まのさんの日記(http://manonyan.diarynote.jp/201311280209501112/)を受けて、妨害について思っている事をぽつぽつ。


☆妨害の意義
妨害は、マナ加速にもならないし(《Mana Drain》とかいう例外は忘れろ)アドも取れない(《放逐/Dismiss》とかいう例外は忘れろ)ので、いくら撃とうが直接的な勝利には繋がらない(《蝕み/Undermine》とかいう例外は忘れろ)。

しかしそれでも多くのデッキで妨害カードが使われるのは、相手を行動を阻害する事によって、実質的に自分が加速するのと同じような結果をもたらすからである。

もしもMTGに妨害が一切なかったら、あとはもう全力で加速して手札揃えて勝ち手段叩きつけるだけのスピード競技になってしまう。しかし実際はそうではない。早いだけのデッキが最強という訳ではない。
早いだけのデッキが最強たり得ないのは、妨害カードがあり、それが有効だからだ。

例えば1キルもあるレガシーベルチャーデッキとの対戦。《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》を《Force of Will》で消す事により、実質0マナとカード2枚で大きくアドを取った挙句に相手の勝ちを10ターンくらい遅らせられる。(あくまで例なので、初動のマナ加速を消した方が正解とかそういう突っ込みは勘弁してください)
例えば同じく早いデッキであるドレッジとの対戦。メイン戦で《虚空の力線/Leyline of the Void》をゲーム開始時に0マナで置く事により、ドレッジ側は勝利の遅延どころかもうまともに勝てなくなる。

で、その《Force of Will》とか《虚空の力線/Leyline of the Void》を使うデッキとは何かというと、大概がベルチャーやドレッジよりも遅いデッキ。
妨害は、基本的に自分より早い相手を減速させる目的で投入するものなのだ。

マナ加速には限界があり、そもそも早いデッキもマナ加速するので、遅いデッキが加速によって速度差を埋めるのは難しい。
妨害は、相手を遅延する事によってそこを詰めてくれる。



☆妨害の選択
上の話を土台にして考えれば、デッキに入る妨害の基準が見えてくる。
それは、「自分のデッキがどれくらいの速さで」「自分より早いデッキがどれくらいあって」「その早いデッキに有効な妨害は何か」という事だ。

例えば同じ1ドローで勝利する《火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind》+《好奇心/Curiosity》と《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》+《Demonic Consultation》を比べた場合、計7マナ対計4マナと埋めがたい速度の差がある。単純に速度勝負をした場合、多くの場合偏執狂側が勝つ事だろう。

しかしニヴ側はコンボ邁進に向かうパーツの内弱い所を除去に変える事により、その速度差による敗北をある程度抑える事が出来る。
加速やドローが減った分、1人回しで勝利条件を満たす速度は落ちているが、ほとんどの場合偏執狂側が自分より先に勝ちに来るので、その内の何回かを除去で潰せる事を考えれば勝率はむしろ上がるだろう。

だから除去の選択は、おおざっぱでもいいので自分より早い対策すべきデッキを見据え、それに合わせたものを投入すればいい。
「むかつき」「エドリック」よりも遅いデッキだというのなら、少ないマナでインスタントを消せる《払拭/Dispel》や小型クリーチャーを潰せる《紅蓮地獄/Pyroclasm》が有効になるだろう。
それに加えて「青茶系」よりも遅いというのなら、さらに《溶融/Meltdown》を投入するのもいいだろう。
逆に、「歯と爪」がメインの勝ち手段となるような自分より遅いデッキには対策を薄くしてもいいだろう。それは逆に「歯と爪」から妨害を受ける側のデッキとなる。



☆妨害の適正量
では、その妨害の適正量はどれくらいとなるのか。
これは、上で書いたような理由から遅いデッキ程比率が大きくなる。自分より早くフィニッシュを叩きつけてくるデッキの種類が多いのだから、それだけ妨害の種類も必要だし、妨害を撃つ機会も増えるからだ。

だからといって妨害だけでは勝てない。例えば相手のキルターンが3、自分のキルターンが5の時に、相手のデッキを3ターン(計6ターン)先送りにしても、自分のデッキから加速要素が減っているせいで2ターン遅くなっている(計7ターン)ようでは意味がない。

だから1人回しで有効な加速やアド取りを邪魔しないように、種類は出来る限り絞る必要があるし、2つ以上の種類のデッキに対応できるものを優先する必要がある。
上の例なら、「むかつき」に《払拭/Dispel》「エドリック」に《紅蓮地獄/Pyroclasm》とデッキに積み込むよりも、(出せると仮定するならば、だが)《無慈悲なる者ケアヴェク/Kaervek the Merciless》1枚にまとめた方が枠を使わない対策となる。

また、加速やアド取り、攻撃補助の要素を兼ねた妨害を採用するのも一つの手だ。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》は相手の墓地を牽制しながら加速するし、ゼガーナの《送還/Unsummon》はゼガーナ再キャストによるアド取りに繋がる。エドリックのカウンターは、相手の打消しによってループが止まるリスクを低減してくれるだろう。




☆妨害の弊害
上にもちょくちょく書いていたが、それをまとめると、「自分のデッキの減速に繋がる」という事となる。
元は対策の必要もなかった鈍足デッキに追いつかれ、相手の妨害を受けるまでもなく等速で勝負しているようでは話にならない。
妨害を投入する時には、「妨害による遅延ターン数>妨害投入による減速ターン数」となるように気を付ける必要がある。




☆妨害のキャストの仕方
基本的な妨害のキャストの仕方について自分なりの方針。

EDHは多人数戦なので、1人を上手く止めればそのまま自分のターンがやってくる、という訳ではない。3人が立て続けに脅威を叩きつけてくるとしたら、(他が何もしないなら)3枚は防御用のカードが必要となる。
なので、基本的には勝ちを目指してブッパ気味に動いた方が上手くいく。妨害よりもマナ加速やドロー優先。

しかし例外はある。それは1枚で複数プレイヤーの遅延が期待できる場合。
「むかつき」と「青茶」デッキがいる場合には《耕作/Cultivate》よりも《三なる宝球/Trinisphere》を優先してキャストした方がいいし、5色3色ばかりの場なら《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》より《月の大魔術師/Magus of the Moon》を先に置いた方がいい。



☆妨害の構え方
基本的な妨害の構え方。これまた自分基準。

例えば手札に《空色のダイアモンド/Sky Diamond》《対抗呪文/Counterspell》があって、島が2枚立っている状況。そこでダイアモンドをキャストするのが正解かどうか。
これは、ターン進行や盤面によって変わってくるものだと思っている。
2T目ならば、最序盤における1マナの加速は非常に重要だし、そうそう致命的な事にはならないのでダイアキャスト。
すっかりマナベースも整い、前のターンに《Demonic Tutor》まで撃たれているような状況ならば1マナの加速のためだけに危険を冒す訳にはいかないので対抗呪文構え。

上のような例ならば簡単なのだがそうもいかないのが実戦なので、あとは個人個人で頭をひねったり経験したりして身に着けていく必要がある。
例えば終盤戦で残りマナベースが島2枚、手札に《対抗呪文/Counterspell》《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》とあって《友なる石/Fellwar Stone》なら?
その友なる石の1マナが、次ターンコンボスタートを確実にする1マナだったとしたら? 友なる石ではなくて《精神石/Mind Stone》だったら?
そんな判断に迷いそうなカツカツの状況は、意外と頻繁に訪れる。妨害の扱いは難しいが、それがゲームの楽しい所だとは思う。



大体こんな感じ。
思い付くまま垂れ流してるからまとまりは無いかも知れませんが。

コメント

ジオン軍
2013年11月30日2:53

うちの身内はサーチ→コンボばっかりなんで妨害特化で組んでますね・・・・

《隠遁ドルイド》以外に現実的な勝ち手段が無いデッキとか持ってる奴さえいます

かっこかり
2013年11月30日20:11

>ジオン軍さん
やっぱり周りの速度や意識するデッキによって妨害は増減しますよね。

脆い高速デッキが多い→妨害が有効なので増える
同じくらいの速度のデッキが群雄割拠→自分が前に出た方が手っ取り早いので妨害減らして加速
マスデス多めの遅いデッキ中心(語弊を恐れず書くならカジュアル寄りと言われるような環境)→手堅いアドカードに走るか、速度で他を置いていくか

みたいな。

>《隠遁ドルイド》以外に現実的な勝ち手段が無いデッキ
レガシーのベルチャーみたいな一発芸で、これはこれで楽しそうですねw

ジオン軍
2013年11月30日20:43

>>《隠遁ドルイド》

ライブラリーを全部墓地に→ナルコメーバ・命運縫い・隠遁ドルイドを餌にドレッドリターン→トリスケウーズで勝ち

というルートです。

ドルイドを全力でサーチ・保護するためジェネラルは始祖ドラになっていますがニヴ好奇心のセットは入っていないので実質的に隠遁ドルイド以外で勝てないそうです

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索