巷じゃ「クソゲー発生装置だからさっさと禁止にしろ」なんて声もよく聞く強力なカード、《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》。

クソゲーになるのは誰かがコピーすると容易にタイマン《企業秘密/Trade Secrets》状態になっちゃうからってのも大きいんだけど、コイツ自身のカードパワーの高さもそのクソ扱いに一役買っている。
もしもデッキに入れられないくらいにカードパワーが低かったらそもそもキャストされないんだから、これだけクソゲークソゲー言われる事にはならないだろう。
単体で出しても1周回すだけで6枚のカードが手に入り、《Timetwister》系と合わせると本来の7倍ものドローを呼び込むこのカードは、確かにキャスティング・コストの6マナを大きく上回る、まさにエンドカードとなり得るパワーを持っているだろう。



……なんだけど最近、デッキの中に入っている《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》が重い。引いて嬉しいタイミングも少ないし、率先してキャストしたいタイミングも少ない。キャストした場合だって、6マナに見合った戦果を挙げて帰ってくる事も稀だ。

強い事しか書いてないし、確かに強いはずなのだけれど活躍していない。
それに気づいて最近の対戦記録を見返した所、ここ3か月くらい《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》+手札リセットでフィニッシュしていない事が判明した。

これは、フィニッシュパターンが増えた結果、その場で決めるには合計9マナからかかり、しかも同程度のマナをスタートに使う《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》に比べて受けの少ない聖スフィフィニッシュに頼るまで長引く状況が非常に少なくなった事が原因と思われる。
フィニッシュパターンは多い方が手早くゲームを決めに行けて強いのだが、他のコンボに始動の速さや容易さで劣るコンボを多く積んでも仕方がない。始動できないコンボはコンボパーツとして仕事はせず、無駄牌になるだけである。

つまり現在、自分のデッキにおける聖スフィはコンボパーツとしての価値は非常に低くなっていると言える。



では、単体のカードとしての性能はどうだろう?
思い返してみると、これがまた微妙な感じになってきている。

6マナ・ソーサリータイミングのドローカードに期待するのは7ドロークラスのパワー。他のドローカードと比較しても、最低で5、6枚は期待出来ないと役立たず扱いされても仕方がない。

しかし《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》が6枚のカードを引くためには3回も「アンタップステップを挟んだ」対戦相手のターンを跨ぐ必要があり、そんなに長い間生き残らせる事は結構難しい。
相手のドローを実質封じる能力があるので、ドローカードで除去を探す事を禁止する形での除去耐性はあるが、誰かの手札に1枚でも除去が残っていればその場で死亡。6マナ払って1枚も引けずに死亡。テンポ損、アド損なんてもんじゃない損失である。

始動の遅さで敬遠されている《ジェイスの文書管理人/Jace’s Archivist》ほどではないが、聖スフィも最低でも1回は対戦相手のアンタップステップを挟まなければ1枚もカードを引けない遅さがあるのだ。

もちろん無事生き残れば非常に凶悪なドローエンジンと化すのだが、しかしその博打に6マナという投資は重すぎる。ハイリスクハイリターンが極端すぎて、安定性に不安が残る。

その上、無事リターンを取れたとしても、それはドローカードに6マナという大量投資をした末の結果。
ドローの開始が相手ターンに回ってからなせいでもしマナが余っていてもインスタント以外はプレイできず、実質的に丸々1ターン分のアクションを失ったも同然というのはよろしくない。




そんな訳で、非常に強いカードだとは思っているんだけど《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》を抜く事にした。

代わりの候補として最初に挙がったのは《繰り返すひらめき/Recurring Insight》。
同じマナコスト帯ながら、キャスト時点である程度のカードが期待出来るので、聖スフィほどのリスクは背負わない。
対戦相手の内1人が3~4枚の手札を確保していれば、2ターンかかるものの総計で6マナのドローカードに求められるだけの仕事は可能なので、「ミドルリスクミドルリターンなこちらの方が強い」という結論に達した。



その上でさらにもう一歩。
6マナだと、結局ある程度の助走をつけた状態からでないと撃てない必殺技にならざるを得ない。小回りが利かないのはよろしくないと自分は考えた。
7ドロー以外のドローに求めているのはデッキの潤滑油。重いドローでタップアウトして、大量の手札を持て余すのは本意ではない。
安定性があがっても、これでは聖スフィの時に感じていた不満の半分は残ったままである。

そんな訳で、その枠には軽めのドローを入れる事にした。
候補として《強迫的な研究/Compulsive Research》、《衝動/Impulse》、《選択/Opt》辺りが真っ先に上がり、最終的には《衝動/Impulse》を採用する事にした。
「マナ:見られる枚数」の効率が非常に良いためにデッキの潤滑剤としては理想的であり、今後よく見るであろう概念泥棒を無視するドローカードである点も大きく評価した。



もう1枚、別の理由で交換した、これまでデッキに定番として残り続けていたカードがあるんだけど、とりあえずそれに関しては次の日記で。
早起きできたら明日の朝にでも書こうと思う。

コメント

いろはす
2013年4月27日23:25

個人的には寺院の鐘で爆アド認識なんですが…
やはり、ジェネラルの差が構築によって出ますね

真空圧
2013年4月28日2:51

聖スフィは自分も弱い?というかデッキに入れるほどでもないなーって思ってます
クソみたいに重いし...
代わりに入れるもんもないから積んでるけど、概念泥棒があったら青黒はみんなそっちにしそうですねー

かっこかり
2013年4月28日6:22

>黒色水蓮さん
確かに寺院の鐘のような「任意のタイミングで、マナを使わずに対戦相手に引かせるカード」があれば「6マナも払って何もありませんでした」というリスクを大きく減らす事が出来ますね。
問題は、寺院の鐘以外で使用に耐えそうなカードがジェイスの文書管理人くらいしかいない事で、そのため多くのタイミングで大きなリスクを背負う羽目になってしまいます。もちろんモマベルなどコンボカードとしての役割が主なのでしょうが、寺院の鐘が単体でそこまで強いカードでない事もマイナス面です。
嵌れば爆アドなのですが、そのリスクの大きさがデッキの安定性を損なうと考えて自分のデッキからは抜けてきました。

モマベル搭載などで寺院の鐘を率先して持ってきたいような構成になっていて、カウンターや呪文滑り・稲妻のすね当てなどの聖スフィを守る手段が自然な形で大量に入っているのならば活かせるだろうとは考えています。

なんにせよ、一度動き出せば費用対効果は6マナとは思えないパワーがあるので、自分のデッキから抜いている今なおデッキに入れるだけの価値はあるカードであるとは思っています。



>真空圧くん
重さで言ったら緑始原体とかのがよっぽどなんだけど、CIPじゃないから確実に仕事出来る訳じゃない、というのが重さを助長しちゃってるんだよねー。

概念泥棒はちょっと重いけど単体でもエイヴンの思考検閲者みたいに使える所も非常にウザい。
聖スフィと比べた時の軽さと俊足のおかげでターンを無駄にするリスクがほとんどない、っていうのも素晴らしい。
しねばいいのに。

いろはす
2013年4月28日9:05

確かにアドが取れない事は稀にありますね…
ただ、自分のジェネラルがウーナなので
そちらに除去なりカウンターなりを撃ってくれれば
ラッキー程度に考えています
ベルの他には記憶の壺、御心がお供ですね
特にジャーは最大49枚ドローなので、コンボが確定しますw

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索