そんな訳で久々気味な身内のデッキ考察シリーズ。今回はcozaくんのウーナ。
「強ジェネラルって何?」「現4強って何?」って話題が出た時に、よく名前が上がるジェネラル。
それだけに、色含め、爆発力と安定性の面でかなりバランスの取れた良いジェネラルであると思う。
☆ウーナの強み
・何と言ってもそのジェネラルの起動型能力。
(青/黒)×6という火種が必要(4人戦で全員生存の場合)ではあるものの、無色無限マナを発生させるコンボからそのままフィニッシュに繋ぐ事が出来る=フィニッシュ専用の無駄カードをデッキに刺したりそれをサーチしてくる必要がない、という無駄の無さが持ち味。
《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》と違いライブラリーリムーブであるため、始祖エルドラージ群を気にしなくてもよいのは大きな利点。
また、固有色が無色無限コンボが比較的決めやすい《Power Artifact》を擁する青というのもいい。
さらにはもう1つの固有色がサーチとドローを得意とする黒。まさにコンボを決めるために存在するジェネラルであると言えるだろう。
・対応力も優秀。
基本的に青単タッチ黒のデッキなのだが、青特有の打消し呪文とバウンスは受けが非常に広く、特に《猿術/Pongify》や《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》、《四肢切断/Dismember》や《殺し/Snuff Out》といった軽い黒の除去呪文のおかげでクリーチャーには触りやすい。
単体だとその場しのぎにしかならないという欠点を持つバウンスも、《意外な授かり物/Windfall》や《Timetwister》と組み合わせる事によってインスタントの《名誉回復/Vindicate》同然の壊れカードに化けさせる事が出来る。サーチの豊富な黒が相棒としているため、この手の動きが青単に比べて楽に出来るのだ。
青タッチ黒型であるため、多色潰しカードの効果を受けにくいのもこのジェネラルの持つ対応力の広さの一つ。
青の単純なドローカードに加え、ライフを代償に少ないマナでカードを引きませる黒のドローも選択肢として増えるため、より少ないマナで安定した手札を確保できるのもこの色の利点。
全体的に見て、非常に安定性の高い丸いジェネラルであると言える。
ゲームの序盤・中盤・終盤、どのタイミングでも安定して強い完全さがあると感じている。
☆ウーナの弱み
・元々防御力の低いコンボ偏重デッキである上に、少ないマナで素早く動くために黒のペイライフカードを多用している事もあり、序盤からライフを攻められると苦しい事になりがちである。
先程上で「どのタイミングでも安定して強い完全さがある」と書いたが、それはあくまでウーナデッキ自身の動きとしての話。コンバットで攻め立てられてライフを削られると、中盤から終盤にかけて機能不全に陥ってしまう事がある。
極端な話、ライフが1点しかないと《吸血の教示者/Vampiric Tutor》も《闇の腹心/Dark Confidant》も《殺し/Snuff Out》ピッチも使えないのだ。
そうなると、「無駄カードのない青単コンボ型」のようであったデッキが、「無駄カードの多い青単コンボ」に成り下がってしまう。
そんな訳で、ライフが大きく減って場にクロックが並んでいる状態になると必然的にデッキの速度が落ち気味になり、そのためよりライフを削られるタイミングが増え……とジリ貧になってしまいがち。
そのため、ビートダウンとまではいかなくてもコンバット寄りのジェネラル(緑系で良く見かけるような、多めに入っているシステムクリーチャーがなんとなく対戦相手のライフを削っていくようなタイプ)が対戦相手にいる場合、じっくり腰を据える訳にもいかず、少々急ぎ気味でコンボを決めに行く必要が出てくる。
とはいえ、この点は多めのクリーチャー除去を積む事である程度緩和は可能なので、この欠点がそこまで表面化する事は多くない。(相対的に速度は落ちるが、じっくり腰を据えてアドを稼ぐのは得意なので悪い結果になりにくい)
よく言われていウーナの弱点ではあるが、個人的には構築とプレイングでかなり楽に埋められる程度のものであると考えている。
・また、過去にcozaくん本人が「他の一般的なジェネラルと違ってフィニッシュ時以外出番がないので、そこでアドを失ってしまう」という点も弱点に挙げていた。(今はどういう考えかは分からないが)
しかし個人的にはこの点はそこまで大きな差ではないと思っている。
ジェネラルなんて普通のデッキで普段の状況だと3回もキャストすれば多い方だし、ウーナだって結構なサイズ+トークン生成による防御力+能力による教示者潰しと場を制圧するに足るスペックを持っているジェネラルである。
タイミングを見てビートダウンや防衛に使える事を考えれば、決してそこまでアド差を取られるようなジェネラルではないと思うのだが。
もちろん、その状態から《混沌のねじれ/Chaos Warp》や《終末/Terminus》などでジェネラルをライブラリーに混ぜられるとデッキコンセプトが崩壊するので気楽にキャスト出来ないという面はあるのだろうが。
・個人的にウーナの一番の弱点である部分は、「コンボデッキにも拘らずコンボに入るタイミングが遅くなりがち」という点だと思っている。
強みの項で「無色無限を決めやすい青とサーチ・ドローのある黒で非常にコンボ向け」と書いたが、しかしそれはあくまでパーツを揃える段階での事。
フィニッシュカードに必要な色拘束が6もあるため、豊富で決めやすい無色無限マナが成立したからと言って単純に「俺の勝ち」とは行かない事が多いのだ。
例えば2ターン目までに何らかの教示者で《Power Artifact》をサーチ、3ターン目に《Basalt Monolith》をセット、4ターン目に無色無限、という動きはウーナにとってそこまで難しい条件ではない。
しかしその場合、有色マナがマナファクト含めいいトコ3つ程度。それではウーナをキャストして能力起動まで行くには色マナが足りない。
《Candelabra of Tawnos》などがあればそのまま勝ちきる事も可能だが、色マナを増やすために必要カードが増えているのでは本末転倒、一般的なコンボデッキと変わらなくなってしまう。
もちろん有色無限マナなら勝ち確だが、それは大概が《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》絡みで3~4枚のパーツを用いた8~10マナ程度の始動。《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》の場合でも3~4枚で8~10マナ程度。指輪先置きなら5マナくらいからいけるが、しかし流石にリスクが高い。
そんな訳で、せっかく早い段階でコンボパーツが揃っても、色マナ確保のため数ターンマナ加速してから満を持してコンボ始動、という動きにならざるを得ない事が多いのがウーナ一番の弱点であると考える。
EDHは多人数戦のため、加速している「数ターン」の間に状況が大きく変わる事はありがちである。
《意外な授かり物/Windfall》でコンボパーツが捨てられるかもしれないし、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》が出て来てコンボに行けなくなるかも知れない。
だからウーナは結局、「せっかくコンボパーツをサーチ出来る《吸血の教示者/Vampiric Tutor》で《壊滅的大潮/Devastation Tide》なんかを持って来て場をならす」などといった余分なリソースを割いた遠回りをしなければならなくなりがちなのである。
しかしこの辺りはもう「色マナ6個のフィニッシュカード」という構造上の欠点なので、速度は諦めて長期戦に強い構成にする事が一番であると思っている。
そんな訳で、cozaくんのスタイルである《精神的つまづき/Mental Misstep》や《無効/Annul》で《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》スタートを止めようという動きは、アドを失うものの対戦相手の「序盤の爆発的な加速→そのままフィニッシュへ」という動きを阻害するので、「十分な色マナを確保するまでゲームを長引かせる必要がある」というウーナに良くあっているのではないだろうかと思った次第。
大体こんな感じ?
相手していると、普段は平均的に強いけど怖い事が少ないデッキ、という印象。
ただ、ある一線を越えるとアドと加速が半端ない事になるので絶対に止まらなくなるというのが非常に恐ろしい点。
他のコンボデッキが「対戦相手の手札やマナが尽きた隙を突いて一瞬でなで斬りにしていく」というスタイルである事が多いのに対して、ウーナは「互いに隙がないもやもやした状況のままじりじりとアド差を開き場のコントロールを確立し、3人がかりでも抑えきれない状況で満を持してコンボが飛び出す」というスタイルである印象。
ウーナが相手の場合、コンボカードそのものよりも継続的にアドが取れるカードや強力なコントロールカードをいかに止めるかが大事な気がする。
「強ジェネラルって何?」「現4強って何?」って話題が出た時に、よく名前が上がるジェネラル。
それだけに、色含め、爆発力と安定性の面でかなりバランスの取れた良いジェネラルであると思う。
☆ウーナの強み
・何と言ってもそのジェネラルの起動型能力。
(青/黒)×6という火種が必要(4人戦で全員生存の場合)ではあるものの、無色無限マナを発生させるコンボからそのままフィニッシュに繋ぐ事が出来る=フィニッシュ専用の無駄カードをデッキに刺したりそれをサーチしてくる必要がない、という無駄の無さが持ち味。
《ラクァタス大使/Ambassador Laquatus》と違いライブラリーリムーブであるため、始祖エルドラージ群を気にしなくてもよいのは大きな利点。
また、固有色が無色無限コンボが比較的決めやすい《Power Artifact》を擁する青というのもいい。
さらにはもう1つの固有色がサーチとドローを得意とする黒。まさにコンボを決めるために存在するジェネラルであると言えるだろう。
・対応力も優秀。
基本的に青単タッチ黒のデッキなのだが、青特有の打消し呪文とバウンスは受けが非常に広く、特に《猿術/Pongify》や《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》、《四肢切断/Dismember》や《殺し/Snuff Out》といった軽い黒の除去呪文のおかげでクリーチャーには触りやすい。
単体だとその場しのぎにしかならないという欠点を持つバウンスも、《意外な授かり物/Windfall》や《Timetwister》と組み合わせる事によってインスタントの《名誉回復/Vindicate》同然の壊れカードに化けさせる事が出来る。サーチの豊富な黒が相棒としているため、この手の動きが青単に比べて楽に出来るのだ。
青タッチ黒型であるため、多色潰しカードの効果を受けにくいのもこのジェネラルの持つ対応力の広さの一つ。
青の単純なドローカードに加え、ライフを代償に少ないマナでカードを引きませる黒のドローも選択肢として増えるため、より少ないマナで安定した手札を確保できるのもこの色の利点。
全体的に見て、非常に安定性の高い丸いジェネラルであると言える。
ゲームの序盤・中盤・終盤、どのタイミングでも安定して強い完全さがあると感じている。
☆ウーナの弱み
・元々防御力の低いコンボ偏重デッキである上に、少ないマナで素早く動くために黒のペイライフカードを多用している事もあり、序盤からライフを攻められると苦しい事になりがちである。
先程上で「どのタイミングでも安定して強い完全さがある」と書いたが、それはあくまでウーナデッキ自身の動きとしての話。コンバットで攻め立てられてライフを削られると、中盤から終盤にかけて機能不全に陥ってしまう事がある。
極端な話、ライフが1点しかないと《吸血の教示者/Vampiric Tutor》も《闇の腹心/Dark Confidant》も《殺し/Snuff Out》ピッチも使えないのだ。
そうなると、「無駄カードのない青単コンボ型」のようであったデッキが、「無駄カードの多い青単コンボ」に成り下がってしまう。
そんな訳で、ライフが大きく減って場にクロックが並んでいる状態になると必然的にデッキの速度が落ち気味になり、そのためよりライフを削られるタイミングが増え……とジリ貧になってしまいがち。
そのため、ビートダウンとまではいかなくてもコンバット寄りのジェネラル(緑系で良く見かけるような、多めに入っているシステムクリーチャーがなんとなく対戦相手のライフを削っていくようなタイプ)が対戦相手にいる場合、じっくり腰を据える訳にもいかず、少々急ぎ気味でコンボを決めに行く必要が出てくる。
とはいえ、この点は多めのクリーチャー除去を積む事である程度緩和は可能なので、この欠点がそこまで表面化する事は多くない。(相対的に速度は落ちるが、じっくり腰を据えてアドを稼ぐのは得意なので悪い結果になりにくい)
よく言われていウーナの弱点ではあるが、個人的には構築とプレイングでかなり楽に埋められる程度のものであると考えている。
・また、過去にcozaくん本人が「他の一般的なジェネラルと違ってフィニッシュ時以外出番がないので、そこでアドを失ってしまう」という点も弱点に挙げていた。(今はどういう考えかは分からないが)
しかし個人的にはこの点はそこまで大きな差ではないと思っている。
ジェネラルなんて普通のデッキで普段の状況だと3回もキャストすれば多い方だし、ウーナだって結構なサイズ+トークン生成による防御力+能力による教示者潰しと場を制圧するに足るスペックを持っているジェネラルである。
タイミングを見てビートダウンや防衛に使える事を考えれば、決してそこまでアド差を取られるようなジェネラルではないと思うのだが。
もちろん、その状態から《混沌のねじれ/Chaos Warp》や《終末/Terminus》などでジェネラルをライブラリーに混ぜられるとデッキコンセプトが崩壊するので気楽にキャスト出来ないという面はあるのだろうが。
・個人的にウーナの一番の弱点である部分は、「コンボデッキにも拘らずコンボに入るタイミングが遅くなりがち」という点だと思っている。
強みの項で「無色無限を決めやすい青とサーチ・ドローのある黒で非常にコンボ向け」と書いたが、しかしそれはあくまでパーツを揃える段階での事。
フィニッシュカードに必要な色拘束が6もあるため、豊富で決めやすい無色無限マナが成立したからと言って単純に「俺の勝ち」とは行かない事が多いのだ。
例えば2ターン目までに何らかの教示者で《Power Artifact》をサーチ、3ターン目に《Basalt Monolith》をセット、4ターン目に無色無限、という動きはウーナにとってそこまで難しい条件ではない。
しかしその場合、有色マナがマナファクト含めいいトコ3つ程度。それではウーナをキャストして能力起動まで行くには色マナが足りない。
《Candelabra of Tawnos》などがあればそのまま勝ちきる事も可能だが、色マナを増やすために必要カードが増えているのでは本末転倒、一般的なコンボデッキと変わらなくなってしまう。
もちろん有色無限マナなら勝ち確だが、それは大概が《潮吹きの暴君/Tidespout Tyrant》絡みで3~4枚のパーツを用いた8~10マナ程度の始動。《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》の場合でも3~4枚で8~10マナ程度。指輪先置きなら5マナくらいからいけるが、しかし流石にリスクが高い。
そんな訳で、せっかく早い段階でコンボパーツが揃っても、色マナ確保のため数ターンマナ加速してから満を持してコンボ始動、という動きにならざるを得ない事が多いのがウーナ一番の弱点であると考える。
EDHは多人数戦のため、加速している「数ターン」の間に状況が大きく変わる事はありがちである。
《意外な授かり物/Windfall》でコンボパーツが捨てられるかもしれないし、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》が出て来てコンボに行けなくなるかも知れない。
だからウーナは結局、「せっかくコンボパーツをサーチ出来る《吸血の教示者/Vampiric Tutor》で《壊滅的大潮/Devastation Tide》なんかを持って来て場をならす」などといった余分なリソースを割いた遠回りをしなければならなくなりがちなのである。
しかしこの辺りはもう「色マナ6個のフィニッシュカード」という構造上の欠点なので、速度は諦めて長期戦に強い構成にする事が一番であると思っている。
そんな訳で、cozaくんのスタイルである《精神的つまづき/Mental Misstep》や《無効/Annul》で《Mana Crypt》や《太陽の指輪/Sol Ring》スタートを止めようという動きは、アドを失うものの対戦相手の「序盤の爆発的な加速→そのままフィニッシュへ」という動きを阻害するので、「十分な色マナを確保するまでゲームを長引かせる必要がある」というウーナに良くあっているのではないだろうかと思った次第。
大体こんな感じ?
相手していると、普段は平均的に強いけど怖い事が少ないデッキ、という印象。
ただ、ある一線を越えるとアドと加速が半端ない事になるので絶対に止まらなくなるというのが非常に恐ろしい点。
他のコンボデッキが「対戦相手の手札やマナが尽きた隙を突いて一瞬でなで斬りにしていく」というスタイルである事が多いのに対して、ウーナは「互いに隙がないもやもやした状況のままじりじりとアド差を開き場のコントロールを確立し、3人がかりでも抑えきれない状況で満を持してコンボが飛び出す」というスタイルである印象。
ウーナが相手の場合、コンボカードそのものよりも継続的にアドが取れるカードや強力なコントロールカードをいかに止めるかが大事な気がする。
コメント
ちょっと補足しとこうかなって思ったのはコンボ始動云々ってところ。
ウーナは無駄が少なく丸いのが特徴のジェネラルであるってのはおっしゃるとおりで、コンボパーツも《Power Artifact》以外のカードはとりあえず何かしらの仕事をするもので構成されています。
そんなわけなのでどんなコンボパーツも「まあ割られたら割られたでいいかな」ぐらいの扱いで出せるときに出してしまいます。
例えば《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》はこのデッキでもっとも多くのコンボルートを持つカードですが、同時に各種フェッチランドやプレインズウォーカー、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》《Candelabra of Tawnos》(《通電式キー/Voltaic Key》無し)なんかと絡むだけでも強いカードなので使えるときに使います。
コンボパーツをかき集める動きってのは基本的にやらず、ドローカード連打して引いてきたカードを順番に出していくことになります。チューターもコンボパーツ探すカードってより質の高いドローカードの水増しって意味合いのほうが大きいです。
要は加速とドローとコンボ準備が複合されているわけです。
そしてたまたま除去されずに場に残っていたパーツとコンボするカードをサーチすれば勝てそうだな、という時になってようやくコンボを決めに行くわけです。
コンボ始動が遅いってことに変わりはありませんが、保険もなしに最初にコンボ始動しても大体良いことないですしね。