (13)とか吸血鬼のくせに若造過ぎてwww ワンパンでしょあんな貧弱もやしwwwww」
あとは対戦重ねて青黒赤ジェネラル最強を証明するだけだ。
最後に《むかつき/Ad Nauseam》入ってるし総マナコスト。
総マナコストは140。
《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》辺りを外せばもう少し軽くはなると思うんだけど、ハイパワーだし、申し訳程度にリアニ要素を活かせるしで残っている。《直観/Intuition》やパーツ素引きの時の相方用にルーター系は多めに取っているしね。
という訳で、今日は久々に私事もないお休みだったのでデッキを弄っていたのだけれど、一応理論上はジェリーヴァよりもいい感じのデッキが組めたので記事にしてみる事にする。
☆ジェリーヴァの欠点
・デッキが重い
ジェリーヴァをジェネラルとして置くと、その能力のおかげで《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》は《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》などの相方なしでもライブラリーアウトを狙えるし、《無限への突入/Enter the Infinite》を積み込んでただ撃ちするという勝ち手段も加わる。
多人数戦では撃てさえすればナチュラルに強い追加ターンとは、ただ撃ちにしろ素撃ちにしろ好相性で、運がよければ他のデッキからの《歯と爪/Tooth and Nail》なんかも《粗石の魔道士/Trinket Mage》《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》と持って来て勝ち手段に変えられる。
しかし、これらの勝ち手段には欠点がある。
大量の追加ターン、《無限への突入/Enter the Infinite》、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》といった重量級をデッキに大量投入するため、デッキの動きが歪みがちになるのだ。
ジェネラルが役立たずにならないように《精神の願望/Mind’s Desire》のような強力スペルが入りがちになるのもこの傾向に拍車をかける。
そのコストの関係上、黒の特権である《むかつき/Ad Nauseam》も非常に使いにくい。
・ジェネラル能力が勝ち手段の選択に悪影響を与える
自身の能力によるリムーブの危険性があるので、勝ち筋には複数カードを要するものは使いにくい。
それゆえに、1枚抜かれると一気に無駄牌が増えるようなコンボは鬼門だ。《生き埋め/Buried Alive》からの《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボなどが代表例だろう。
向いているものは《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》のような1枚で完結しているコンボや、《欠片の双子/Splinter Twin》《やっかい児/Pestermite》のようなそれぞれが複数パーツを突っ込めるためにリムーブリスクが小さいものとなる。
結果、この色で考えると、止めにくさと軽さの面で最も優秀であろう《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボは使いにくいし、双子コンボのパーツをサーチに変えてシェイプアップするのも難しい。
しかし、そうなると始動の重いコンボが多くなり、速攻はなかなか望めなくなる。黒赤という瞬間的な爆発力を持つ色にも拘らず、構造上ある程度は低速にならざるを得ないのだ。
ジェネラル特有の《無限への突入/Enter the Infinite》ただ撃ちも、積み込み、(ターンを回すと《隠遁ドルイド/Hermit Druid》並みのヘイトなので)速攻付与まで考えると早くても4、5ターン目あたりがせいぜいだろう。必要枚数(速攻付与、キャストと同ターンに撃つ必要のある積み込み、1青黒赤のマナコスト捻出)まで考えると現実的ではない。
感覚的には、「双方複数枚パーツのある、シンボル5~6個の5~7マナ2枚コンボ」といった所だろうか。
つまり《生き埋め/Buried Alive》コンボ「片側複数パーツのある、シンボル2個の4~6マナ2枚コンボ」の劣化版と見ていい。
勝っている部分は、コンボパーツの一部が単体で偉いチューターなので無駄牌になりがちな速攻付与カードを抑えれば無駄牌が少なくて済む点があるだろうか。
速攻付与を諦めると今度は重たい《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のような形となる。また、着地すると《無限への突入/Enter the Infinite》がリムーブされてしまうので、除去1発でルートが封殺される点はハーミットと比べてマイナスだとなる。
ハーミットデッキの《隠遁ドルイド/Hermit Druid》に当たる、1枚コンボ用積み込みカードが複数ある点はプラス……に見えるが、実はハーミットをサーチしていたカード(《吸血の教示者/Vampiric Tutor》など)がそのままコンボパーツになってるせいでそこまででもない。
複数パーツで揃えやすいこの1~2枚コンボも、実は実際に運用してみると意外なほど重いのだ。
結果、多くの場合軽めかつハイリスクな《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボに頼る事になるだろう。
(余談になるが、デッキのマナコスト的な意味でウーズコンボとの相性は最高なので、冒険して入れてみるのも手かもしれない)
・手札に無駄牌がたまりやすい
上記2項の理由から、ジェリーヴァデッキは特に序盤、手札に無駄牌が溜まりやすい。
《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《無限への突入/Enter the Infinite》は元より、5マナなければ追加ターンも撃てない。その追加ターンも、ジェネラルがいない、かつ重いカードを手札に抱えているような状況では《探検/Explore》になるのがせいぜいだろう。
双子コンボのパーツを複数ずつ積み込むと、それだけ展開に影響を与えないまま手札で出番を待つコンボパーツも増えるだろう。
それをケアしようとすると3マナの手札リセット群や、軽量のルーターで処理する事になるのだが、そうすると今度は枠が足りない。
双子コンボで各2枠ずつ4枠使っているような場合はもとより、《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》《Demonic Consultation》の計3枚に絞って圧縮している場合でも、追加ターンなどのジェネラルとのシナジーを考えた重量強カードや、ジェネラル不在時にそれを支えるマナベースでどうしても枠を食ってしまう。
妨害要素を切ればその辺りは解消するのだろうが、妨害切り捨てる超速攻を目指すには遅すぎる。その方向性だと結局劣化《隠遁ドルイド/Hermit Druid》デッキ化は避けられない。
☆結論として、ジェリーヴァは総じて重い。
ジェネラル自身は赤いズアーなのだが、3マナ以下のカードを踏み倒すズアーと違い、重ければ重いほど報われるジェリーヴァだと、デッキの中身は《ギトゥのジョイラ/Jhoira of the Ghitu》に近いアンバランスなデッキとなるのだ。バランスの悪いデッキは安定性が低い。
挙句、上に書いたように勝ち手段を放つのが微妙に遅い。
とは言え、青茶系なのでブン回ればマナは出る。重い勝ち手段だろうが速攻でキャスト可能にして一気に押し切れるだろうが、安定して勝ち続けるデッキとなるのは難しそうだ。
☆という訳で、それを踏まえて新デッキ。
気を使ったポイントは、
・挙動が軽い。
・勝ち手段を叩きつけるのが早い。
・無駄牌が少ない
という3点。これはジェリーヴァの構造上の弱点とは真逆の方向性だ。
それを意識して組んだ結果、以下のような構成となった。
◎直接的な勝ち手段は、軽量な《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》コンボと《生き埋め/Buried Alive》からのリアニ。ただし《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》は使わない。
ウーズコンボの除去耐性は魅力だが、デッキを重くする必要がある点と、無駄牌が増える点で理想からは外れる。
よって、《生き埋め/Buried Alive》で落とす3枚は《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》。
ライフががっつり減るし除去は効くが、墓地利用は必須ではなく、マナさえあれば単純にコンボに行く事も可能なのが大きい。
また、2枚コンボのおかげでこれまたマナがあれば《直観/Intuition》からのリアニの2枚コンボで勝ちに行ける。
さらには《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》が分割払い可能な6青赤赤赤赤の11マナ《歯と爪/Tooth and Nail》になるのもよい。《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》が《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》サーチにも使えるというのも高ポイント。
総じてこのコンボは《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》《トリスケリオン/Triskelion》《Phyrexian Devourer》よりも無駄牌化が少ない。
また、マナコストを意識する必要が無くなった事により、後述する勝ち手段が増加した。
◎間接的勝ち手段は、ジェリーヴァにも入るであろう《概念泥棒/Notion Thief》に加え、《むかつき/Ad Nauseam》が入った。
マナコスト依存のない《生き埋め/Buried Alive》コンボのおかげで、《むかつき/Ad Nauseam》が投入される事となった。
構築段階で挙動の軽さ(=マナコストの軽さ)を意識していたのもあって、総マナコストは低め。結構な量の手札を期待出来る。
◎マナベースはとにかくしっかり。
・土地が31枚。マナ加速要素は、完全に使い切りとなるスペルのマナ加速を《暗黒の儀式/Dark Ritual》1枚に抑えて18枚。
合計49枚と、デッキのほとんど半分をマナ関係とした。
これによって、早いターンにコンボに入る場合でもマナの伸びが追いつかずにコンボに行けない状況を減らすと共に、ゲーム全体を通して手札が滞る事のない安定した動きを期待出来る。
長引いてマナが伸びきった状況でも無駄にならない勝ちルート(手札からのキキジキ総督、《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》の11マナ一括払い、同一ターン中のチューター経由のコンボスタート、など)を投入してマナフラリスクを減らした。
・あとはそれでも起こるであろうマナフラッド対策。
それに関しては、ドロースペル、及びそれに繋がるチューターを大量投入する事で補った。
ルーター含めたドローカードが18枚、それらに繋がるチューター系が《汚れた契約/Tainted Pact》含め8枚、合計26枚とデッキの1/4超をドロー関連として数えられるように投入した。
そうしてそれでもジリ貧になった場合には、ジェネラルでアドを稼ぐという方向で補う事とした。
「ジェネラルがカラーマーカーになるようでは弱い」というのは自分も信じている格言なのだが、そこであえての「ジェネラルがカラーマーカーの間に勝てる事を目的とした構築」である。
手札からカードをガンガン吐き出せる軽めかつマナベースの強固な構成にすれば、ちょっと便利なくらいのジェネラルならマナの無駄にしてしまえるはず、という理論。
◎そうして、マナベース50%、ドローソース25%として、あとは残った25%弱の枠にコンボパーツと妨害をそれぞれ10枚強突っ込めばデッキは完成。
そうして出来上がったのがこのデッキである。
ジェネラル
《疫病の女王、ガルザ・ゾル/Garza Zol, Plague Queen》
コンボパーツ 11
《生き埋め/Buried Alive》
《直観/Intuition》
《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》
《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》
《ファイレクシアの発掘者/Phyrexian Delver》
《再活性/Reanimate》
《動く死体/Animate Dead》
《ネクロマンシー/Necromancy》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》
《Demonic Consultation》
《汚れた契約/Tainted Pact》
ドローカード 18
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
《渦まく知識/Brainstorm》
《信仰無き物あさり/Faithless Looting》
《Mystic Remora》
《占骨術/Skeletal Scrying》
《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》
《コー追われの物あさり/Looter il-Kor》
《夜の囁き/Night’s Whisper》
《リスティックの研究/Rhystic Study》
《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
《強迫的な研究/Compulsive Research》
《大あわての捜索/Frantic Search》
《意外な授かり物/Windfall》
《Wheel of Fortune》
《Timetwister》
《むかつき/Ad Nauseam》
《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》
サーチ 8
《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
《伝国の玉璽/Imperial Seal》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《Demonic Tutor》
《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》
《Grim Tutor》
妨害 13
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《払拭/Dispel》
《白鳥の歌/Swan Song》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《紅蓮破/Pyroblast》
《Arcane Denial》
《Force of Will》
《誤った指図/Misdirection》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《残響する真実/Echoing Truth》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《概念泥棒/Notion Thief》
マナ加速 18
《Jeweled Amulet》
《金属モックス/Chrome Mox》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《Mana Crypt》
《太陽の指輪/Sol Ring》
《魔力の櫃/Mana Vault》
《通電式キー/Voltaic Key》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《ラクドスの印鑑/Rakdos Signet》
《ディミーアの印鑑/Dimir Signet》
《友なる石/Fellwar Stone》
《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance》
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《Copy Artifact》
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
土地 31
《Underground Sea》
《Badlands》
《Volcanic Island》
《湿った墓/Watery Grave》
《血の墓所/Blood Crypt》
《蒸気孔/Steam Vents》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《統率の塔/Command Tower》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《真鍮の都/City of Brass》
《反射池/Reflecting Pool》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《シャドーブラッドの尾根/Shadowblood Ridge》
《地底の大河/Underground River》
《硫黄泉/Sulfurous Springs》
《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
《偶像の石塚/Graven Cairns》
《古えの墳墓/Ancient Tomb》
《島/Island》
《沼/Swamp》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
という訳で、マナフラ起こして手札0のジリ貧時に、速攻で1ドローを持って来てくれる《疫病の女王、ガルザ・ゾル/Garza Zol, Plague Queen》がジェネラルとして選ばれました。
マナ加速が豊富かつドローの多い丸っこい構成なので安定感はジェリーヴァに勝っているし、《生き埋め/Buried Alive》のおかげで《無限への突入/Enter the Infinite》ルートがなくても勝ち手段を叩きつける速度でだって負けてはいないはず。
あと、物理的に殴り合っても負けていないはず。
ガルザ=ゾル(55)「ジェリーヴァ? (13)とか吸血鬼のくせに若造過ぎてwww ワンパンでしょあんな貧弱もやしwwwww」
あとは対戦重ねて青黒赤ジェネラル最強を証明するだけだ。
最後に《むかつき/Ad Nauseam》入ってるし総マナコスト。
総マナコストは140。
《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》辺りを外せばもう少し軽くはなると思うんだけど、ハイパワーだし、申し訳程度にリアニ要素を活かせるしで残っている。《直観/Intuition》やパーツ素引きの時の相方用にルーター系は多めに取っているしね。
コメント
重厚さと軽妙さが同居してる感じ。
ありがとうございます。
お褒めにあずかり光栄です。