《企業秘密/Trade Secrets》
2012年4月25日 EDHカード考察 コメント (5)ドローの日記を書いた時に書いてなかったカードの上、よく考えたら青茶系なら黙ってデッキに投入すべきカードだったじゃん、となったので色々書こうと思う。
まずはその性質について。
1・基本的な効果は3マナで4ドロー出来るという破格のもの。しかしその代償として、対象の対戦相手に2枚ドローを許してしまう。
2・さらに、その対戦相手が望むなら上の手順を繰り返す事が出来る。極論、対象になったプレイヤーが望みさえすれば、撃ったプレイヤーと対象になったプレイヤーがライブラリーを引ききる事が出来るのである。
2の効果から、ネットだとよく「クソゲー発生装置」とか書かれているのを見るけれど、実際はどうなのだろうか。考えていこうと思う。
まず、そもそも2の効果でライブラリーが引き切られる事はあるのか。
確かに二人のプレイヤーがライブラリーを引き切れば、そのゲームで勝つのは恐らくどちらかのプレイヤーになるだろう。
それだけで単純勝率が1/4から1/2へ。そりゃあクソゲー発生装置と呼ばれる訳である。
しかし本当にそれで二人のプレイヤーの勝率が1/2になるのか? 自分はそうではないと考えている。
《企業秘密/Trade Secrets》で引いているタイミングは、キャストしたプレイヤー(以下Aとする)のメインフェイズである。
つまりそれは、企業秘密の解決直後、Aは土地を置いたりマナファクトを展開したり出来るし、そのマナからスペルを自由にキャストしたりも出来るという事なのである。
EDHの青茶系デッキでは、マナに余裕のない無限ドローからでもフィニッシュに繋げるため、《Mana Crypt》や各種モックス、《魔力の櫃/Mana Vault》を初めとするモノリス系など、「マナが増えるカード」が投入されている事が多い。
つまり、タップアウトだろうがなんだろうがそこから勝ちに行けてしまうのだ。
対して対象となったプレイヤー(以下Bとする)は、それに対してインスタントでしか対応が出来ない。しかもカードを引く対戦相手を選ぶのはA。タップアウトしてるプレイヤーを対象に取れば、いくら引かれようとピッチでしか妨害が飛んでくる心配がない。
そんな状況になっては、カウンターを積んでいて、さらにはマナファクトでマナを伸ばしているであろう青茶系相手のコンボを止められるとは思えない。
つまり、Bとしては《企業秘密/Trade Secrets》でライブラリーを引き切る選択肢はありえないのである。
では、互いに即死が見えないであろう範囲で数回繰り返して十分なカードを引くのはどうだろうか? 考えてみると、しかしそちらも現実的な選択肢ではない。
例えば、Bが次の自ターンで溢れない程度の枚数として6枚カードを引いている時、Aは12枚もカードを引いている。
Aがそれで勝つ事はなかったとしても、二人の得られた効果は、
B:手札が満タンになった。
A:手札を満タンにした後、4、5回ルーターで回して質を高めた。
AB二人の勝つ確率は確かに上がったが、それは明らかにA>B>他のプレイヤーという状況である。
しかしもちろん、Aとしては一番状況の良くなさそうなプレイヤーを対象に選ぶだろうから、Bの状況は大きく改善されているとも言える。
つまり、Bとしては《企業秘密/Trade Secrets》を数回までなら繰り返す価値はあるのである。
そうしてAとなるであろう側の自分としては、3マナで破格のドローを手に入れてウハウハとなる。
……あー、やっぱりクソゲー発生措置だったわ。
まあ使う側が勝てるクソゲーだから望む所だけどね!
では、逆にBが効果を繰り返さない選択肢はありえるのだろうか? 自分は、それは十分あり得る選択肢だと思っている。
それが起こりうる状況としては、
1・Aがあまりに突出しているので少し引かせただけで勝ってしまいそう。
2・全員の状況が平たい場。同率1位な順位をわざわざ2位に変える意味がない。
辺りが考えられる。
1の状況はレアだし、そもそも有利なので影響が小さい。
2の状況とは、ごく序盤やリセット後、有利不利の判断が付けにくい場などであるのだが、それはゲーム中かなり頻繁に見かける盤面である。
むしろ2の状況の方が普通、つまり繰り返しを選択する事の方が稀であるとすら考えられるだろう。
そうすると考えるべきは、「自分4ドロー、ただし対戦相手1人が2枚引く」という単発の効果が3マナソーサリーに見合うか、という事になる。
……で、考えると、「引かせる対象を自分で選べる」「多人数戦というリスクが軽くなるルール」「自分の事だけ考えると、たった3マナでの3枚アド」という事から、単体で十分強力な効果であるという結論に至った。
ドローを繰り返される効果についても、上で考察した通り、何回繰り返されても自分が不利になるパターンは一つもない。
むしろ繰り返してくれればくれるだけ嬉しいとすら言える。あまり期待できないが、この効果はリスクというよりむしろオマケと成りうるだろう。
そんな訳で、《企業秘密/Trade Secrets》はEDHの青単デッキでは相当強力なドローカードみたいですよ? という話でした。
自分に勝ちの目しかないクソゲーってのは「いいクソゲー」って言うんだよw
さて。投入決定したのはいいが、デッキから何を抜こうかなー。
生暴君パターンの少なさを考えて《海門の神官/Sea Gate Oracle》を抜くか、それとも軽いが弱い《手練/Sleight of Hand》か、強いが比較的重い《予感/Foresee》か、カウンターやバウンスを1枚削るか……。結構悩みどころだ。
まずはその性質について。
1・基本的な効果は3マナで4ドロー出来るという破格のもの。しかしその代償として、対象の対戦相手に2枚ドローを許してしまう。
2・さらに、その対戦相手が望むなら上の手順を繰り返す事が出来る。極論、対象になったプレイヤーが望みさえすれば、撃ったプレイヤーと対象になったプレイヤーがライブラリーを引ききる事が出来るのである。
2の効果から、ネットだとよく「クソゲー発生装置」とか書かれているのを見るけれど、実際はどうなのだろうか。考えていこうと思う。
まず、そもそも2の効果でライブラリーが引き切られる事はあるのか。
確かに二人のプレイヤーがライブラリーを引き切れば、そのゲームで勝つのは恐らくどちらかのプレイヤーになるだろう。
それだけで単純勝率が1/4から1/2へ。そりゃあクソゲー発生装置と呼ばれる訳である。
しかし本当にそれで二人のプレイヤーの勝率が1/2になるのか? 自分はそうではないと考えている。
《企業秘密/Trade Secrets》で引いているタイミングは、キャストしたプレイヤー(以下Aとする)のメインフェイズである。
つまりそれは、企業秘密の解決直後、Aは土地を置いたりマナファクトを展開したり出来るし、そのマナからスペルを自由にキャストしたりも出来るという事なのである。
EDHの青茶系デッキでは、マナに余裕のない無限ドローからでもフィニッシュに繋げるため、《Mana Crypt》や各種モックス、《魔力の櫃/Mana Vault》を初めとするモノリス系など、「マナが増えるカード」が投入されている事が多い。
つまり、タップアウトだろうがなんだろうがそこから勝ちに行けてしまうのだ。
対して対象となったプレイヤー(以下Bとする)は、それに対してインスタントでしか対応が出来ない。しかもカードを引く対戦相手を選ぶのはA。タップアウトしてるプレイヤーを対象に取れば、いくら引かれようとピッチでしか妨害が飛んでくる心配がない。
そんな状況になっては、カウンターを積んでいて、さらにはマナファクトでマナを伸ばしているであろう青茶系相手のコンボを止められるとは思えない。
つまり、Bとしては《企業秘密/Trade Secrets》でライブラリーを引き切る選択肢はありえないのである。
では、互いに即死が見えないであろう範囲で数回繰り返して十分なカードを引くのはどうだろうか? 考えてみると、しかしそちらも現実的な選択肢ではない。
例えば、Bが次の自ターンで溢れない程度の枚数として6枚カードを引いている時、Aは12枚もカードを引いている。
Aがそれで勝つ事はなかったとしても、二人の得られた効果は、
B:手札が満タンになった。
A:手札を満タンにした後、4、5回ルーターで回して質を高めた。
AB二人の勝つ確率は確かに上がったが、それは明らかにA>B>他のプレイヤーという状況である。
しかしもちろん、Aとしては一番状況の良くなさそうなプレイヤーを対象に選ぶだろうから、Bの状況は大きく改善されているとも言える。
つまり、Bとしては《企業秘密/Trade Secrets》を数回までなら繰り返す価値はあるのである。
そうしてAとなるであろう側の自分としては、3マナで破格のドローを手に入れてウハウハとなる。
……あー、やっぱりクソゲー発生措置だったわ。
まあ使う側が勝てるクソゲーだから望む所だけどね!
では、逆にBが効果を繰り返さない選択肢はありえるのだろうか? 自分は、それは十分あり得る選択肢だと思っている。
それが起こりうる状況としては、
1・Aがあまりに突出しているので少し引かせただけで勝ってしまいそう。
2・全員の状況が平たい場。同率1位な順位をわざわざ2位に変える意味がない。
辺りが考えられる。
1の状況はレアだし、そもそも有利なので影響が小さい。
2の状況とは、ごく序盤やリセット後、有利不利の判断が付けにくい場などであるのだが、それはゲーム中かなり頻繁に見かける盤面である。
むしろ2の状況の方が普通、つまり繰り返しを選択する事の方が稀であるとすら考えられるだろう。
そうすると考えるべきは、「自分4ドロー、ただし対戦相手1人が2枚引く」という単発の効果が3マナソーサリーに見合うか、という事になる。
……で、考えると、「引かせる対象を自分で選べる」「多人数戦というリスクが軽くなるルール」「自分の事だけ考えると、たった3マナでの3枚アド」という事から、単体で十分強力な効果であるという結論に至った。
ドローを繰り返される効果についても、上で考察した通り、何回繰り返されても自分が不利になるパターンは一つもない。
むしろ繰り返してくれればくれるだけ嬉しいとすら言える。あまり期待できないが、この効果はリスクというよりむしろオマケと成りうるだろう。
そんな訳で、《企業秘密/Trade Secrets》はEDHの青単デッキでは相当強力なドローカードみたいですよ? という話でした。
自分に勝ちの目しかないクソゲーってのは「いいクソゲー」って言うんだよw
さて。投入決定したのはいいが、デッキから何を抜こうかなー。
生暴君パターンの少なさを考えて《海門の神官/Sea Gate Oracle》を抜くか、それとも軽いが弱い《手練/Sleight of Hand》か、強いが比較的重い《予感/Foresee》か、カウンターやバウンスを1枚削るか……。結構悩みどころだ。
コメント
まあピラミッドで使う文にはここで書かれてる通りなんで、俺も使おうかしらん。
両方赤青で《大地の刃/Land’s Edge》からそれぞれが土地吐いて一人ずつ落とす、その後片方がライブラリーアウト負けで終わらせる、みたいな話は見た事あったな。
まあそもそも、コンビ打ち言い出したら普通のデッキでも十分勝率上がるだろうしキリのない話だろうけど。
>通りさん
ありがとうございます^^
(′・ω・`)やめなよ