「EDHに置ける強いアクションとはなんだろう?」という事を考えると、自分の場合、その多くが「序盤に行われている何か」だったりする。


青いジェネラルや赤いジェネラルが2・3ターン目くらいに大量のマナファクトを背景に《Timetwister》や《意外な授かり物/Windfall》、《Wheel of Fortune》を撃つ。
2ターン目に《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》ジェネラルが出て来て、3・4ターン目辺りからずっと俺のターンを開始。
1・2ターン目に《隠遁ドルイド/Hermit Druid》が出て来て次ターンに無限コンボ。
4ターン目くらいに《生き埋め/Buried Alive》+《再活性/Reanimate》でウーズコンボ。

もちろん、大量のマナを背景にした《歯と爪/Tooth and Nail》や、《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》→《Timetwister》で大量ドロー、各色に存在するさまざまな即死コンボ、などなど中盤以降に見られる強いアクションも存在はする。

しかし比較的強く印象に残るのは、序盤に行われるアクションの方だ。
それも当然の話で、「ゲームの序盤」はどのゲームでも必ず存在するが、「ゲームの中盤」「ゲームの終盤」は、序盤に即死を決められて存在しない事もある。目にする回数が多い方が印象が強くなるのは自明だ。

こんな事を書くのも今更なのだが、マジックというゲームの基本として、速攻だろうが低速だろうが「何らかの形で序盤戦を有利に運ぶ」事が強いデッキの必須条件となっている。
それはもちろん、EDHというレギュレーションでも適用される。


そんな訳で、EDHのゲームにおける序盤戦、特に1・2ターン目辺りのアクションは非常に重要になる。
大量に展開出来れば対戦相手の撃ってくる《Timetwister》で一方的にアド損する事を防げるし、クリーチャー除去を構えていられれば2ターン目エドリックやハーミットを挫く事が出来る。カウンターを構えてられれば3ターン目に仕掛けてきた《生き埋め/Buried Alive》を止める事も出来るだろう。

もちろん序盤だけぐいぐい動くが決め手に欠けたり、軽いカードを増やし過ぎてパワー不足に陥るようではいただけないが、それでもより重要なのは序盤戦だ。どんなに強いカードがあっても、それをキャストできるまでマナが伸ばしてターンを迎えられなければ意味がない。




☆前置きが随分長くなってしまったけど。
そんな訳で、今日は序盤を軽快に動くため、採用を考慮するに値するカード達を考えていきたいと思う。
注目しているターンは序盤も序盤の1ターン目、それも加速関係についてのみ。それだけでもかなりの量があるし、2ターン目のカードや1ターン目の攻防(《精神的つまづき/Mental Misstep》とか《Force of Will》とか)にまで考察の手を広げるとキリがなさそうなので今回はこれだけ。


・《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》
0~1マナで2マナ生み出せる破格のカード。しかも使い切りでないため、キャストしたターンの動きのみならず、それ以降も対戦相手よりも多く動ける=長期に渡る有利を付けやすい。
まあこの2枚に対する説明は今更かwww


・《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》《金属モックス/Chrome Mox》
アドを失いながら、0マナから1マナを生み出すカード達。
基本的に1ターンに1マナずつしか増やせないこのゲームで、1ターン目に2マナ出せるという事はある意味ターンを得たも同然の効果。
これら2つは次ターン以降も場に残るため、《Mana Crypt》などのように対戦相手に対するマナ面での有利を長期に渡って付けられる。
失うアドを安定して取り戻せる事が期待出来るデッキなら、問答無用で投入していいと最近思い始めている。


・《極楽鳥/Birds of Paradise》《繁茂/Wild Growth》《明日への探索/Search for Tomorrow》など
緑の専売特許、1マナで1マナ加速するカード群。
マナクリは召喚酔いによって実質次ターンから1マナ加速、明日への探索は待機により2ターン後に0マナで1マナ加速、とちょっとだけ遅いが、アドを失わずに長期的な加速を望めるのは非常に偉い。
最近、こういう加速こそが緑の強さを支えているものの1つではないかと実感している。脆さや遅さなど問題はあるが、緑を使うのならば、出来る限りこれらの1マナ加速を活かしてやりたい。


・《魔力の櫃/Mana Vault》《水蓮の花びら/Lotus Petal》《Elvish Spirit Guide》《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》《暗黒の儀式/Dark Ritual》《炎の儀式/Rite of Flame》など
0~1マナを元手にマナを増やせる。
ただしどれも使い切りなのでマナベースでの有利は一瞬。アドや盤面の有利を大きく取れるカードとの併用により、1ターン分の加速と引き換えに失ったアドを取り戻す事を期待出来るのならば多めに投入したい。
《水蓮の花びら/Lotus Petal》《魔力の櫃/Mana Vault》は先置き出来る点で優秀。


・《Jeweled Amulet》《スカークの探鉱者/Skirk Prospector》《ブラッド・ペット/Blood Pet》など
《Jeweled Amulet》は、余った1マナを貯蔵しておける0マナのアーティファクト。実質1マナで1マナ分の加速を確保して置く事が出来る。
これらのカードはマナ的には差し引きプラマイ0だが、ハイランダーなせいで1ターン目における有効なアクションの確保が難しいEDHにおいては十分考慮に値するカードとなる。
他に1マナのアクションが手札にない時に、「2ターン目に《水蓮の花びら/Lotus Petal》引いてジャンプアップした」と同程度の加速を得られる。
キャストしたターンにはマナが増えないため、1つ上に書いた加速カードよりも使い勝手が悪くなってしまうが、最序盤の加速を重要視するデッキに追加の加速として。


・《古えの墳墓/Ancient Tomb》《裏切り者の都/City of Traitors》
色マナの確保は滞るが2マナ確保可能な土地。土地を置くだけなのでアドを失う訳でもなく、色拘束の薄いデッキなら非常に強い。
裏切り者の都の方は他に土地を置くと壊れてしまうので投入するかどうか含めて取扱い注意。


・《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
先手後手を入れ替える0ターン目セット可能な土地。
感覚としては、初手にある場合のみ使える代わりに捨てるカードが自由な《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》みたいに使える。
後々引いても最低限アンタップイン無色土地なので無駄になりにくい。むしろ後半引いたモックスよりも優秀とすら言える。最近、先攻ゲーなこのゲームだと必須なんじゃないかと思い始めている。特に色拘束が少ない2色以下。
何気に伝説なので注意。初手にある時に先に上家が置いてきたら、イライラしながら盤面に叩きつけようw


・《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》《通りの悪霊/Street Wraith》《ミシュラのガラクタ/Mishra’s Bauble》《ウルザのガラクタ/Urza’s Bauble》
0マナで1枚引けるカード達。上に書いたカード群を1ターン目に手に入れる確率を上げるための圧縮が序盤の主な仕事。
中盤以降に引いても、実質0マナ1ドローなのでデッキのパワーダウンに繋がる心配がないのも強み。
《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》《通りの悪霊/Street Wraith》は2ライフロスがのちのち影響を与える可能性がある事、ガラクタ2種はドローが遅い事が欠点。
特にガラクタは、最序盤だと1ターンの遅れが大きいのでリスクが大きい。


・《吸血の教示者/Vampiric Tutor》《悟りの教示者/Enlightened Tutor》など
他と一線を画すマナ加速、《Mana Crypt》を2ターン目に確保出来る積み込みカード。
アド損、1ターン目のアクションを潰してしまうなどの欠点はあるものの、それを差し引いても3ターン目4マナ確保出来るってのは大きい。
初手になく、後から引いても強いのは中盤以降の無駄牌を減らす要因となっていて非常に偉い。


・《渦まく知識/Brainstorm》《定業/Preordain》《思案/Ponder》など
2ターン目以降の動きをスムーズにする、手札調整カード達。
教示者と違って確実に《Mana Crypt》を持ってくるなんて芸当は不可能なものの、教示者同様いつ引いても十分な力を発揮し、アドを失わないという利点がある。
1ターン目の貴重な1マナを使ってしまうので、出来る限り多くの枚数を見たい。そのため《思考掃き/Thought Scour》のようなドロー操作以外のおまけが付いてくるカードはパスしたい所。どうせメインで撃って「《Mana Crypt》ないかなー」と探しに行くのでインスタントである必要は薄い。

《入念な研究/Careful Study》や《信仰無き物あさり/Faithless Looting》など、そこそこ掘れるがアドを失うカードは候補足りえないと自分は考える。1マナで「3枚カードを使って2枚手札に残す」という3枚パリマリしたも同然の効果なのだから、黙ってそれ含めてパリマリしちゃった方がいい。
墓地利用など明確な目的がないのならなおさら。《大あわての捜索/Frantic Search》のような、もう少し後の盤面での手札調整と同様のものとして扱う形になるだろう。


・《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
番外編。決して1ターン目のアクションとして望ましいものではないけれど、いつでも強い1マナのカードとして、特に何のアクションも引けなかった時のマナを無駄にしない方法となれる。
強い強いと言われているが、そういう面でもこのカードは偉いのだと思う。



今の所、自分が気にしているカードはこんな所。
他に何かいいカードがあったら教えてください。特に青単で使えるもの。サーダ・アデール使ってると、デッキに入ってる1ターン目加速の量がマジで大事なんでw

コメント

coza
2012年10月13日21:32

呪文爆弾とか印章を設置するっていうのはどうでしょう?
青デッキのドブン(マナファクト大量展開からのタイムツイスター)に耐性をつけつつ他者の牽制になりそう。

まの
まの
2012年10月13日21:37

第1ターン目超偏重でいくならサプラーツォの岩礁や水晶鉱脈あたりも考えていいかもしれないですね。どちらも不安定なんでかっこかりさんの好みではないカードとは思うのですが2ターン目サダさん着地に貢献できるので一応。

かっこかり
2012年10月13日21:58

>cozaくん
独楽と同じような余った「1ターン目のマナを無駄にしない枠」として、呪文爆弾・印章は良さげかもしれない。
入れるなら、ちょっと重いけどほぞでサーチしやすく融通の利く呪文爆弾かなー。ドブン止める事考えると計2マナの重さがマイナスなんだよなー。
サイドボード(リクー)に入ってる分には超強いんだけどwww

同じマナコスト・用途で考えて、猿術と印章を比較。
初手猿術は使うかどうか分からないからキープしにくいけど、印章ならキープしやすい。
しかし初手以外の場面だと性能差が目立つから、バウンスを一部変えるような形にするとかか? ……でも、今デッキに入ってるマルチバウンスが3枚で、これ以上減らすと無のロッドとかで悶絶する羽目になりそうだから抜けない。

エラヨウまで含めるとちょいとカウンター多めだし、否認辺りを削るのも一つの手か。

シャックルが、最近「マスカンに近い強さだが出たからといって勝てる訳でも負けなくなる訳でもない(大体呪文滑りくらいのウザ強さ)」「キャスト3マナ、起動2マナが重い」って印象になってきて悩んでる。なんだかんだ言っても3マナ/2マナと考えると破格のパワーだし。
これを呪文爆弾か印章と変更、とかどうなんだろう?

すげー悩ましいなー。



>まのさん
1青青のジェネラルで無色が2個出ても仕方がない事の方が多いので《水晶鉱脈/Crystal Vein》はともかく、《サプラーツォの岩礁/Saprazzan Skerry》がマジでアリ臭い予感ですよ?
少なくとも前の日記で考えてた《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord》よりは便利な感じ。痛くないし、有色出るのは超偉いし、2ターン目キャストだからマナを立てて3ターン目アタック出来る。

この案は非常にありがたいです。早速採用したいと思います。

G
G
2012年10月14日0:22

ちょうど同じような事考えてたので凄く参考になります!!
やっぱりモックス2種は買うべきかな。。。お高いですが。
枯渇ランドはタップインなのが悩ましいですが、2マナは美味しいですよね。

かっこかり
2012年10月14日5:38

>Gさん
>モックス
0マナで長期的な加速は大渦にもあっていると思いますが、多分、緑なら1マナ加速を大量に入れる方がコスパはいいとは思いますw

モックス・ダイアモンドはマナを切ってマナを出すので、マナベースと言うよりはキャントリップのない0マナ《探検/Explore》みたいなもので、普通にマナベースのつもりで使うにはちょっと癖があります。
お値段の差もありますし、先に癖の少ない金属モックスをプロキシで入れてみて、初手に1枚入れた状態で回してみるのが感覚掴みやすいかも知れません。


>枯渇ランド
おそらく、枯渇ランドは「色拘束が強く」「瞬間的でいいから強引に加速する必要があり」「加速で得るものでアド損を補う事が期待出来る」デッキ向きだと思います。

大渦には、「多少強引でも早くジェネラルキャストしたい」「キャストすれば失ったアドを取り戻せる」という点で向いているとは思いますが、3/8と色拘束も薄いですし、何よりジェネラルを繰り返しキャストしたい関係上安定した加速の方が望ましいので、採用は難しいかなーと思いました。
おっしゃる通りタップインが響いてきそうなのもありますし。

でもサーダには多分入るw 一瞬でいいから青青出したいw

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