先ごろ誕生日を迎えたzamaくん(おめでとう)の日記の真空圧くんのコメントで、自分が年齢詐称だとか書かれていたのでちょっと年相応に昔話でも。
普段の記事と違ってEDHとか関係ないけど、個別のカードに対する小話をちょこちょこと。
・《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《Black Lotus》のリメイク。
最初にテンペストを買った時、コレを見て「弱い。弱すぎる」と友人と話していた。
当時はカードリストもあまり知らないが、それでも《Black Lotus》という有名カードの性能は知っていて、さらに手札1枚で2マナ増やせる《暗黒の儀式/Dark Ritual》がお手頃な便利コモンとして存在していたので、0マナで1マナしか増えないこれのどこが強いのか分からなかった。いくら全色で使えるからって効率半分はねーよ、みたいな。
・《渦まく知識/Brainstorm》
《Ancestral Recall》のリメイク。
最初に見た時は微妙だと思っていたし、実際に使ってみてもそこまで強いカードでもなかった。3枚引けるとは言え結局その後2ターンは詰み込んだカードを引かされるのだから強いはずがない。
ICE・MIR時代は、その欠点を失くした《衝動/Impulse》の方が、例え倍のマナコストでもよっぽど強くてよく採用されていたほどだ。
これはMMQでの再録時も変わらず、そこまで強力なカードとはみなされていなかったように思う。実際自分もまともにデッキに採用した事はなかった。ゼロックス理論(2枚見れる1マナドロー2枚入れたら土地1枚削れる)が採用された当時の青単ゼロックスデッキですら、名前に冠されているのはもう1種の1マナドロー、《選択/Opt》だった。
このいぶし銀的コモンを凶悪カードに押し上げられるのは、ONSでのフェッチランド登場を待たねばならない。
・《スランの発電機/Thran Dynamo》
1999年の世界選手権を制したカイ・ブッディの赤茶単から、補充デッキが出る前のトップメタの一角だった青茶単(補充デッキ登場後はスタンダードな構成では補充に勝てなくなり、カウンター増量の結果ダイナモは抜かれる事となる)まで、長らく活躍した優良マナ加速。
特にマスクス発売時の青茶単では、《マスティコア/Masticore》《変異種/Morphling》《不実/Treachery》《天才のひらめき/Stroke of Genius》といった重スペルを毎ターンキャストして行けるという点で、一度出てしまえば使い切りの《厳かなモノリス/Grim Monolith》よりもよっぽど頼りになった。
結果、当時の友人と交わされた会話。
「ダイナモって強過ぎね? モノリスよりヤバくね?」
「じゃあモノリスみたくアンタップ制限付けよう」
「厳かなモノリスって昔あった何とかモノリスのリメイクなんでしょ? 設置・アンタップが3・3の奴」
「そうそう。モノリスは2・4に変えられたんだよ」
「それならダイナモはマナコストが4だから……」
「当然4・2で」
「確かに3マナ使ったら2マナ払わなきゃアンタップしないって感じに毎ターン2マナ縛られるならちょっとは使いにくくなるかも」
「3マナ出るけど実質1マナしか増えてないから妥当でしょ」
「……あれ? でもそれって1マナ足せばもう1回3マナ使えない?」
「ん? ああ、確かに3マナ出して2マナでアンタップで……」
「「…………え? ん???」」
ちなみに二人とも寝不足でした。
・《対抗呪文/Counterspell》
当時の自分たちのグループが手軽に買う事の出来た最初のセットは第4版日本語版だった。しかもその資金は子供のお小遣い。そのためレアは環境に0~2枚程度が当たり前、アンコモンですら環境全体で4枚揃っている事は多くはなかった。なにしろ開始数か月でようやく4thのカードリストを手に入れるようなレベルの情報不足だったのだ。
そんな自分たちにとっては《対抗呪文/Counterspell》は高嶺の花。雑誌でも頻繁に名前を見る強力なカウンターカードは憧れの1枚だった。
そんな折、グループの友人が連れて来た県南の友人。彼はICEという未知のカードセットを多量に含んだデッキを持ち込んできた。
多くの強力カードに自分達は驚いた。
《ほくちの壁/Tinder Wall》《オークの木こり/Orcish Lumberjack》という異常な高率のマナ加速。
《Folk of the Pines》《Shambling Strider》といったマナ効率の高い緑のファッティ。(当時の自分たちの基準は《大喰らいのワーム/Craw Wurm》《ダークウッドの猪/Durkwood Boars》が大物扱いだったのだから推して知るべしである)
《火葬/Incinerate》《Fyndhorn Elves》というデッキの《稲妻/Lightning Bolt》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を実質8枚体制に出来る凶悪カード。
そうしてそれと共に一番驚かされたのが「《対抗呪文/Counterspell》がコモン!」という事実であった。
友人たちと口をそろえて「アイスエイジつえー!!! 欲しいー!!」って話していた。おおらかな時代だったのだ。
ちなみに《対抗呪文/Counterspell》なみに驚かれたのが、《Moor Fiend》という《沼の悪霊/Bog Wraith》の同型再販がコモンであるという事であった。当時の自分たちのプールだと、《沼の悪霊/Bog Wraith》は十分一線級だったのだ。
・《森の知恵/Sylvan Library》
昨今のレガシーの緑デッキではかなりの採用率を誇るカード。
これも最初見た時には微妙な扱いだった。当時の緑と言えば、クリーチャーで殴る色の代表格。「そんな殴りデッキの方向性とはずれたカードを引くカードなんて。それなら《灰色熊/Grizzly Bears》の方が十倍強い」と自分たちの中での採用は控えめだった。採用されてもレアで入手率が低い事もあって、空いた枠に入れられるお守りカード扱い。
これもまた、フェッチランドの登場で強力な本性を現したカードなんだろうね。
・《灰色熊/Grizzly Bears》
上で引き合いに出されてるけど、当時のそれは決して今の感覚みたいに「こんな弱い熊くんよりも弱いカードなんて使わないよ」って意味の皮肉な発言ではなく、「そんな奇をてらったかーどより、一線級の小型クリーチャーである灰色熊みたいな定番カードを増やした方が強い」という至極真面目な意見だった。
そして知るICE収録の《Balduvian Bears》の存在。そしてますます過熱する「強力セットアイスエイジ」への憧れ。
おおらかな時代だった。
・《石臼/Millstone》
2つ上でお守りカードって単語が出てるけど、(実際そう呼んでいたわけじゃないけど)カードが足りない関係上、当時の自分たちのデッキには1枚挿しが結構多かった。
その最たるものがこのカード。
日本語訳された海外のMTG書籍に書いていた『デッキに勝利のプランは複数持っていた方が強い。1つが潰されてもサブプランで勝てる』という言葉をおかしな方向で真に受けた結果、石臼1枚挿しが大人気にw
『レアカードってのは珍しいんだから強いはず』っていう間違った認識もこの作戦の流行に拍車をかけていた。
・《セラの天使/Serra Angel》《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
本当に強く、人気のカードだった。
なにしろ《ダークウッドの猪/Durkwood Boars》が一線級、《大気の精霊/Air Elemental》がチート性能扱いされるような環境だったからね。
《セラの天使/Serra Angel》と《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をトレードしてもらった事もあった。もちろんちょっとした便利コモン(《灰色熊/Grizzly Bears》《血の渇き/Blood Lust》レベル)を2枚ほどおまけに付けてもらったけど。
……あ、おまけを付けたのはもちろん円盤を出した側ね。
今だとどう見てもシャークトレードだが、当時は互いに納得してのトレードだった。それどころかこのレートだとセラ天側が「ちょっとおまけして安めに出してあげた」レベルという。
とっぱつで思い出してごちゃごちゃ書いてみたけど、また暇だったらこういう話も書くかもね。
なかなかこういう思い出話を記録する機会とかないし。
普段の記事と違ってEDHとか関係ないけど、個別のカードに対する小話をちょこちょこと。
・《水蓮の花びら/Lotus Petal》
《Black Lotus》のリメイク。
最初にテンペストを買った時、コレを見て「弱い。弱すぎる」と友人と話していた。
当時はカードリストもあまり知らないが、それでも《Black Lotus》という有名カードの性能は知っていて、さらに手札1枚で2マナ増やせる《暗黒の儀式/Dark Ritual》がお手頃な便利コモンとして存在していたので、0マナで1マナしか増えないこれのどこが強いのか分からなかった。いくら全色で使えるからって効率半分はねーよ、みたいな。
・《渦まく知識/Brainstorm》
《Ancestral Recall》のリメイク。
最初に見た時は微妙だと思っていたし、実際に使ってみてもそこまで強いカードでもなかった。3枚引けるとは言え結局その後2ターンは詰み込んだカードを引かされるのだから強いはずがない。
ICE・MIR時代は、その欠点を失くした《衝動/Impulse》の方が、例え倍のマナコストでもよっぽど強くてよく採用されていたほどだ。
これはMMQでの再録時も変わらず、そこまで強力なカードとはみなされていなかったように思う。実際自分もまともにデッキに採用した事はなかった。ゼロックス理論(2枚見れる1マナドロー2枚入れたら土地1枚削れる)が採用された当時の青単ゼロックスデッキですら、名前に冠されているのはもう1種の1マナドロー、《選択/Opt》だった。
このいぶし銀的コモンを凶悪カードに押し上げられるのは、ONSでのフェッチランド登場を待たねばならない。
・《スランの発電機/Thran Dynamo》
1999年の世界選手権を制したカイ・ブッディの赤茶単から、補充デッキが出る前のトップメタの一角だった青茶単(補充デッキ登場後はスタンダードな構成では補充に勝てなくなり、カウンター増量の結果ダイナモは抜かれる事となる)まで、長らく活躍した優良マナ加速。
特にマスクス発売時の青茶単では、《マスティコア/Masticore》《変異種/Morphling》《不実/Treachery》《天才のひらめき/Stroke of Genius》といった重スペルを毎ターンキャストして行けるという点で、一度出てしまえば使い切りの《厳かなモノリス/Grim Monolith》よりもよっぽど頼りになった。
結果、当時の友人と交わされた会話。
「ダイナモって強過ぎね? モノリスよりヤバくね?」
「じゃあモノリスみたくアンタップ制限付けよう」
「厳かなモノリスって昔あった何とかモノリスのリメイクなんでしょ? 設置・アンタップが3・3の奴」
「そうそう。モノリスは2・4に変えられたんだよ」
「それならダイナモはマナコストが4だから……」
「当然4・2で」
「確かに3マナ使ったら2マナ払わなきゃアンタップしないって感じに毎ターン2マナ縛られるならちょっとは使いにくくなるかも」
「3マナ出るけど実質1マナしか増えてないから妥当でしょ」
「……あれ? でもそれって1マナ足せばもう1回3マナ使えない?」
「ん? ああ、確かに3マナ出して2マナでアンタップで……」
「「…………え? ん???」」
ちなみに二人とも寝不足でした。
・《対抗呪文/Counterspell》
当時の自分たちのグループが手軽に買う事の出来た最初のセットは第4版日本語版だった。しかもその資金は子供のお小遣い。そのためレアは環境に0~2枚程度が当たり前、アンコモンですら環境全体で4枚揃っている事は多くはなかった。なにしろ開始数か月でようやく4thのカードリストを手に入れるようなレベルの情報不足だったのだ。
そんな自分たちにとっては《対抗呪文/Counterspell》は高嶺の花。雑誌でも頻繁に名前を見る強力なカウンターカードは憧れの1枚だった。
そんな折、グループの友人が連れて来た県南の友人。彼はICEという未知のカードセットを多量に含んだデッキを持ち込んできた。
多くの強力カードに自分達は驚いた。
《ほくちの壁/Tinder Wall》《オークの木こり/Orcish Lumberjack》という異常な高率のマナ加速。
《Folk of the Pines》《Shambling Strider》といったマナ効率の高い緑のファッティ。(当時の自分たちの基準は《大喰らいのワーム/Craw Wurm》《ダークウッドの猪/Durkwood Boars》が大物扱いだったのだから推して知るべしである)
《火葬/Incinerate》《Fyndhorn Elves》というデッキの《稲妻/Lightning Bolt》《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を実質8枚体制に出来る凶悪カード。
そうしてそれと共に一番驚かされたのが「《対抗呪文/Counterspell》がコモン!」という事実であった。
友人たちと口をそろえて「アイスエイジつえー!!! 欲しいー!!」って話していた。おおらかな時代だったのだ。
ちなみに《対抗呪文/Counterspell》なみに驚かれたのが、《Moor Fiend》という《沼の悪霊/Bog Wraith》の同型再販がコモンであるという事であった。当時の自分たちのプールだと、《沼の悪霊/Bog Wraith》は十分一線級だったのだ。
・《森の知恵/Sylvan Library》
昨今のレガシーの緑デッキではかなりの採用率を誇るカード。
これも最初見た時には微妙な扱いだった。当時の緑と言えば、クリーチャーで殴る色の代表格。「そんな殴りデッキの方向性とはずれたカードを引くカードなんて。それなら《灰色熊/Grizzly Bears》の方が十倍強い」と自分たちの中での採用は控えめだった。採用されてもレアで入手率が低い事もあって、空いた枠に入れられるお守りカード扱い。
これもまた、フェッチランドの登場で強力な本性を現したカードなんだろうね。
・《灰色熊/Grizzly Bears》
上で引き合いに出されてるけど、当時のそれは決して今の感覚みたいに「こんな弱い熊くんよりも弱いカードなんて使わないよ」って意味の皮肉な発言ではなく、「そんな奇をてらったかーどより、一線級の小型クリーチャーである灰色熊みたいな定番カードを増やした方が強い」という至極真面目な意見だった。
そして知るICE収録の《Balduvian Bears》の存在。そしてますます過熱する「強力セットアイスエイジ」への憧れ。
おおらかな時代だった。
・《石臼/Millstone》
2つ上でお守りカードって単語が出てるけど、(実際そう呼んでいたわけじゃないけど)カードが足りない関係上、当時の自分たちのデッキには1枚挿しが結構多かった。
その最たるものがこのカード。
日本語訳された海外のMTG書籍に書いていた『デッキに勝利のプランは複数持っていた方が強い。1つが潰されてもサブプランで勝てる』という言葉をおかしな方向で真に受けた結果、石臼1枚挿しが大人気にw
『レアカードってのは珍しいんだから強いはず』っていう間違った認識もこの作戦の流行に拍車をかけていた。
・《セラの天使/Serra Angel》《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》
本当に強く、人気のカードだった。
なにしろ《ダークウッドの猪/Durkwood Boars》が一線級、《大気の精霊/Air Elemental》がチート性能扱いされるような環境だったからね。
《セラの天使/Serra Angel》と《ネビニラルの円盤/Nevinyrral’s Disk》をトレードしてもらった事もあった。もちろんちょっとした便利コモン(《灰色熊/Grizzly Bears》《血の渇き/Blood Lust》レベル)を2枚ほどおまけに付けてもらったけど。
……あ、おまけを付けたのはもちろん円盤を出した側ね。
今だとどう見てもシャークトレードだが、当時は互いに納得してのトレードだった。それどころかこのレートだとセラ天側が「ちょっとおまけして安めに出してあげた」レベルという。
とっぱつで思い出してごちゃごちゃ書いてみたけど、また暇だったらこういう話も書くかもね。
なかなかこういう思い出話を記録する機会とかないし。
コメント
カードパワーとかレアリティーとかを見ていると、色々隔世の感がありますよねー。
やっぱり最初の頃のカードってのは印象強いみたいで、石臼というと、今でも当時の暗い色したKaja Foglio絵のイメージが色濃いですw