先週末に《クロウマト/Cromat》でむかつきデッキを組んできたのだが、ボコボコにされた。(http://kakkokari.diarynote.jp/201303022229481100/

デッキ自体は速度と止めにくさを備えたコンボを安定して繰り出せるもので、対戦相手からすれば怖いものだと思う。
打消し以外に有効な解答が少なく、青いデッキ(と一部《沈黙/Silence》などを積んだ白いデッキ)以外ではまともに止める方法もないはず。

デッキの動きも概ね想定通り、3、4ターン目にカウンター以外で対処出来ない勝ち手段を叩きつけるための動きは出来ていた……のだが、それでも様々な事情で勝ちきれず、結果は6戦1勝。



☆どうしてこうなったのか
デッキ組みたてでレシピは荒いし、対戦回数としてはそこまで多くはなかったが、それでもデッキの動きが単純なのもあって敗因は結構分かりやすかった。
なので、理論上はちょー強いデッキであるむかつきが勝ち切れなかった、その理由でもつらつら書いていこうかな、と。
結論から言ってしまうと対戦相手の組み合わせな訳ですが。詳細を挙げると大きく2点。



・卓内のカウンターの量
自分以外の3人ともが、カウンターを有する青いデッキだった。
カウンターは、むかつきを止める事が出来るほとんど唯一の他のタイプのデッキ相手でも強力な汎用性の高いカードタイプで、それを3人とも握っている可能性がある、という対戦環境がよくなかった。

厳密な意味で比較的軽いマナのカード1枚で速攻勝ちに行けるデッキが自分だけ(擬態の原形質も《生き埋め/Buried Alive》1枚で勝てるが、それだと生き埋め+ジェネラルキャストで8マナかかる。もちろんリアニカードがあればもっと軽いが、2枚コンボになるので揃えにくい)で、全員が本当に致命的なカードを見るまでは1枚カウンターを手札に残したい思考が働いたせいで、なかなか《むかつき/Ad Nauseam》を通しに行く事が出来なかった。

これに対処する方法としては、《沈黙/Silence》や《否定の契約/Pact of Negation》などのカウンターを余計に使わせるカードを手札に仕込んでからコンボスタートする、というものがある。
「《むかつき/Ad Nauseam》+打消し強制カード」を集める2枚コンボ的な動きをするためコンボスタートは遅くなるのだが、その分カウンターが目減りしてくれる可能性も増えるので、環境に対する相性は非常に良い。

しかしそう上手くいかないのが実際の所。次項の要素がこの動きの邪魔をする。




・手札リセットの量
赤青である旧ニヴが特にそうであったのだが、《Timetwister》や《Wheel of Fortune》をはじめとする手札リセットが豊富だったのがむかつきには向かい風だった。

《むかつき/Ad Nauseam》1枚、あるいはチューター1枚で勝てるデッキで、それらのカードも多めに入っているため、新たな7枚にチューターが入っている事も多いのだが、それはあくまで「多い」というだけの話。
パリマリで埋めまくって13~18枚の中にあるAdに繋がる初手を作るデッキなので、”たかだか7枚”の新しい手札に必要カードが入ってくるというのは実はそこまで安定しない。
デッキ的には適当な初手でゲームをやり直しさせられる事になり、最初の数ターンが重要なデッキにも拘らず運ゲーを強いられるという困った事態となる。

デッキの構成がAd関連とマナ加速でほとんど埋まっていて、まともにボードに影響を与えるパーマネントが並ばないデッキである事も向かい風だ。
他のデッキが互いに「マナベースやアド源を並べる→手札リセット」の流れでアドを稼いでいく中、むかつき側はマナベースを伸ばせるのはともかく「アドを失ってAdに辿り着く準備をする」という、手札の中だけで完結した動きをしているので、そこに手札リセットが刺される事によりその分のテンポが丸々奪われるだけとなってしまう。

環境の高速化も悪影響だ。
高速化した手札リセットを主軸に置いたデッキは、2~4ターン目あたりに手札を吐ききって手札リセットを撃ってくる。
《暗黒の儀式/Dark Ritual》を抱えて次ターン勝ちに行ける形で2ターン目に《Demonic Tutor》を撃っても手札リセットで土地2枚並んでるだけの状況からやり直し。3ターン目に《裏切り者の都/City of Traitors》を抱えつつ《吸血の教示者/Vampiric Tutor》を構えてみても《Timetwister》でやり直し。《Wheel of Fortune》に合わせて《神秘の教示者/Mystical Tutor》を撃ったらすぐさま《意外な授かり物/Windfall》を飛んできた、なんて事もあった。
むかつきが勝ち手段であるAdを撃つために必要なのはたったの5マナとかなり軽いのだが、それでも《Timetwister》よりは重い。相手が手札リセットで手札を回復させる前に5マナとAdを揃えて決めるのは、意外と困難なのだ。

さらには、上の項で書いていた《沈黙/Silence》などを集めてAdを強引に通しに行くプランを潰されるのも痛い。
2枚のカードなんて集めている間に手札リセットが飛んで来る。そんな悠長なプランは許されない。
おまけに生でAdを撃ちに行こうとしても、自分が7枚引いてコンボスタートしてる向かいでカウンター入ってるデッキが総計21枚引いているのだから、止められる確率も自然と高くなる。



これら上記2つの要素が働いた結果、ボードではまともに優位を取る事も出来ない、どんなにパリマリしても安定して運ゲーを強いられるという雑魚デッキに成り下がってしまった。




☆どんな組み合わせなら良かったか
おおざっぱなデッキタイプとそれに対する相性を書いていくと、

・まともに妨害がない代わり、安定して早いターンで決めに行くデッキのため、同じような動きのくせに自分より早いハーミットは超苦手。

・青をメイン色にしたデッキの多くのデッキが手札リセットとカウンターを有しているため、青茶系とか青緑系とかは運の要素も絡むが若干苦手気味。

・カウンターはあるものの、構造的に手札リセットが少ないエドリックはまあそれなり。3~4ターン目時点のパンチ力は(そのままループに入る流れでなければ)たかが知れてるし。

・妨害要素は多いが、それでも確実にそれらが飛んで来るわけでもないし、動きも遅めである、《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》や《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War’s Wage》、《石のような静寂/Stony Silence》みたいな迷惑カードを多めに積んだ白系デッキはそこそこ得意。

・流石に3キル4キルは稀だし、構成上白系よりも妨害が少なくなりがちなので、打撃力と減速要素に注力した高速ビートダウン系は結構得意。

・手札リセットが少なく、始動もそこまで早くない青以外のコンボ系は得意。


こんな感じ。
感覚としては、一般的に単純に強いデッキとされるデッキの多くが苦手で、絡め手でそれらに追いつこうとする対抗デッキや、現在傍流となっているちょっと弱いデッキに対しては優位が取れる。
つまり弱い者いじめデッキ。なんとも切ない結論に至ってしまった。



☆デッキの立ち位置
青有するカウンターで止められ、手札リセットという青の基本動作で運ゲーを強いられるため、「ピン除去が効かない=青系以外には対処しにくい」代わりに「始動が1ターン遅く、ボードで王手をかけられない」ハーミットの亜種みたいな立ち位置という印象。

青系でなければまともに勝負にならないので全体的に青く、
(置物妨害中心デッキはフィニッシュが遅くてぐだった挙句に《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》などから脱出されてまくられる事が多く、ビートダウン系はピン除去で減速させられている間にコンボを叩きつけられる。非青系コンボは速度が大して変わらないくせにカウンターの有無のせいで安定性で劣る結果に)
コンボ対処兼ボード有利の奪い合いのため、ピン除去とカウンターが多めな自分の周囲の環境ではハーミットがまともに息が出来ていないので、それに代わるブッパ系コンボデッキとしてメタの考慮に入れられる事になりそう。






相性問題とか遭遇率とかいろいろ考えた末、自分の中では「結局最も勝率が安定しそうなのは青メインの丸いコンボデッキなのかなぁ」という結論に達した。

むかつきは、悪くはない、むしろかなり凶悪な強みのあるデッキだとは思うけど、現在の環境を壊すという程の事はなさそう。
青茶系、青緑系を中心としたこれまでの環境に刺さりつつも、それらのデッキを比較的とするせいでむしろ従来通りな青系優位の環境を後押ししそうだと思った。

コメント

ぎゃすたー
2013年3月8日23:26

>手札リセット
《Gustha’s Scepter》オススメ。《冥府の教示者/Infernal Tutor》暴勇させたり《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》からマナ使ったりと便利です。
枠に余裕あるなら入れていいと思いますよ。

かっこかり
2013年3月9日6:07

>ぎゃすたーさん
隠すのも出すのも1枚ずつ、どっちの挙動にもタップが必要ともっさりした感じがして敬遠していましたが、手札リセットからキーカードを1枚だけ逃がすならそこまで重くもないですしいいかも知れませんね。

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