《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》のデッキの動きが変わり、それに伴って改めてドローを見直している際に思った事。


デッキに採用されている《知識の渇望/Thirst for Knowledge》。
デッキに採用されず、候補に挙がるものの微妙なラインにあり続ける《強迫的な研究/Compulsive Research》。
この違いはなんなのか。


☆共通点は、どちらも「カードを3枚引き、条件付きの1枚、あるいはなんでもいいので2枚捨てる」という効果。

違う部分として真っ先に思い浮かぶのはキャストできるタイミング。
知識の渇望はインスタント、脅迫的な研究はソーサリー。この時点で知識の渇望は優先されるのはまあ仕方ない。

しかしそのタイミングの差だけにしては、脅迫的な研究に対する評価や使った印象が悪すぎる気がする。
その事に気が付いて考えてみたのが、「《知識の渇望/Thirst for Knowledge》のソーサリー版があったら」という事だ。
その結果、自分はそのカードをかなり高い優先度で採用するだろう、と思った。

EDHでは一般のレギュレーションに比べてドローがソーサリーで困る事が少ない。これは、土地以外のマナソースが多く採用されがちで、ソーサリータイミングで加速する要素が多い事の影響が大きい。上家のターンエンドを待ってドローを撃つと、これらの加速が1ターン遅れてしまう。そのため、妨害カードを構えるマナがある、あるいはそもそも手札に妨害がない場合には、ドローのためにマナを使ってしまった方が良い場合が多い。
なので、少なくともドロースペルに関してはインスタントとソーサリーの差は他より小さい。




☆だから、《強迫的な研究/Compulsive Research》の最も大きな欠点はキャスト出来るタイミングではなく、捨てるカードの違いにあると自分は結論付けた。

3マナのドローに求められる効果は、「序盤戦のマナベースの安定補助」「中盤に手ごろなマナで手札を増やす」「終盤にフィニッシュカード・パワーカードを見つける」といった所。
その観点から考えると、《強迫的な研究/Compulsive Research》は、アドを得るためには土地を捨てる必要があるという性質上、

・序盤は、土地が大事なのでアドを得られず手札調整のみ
・中盤は、手札は増えるが土地が詰まりがちになり、増えた手札を吐き出し難い
・終盤はとにかく枚数見るのが大事なので捨てるカードはなんでもいい

と、序盤と中盤で加速を圧迫しがちになる。
これがもし《知識の渇望/Thirst for Knowledge》形式だったら、

・序盤は、引いた土地を手札に確保出来るので土地セットを安定させられる
(マナファクトもマナソースだが、基本的にマナがかかったりアドを失ったりリスクがある。土地セットに加えて行う分にはいい行動だが、土地セットを捨ててまで取られる選択肢ではない。過剰でなければ大体土地の方が優秀。
そもそも茶色を引かなかった場合でも、つまりそれは「今はキャスト出来ないスペルを引いている」か「過剰に土地を引いた」という事であり、捨てても動きが鈍る心配はない。そして前者のパターンは脅迫的な研究でも同じ動きになる。(土地重スペル重スペルと引けばスペル2枚切る)結局研究が勝るのは土地を過剰に引くパターンだけ)
・中盤は、研究ほどではないが手札を増やしやすく、序盤と同じ理由で手札を吐き出しやすい。同等かちょっと勝る程度の使い勝手だろうか。
・終盤は枚数よりもパワーが大事なので大差はないので研究と同等

といった感じになる。
特に序盤の差が顕著で、「細かくアドを得つつ手札を調整したいのに、そういう行動をすると事故る」という扱いにくさが目立つ。




☆《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》といった土地1枚から大きく加速出来るカードのおかげで、EDHのデッキは土地が絞られがちになってしまうのも影響が大きいだろう。
《強迫的な研究/Compulsive Research》が活躍した時代のスタンダードデッキを思い返してみれば、バランス的にEDH換算で36~39枚程度の分量であった。

これくらいの土地を投入でき、かつバランスよく動くデッキならば《強迫的な研究/Compulsive Research》も十分な仕事をしてくれるのだろう。しかし逆説的に言うと、1/99のドローカードがなければマナフラ気味になってしまうようなバランス、とも言える。
やはり安定したドローカードとは言えなそうだ。



そんな訳で、書いてある事は強そう、というか《知識の渇望/Thirst for Knowledge》にそっくりなんだけど、使い勝手となると大きく違いそうである。




結論:新たなるファイレクシアへの回帰とかで《知識の渇望/Thirst for Knowledge》ソーサリー版の新カードをはよ。

コメント

ジオン軍
2013年9月25日3:27

・ω・っ《グリッドの脈動》

かっこかり
2013年9月25日20:10

>ジオン軍さん
《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》も確かに似た性質(基本手札の枚数は変わらないが、条件付きで+1になる3マナ)のドローですね。

ドロー自体としての性質に関しては、少なくとも自分のデッキでは《強迫的な研究/Compulsive Research》よりも望ましくないと判断しました。
理由は、「引ける(新しく見れる)枚数が記事で挙げたものより1枚少ない2枚であるため選択肢がせまくなる」「手札が増えるパターンの場合、擬似的に脈動自身を3枚目のカードとして引いたのと同様の状況になるのですが、多くの場合、ドローを撃ったタイミングで新たに3マナドローを引いても嬉しくない(ドローは手札を使い切ってマナが余る辺りで引けるのが最適。手札が増えてそれを使いたいタイミングではドローはいらない)」という点にあります。

ただし、他の大きなアクションをした上で3マナドローを繰り返し撃てるくらいにマナが大きく余る状況ならば擬似的にドローカードを引き続ける効果が活きるので、そういった、手札は乏しいがマナフラッド上等なタイプのデッキがあれば好相性かとは思います。
また、インスタントである点に需要があるデッキ(他のインスタントを構えがちで、暇な所でドローに移行出来る)ならば採用されそうです。例えば《熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept》とか?

この辺りのドロースペルは頭一つ抜きんでた《知識の渇望/Thirst for Knowledge》以外はどれもいい感じにバランスが絶妙で選択肢が難しいです。このマナ域だと《予言/Divination》すら選択肢に入っていますw

いやマジで。新たに見れる枚数は2枚なのですが、確実に手札が1枚増えるのは強迫的な研究に勝る点だったりするので。
その引いた2枚が理想的なカードなら強迫的な研究以上という事ですし。土地が大事で土地+スペルと手札に残したい序盤なんかは特に予言が活きます。

地割れ
2013年9月25日21:55

・《妖精からの助言/Advice from the Fae》
無色マナのみでも唱えられて、5枚見て手札が2枚増えるという超強いカード。

・《瞑想/Meditate》
3マナ4ドローと《予言/Divination》や《連絡/Tidings》を鼻で笑う超強いカード。

・《金言/Words of Wisdom》
インスタント2マナ2ドローと《知識の渇望/Thirst for Knowledge》を超え得る超強いカード。


ごめんなさい、2~3マナの青ドローを調べてもネタに走るしかないカードしか見つけられませんでした……

かっこかりさんのデッキだと、土地限界ギリギリな感じなので《強迫的な研究/Compulsive Research》は強い動きが出来なさそうな印象です。《予言/Divination》とか《空民の助言/Counsel of the Soratami》はなんだかんだでそれなりのマナで手札増やせる良いカードですよね。

かっこかり
2013年9月25日22:03

>千代さん
実は《金言/Words of Wisdom》は真面目に投入を考えてもいるのですよ……。

追加ターン連打中は対戦相手のアンタップステップがこないので相手の手札利用を抑えられるので、追加ターンや展開後の手札リセットと組み合わせる事でリスクを抑えられるという理論です。電波とも言います。

一年近く前にもこんな事を書いてたりw
kakkokari.diarynote.jp/201211021355379251/
むしろ当時よりも追加ターン多めな今のデッキの方が旬な気すらしてきましたw

ヴェンセールの亡霊
2013年9月25日22:42

《物読み/Thoughtcast》はどうですか?

地割れ
2013年9月25日22:49

記事読ませて頂きました。
《企業秘密/Trade Secrets》が駄目すぎるということが分かりました(えっ

基本的には自分が一番得をするので、良く見ればそんなに悪くないカードですね。
おっしゃる通り、手札回転がバンバン飛ぶ環境ではキャントリップ効果なんて微々たるものですし。
対応してチューターで妨害詰まれるとちょっと困るとか、細かな所で弱点はありそうですが。

かっこかり
2013年9月25日23:08

>ヴェンセールの亡霊さん
中盤以降、2マナ以下になった辺りだと中々なのですが、その時間帯だと「もう少し重くてもいいから枚数引きたい」となっている事が多いのがちょっと残念です。
もちろん、それでもマナを大きく残して手札を増やせるので充分強いですが。軽いのは追加ターンと非常に相性がよいので強力な1枚となるでしょう。

しかし一番軽い手札ドローが重要な序盤に4~5マナでそもそも撃てない状態に陥る点がよろしくないです。
有利な状況を後押しはするけれども不利な状況では役立たず、というカードを多めに入れるのは逆転の目が消えてしまうのであまり好きではないのです。(もちろん逆転カードだけだと有利が安定しないので、その辺はバランスなのですが)


>千代さん
次の統率者セットで《企業秘密/Trade Secrets》の繰り返しなくした奴はよ。

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