デュエルコマンダー考察コーナー。
今回はメタゲームについてその2。


☆墓地対策の弱体化
墓地を使うデッキは非常に早く、通常の妨害もしにくい。《生き埋め/Buried Alive》からスタートする《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》コンボは通常の除去は効かないし、《壌土からの生命/Life from the Loam》を使ったアド取りは墓地リムーブ以外では非常に止めにくい。
これまでは多人数戦だったので、「3人の内誰かに当たれば(墓地コンボは恐らく卓内で早い部類になるので)充分遅延策として仕事をする」という位置付けで扱いやすかった墓地対策カードだが、デュエルコマンダーは1対1なので、墓地対策が腐る可能性が非常に高い。
逆説的に、墓地を使ったコンボ・シナジーは強化されていると言える。

もちろん、墓地コンボ・墓地シナジーを行うにはそれらをサーチするのが肝要で、それが最も得意な色は黒で、その色から2枚の強力サーチが落ちている、というマイナス面も忘れてはいけないが。
ウーズコンボは、おそらく「そこまで早くはないが、非常に止めにくい」という立ち位置となるだろう。



☆禁止カードの選定基準による、平均速度の変化
これまで挙げて来た環境要因の総合的な話にもなるのだが、ルールチームは「平均5ターンキル出来るようなデッキを排除する」のを目的としてルール制定を行ったらしい。
だからこそ高速コンボのパーツである《隠遁ドルイド/Hermit Druid》は禁止だし、あらゆるコンボの速度を上昇させる《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《伝国の玉璽/Imperial Seal》といった軽量サーチを禁止したのだろう。

逆説的に、安定して早いキルターンを持つデッキはそれだけ強いと言える。
通常のEDHにおける高速デッキの平均キルターンは3~4程度。平均的な部類のデッキのキルターンが、早いもので5~8程度。
デュエルコマンダーで平均5ターンキル出来るデッキなら、立ち位置的には前者の高速デッキ的な立ち位置に居座る事が出来るだろう。




☆サンプルデッキ
そんな訳で、それを踏まえた平均5ターンキルが狙えそうなサンプルデッキ


ジェネラル
《老いざる苦行者、アローロ/Oloro, Ageless Asetic》

・むかつき・サーチ 13
《むかつき/Ad Nauseam》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《目くらましの呪文/Dizzy Spell》
《Demonic Tutor》
《汚れた契約/Tainted Pact》
《商人の巻物/Merchant Scroll》
《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
《引き裂かれた記憶/Shred Memory》
《ディミーアの浸透者/Dimir Infiltrator》
《交錯の混乱/Muddle the Mixture》
《残酷な教示者/Cruel Tutor》
《Grim Tutor》

・コンボ補助 5
《Zuran Orb》
《Gustha’s Scepter》
《天使の嗜み/Angel’s Grace》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》

・フィニッシュ関連 4
《不快な夢/Sickening Dreams》
《仲裁の契約/Intervention Pact》
《Demonic Consultation》
《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》

・0マナクリーチャー 6
《メムナイト/Memnite》
《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》
《ファイレクシアの歩行機械/Phyrexian Walker》
《Shield Sphere》
《ファイレクシアの略奪機/Phyrexian Marauder》
《変容する壁/Shifting Wall》


・妨害 12
《否定の契約/Pact of Negation》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
《強迫/Duress》
《思考囲い/Thoughtseize》
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
《殺戮の契約/Slaughter Pact》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《撤廃/Repeal》
《沈黙/Silence》
《オアリムの詠唱/Orim’s Chant》

・ドロー 2
《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
《彩色の星/Chromatic Star》

・マナ加速 11
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《極楽のマントル/Paradise Mantle》
《Jeweled Amulet》
《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》
《金属モックス/Chrome Mox》
《オパールのモックス/Mox Opal》
《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《弱者選別/Culling the Weak》
《汚物の雨/Rain of Filth》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》

・土地 47
 ・便利土地 4
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
《やせた原野/Barren Moor》
《陰謀団のピット/Cabal Pit》
《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》

 ・2マナランド 10
《古き泉/Ancient Spring》
《泥炭の沼地/Peat Bog》
《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》
《僻遠の農場/Remote Farm》
《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》
《シヴィエルナイトの寺院/Svyelunite Temple》
《トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《裏切り者の都/City of Traitors》
《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》

 ・色マナ土地 33
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《Underground Sea》
《Scrubland》
《Tundra》
《湿った墓/Watery Grave》
《神無き祭殿/Godless Shrine》
《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
《ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs》
《涙の川/River of Tears》
《地底の大河/Underground River》
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》
《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
《宝石鉱山/Gemstone Mine》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《真鍮の都/City of Brass》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
《統率の塔/Command Tower》
《反射池/Reflecting Pool》
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
《島/Island》
《沼/Swamp》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》


という訳でむかつきです。
総マナコストは55。ライフが10低いので保険で《天使の嗜み/Angel’s Grace》《Zuran Orb》が入っている。
また、手札破壊意識でサーチカードがちょっと増量。手札が減ったら高速アローロで身を守りつつドローを進めていく感じで。

ちなみに、試しに通常のアローロで禁止カードを0マナサイクリングで回した所、平均5ターン、ライフ25あれば高確率で人が死ぬ感じだった。その辺りをボーダーと考えておくといいかも。
動き的には、遅い分マナが伸びるので6、7マナある状況でスタートする感じ。その伸びた分のマナが《Mana Crypt》などの不足を補ってくれる。つーか無色2よりも青か黒1の方が偉い事が多いので、マナ的には微妙に安定性が高くなっていたり。手札枚数(≒コンボパーツ量)が安定しない事が不安要素だが。

余裕がないなら偏執狂コンボを切った割り切り構成でもいいかも。あるいは《沈黙/Silence》のような妨害をちょっと削るとか、《暗黒/Darkness》のようなフォグ系を投入して猶予ターンを作るか。

むかつきは、基本的に通常EDHから大きく弱体化しているように見えると思うので、強化点の方を解説。
・アローロの毎ターンゲイン2ライフが相対的に大きくなっている。
・《不快な夢/Sickening Dreams》の必要手札枚数が減っている。
・通常EDH時は3人に殴られるデッキのため、1対1ならクロックが減る。
・カウンター持ちも最大1人。色によっては露払い一切なしで安心スタート。
・1マナ手札破壊による前方確認が可能に。手札破壊は不利なばかりではない。
・色バランス的に青衰退、緑隆盛なのでデッキメタ的には追い風。

意外と行けると思っている。

コメント

MTGAnglerfish.アンコウ
2013年12月18日13:21

せぷたー

じょーじ
2013年12月18日21:58

生き埋めは原形質辺りがかなり強い気がしますがどうなんでしょうね?
やっぱりむかつきが強いのかなあ

かっこかり
2013年12月18日22:04

>殻を着た萌豚.シェルダーさん
《聖なる日/Holy Day》系統も入れるようなら、補助としてセプターを入れるのも選択肢に入るかも知れませんね。《聖なる日/Holy Day》などまで伸ばす場合は特に。
デッキの性質上、サーチまでしてくる事はなく、単体だと意味がないものにマナコスト2枠を使うかどうかが難しい所ですが。


>じょーじさん
《伝国の玉璽/Imperial Seal》《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》といった所がないので、それ中心にデッキを組んでの高速スタートルートは難しいでしょうが、コントロール寄りにして中速で止めにくい突然死を突きつける動きは出来るので、原形質は強そうです。
色的に、加速が可能な緑とコントロール力の高い青黒なのも素敵です。
1対1のおかげで墓地リムーブやカウンターが少なくなる(流石にデッキ3人前よりはマシでしょう)のも追い風かと。

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