《Force of Will》4積み、という訳にもいかないハイランダーなEDH、限られた枠の中でカウンターを厳選して選んでいる人達には釈迦に説法だろうけど、その辺のおさらい・考察的な事を書きつつ、自分のサーダ・アデールのカウンター判断基準とかを書いていきたい。


まず、デッキの勝ちに臨むスタイルと、それにあったカウンターについて。


☆自分から攻めるデッキ
むかつき、アングリーハーミット、生き埋めウーズなど、全体から見ても始動が早くなる事が多いであろう事が想像されるコンボは、必然的に自分のコンボパーツに対する妨害に対するカウンターが欲しくなる。

つまり、相手ターンにも動いてくるインスタントに対する備えの優先順位が上がり、逆にソーサリーやクリーチャーに対する優先順位が下がる。

また、アーティファクト、エンチャントなどの置物はコンボパーツと同程度かそれ以上に相手を減速させる目的で投入されているのものが多いので、それらを採用するような遅いデッキよりも警戒の度合いが上がる……が、最低限コンボに入る時にそれらの置物が除けられていれば問題ないので打消しで無理に対処する必要は薄い。むしろ打消しだと先置きされた場合に間に合わないのが辛い。

クリーチャーにも一部、ソーサリーにもごく少量、採用されがちな減速狙いのカードがあるので、完全に無視するのは良くない。特にCIPクリーチャーやソーサリーは除去では対処できないので。(とはいえ《Force of Will》のような優先的に入ってくる汎用カウンターもあるのであまり気にする事ではないが)

また、初動が早い関係上、こちらもマナがカツカツな事が多い。軽めの打ち消しが通常よりも価値を上げる。



・具体例
《払拭/Dispel》
特に似たカードである《被覆/Envelop》と比較して。自ターンのアクションを守るのが第一のためインスタントをより警戒。

《狼狽の嵐/Flusterstorm》
特に似たカードである《呪文貫き/Spell Pierce》と比較して。自分から攻めに行く過程で自分でストームを稼ぎやすく、攻める側なので置物対策が比較的薄くてもよい。

《誤った指図/Misdirection》《方向転換/Divert》《ミジウムの外皮/Mizzium Skin》《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》など
これらも軽さや自己防衛がメインの使い方になる点から攻める時に強い。

《否認/Negate》《徴用/Commandeer》など
自ターンのアクションに主眼が置かれるため、クリーチャーに対する警戒が薄くなり、クリーチャー以外に対処出来るこれらの評価が上がる。



☆後から攻めに行くデッキ
相手の初動を捌き、息切れしたところを狙ってコンボを決めに行くタイプ。あるいはじりじりとアドとを稼いでマナベースを構築していき、ある程度以上に他からの妨害に十分対処できる状況を固めて安定した状況でコンボを決めに行くタイプ。
遅めのコンボデッキというのは大概この2パターンを複合した動きになるのだが、これらは相手のターンを回す事になるためより汎用性の高い打消しが求められる。

特に採用率が多く、影響力の高いクリーチャーとソーサリーには警戒が必要。こちらを負かすコンボパーツである事も多いので要注意。

置物に関しては、除去で対処出来るものの、除去の遅れがアドの稼ぎに繋がった場合に勝率が大きく下がる事が予想されるので可能ならば打消し可能範囲に手を広げておきたい。



・具体例
《被覆/Envelop》
特に似たカードである《払拭/Dispel》と比較して。後出しする側の立場としては、場合によっては状況が大きくひっくり返るソーサリーは要警戒。

《呪文貫き/Spell Pierce》
特に似たカードである《狼狽の嵐/Flusterstorm》と比較して。尖ったものよりも広い範囲に触れるものを優先したい。とはいえあくまで比較の話で、このカードはデッキタイプに望まれる安定性に欠けるため優先順位は低い。

《Mana Drain》《対抗呪文/Counterspell》《呪文丸め/Spell Crumple》《邪魔/Hinder》
シンボル含めて少々重いが安定した効果を望める。特に後者2つは非常に重い部類に入るが、ジェネラルを打ち消せた場合に長い目で見ると得られる利益が非常に大きい。

《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
コンボは同一ターン中に複数スペルを組み合わせる形が多いため、守る盤面では非常に強くなるタイミングがある。盤面をゆっくり構築していくタイプの天敵であるリセット、特に《抹消/Obliterate》に対処出来る安心感もよい。




☆《奪い取り屋、サーダ・アデール/Thada Adel, Acquisitor》の場合
コンボ自体は結構重い部類に入るが、デッキが回ればジェネラルの働きによって毎ターン1~2マナを供給する事が出来、そのマナを活かす形で重めのものも含めてサーチが多めに入っており、さらには少量入っている追加ターンでキルターンをショートカットも出来るため、「毎回自分から攻めに行くデッキ」とまではいかないが、比較的攻め側に回る事が多いデッキである。

しかしジェネラルによるマナ加速ルートを潰された場合、一気に後者の「相手の行動を受け流しながらマナベースとアドを稼いで勝ちに行く」スタイルに変わる。

そのため、「長引くパターンを考えてカウンター範囲は遅くても役立つ後者寄りで汎用性重視」「早めに動く時に使えなくては本末転倒なのでカウンターの軽さは前者寄り」という条件が求められる。
結果、打消し範囲や軽さ以外の点でリスクが求められるピッチ系の評価が大きく上がった。
また、青単であるためピッチの中でも《Force of Will》をはじめとする「青いカードをリムーブして」系統の評価が特に大きく上がった。
逆にジェネラルで増えるマナが基本的に無色のため、シンボルの濃いものは通常の青単色よりも評価が下がった。


・で、上から並べた結果こんな感じに。

《Force of Will》
最優先。青が濃いなら安定して強い。

《Arcane Denial》《遅延/Delay》
シングル2マナの対象の種類を選ばない確定カウンター。癖が少なくデッキの打ち消しを支える屋台骨。

《精神的つまづき/Mental Misstep》
アドも失わずに0マナで撃てる。世間の1マナのカードが強いのも追い風。

《撃退/Foil》
アド損は大きいが比較的癖の少ないピッチ。リムーブでない点、終盤必要なく手札に残しやすい島をコストとする点はとても偉い。

《妨害/Thwart》
アド損せずにピッチで撃て、対象制限もなく、生撃ちだとウィルより軽い優秀カウンター。上手い話には大抵裏がある。まあそれでもフィニッシュ時には《否定の契約/Pact of Negation》同然の威力がある。

《否定の契約/Pact of Negation》
契約料があるので0マナではあるのだが早いターンには使えない。どちらかと言えば攻めにいくカウンターとしての要素が強い。

《誤った指図/Misdirection》
攻めに行く時には《Force of Will》並に頼りになるため特に強い。逆に守りだと頭を抱える事があったり。ピッチコストが比較的軽めで、場合によっては《Force of Will》以上に器用な動きをするのがウリ。

《否認/Negate》
シングルシンボルになった代償として、《対抗呪文/Counterspell》に比べて打消し範囲が狭められているが、消せないのは特に攻めに行く場合には気になりにくいクリーチャーなので強い。置物、ソーサリーにも触れるので、「致命的な所がうっかり」というパターンは《誤った指図/Misdirection》に比べて驚くほど少ない。

《徴用/Commandeer》
青単ですらピッチコストが非常に重い。その上《否認/Negate》同様範囲に穴がある。生打ちしようにも7マナだ。それでも0マナカウンターは貴重なので仕方なく入っている。あと、「相手の生き埋めウーズで自分が勝てる」というロマンが熱すぎるので。
《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》は流石にピッチ時の対象が狭すぎる。



一度は抜いてしまったが、カードパワーの点で大きく勝る《Mana Drain》の投入が迷い所。《徴用/Commandeer》と《否認/Negate》が交換候補。

《徴用/Commandeer》は弱い所が目立ちまくりなんだけど、対戦してるとしょっちゅう「《徴用/Commandeer》で良いから来てくれー」って言いながらタップアウトしてる場面がある。で、その状況は主に《Mystic Remora》や《Timetwister》が絡んでいるので手札は潤沢にあってピッチは出来る。そしてそんな盤面では《Mana Drain》は何の役にも立たない。

対して、《否認/Negate》の方は不満に思う部分がないくらいには十分な強さがあるんだけど、「無色は沢山、色マナは青までならあるのに青青が出ないよー」って場面が実際はそこまで多くない。コンボが重めなせいで、サーチまで考えるとと足りない時には無色の方も足りなくなって「青しか浮いてない」「無色しかない」とかが意外と多い。
もちろん《否認/Negate》だと間に合うけど《Mana Drain》だと間に合わない盤面も皆無ではないんだけれど、《Mana Drain》の通常時運用する場合の安定性は魅力的。
変わるんならここなんだろうなー、と思っている。

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