《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》
2012年6月17日 EDHカード考察 コメント (6)最近cozaくんがウーナでよく使っている1枚。
対戦時の動きを見ていると、中々いい感じに手札を回せているように見える。
そんな訳で、今日はこのカードが実際に自分のデッキに入るかどうか検討してみようと思う。
☆効果
1青青 インスタント
カードを2枚引き、その後カードを1枚捨てる。その後いずれかの対戦相手の手札があなたより多い場合、グリッドの脈動をオーナーの手札に戻す。
☆効果考察
基本は《目録/Catalog》と同じ。
手札1枚使い、差し引き1枚引く。アドの変化なしに手札の質を上げる効果。
ただし解決後に対戦相手の誰かが自分より手札が多い場合、グリッドの脈動が手札に帰ってくるのでアド得となる。
その場合には、アーティファクトを捨てた《知識の渇望/Thirst for Knowledge》に近い効果となる。(アドの差し引きは同じだが、新しいカードは2枚しか見れていない、という違いはある)
☆比較 1
同じマナコスト3であり、対戦相手の状況次第で強さが変わるという点で《意外な授かり物/Windfall》に近い。自分の手札が少ない時に強く、自分の手札が多い時に弱いというのは同様の特徴だ。
しかしその効果を比べてみると、同じような用法で用いられるカードではない事が分かる。
《意外な授かり物/Windfall》と比べた場合の長所は、
1・インスタントであるため隙が少ない
2・捨てるカードを選べるため、少ない手札の中身が重要カードであった場合でも後腐れなく撃って行ける。
3・いらないタイミングで引いてしまっても最悪目録になる。(授かり物は手札の質や量が充実している所で引くと完全に腐る)
逆に短所は、
1・色拘束が強い
2・良くても2枚引いて1枚アド得。授かり物に比べると圧倒的に爆発力が足りない。
3・枚数は多いが質の低い手札の時には良い効果が望めない。
《意外な授かり物/Windfall》が、手札の質や量、あるいはその両方に問題がある時に一発でそれをなかった事にしてくれる逆転カードであるのに対し、《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》はローリスクである代わりに手札の量に問題がある時にしか補填してくれず、しかもその回復速度は授かり物に比べるとかなり遅い。
特に短所の3が問題で、順調にマナベースを伸ばせた時には「手札を使い強固なマナベースを展開→潤沢なマナを背景に他の行動をしつつ減った手札を回復する→増えた手札でさらに強固な場を展開」と非常に強い動きとなるのだが、
逆にマナベースの展開に遅れた場合には、手札は多いわマナに余裕がないわで単なる目録同然の3マナスペルなんて撃ってる暇がなくなる。
《意外な授かり物/Windfall》がピンチに強くチャンスに弱いカードであるならば、《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》はチャンスに強くピンチに弱いカードであると言える。
つまり《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》は、ブン回りをドブンにする事は期待出来るものの、逆に安定性を失わせる要因となるカードなのである。
☆比較 2
では、《意外な授かり物/Windfall》のような特殊ドローではない、標準的なドローカードとして他と比べてみた場合はどうだろう。
よく使われている青のドロースペルの中で、《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》にマナコストが近く、脈動同様アドを稼げる要素があるものには、
《強迫的な研究/Compulsive Research》《知識の渇望/Thirst for Knowledge》《企業秘密/Trade Secrets》(3マナ)
《予感/Foresee》《入念な考慮/Careful Consideration》《集中/Concentrate》(4マナ)
などがある。
効果が比較的近いのは、脅迫的な研究、知識の渇望、入念な考慮あたりか。
単発として見た場合に最も近い効果を持つのは《知識の渇望/Thirst for Knowledge》だろう。
双方インスタントながら、片やアーティファクトを捨てないとアド得出来ない。片や対戦相手に十分な手札がないとアド得できない。
デッキに十分なアーティファクトが入っていない場合には、三人の対戦相手の誰かの手札が多ければよいという《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》の方が安定性が高いだろう。
逆に(状況によっては捨てても構わない)アーティファクトが多めにデッキに入っている場合には、《知識の渇望/Thirst for Knowledge》の方が安定する。いかに対戦相手が3人と言えど、やはり他人任せの不安定は拭い切れない。
デッキの構成次第では《知識の渇望/Thirst for Knowledge》が《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》にとって代わる事もありえるだろう。
また、インスタントである利点から《強迫的な研究/Compulsive Research》と入れ替わる事もありそうである。
こちらはアド得条件が土地ディスカードと《知識の渇望/Thirst for Knowledge》よりも安定性の高いカードなので、インスタントを構える必要に迫られている状況が多いデッキに向きそうだ。
☆比較 3
複数回使いまわす事を考えた場合、《入念な考慮/Careful Consideration》がかなり近い効果を示す。
《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》が1回目は手札、2回目は墓地に行った場合の状況は、ソーサリーで《入念な考慮/Careful Consideration》を使った場合と同じ。「1枚のカードを使い、4枚引いて2枚捨てている」という形である。
この場合、脈動は3+3の6マナで、多くの場合2ターンかけているのに対し、考慮の使用マナは4マナで、1ターンのうちに4枚引いてしまっている。
テンポ的に見ると《入念な考慮/Careful Consideration》の方が圧倒的に優秀であると言える。
この事から、《グリッドの脈動/Pulse of the Grid》を使おうと思う場合、最低3回は使いまわせる事を期待出来るデッキ構築にしたい。そうでないならば概ね《入念な考慮/Careful Consideration》の方が優秀と判断される。
(一応脈動にも初動が3マナ、インスタントという利点はある)
しかし実際問題、脈動を3回、計9マナもかけて使用する事は稀でありそうだ。
☆結論
自分のデッキには十分なアーティファクトが入っており、現在《知識の渇望/Thirst for Knowledge》は十分安定した運用が出来ている。
また、インスタントを構え続けるようなデッキではないため、インスタントのドローを無理に優先される要素はない。
《入念な考慮/Careful Consideration》よりも優先して《集中/Concentrate》、《予感/Foresee》が入っている現状で、その考慮より不安定である脈動が優先される事はない。
アドを稼ぐスペルの枚数自体も概ね足りており、《意外な授かり物/Windfall》との比較でみられた通り不安定性を上げる要素も望ましくないと判断し、自分は投入を見送った。
(※これはあくまで自分の考えなので、実際にデッキに入れた時・入れなかった時の効果を保証するものではありません)
でも実際、動いているのを見るとかなり強そうには見えるんだよなー。
バイバックする関係で数ターンにわたってキャストするから目立って見えちゃってるってのもあるのかも。
コメント
なんにせよ個人的には色拘束さえ乗り越えられるならコンパルとかよりも使いやすそうな気が何となくしました(小並感
擬態の原形質でも組もうかな、と思っていたんですがあのデッキとは相性がよさそうなので投入を検討してみますw
最後になりましたが昨日はお疲れさまでしたー
前者は『暇なときにライブラリーを掘るカード』
後者は『手札を補充し、アドを取るカード』
的な位置合いかと思いますので、仮に採用するにしても、《集中》等の枠と差し替えるのではいい働きは期待できないと思います。
《グリッドの脈動》は手札を相対的に減らしながらでないと使えないので、印鑑とかのマナファクトをガーっと出して、手札3枚くらいの状態でカウンター構えつつ、カウンター撃たなかったらキャストしてドロー、みたいな動きがおそらく基本形。
感覚としてはドローというよりは、思案とかに近いカードっぽいですかね。
土曜はお疲れー。
自分はその「手札を減らすように大胆に動き、脈動でリカバー」が出来ない手札の時に腐るのを嫌って外した。
「なんか行動+土地セット+脈動」くらいには動けないと使いまわせないから、5マナくらいまで順調に伸びなかった時にバックが期待出来ないと思ったのです。
アドの取り方が「自分が戻ってくる」っていう形のがかなり特徴的。そのせいで差し引き同じながらコンパルと比べると見れる枚数が1枚少ないってのは欠点。その代わり、捨てるカードは何でもよいのが利点。
それを考えると、確かに生物捨てたい擬態の原形質とはかなり相性がいいね。軽いマナでアドが取れて好きなカードを捨てられる。あとは3色デッキで青青を確保できるかどうか。
>zamaくん
《思案/Ponder》のような手札調整カードとして見るって視点はなかった。
そう考えると《秘教の思索/Mystic Speculation》辺りが近いか。バイバックが不安定な代わりにアド得出来る可能性が残る。
でも手札調整カードとして考えると、3マナはちょっと重くない?
このカードの強弱はプレイスタイルにもよるかもしんないですね。
俺はチューター引くと基本的に温存しないでそのとき一番良さそうなものにちゃっちゃと変えてしまうし、デッキに妨害多目に入ってる上にさくさく打っちゃうので手札の減りが激しいという。
だってブンブンいってる時の動きがすげー強そうに見えるんだもんw
使ってる側はどんな感覚か分かんない(意外と「毎ターン3マナ使うの重い」とか思ってたりするのかな?)けど、使われてる側としては殴れない神ジェイスを使われてるみたいな気分になるんだものw
確かにこのカードの強さは、デッキ構築だけでなくプレイスタイルに受ける影響もあるかも知れない。
俺なんかだと、サーチ範囲の広い《長期計画/Long-Term Plans》とかは長めに握ってるタイプだし。
時間の把握にバイバックついたようなもんなので、軽いと言えば軽いし重いと言えば重い。
テフェリーはドブンしてる時以外は意外と手札減らないデッキですし、レモラあたりとも相性悪いんで別にいれなくてもいいとは思いますよ。